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タイトル:Daily Drama Express 2005/02/01 みんな昔は子供だった (4)  2005/02/09


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2005/02/01 (Tue) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.火曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 火曜日の連続ドラマ
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タイトル みんな昔は子供だった
局  名 フジテレビ
放映日時 火曜22時
キャスト 照崎アイ子(国仲涼子)
 矢吹昭平(陣内孝則)
 佐上柾 (瑛太)
 旗ゆかり(白石美帆)
 田所肇 (筧利夫)
 佐上欣也(大杉漣)
 高木ナツ(風吹ジュン)
 矢吹龍平(深澤嵐)
 中村美紀恵(滝沢沙織)
脚  本 水橋文美江

あらすじ  第四話 『愛と挫折の星座』

 もうすぐ節分。教室では、鬼のお面を作っている子どもたちの姿が
あった。
 「出来るだけこわそうなお面 作ってくださいね」
 と 見て回るアイ子(国仲涼子)。

 その頃 職員室では、校長の佐上(大杉漣)、田所(筧利夫)、柾
(瑛太)の三人がいた。渋い顔で「豆まきなんて」と言う田所に、
「日本の伝統行事を教えるのも 山村留学にとって意義がある」と佐
上。
 「ここはひとつ、公平にジャンケンといきましょう」
 佐上が 机をポンとたたき、立ち上がると――「じゃーんけーん
ぽーん!」
 ――…鬼役を決める、重要なじゃんけんに負けたのは チョキを出
した田所だった。
 「田所先生だったら 『素』でいけますよ、鬼の役」
 と笑う柾の前で、田所は チョキを出したまま固まっている。

 その夜。宿泊センター。
 「鬼は〜外! 福は〜内!」
 豆まきが始まった。それぞれが升を手に、鬼の面を着けた田所にむ
かって昭平(陣内孝則)の炒った大豆を投げつける。
 「もっとスナップをきかせるんだ!」
 と昭平は 思い切り豆を投げつけて はしゃいでいる。だが、モモ
(伊藤沙莉)、風太(高木優希)は 相変わらずやる気がなさそうだ。

 ゆかり(白石美帆)は「うるさいなあ」とつぶやきながら、部屋で
荷物の整理。久しぶりに開けた 押入の中から、がらくたの入った缶
が落ちてきた。ゆかりは、その中にあった『星座早見表』を懐かしそ
うに 手に取る。

 豆まきの最中、「やってらんない」とモモは一人 女子部屋へ戻っ
た。と、平机の下に 大きなムカデが!!
 モモの悲鳴で駆け付けた田所と柾は、すぐにムカデを退治。二人は
「こてんぱんにのしてやった」と、子供たちの待つ 居間に戻ってく
る。
 「ムカデ1匹見たら、100匹いると思え、って言うじゃない?」
 その風太の一言に、モモと詩音(野村涼乃)は青ざめる。
 ――結局女子二人は「今晩だけ」の約束で、ゆかりの部屋に寝るこ
とになった。

 アイ子は昭平と、龍平(深澤嵐)を真ん中にして、まるで本当の親
子のように手をつないで帰る途中、「豆を食べるのを忘れた」ことに
気づく。
 「年の数だけ豆を食べれば、今年1年、健康に暮らせるんだ」
 と、昭平が龍平に教えて聞かす。
 「よろしかったら…先生も…どうですか? うちで“豆”でも…」
 昭平の誘いに、アイ子は「今日は遅いから」と断り、帰ってしまう。

 ―――― 先生の後ろ姿は とても楽しそうに見えた。顔は見えな
かったけど、きっと にこにこしながら、歩いていたんだと思う。
 その時ぼくは 思ったんだ。先生は、どうして 笑顔でいられるん
だろう ――――

 モモは安心したのか ぐっすり眠っている。だが、詩音とゆかりは
 なかなか寝つけずにいた。
 ゆかりがトイレにたった隙に、詩音は気になっていた押入れを開け
てみた。
 すると、ダンボール箱に天体望遠鏡らしいものが…。

 ゆかりが居間の戸を開けると、驚いたことに 風太がこたつにあた
りながら受験勉強をしていた。
 ゆかりは、風太に「受験の時よく飲んでた」と 甘い甘い紅茶を渡
す。
 「受験、したの?」
 「したわよ。こう見えてもね、私 頭いいの」
 「東大、受かるくらい?」
 「あったりまえでしょ? ま、行ったのは仙台の大学だけどね…」
 「何で 地元の大学にしたの? ふつう、東大行けたら行くんじゃ
ないの?ぼくだったら そうするけど」
 「…君は、何で 東大行きたいの?」
 「日本で一番の大学だから」
 風太はまだ、勉強を続けるようだ。

 ゆかりが部屋に戻ってくる足音が聞こえ、詩音は あわてて押し入
れの戸を閉め、寝たふりをする。

 翌朝。森の水分校。
 「望遠鏡?」
 詩音の話に、ワタル(糟谷健二)と新(熊谷知博)は「7等星も見
えるかなあ」と 興味津々。
 「望遠鏡なんて、使わないで見なきゃ 意味ないじゃん」
 と龍平は独り言を言う。

 その頃、ゆかりは 持ってきた天体望遠鏡のことなど忘れているか
のように田んぼのあぜ道にぼんやり座っていた。そこに 往診の途中
らしいナツ(風吹ジュン)が 通りかかる。
 「研究、進んでる?」
 ゆかりは「ぼちぼち」と 気のない返事。
 「ゆかりちゃん、星見るの大好きだったもんねー。夏も冬も、夜に
なると旗じいとここに来て、星見てた…」
 「昔はね」
 「…今は 違うの?」
 「…」
 黙りこむゆかり。ナツは、「一つのことを ずっと好きでいるのは
しんどい」と ゆかりの気持ちを思いやる。

 放課後。宿泊センター。
 望遠鏡で星を見るために、アイ子も一緒にやってきたが、残念なが
らゆかりは留守。待ちきれずに、ワタルが望遠鏡の入った箱を居間ま
で 持ってきてしまった。
 子供達が中身を取り出していると、折悪しくゆかりが帰ってきてし
まった。
 「ちょっと! 人のもの、勝手に触らないでよ!」
 ワタルの手から、部品を取り上げる。
 「これ高いの!壊されたら 困る!」
 とゆかりは 声を荒げ、さっさと望遠鏡を箱に片付けると、箱を抱
えて部屋に戻っていってしまった。

 その夜。
 柾は、ゆかりの様子を気にして「何かあったのかな」とアイ子に話
す。
 「大人だから、いろいろあります」
 とアイ子。

 休日。
 宿泊センターでは、柾が 使い古しのこたつ布団を家から持込み、
古いミシンをどこからか探し出していた。ゆかりがその様子を白けた
感じで見ている。
 「今でも、星好きなんだー。…何だっけ?、あれ。円盤みたいなや
つ」
 柾は、ゆかりの部屋で見つけた『星座早見表』のことを 思い出し
た。
 「あんなふうに、大事にとっててサ、ちょっとすごいなあ、と思っ
た」
 「あんなもん、ただの紙くずじゃん」
 そこに、自転車を走らせてアイ子がやって来た。テーブルの上のこ
たつ布団とミシンを見て、嬉しそうだ。
 アイ子の下宿まで運ぶのを 柾に頼まれ、しぶしぶゆかりは引き受
ける。

 「昨日はすみませんでした」
 アイ子は、天体望遠鏡のことを謝った。
 「ゆかりさんは、星のエキスパートなんですよね?」
 「…残念ながら、その道は絶たれちゃったけど…。研究の成果、持
ってかれちゃってさ…」
 ゆかりがこの村に戻ったのには、そういういきさつがあったのだ。
 「7等星、見たことありますか? 自分の目で」
 「肉眼で、見れるわけないでしょ?」
 「龍平くんはね、見えるんです。だから、みんなと約束しているん
です、春までに自分の目で7等星、見られるといいねって」
 二人は自転車を押しながら、すっきり晴れた冬の道を歩きつづける。

 矢吹食堂。今日は 店もお休み。
 龍平は店先にたらいを出し、手洗いをしている。
 店内には、赤いジャケットの『宅配さん』を待つ、田所が。だが、
昭平から「今日は『宅配さん』もお休み」と聞き、愕然としている。
 「まちぶせ見たいなことしねえで、男らしく、キメたらどうだ?」
 昭平が 田所に言うと、田所はすっかりその気になっているよう。
 「これは、あくまでもたてまえの話であってよ、思い通りにならな
いのが現実なわけよ…」
 アイ子への想いが空振り続きの昭平の口から、本音と“ためいき”
が漏れる。

 アイ子の部屋。
 アイ子は、こたつ布団にハサミを入れると いくつかのパーツに分
け、ミシンで 縫い始めた。
 週末子供たちが下校するとき、みんなばらばらの体操着袋を持って
いるのに気づいたアイ子は、おそろいの袋を作ろうと思ったのだ。

 宿泊センターでは、子ども達がたらいで 自分の体操着を洗ってい
た。そこに 例の『宅配さん』美紀恵(滝沢沙織)が車をつける。ゆ
かりに届け物だ。
 「でかいね。何食べたら そんなに大きくなれるの?」
 とワタルが聞くと、美紀恵はぎろりとにらみ「牛乳です」と一言。

 ゆかりへの届け物は、仙台の母親からだった。食べ物や衣類などが
詰まった中に、1冊の天文学の雑誌が入っていた。
 ゆかりがそのページをめくると、ゆかりの研究成果を さも自分の
もののように 発表している助教授の記事があった。
 ゆかりは雑誌をゴミ箱に叩き込むと、たまたま落ちていた『星座早
見表』をいらいらしながら 窓から外へ投げ捨てる。

 今夜の夕食は おでん。
 昭平は、柾の家の『布団』を アイ子の下宿に運んだと聞き、「君
たち、どーいう関係?」と 柾をにらみつける。

 その夜遅く。
 ゆかりが居間をのぞくと、また 風太が勉強していた。どうしても
解けない問題を「教えてほしいんだけど」と ゆかりに頼むが、ゆか
りにはその気はないようだ。
 「やめちゃえば? そんなの解けなくたって、生きていけるわよ」
 「やめたら 大学行けないじゃん」
 「大学行って、何すんの?」
 「…分からない」
 風太は、ふとこの間の会話を思い出す。
 「地元の大学、お姉さんにとって一番だったから行ったんでしょ?
 お姉さんにとって、一番って 何だったの?」
 「――何だったっけ、忘れちゃった…」
 ゆかりは口ごもりながらそう言うと、部屋を出て行った。

 翌朝。
 夜から降り続いている雪で 村中すっかり雪化粧。雪の降る中を、
アイ子が走って 宿泊センターを目指す。胸に紙袋を抱えている。

 「父ちゃん、父ちゃん、見て、これ! アイ子先生がくれたの!」
 朝ご飯の準備に追われる昭平の元へ、龍平がうれしそうに駆け寄る。
 「体操着入れにどうぞって! 龍平くん、持ってないでしょうっ
て!」
 昭平は、龍平が持っている『体操着袋』を見ると、あまりに突然の
“特別”なプレゼントに驚き、大音響でステンレスの盆を床に落とす。
 「アイ子先生の、手作り…?」
 居間に座ったアイ子に 昭平は 若干興奮しながら話し掛ける。
 「うちの龍平に結構なものを頂きまして、ありがとうございます。
矢吹昭平、光栄であります!」
 だがこたつの上を見て、昭平はがっかり。龍平が“特別”ではなく、
そこには みんなのが並んでいたのだ。
 その『体操着袋』は、名前が一つ一つ手で刺繍され、紐の色で区別
がつくようになっていた。
 「あれ、徹夜だよ、きっと」
 と柾がアイ子のことを誉めると、ゆかりは アイ子の笑顔を見つめ
ながら「何であんなに笑っていられるんだろ」と つぶやく。
 「でも、ああ見えて結構いろいろあったみたいだよ、東京の学校で
さ。そんで この村に来たって、親父が言ってた。俺もあんなふうに
なれたらなって思うよ」
 アイ子の笑顔の下には、そんな過去があったと ゆかりは初めて知
る。

 登校前、子供たちはさっそく袋の中に体操着をつめる。
 「教師って、そんなに楽しいの?」
 とゆかりがアイ子に尋ねる。
 「楽しいですよ。好きですから。子供達みんなの笑顔が見られるこ
とが 私にとって一番なんです」
 ゆかりはその言葉に、はっとする。

 森の水分校。
 廊下のフックに下がった おそろいの『体操着袋』を見かけて、佐
上が首をかしげている。
 「うちのに似てるなあ、こたつ布団…」
 がらっと教室の戸が開き、「この間、豆を食べなかったから」と 
アイ子が豆まきのやり直しを 佐上に提案する。

 その夜。宿泊センター。
 居間では、今度はナツと昭平も入れた5人で、鬼役を決めるじゃん
けん。
 「じゃーんけーんぽーん!」
 今度も田所が チョキで負け。それを見て昭平が高笑い。
 「言っただろ?こいつ、ガキの頃から 最初はチョキしか出さない
んだ!」
 昭平の言う通りにして勝った三人の目の前で、田所はチョキを出し
たまま固まっている。

 アイ子は、ゆかりの部屋に行き、豆まきに誘う。
 「それと、これ。忘れ物です」
 それは、『星座早見表』だった。ゆかりが外に投げ捨てたのを、詩
音が拾ったのだ。アイ子は「待ってますから」と 声をかけた。

 「鬼は〜外! 福は〜内!」
 豆まきが始まったようだ。だが、風太はまた勉強している。ゆかり
は 風太の隣に座ると、この間聞かれた問題を 解いて見せた。
 「思い出したよ」
 とゆかりは 風太に『星座早見表』を手渡す。
 「私にとっての一番。――私ね、ちっちゃい頃から 星が大好きだ
ったの」
 「それが、お姉さんにとっての『一番』?」
 「そう。だから、天文学で有名な大学選んだの。星ばっかり眺めて
て、子供の頃の夢 実現できて…。考えてみたら、幸せだったんだよ
ね。なのに、いつのまにか そのこと忘れてた…」
 風太は、じっとゆかりを見上げる。
 「自分にとっての『一番』のためだったら、勉強するのも悪くない。
大学に行くためにがんばるんじゃなくて、これだって思うものに が
んばれば、それはきっと、無駄にはなんないと思う」
 ちょうど「鬼は〜外!」と言いながら入ってきたアイ子に誘われて、
ゆかりと風太も 豆まきの輪に入っていった。

 「それではみなさん、年の数だけ 取ってください」
 豆を数える子供たち。誰よりも多く取っているナツを見て「いっぱ
い食べられていいな」と龍平。ゆかりとアイ子は 同じ24個だった。
 「これ、使っていい?」
 ゆかりの持っていた『星座早見表』を見た詩音が 恐る恐る尋ねる。
 「いいよ」
 とゆかりが微笑むと、詩音も微笑み返した。

 アイ子と子供たちが外へ出て、『星座早見表』を頼りに 夜空を見
ていると、天体望遠鏡を持ったゆかりがやってきて、それを手早く組
み立てる。
 「あとは、任せたから」
 「?」
 「私、子供嫌いなの」
 ゆかりはアイ子にそう言って、一人縁側に腰掛ける。
 みんなが順番に、望遠鏡をのぞかせてもらうことになり、その度に
「すげーっ」とか「わあ」とか 感動の声が聞こえる。ゆかりもまん
ざらではなさそうに、笑顔でこちらを見つめる。
 「おれは、見ません。あんな文明の利器を使わなくても 星は見れ
ます」
 と ヘソを曲げていた龍平も「試してみるだけ」とアイ子に促され、
望遠鏡の方に飛んでくる。
 風太が ゆかりに近づく。
 「今じゃなくてもいいよね? 自分にとっての『一番』を見つける
こと…」
 「いいんじゃない? おいおいで」
 ゆかりは笑う。
 風太の番になった。風太も興味深く 望遠鏡を覗き込んでいた。
 ゆかりも楽しげに、夜空を見上げていた。

 ―――― ぼくは 気が付いたんだ。あくびがうつるみたいに、先
生の笑顔は ぼくたちにうつるってこと。そして もう一つ。ぼくた
ちの笑顔も、アイ子先生に うつるんだってこと。だから先生はいつ
も 笑顔でいられるってこと ――――


寸  評  私も実は、やりたい事や夢など考えなしに ただ勉強して大学に
行ったクチです。最初は何にも思わなかったけれど、卒業が近づくに
つれて「一体何のためにこの大学(学部)を目指したのだろう」と 
考えるようになりました。
 大体、夢がありませんでした。その時その時、やりたいことだけを
やってきた感じで、将来的な展望など考えもしない、最悪の若者だっ
たと思います。友達や先輩・後輩達と出会い、楽しい学生生活だった
ことには間違いないけど、何かしら後悔の残る、学生生活でした。今
回はマジで、そういうことを考えさせられました(今さら、ですが
ね…)。
 ところで、ゆかりは大学を辞めてきたのでしょうか? 「その道が
絶たれた」ということはそういうこと? 荷物も引き上げてきてるみ
たいだし、ここに永住を決めるなら(柾に「永住」するなら別とし
て)、職探しも考えないと。この村にゆかりの望むような仕事は 大
してなさそうだしなあ。

執 筆 者 三森(anponhana@mail.goo.ne.jp)

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2. 編集後記
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 今、ホームページ作りに夢中です。自分の好きな絵本の紹介のホームページ
を作成中ですが、なかなか「蔵書数」が増えなくて、まだ公開は先のこと。で
きればホームページに記述した通り「2005年2月20日」に公開出来れば
いいのですが。
 大体、サイトのタイトルがいまいち決まってない! 「絵本の紹介」だけで
はなくて、「料理」とか「日記」のコンテンツも予定しているのです。何か、
いいタイトル、ないかなあ。(三森)

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発行元:ドラマ研究会
e-mail:info@j-drama.tv
url   :http://www.j-drama.tv/
ID  :MM3E195F16414CD 
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