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◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆ 2005/02/26 『世界自然遺産の島』 屋久島発・田舎暮らし通信(第123号) http://www.yakushimapain.co.jp/ 屋久島パイン株式会社 ◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆ このメールマガジンは、北海道から屋久島に移住し、現在弊社屋久島支店の社員が 本人の移住経験を踏まえまして、屋久島の日常を発信しています。 ●ミシン 「また、ミシンの調子、見てもらえませんか?」 「いいですよー」と、Sさん。 何度か、見てもらっている。 Sさんは、普通の主婦。 でも、何でも直してしまう。 電気製品も、たいていのものは、直ってしまう。 「今回は、針先が曲がっているだけだったよ。なんか、硬いものでも縫ったの?」 「気が付かずに、ボタンまで縫っちゃって、ボタンが割れてしまったんだよね。」 「まあ、針を取り替えれば大丈夫でしょう。」 屋久島には、ミシン修理屋さんは10年位前、確かにあった。 今、あるかどうかはわからない。 その時は、二回見てもらって、1ヶ月くらい待たされて、「あんたのミシンを直すの は、すごく大変だった。」といわれ、高い修理代を請求された。 何度も修理に出すと、新しいミシンが買えるなと思った。 ミシンくらい、自分で直せなければと思った。 私のミシンは卓上式なので、普通に縫うくらいは、私でも出来る。 屋久島に来るときに、友達が贈ってくれたものだ。 ミシンのセールスをしていた友達。 家には、お客さんの手放した、古いたくさんのミシンがあった。 昔風の足踏みミシンを、私は使うことが出来なかった。 どうしても逆に回転してしまい、こんな厄介なものは使いたくないと思っていたの で、縫い物から遠のいていた。 車のファンベルトみたいなものがついていて、よほど気を使わないと、すぐに機嫌 を損ねる足踏みミシンは、単なる机になっていた。 手縫いでも良いのだが、ミシンがあると、早くきれいに仕上がるので、頻繁には使 わなくても、持っていたいもののひとつだ。 屋久島で単身の男の人は、繕い物は手縫いでされるようだが、さすがにミシンを使 っているという人は、ほとんど聞いたことがない。 なので、頼まれてミシンで縫い物をすることがある。 簡単な修繕とか、簡単なものを作ったりする。 だからといって、私が縫い物を好きなわけではないし、たまにだからできること。 ミシンを長いことケースから取り出さないでいると、ゴキブリが住むようになる。 暗くて住み心地がいいらしい。 ゴキブリの糞がベタベタついていて、ミシンの調子が悪くなったりするのは、それ が原因なのではと思う。 近頃は、使い捨てとか市販のものは、いくらでも安くていいものが手に入る。 ここ屋久島でもそう。 しかし、繕ったりすると、まだまだ使えるものが多い。 それを実行しようと思っている人には同感。 一昔前の都会のごみステーションは、宝の山とも思えることがあった。 そのころは、粗大ごみの前夜に、捨てるものを置いていく人が絶えなかった。 私の知人は裕福な人ではあったはずなのに、粗大ごみの前の日になると、夜のごみ ステーションを回るのが、日課になっていた。 一緒に回ったことがある。 その人は当たり前のように、宝物を選び車に詰め込んだ。 何箇所かごみステーションを回っていると、私がほしいと思っていたラジカセが。 「修理したら使える。」というので、直してもらって、それをしばらく使っていたの だった。 その人が言うには、別にほしいものがあるわけでもないし、買えないわけでもない。 でも、捨てられているものを見ると、直して復活させたい気持ちになる。 そして、ほしい人にあげたりしているという。 趣味だと、その人は言っていた。 捨てる神あれば拾う神あり。 屋久島のごみステーションは、文字通り本物のごみだけなので、ほっとする。 最近は、特にごみステーションに、使えそうなものが捨てられていない。 それは、拾う側からすると残念なのだが、とてもよい傾向だ。 屋久島の主婦Sさんも、私に繕い物を頼む人たちも、何か同じものを共有している ようで、思わずほくそえんでしまった。 ★★☆★★★★☆★★★★☆★★★★☆★★★★☆★★★★☆★★ 屋久島パイン株式会社 http://www.yakushimapain.co.jp/ 発行責任者 角谷和雄 kakutani@yakushimapain.co.jp 本 社 東京都千代田区麹町1丁目8番14号 屋久島支店 鹿児島県熊毛郡屋久町原914番地 ★★☆★★★★☆★★★★☆★★★★☆★★★★☆★★★★☆★★ |