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タイトル:Daily Drama Express 2005/03/01 みんな昔は子供だった (8)  2005/03/08


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2005/03/01 (Tue) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.火曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 火曜日の連続ドラマ
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タイトル みんな昔は子供だった
局  名 フジテレビ
放映日時 火曜22時
キャスト 照崎アイ子(国仲涼子)
 矢吹昭平(陣内孝則)
 佐上柾 (瑛太)
 旗ゆかり(白石美帆)
 田所肇 (筧利夫)
 佐上欣也(大杉漣)
 高木ナツ(風吹ジュン)
 矢吹龍平(深澤嵐)
 中村美紀恵(滝沢沙織)
脚  本 水橋文美江

あらすじ  第八話 『母の涙と僕の歌』

 森の水分校。
 アイ子(国仲涼子)は、作文の授業で『10年後の自分』について
書くように言う。
 「10年後 またここに集まって、今日書いた作文を読むというの
は どうですか?」
 モモ(伊藤沙莉)は原宿のショップの店員、ワタル(糟谷健二)は
サッカー選手と それぞれが書き進める中、龍平(深澤嵐)は ノー
トに題を書いただけで手を止め、大きくため息をつく。

 職員室では、この間の中間報告会を視察に来た市長から連絡が入り、
分校存続を再検討してもらえそうだと、佐上(大杉漣)は 顔をほこ
ろばせる。
 「田所先生のお陰ですよ。先生の力と言葉が 市長に届いたんです」
 田所(筧利夫)は 思いがけない話に、再び自信を取り戻したよう。
 ナツ(風吹ジュン)が「見たかったー」と 口惜しそうに言う。

 その頃、この村には間違っても似合わない 都会風の身なりの女性
が、バス停に降り立っていた。

 下校時刻。
 迎えに来た柾(瑛太)に 龍平がぼやく。
 「他の子にはなりたいことがあるのに。おれ、この村のことしか知
らないから、何になったらいいのか よく分かんない…」

 矢吹食堂。
 田所が『音楽コンテスト』のビラを 店に貼ろうとしているところ
に、龍平が帰宅、おもむろに、田所に尋ねる。
 「田所先生は 19歳の時何してたの?」
 「ニュージーランドに留学してたかな」
 「ニュージーランドって、東京?」
 とんちんかんな質問に 大きくコケる昭平(陣内孝則)。田所が説
明すると、
 「みんな東京に行ったことあるのに、おれだけない」と、龍平はつ
ぶやく。
 龍平は 今度は昭平に向かって いきなり頭を下げる。
 「父ちゃん、おれも東京行きたい! いろんなもの 見たい!」
 「ダメです。東京には怖い魔物が住んでるんです。強い意志と勇気
を持っていなければ、食べられちゃうんです」
 昭平は首を横に振って、夕食の支度を始める。

 職員室。
 アイ子は、東京で受け持った『入江悠』という男子生徒が、この春
から公立の中学に進学することになったことを、佐上から教えられる。
前の小学校の校長から 連絡があったのだと佐上は言う。
 ――中学受験に失敗し、卒業証書さえ受け取ってもらえなかった 
入江悠のものいいたげなまなざしを思い出し、アイ子は複雑な表情を
見せる。

 ――――アイ子先生、父ちゃん、柾にい、ぼくの知らない東京に、
ぼくがあこがれていた東京に、みんなは 複雑な思いを抱えていた。
東京は 遠いようで近く、近いようで遠い場所だった ――――

 宿泊センターに届ける夕食を 車に積み込むのを手伝っていた龍平
は、見知らぬ女性の視線に気づく。
 「!! みっちゃん?!」
 笑顔で近づく女性に、昭平は、愕然として立ちすくむ。
 それは、昭平の別れた妻 つまり龍平の母親、橋本美智子(とよた
真帆)だった。
 6年ぶりに村に戻って来た美智子は、東京でデザイナーの夢が叶い、
表参道に店まで構えるほどになった。

 宿泊センターでの夕食を終えて、柾とともに家に戻った龍平だった
が、なかなか 家の中に入ろうとしない。
 そこに アイ子がやって来た。龍平の作文に『ぼくは何も知らない
ので、10年後の自分は書けません』と あったからだ。
 「急がなくていいですから、じっくり考えて書いてください」
 と、ノートをポンと 龍平に手渡す。
 美智子が アイ子に挨拶するのに店先に出てくるが、嬉しいはずの
龍平の表情がさえないことに気づくアイ子。

 アイ子と柾は 暗い田舎道を歩いて帰る。
 「複雑なんだろうな、龍平」
 龍平の気持ちを 柾は思う。龍平が物心ついたときには、既に美智
子はいなかったのだから、急に 母親と名乗られてどんな気持ちなの
かと 心配しているのだ。
 「そういえば、あいつ 悩んでたよ。『10年後の自分』」
 「ああ」
 「分かるけどな。俺も卒業式の時 作文書いて タイムカプセルに
入れて埋めたんだ。けど、思い出せないんだよなあ…」
 掘り起こす日に行けず、そのままになっていると 柾。

 龍平は机に向かうが、背後から見守る美智子の目が気になって な
かなか筆が進まない。
 美智子は、手土産に持ってきた 自社ブランドのニットベストを 
龍平に着せてみる。
 「よく似合ってる」
 戸惑いながら「ありがとうございます」と言う龍平。

 夜中。龍平のアルバムをめくる美智子。
 「いつまでこっちにいるんだ?」
 と昭平。美智子はあいまいに「いつまでかな」と笑う。
 昭平が「店の方は?」と心配しても、「大丈夫」と全く気にしてい
ないようだ。

 翌日。図工の授業に 美智子が顔を出す。
 「誰?」
 アイ子から 龍平の母親と聞き、モモたちは興味津々。
 「あんたの母さん、何やってんの?」
 「ファッションデザイナーだって」
 「へえー。ショップとか持ってんの?」
 「表参道に 小ちゃいけどお店開いてるんだって」
 モモや詩音(野村涼乃)から「かっこいい」とか「モデルみたい」
とか誉められ、龍平はまんざらでもない様子。

 職員室では、柾があの『タイムカプセルの中身』を探していた。
 柾の話を聞いた佐上が、柾の探しているのとは違う棚から、ダンボ
ール箱を出してくる。
 箱の中から、自分が小六の時に書いた 作文の封筒を発見した柾は、
さっそく作文を読み始める。
 「過去を振り返ってばかりでいいのか? 山村留学ももうすぐ終わ
る。宿泊センターの仕事はなくなるんだぞ。そろそろ 将来のこと 
考えたらどうだ」
 「言われなくたって分かってるよ」
 柾は作文を読み終えると 箱をかたずけ、怒ったように職員室から
出て行く。

 宿泊センター。
 昼間から 庭でぼんやりしている柾。ゆかり(白石美帆)が テー
ブルの上に置かれた 作文を取り上げて読み出す。
 「佐上柾は 10年後きっと 小学校の先生になってると思う…」
 「小六の時に書いた手紙…。10年後の自分へってやつ? 子供の
頃の俺が今の俺見たら、がっかりするだろうな…」

 矢吹食堂のテーブルに、ところ狭しと並べられたおもちゃ。美智子
が 龍平にと買ってきたものだ。
 「うちはな、誕生日とクリスマス以外は おもちゃは買わないこと
になってるんだ。こんなにポンポン買い与えたら、物のありがたみが
分からない子になっちまう。みっちゃんが帰ってから面倒見るのは 
この俺なんだから」
 「…帰らなかったら? 私がこのままここに残るって 言ったら?」
 美智子の言葉に 愕然とする昭平。
 「…会いたかったの、龍平に。あの子と離れたこと、何度も後悔し
た。帰りのキップ、持ってないの。…そのつもりで来たの。親子3人
で やり直したいの…」
 二人の会話を 寝床でこっそり聞いていた龍平が、飛び起きて店に
出てくる。
 「本当?! 母ちゃん 帰ってくるの?」
 「本当だよ…」
 昭平は、複雑な思いで 二人を見つめる。

 子供たちが登校した後の 宿泊センター。
 昭平はゆかりに、昨晩美智子から「ヨリを戻したい」と言われたと
 話し出す。
 「あいつがそう簡単に 自分の夢 捨てられるはずないんだ…」
 昭平がこの村に戻ると決めたとき、何にも言わずに着いてきた美智
子。デザイナーになる夢は あきらめたかのように見えたが、実は 
龍平を育てながら寝る間も惜しんで デザイン画を描いていた。
 過労で入院した先の病院のベッドの中で、『デザイナーになりたい。
龍平を連れて もう一度東京に出たい』と 美智子は泣いた。
 「――本気で 夢追いかけるなら、自分ひとりで東京に行け。龍平
のことはあきらめろって 言ったんだ。それくらいの覚悟がないんだ
ったら、ハナッからあきらめちまえって。そしたらあいつ 悩んで悩
んで、夢を選んだんだ…」

 矢吹食堂。
 龍平は学校から帰るなり、ずっと気になっていたことを 美智子に
尋ねる。
 「母ちゃん、デザイナーの仕事は? 母ちゃんの夢 やっとかなっ
たんでしょ? こっちにいたら出来ないじゃん。 大丈夫なの?」
 美智子は「子供は心配しなくていい」と笑うだけ。

 アイ子は 入江悠に手紙を書いたのを ポストに出せないまま 家
に戻ろうとしていた。途中、ぼんやりあぜ道に腰掛けていた 龍平を
連れて帰った。
 おばあちゃんの作ってくれた お焼きを頬張りながら、「美智子が
元気がないように見える」と話し出す龍平。
 「おれ、母ちゃんには かっこいい母ちゃんでいてほしいんです。
でも、それがうまく言えなくて――」
 「勇気がほしいですね、大事なことを伝える勇気…」
 同じように 悩みを持っているアイ子にも、答えを出せないでいた。
 「先生! おれ がんばります!」
 龍平は、それでも自分なりに答えを見つけたようで、ピースサイン
を見せる。

 同じ頃、矢吹食堂では、昭平が美智子を問い詰めていた。
 「何かあったんだろ? こっちに戻ってこようなんて 本気で思っ
てるワケじゃないんだろ?」
 美智子はとうとう、本音をもらした。
 「――最近ね、うちの服、全然売れないの。一人でがんばるの、疲
れちゃった…」

 その夜、店のカウンターで 美智子は一人泣きながら デザイン画
を破っていた。龍平が その姿をこっそり見つめていた。

 翌日。森の水分校。
 『音楽コンテスト』のビラを 廊下に貼っている田所に、龍平が尋
ねる。
 「これ、優勝したら東京行けるの?」
 「龍平、おまえ 通信簿の音楽の欄、何て書いてあった?」
 「…もっとがんばりましょう…」
 田所は、音楽の成績があまりよくない龍平に「ものすごーくがんば
らないとダメ」と アドバイス。龍平はうなずいて、ダッシュで学校
を出て行く。
 「そんなに東京 行きたいのか…」
 田所がつぶやく。

 その頃、『星の見える丘』でナツと美智子が 話していた。
 「龍平くん、いい子に育ったでしょ?」
 「想像したよりずっと。毎日毎日 想ってた。一度も忘れたことな
い。龍平が望むなら、ここで暮らしてもいいと思ってる」
 「それはどうかな。あなたが望むんじゃないと…。龍平くんのせい
なんかにしたら、かわいそう」
 ナツは 美智子の本音を すっかり見抜いていたようだ。

 帰宅した龍平は、昭平に「音楽コンテストに出場する」と言い出し
た。優勝賞品が『東京お台場ツアー3日間』と知り、昭平は怒る。
 「そんなに東京に行きたいのか。だったら 自分の力だけでやって
みろ」
 家を飛び出した龍平は、まっすぐ学校の職員室へ駆け込む。
 「先生! 特訓してください!」
 アイ子は訳がわからず、目を丸くする。

 アイ子は、龍平の気持ちをくんで、歌の特訓を始めた。宿泊センタ
ー、登下校の道の途中、『星の見える丘』…と 場所を選ばない特訓
が続く。
 コンテストに出ると聞いて、美智子は「あの子も音楽好きなんだ」
と笑うが、「すっげえ音痴なの!」と昭平はあきれて言う。

 いよいよ『鹿沢市民ふれあい音楽コンテスト』当日。
 昭平はもちろん美智子、柾やゆかり、アイ子、森の水分校の子供た
ちが 応援に駆けつけた。そこには何故か 美紀恵(滝沢沙織)の姿
もあった。美紀恵は「田所に誘われた」と言うが、その田所の姿は見
えない。

 ――田所は、龍平とともに控え室にいた。
 「負けないからね」
 二人の間に 小さく火花が散る。

 「エントリーナンバー5番、森の水分校学年主任 田所肇さんで
す!」
 舞台に登場した田所は、口ひげをつけ、暑苦しい柄のスカーフを巻
いている。
 司会の紹介とその姿に、耳と目を疑う龍平の応援団。
 「何やってんだ、あいつは」
 と昭平は呆れ顔。美紀恵は 子供たちに冷やかされている。
 田所は、巻き舌バリバリ、青筋を立ててオペラ曲を熱唱した。

 次は龍平の番。だが、舞台に立った龍平は、客の多さにドキドキ緊
張してしまい、うつむいてしまう。会場はざわめきだす。
 柾や子供たちが「がんばれ!」と声をかけるが、それも効果がない。
 それまで 客席で固唾を飲んで見守っていた昭平だったが、突然立
ち上がると、舞台の袖に向かう。
 「こんなことでビビッてたら、東京なんて行けねえぞ。おまえ 母
ちゃんのためにがんばるんだろ? おまえなら出来る! 強い意志と
勇気を持て!」
 龍平はうなずき、マイクに向かう。曲は『上を向いて歩こう』。
 舞台袖で、昭平も一緒に歌を口ずさむ。
 決して上手とは言えない 龍平の歌声を聞いて、美智子の目が潤み
だす。この曲は、昭平との思い出の曲だったのだ。

 ――優勝は、田所だった。その瞬間 龍平はがっくりとうなだれる。

 会場ロビー。
 「母ちゃん、優勝できなくてごめんね」
 龍平は、優勝賞品の『お台場ツアー』を、帰りの切符を持っていな
い美智子にプレゼントするつもりだったのだと 打ち明ける。
 落ち込んでいる龍平に 田所が話し掛ける。
 「ほら、がんばったからな、特別授与だ」
 龍平は 礼を言って受け取ると、目録を 美智子に手渡す。
 「母ちゃん、東京の魔物に負けちゃったんでしょ? だから帰って
きたんでしょ? おれ、母ちゃんには負けないでほしい。夢、あきら
めないでほしい」
 美智子は 涙をこらえて 目録を受け取る。
 龍平は振り返って、今度はアイ子に向かって言う。
 「アイ子先生、10年後の自分 発表していいですか?」
 「どうぞ」
 とアイ子は 微笑む。
 「10年後の自分、何をしてるのか分かりません。でも父ちゃんの
ように強くてかっこよくて 優しい人間になっていたいと思います。
そして母ちゃんのように 夢を追いかけている人間になりたいと思い
ます」
 そして、あの夜美智子が破っていたデザイン画を、テープで不器用
に修理したのを、美智子に手渡す。
 「これ…?」
 「破いちゃだめじゃん。せっかく父ちゃんが旅立たせてやったのに、
夢 簡単に破いたりしちゃ。応援してるから、今度は父ちゃんとおれ
で 旅立たせてあげるから、もう一度 がんばってきて」
 美智子は泣きながら 龍平を抱きしめる。

 ―――― いつかぼくが 本当に強い意志と勇気を持ったとき、母
ちゃんに会いに 東京に行こうと思う。だから、その日がくるまで、
ぼくは 強い大人を目指すんだ ――――

 村に戻ったアイ子は、先日書きなおした入江悠への手紙を ポスト
に入れると、何か胸のつかえが取れてすっきりしたかのように 歩き
出す。


寸  評  田所先生はひょっとしたら、龍平のために出場したのかも知れま
せん。もしも自分が優勝しても、賞品は龍平に渡そうと決めていたの
かも。しっかし、ニュージーランドに留学って、一体何しに行ってた
んだか。
 ところで、この田所先生の歌った曲、何というのでしょう。いろい
ろ調べたけど、結局分からずじまい。ホントによく聞いて知っている
曲なのに。たぶん有名なオペラの中の歌曲と思うんですけど…。あー、
無知な自分が歯がゆい!

執 筆 者 三森(anponhana@mail.goo.ne.jp)

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2. 編集後記
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 ついに カゼをひいてしまいました。私が機能しなくなると、家の中はぐち
ゃぐちゃですが、だーれも気にしない様子。寝ている私だけが「あそこにほこ
りが…」「おやつのかすが…」と気にしているのです。
 本当にこのまま、知らーん顔してゴミだらけにしてやってもいいんだよ、私
は。ふふふ。(三森)

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発行元:ドラマ研究会
e-mail:info@j-drama.tv
url   :http://www.j-drama.tv/
ID  :MM3E195F16414CD 
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