|
===================================================== 発行部数 21 == ★★ 日刊ドラマ速報 ★★ ☆☆ 2005/04/29 (Fri) ☆☆ ====================================================================== == 目次 ============================================================== 1.金曜日の連続ドラマ 2.編集後記 ====================================================================== ---------------------------------------------------------------------- 1. 金曜日の連続ドラマ ---------------------------------------------------------------------- タイトル 雨と夢のあとに 局 名 テレビ朝日系 放映日時 土曜23時15分 キャスト 桜井雨 (黒川智花) 桜井朝晴(沢村一樹) 野中マリア(杏子) 小柳暁子(木村多江) 早川霧子(美保純) 早川岳男(ブラザー・トム) 早川北斗(速水もこみち) 白坂真昼(浅見れいな) 原 作 柳美里 脚 本 成井豊 真柴あずさ 主題歌 − あらすじ 第3話「告白」 岳男(ブラザー・トム)のライブハウスに現れたジャズシンガー野 中マリア(杏子)にサインを求める雨(黒川智花)。マリアは一瞬驚 いて雨をじっと見るが、すぐ笑顔でサインに応じる。そのあとマリア はステージに飛び入りして歌い始める。雨は友達にサインを見せびら かしながら嬉しそうに演奏を聴く。 すると岳男が厳しい顔をして「もう遅いから帰りなさい」と小声で 雨に伝える。岳男の背後の霧子(美保純)もなぜか恐い表情で雨を見 つめている。雨は「大丈夫」と言って残ろうとするが、岳男も霧子も それを許さない。 雨はしかたなく家に帰るが、その途中娘を探し回る母親の霊に襲わ れ、命からがら逃げる。 朝晴(沢村一樹)の部屋。朝晴は暁子(木村多江)と一緒に集中力 を高めるトレーニングをしていた。そうしないでいると朝晴の手がま た透けていき、消えてしまうことになりかねないからだ。 そんなところへ霧子から電話がかかってくるが、朝晴が見えないた め電話には出られない。霧子は「話したいことがあるからまたかける」 と切羽詰った声色で留守電のメッセージを残す。 霧子にはなぜ自分の姿が見えないのだろうと朝晴は腑に落ちない顔 つきになるが、そこへ雨が酔っ払った真昼(浅見れいな)を連れて帰 ってくる。真昼には朝晴が見えないので、朝晴は熱を出したというこ とにしてあわてて自室に引き上げる。 雨は暁子に帰り道幽霊に襲われたことを話す。するとソファで倒れ こんでいた真昼が突然ガバッとと起きて、「幽霊見えるの?」と興味 津々に聞いてくる。そして「明日土曜日だから雨の母親の幽霊に会い に行こうよ」と持ちかける。 雨は朝晴に母親のことを聞きだそうとするが、朝晴は答えようとし ない。雨がそれでも聞こうとすると不機嫌になり怒鳴りつける。 翌朝、雨は昔のアルバムを引っ張り出して母親について調べるが、 何もわからない。かろうじて見つけた手がかりは母親の指につけられ ていた真珠の指輪だった。 雨は朝晴に何も言わず出かけようとするので、朝晴は「どこへ行く んだ?」と止める。雨は「どこだっていいでしょ!」と昨夜の一件で すっかり反抗的になっている。そこへ岳男が田舎から送られてきた野 菜をつめた段ボール箱を担いで訪ねてくる。 不意に電話が鳴る。朝晴は雨に出るように言う。電話は台湾のホテ ルからで朝晴が行方不明になっていると告げてきた。雨は「父はすで に帰国しています」と不快がって切る。朝晴は「ひどい勘違いだ」と 言うが内心動揺が広がる。雨はそんな朝晴を横目に出かけてしまう。 雨がマンションを出てくると真昼が待っていた。朝晴から母親の情 報を聞き出せなかった雨は真昼と一緒に霧子に聞きにいく。 岳男は朝晴に「昨晩どこへ行ってた?」と尋ねる。朝晴は「……ミ ュージックスクールです」とごまかす。岳男は「昨日野中マリアが来 てたよ。あっちは売れてる歌手で、こっちはミュージックスクールの 講師か」とため息をつく。そして自分を励ますかのように「(朝晴の) 次のライブ早めに決めるか」と提案する。 しかし朝晴は忙しいと言い訳して断る。 雨は霧子に母親について聞くが、霧子も詳しく話そうとしない。ど こかしどろもどろといった感じで「ガンで亡くなった」「たしか雨ち ゃんが前住んでた町の大きな病院」とあいまいにしか答えない。 岳男は帰ろうとするが、そこへ暁子が煮物のおすそわけにやってく る。岳男は「いつのまにこんなきれいな人を……20年前にお会いした かったですな」と言って帰るのをやめる。 雨と真昼は昔住んでた町の大きな病院へやってきたが、そこはすで に移転後で廃墟と化していた。真昼は恐がる風もなく中へ入っていく。 雨も後を追うがはぐれてしまう。病院内は薄気味悪く、車椅子に乗っ た手が異常に長い幽霊が見えたりしてすっかり恐くなる。 急に真昼の叫び声が聞こえる。雨が慌ててかけつけると真昼は男の 幽霊に押し倒されていた。雨が助けようとするとその幽霊は雨に襲い かかってくる。雨が悲鳴をあげたそのとき部屋の中の照明がついて、 女性が現れる。その女性は「子どもに手を出さないで。消えなさい!」 と厳しい口調で言う。すると男の幽霊は消えてしまう。 驚く雨がその女性の手を見ると自分の母親がつけていた指輪をして いたので、自分の母親だと確信する。 岳男は朝晴と自分について暁子に話したりと軽いノリで暁子の関心 を引いている。そこへ霧子から電話がかかってくる。岳男は「代わっ てだって」と携帯電話を差し出すので、朝晴はうろたえる。暁子が機 転をきかせて朝晴のズボンにコーヒーをこぼし風呂場へ行かせる。 そのころ、雨は病院の敷地内のベンチで母親である香澄(高橋由美 子)と話をしていた。一緒に朝晴に会いに行こうと雨は頼むが、香澄 は朝晴は会いたがらないだろうと言って会いにいこうとしない。 一方何とか事なきを得た朝晴だが、また電話がかかってくる。暁子 が代わりに出るのを見た岳男は「何で出ないんだよ」と苦笑する。朝 晴は「ノドを痛めていて」とかわすと、岳男は朝晴と暁子が半同棲な のだろうと想像してニヤニヤしだす。 電話は雨からで、母親に会えたから今真昼が朝晴を迎えに行ってい るということだった。驚いた朝晴は岳男と一緒に病院へ向かい、手分 けして雨を探す。そして香澄に朝晴の話をしている雨を見つける。一 方岳男は病院内で幽霊に出くわし逃げ回っていた。 朝晴は雨に香澄と2人だけで話したいといって雨を遠ざける。朝晴 は「あんた誰だ?娘をからかうのはやめてくれ」とにらみつける。香 澄は「ボランティアしてるの」と何食わぬ顔をしていて、「ほら、雨 が見ているから抱きしめて」と言ってくる。 真昼は暁子に霊に襲われたことを話す。暁子は落ち着いた様子で 「それは集団催眠。誰かが霊を見たというと他の人もその気になるも のなの」と答える。真昼は釈然としないが言い返せない。 雨は朝晴、香澄と3人で話をする。雨に会いたくて天国へ行かなか ったという香澄に、雨は「自分は大丈夫、お父さんがお母さんの分ま で頑張ってくれてるから、安心して天国へ行って。ごめんね、私のせ いでこの世に縛り付けて」と涙を浮かべながら話す。 そんな雨の姿に罪悪感を感じた香澄は自分がうそをついていたこと を白状して雨に謝る。雨は母親がつけた指輪をしていると言うが、香 澄は「これはどこにでもあるものよ」と言い、最後に「母親に会おう としちゃだめよ」と言い残して消える。 雨は朝晴とともに家に帰るが、押し黙って朝晴と口をきこうとしな い。朝晴は香澄が母親でないとすぐ言わなかったことを雨が怒ってい るのだと思いこみ、「だから、何度も謝っているだろう。けどなんで 母親に会いたがるんだ。俺じゃ不十分なのか?今まで母親のことなん て口にもしなかったじゃないか!」と怒鳴ってしまう。暁子が「雨ち ゃんはショックを受けているんです。雨ちゃんはしばらく私が預かり ます。少しは冷静になってください」と言って雨を自分の部屋に連れ て行く。 1人になっても朝晴はいらだって落ち着かない。するとそこへ香澄 が現れる。そして「あなたは雨ちゃんのことわかってない」と切り出 す。 雨は、暁子に「私、幽霊が見えるようになるまでお母さんに会おう と一度も思わなかったんです」と打ち明ける。そして「傷ついたのは むしろお父さんなんです。1人で一生懸命私を育ててくれたのに」と 涙ぐむ。 香澄は朝晴に「あなたは自分のことしか考えてなくてみっともない。 雨ちゃんはあなたのことばかり考えてるわよ」と責める。香澄は「雨 ちゃんは朝晴が来るまで自分に朝晴のことばかり話していた。雨ちゃ んはお母さんが恋しいわけじゃなくて、お母さんにお別れをしたかっ ただけ。もっと雨ちゃんを大事にしなくちゃ」と続ける。 痛いところをつかれた朝晴は思わず「俺と雨をひっかきまわして何 を言っているんだ。だいたいあんたはなんで成仏しないんだ?」とカ ッとなる。香澄は「わかんない。長くこの世にいるとどんどん忘れて いくのよ、自分がなんで死んでしまったかということも」と淡々と説 明する。朝晴は「じゃあ俺もいつかは雨のことを忘れるのか……」と 呟く。香澄は「たぶんね。だから忘れる前にできることは何でもやっ ておかないと」とだけ言って去っていく。それを聞いた朝晴は「あり がとう」と考え直す。 翌朝、雨が戻ってくると朝晴はやさしく出迎え、いっしょに蝶の標 本作成をしてすっかり仲直りする。そこへ岳男から電話がかかってく る。岳男は「お前うそついたな。蝶の採集に行ったきりミュージック スクールに顔出してないだろ」と問い詰める。朝晴は香澄の言い残し た「忘れる前にできることは何でもやっておかないと」という言葉を 思い出し、ある決意を持って岳男に会いにいく。 朝晴は岳男に自分が死んで幽霊であることを告げる。岳男は笑って 信じないので、朝晴はカウンターにあった包丁で自分を刺してみせる。 それでも岳男は信じきれないが、そこへ霧子が「ピアノの調律終わっ た?」と覗き込む。岳男の狼狽した様子を見た霧子は「……あんたち ょっと変」と朝晴に気づかない。岳男は愕然とし、「どうすんだ、雨 ちゃんを一人ぽっちにすんのか?」と泣き出す。朝晴も泣きながら岳 男に「今までどおり雨のそばにいたい、だから協力してほしい」と頼 む。 その日の放課後、雨が下校しようとすると、校門のところにマリア の車が停まっていた。マリアは雨にちょっと話があるからと言って車 に乗せる。マリアは「あなたのお父さん、ベーシストの桜井朝晴さん よね」と雨に言う。雨は「ご存知なんですか?」と驚くが、マリアは 微笑を浮かべるだけで多くを語ろうとしない。 寸 評 朝晴と雨を見ていると、雨のほうが断然大人に見えてしまいます。 香澄が言ったように朝晴は自分のことしか頭になくて、雨は朝晴のこ としか頭にない状態です。これだと雨が心配で死んでも死にきれない というよりは子離れできない未練たっぷりの父親という感じです。大 人と子どもの違いは他者への思いやりの度合いだと個人的には思って います。自分中心であればあるほど子どもと言えます。そんなわけで、 雨がなぜ朝晴を慕うのかがいまだにしっくりこないです。ここがこの ドラマの核ですので十分納得いくものでないと面白みが半減してしま います。男手ひとつで育てられたからということが説明理由になって いるとは思いますが、結構放任で1人蝶の採集に出かけていたりして いることや、雨がしっかり者というのが理由づけを弱くしていると思 います。 執 筆 者 ケン() ---------------------------------------------------------------------- 2. 編集後記 ---------------------------------------------------------------------- 今クールで視聴する3本を決めました。 1本目が「雨と夢のあとに」です。これはあらすじを書くのと、今まで興味 のなかったホラーに挑戦してみようという理由です。 2本目が「夢で逢いましょう」です。第1話を見たときはありがちな父娘ド ラマと思って候補からはずそうと思ったのですが、第2話を見た後考えが変わ りました。理由としては人物の性格付けがしっかりしているからです。ヒロイ ンの設定ですが、家事をやらない自宅通いの子という反面、結構周りには気を 使う性格というところがただのわがままでなくて魅力的ですね。そして脇を固 める男性陣。自信家のIT社長、頼りない歯科クリニック経営者、のんびり屋 の幼なじみ、いずれもしっかり書かれていて、ストーリーを引き立ててます。 平凡なありがちなストーリーでも人物の性格付けがしっかりしていると面白く なる好例だと思います。欲を言えば父親の頑固だが内心娘思いというのがあり きたりなのでもうひとひねりあればという感じです。 3本目は「恋に落ちたら〜僕の成功の秘密〜」です。これは「あいくるしい」 とどっちにするかで迷いました。正直一長一短です。前者は今をときめくIT が盛り込まれていて見所があるんですが、反面「お金がすべてじゃない」とい うメッセージ性が強すぎて説教っぽく感じるのがネックです。後者はほのぼの した家族愛がいいのですが、そういう人間味あふれた家族の舞台が田舎という のが新鮮味を感じさせずいまひとつ盛り上がりを欠いている気がします。家族 の結束を固くする動機付けが母親の不治の病というのもありがちな感じがしま す。迷った末、結局設定に新鮮味がある前者にしました。(ケン) ====================================================================== 発行元:ドラマ研究会 e-mail:info@j-drama.tv url :http://www.j-drama.tv/ ID :MM3E195F16414CD このメールマガジンは、メールマガジン[MailuX]を利用して発行しています。 (http://www.mailux.com/) ====================================================================== |