メルマガ:ep-finance
タイトル:[ep-finance] 買い物上手の背中に見える市場原理とは?  2005/01/22


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         [[ e p - f i n a n c e ]]

         edition: 22-Jan-2005

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こんばんは。
発行人しております、shi でございます。

emichanproduction.com
http://www.emichanproduction.com

で、毎週連載中の経済小話を紹介して行きます、本メルマガは
発行人の知識と経験をもとにいろいろな、社会人なら
知っておきたい話から、こんなこと知ってるのは、金融業界の
ほんの一握り!といったカルト話まで、盛りだくさんで進めて
いこうと思っております。

さて、新年の誓いをあっという間に反故にしてしまってますねぇ…。
ごめんなさい。

いつものように言い訳です(笑)
いやぁ、実は年末年始に普段使っていたPowerMac G3 B&W という
8年もののマックでデジタルビデオで取った職場から花嫁への
メッセージを編集して DVD に焼こうと作業したら、DVDへの変換に
1日半掛かったので、さすがにこれは遅すぎると思うものの、
最新の G5 なんて高くて買えないから、ということで、
そのCPU を買ったときの G3-400Mhzから G4-1Ghz に交換しようとしたのです。

あ、ちなみに、昔はこんなことは普通では出来ないのがマックの
マックたるところだったのですが、この 10年くらいのモデルはだいぶ
AT互換機(って今でもいうのかな)に近づいてきたので、グラフィックボードを
換えたり、高速インターフェースに入れ替えたりすることが容易に出来る
ようになっているのです。とはいえ、心臓と言える CPU の交換は正直
二の足を踏んでいたのですが、状況が状況だけに年始にチップを買ってきたのです。

で、最初に必要なソフトウェアをインストール、ということで、インストールを
開始した瞬間
「one moment」
で止まったまま3分。さすがにこれは one moment ではないと思い
リセットボタンを押したら…起動しなくなりました。
マックをご存知のなら分かると思うのですが、どうもSystem Folder を読み書き
していたようで、その後調べたら OS9 の起動ファイルを破損していたのです。

そのお陰で、改めてハードディスクを買いなおして新しくシステムを
作らねばならなくなり、とはいうものの、平日はいつものように遅いし、
土日も菊屋のお仕事だし…で、つい今週の頭に新しく作り直したシステムに
古いデータを移し変える作業を終えたのです。

とはいうものの、最新のOS をわが愚弟に貸し出していたため(マルチライセンス
だから問題ないですよ:-)手元にあった OSX のバージョンがひとつ古いものだったので
ちょっと遅いし、今まで使っていたソフトもそのバージョンのためにコンパイル
しているみたいなので起動しないので、まだ完全復帰していないのです…

ということで、何の事はない、物を書く時間だけが取れず終い、という
いつものことでした(笑)

さて、今回のコラムですが、お金を使う、という話の大詰めとして、
今週の中ごろに日経のサイトでも話題になった、金券ショップについて
ちょっと考えてみたことをまとめてみました。

<<<<<<<<<<<<<<<<<< financial talk >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
 [お金について思うあれこれ : 金券ショップとリスクの関係]

よく買い物上手は「金券ショップ」を使う、と言われている。
事実、私の友人で某高速道路公団に勤める人も
「高速に乗る前には回数券を金券ショップで買わなきゃ」
とすら言うくらいだ。

実際に金券ショップに行くといろいろな入場券や回数券、
商品券などが整然と並べられ、しかも額に違いはあれど
少なくとも普通に買う値段よりは安く売られているのを目にする。

当然彼らも商売でやっているので、この売価より安く仕入れているはずで、
そこには金融市場に見られる「ビッド・オファー・スプレッド」のようなものが
あたかも存在しているようである。

そもそも、彼らが仕入れてくる相手はなぜそんな額面より安い金額で
売ってしまうのだろう。まずそのあたりから考えてみよう。

最近問題になった「首都高道路公団」の回数券の偽造の例はさておき
# 実際は同じようなものだろうが。。。
たとえばこの回数券を(買った人を含め)持っている人は、使わないと
そのメリットを生かすことが出来ない。ところが、買ったはいいけど
諸所の事情で使えない、もしくは使い切れない、となれば、あきらめて
どぶに捨ててしまうか、もしくは代わりに使ってくれる人を探すことになる。
経済合理性を考えれば、どぶに捨てるよりは売って幾ばくかのお金を得たほうが
いいに決まっている。

もしくは、どういうわけか抱えてしまったけれども、お金が必要で
売らざるを得なくなったか、というところだろうか。

要は換金が目的、というところだから、そうなると売る側にしてみれば、
相手が仲のいい友達ならば捨てるよりはましだし、ということであげちゃう
でしょうし、もし売れるならば、もともとあきらめて0になるよりはまし、
ということで適当な値段で売ってもいいはずだ。とはいえ高く売れるに
越したことは無い。

買う側はどうだろう。ただでもらえればこれに越したことは無いものの、
商売でやっているとなれば、(特別の相手で無い限り)そうもいかない。
といっても、額面で買ったのでは儲けはでない。となると、少なくとも、
相手の仕入れ値に対してどれくらいの割引率を当ててあげるのがいいか、
という問題になってくる。

たとえば、都営地下鉄の回数券は 10枚分のお値段で11枚購入することが出来る。
となると、実はそもそも回数券1枚の値段は額面の 10/11 が買値、ということに
なる。でも、これでは都営地下鉄で買うのと同じになるので商売にならないので、
じゃあ、ということで、いくつかのファクターを考えることになる。
たとえば…都営地下鉄の回数券の有効期限は3ヶ月です。ということは、
もし買って一月経った回数券を買うとなると、本来より短い残り2ヶ月しか使えない
ということになるので、その分だけ買う側には損なので安くして、という
交渉が出来る。さて、この1か月分のディスカウントっていくらでしょう。

もし回数券の価値が時間とともに償却されるという考え方だけに依存できるのならば
1ヶ月経ったので 1/3 を償却した、と考えて、残りの 2/3の価値しかないという
話に出来るかもしれない。
実際、一度残り一ヶ月しか使えない東京ディズニーリゾートのチケットを
新橋の某金券ショップに持ち込んだときに、「期限が短いですねぇ…」と言って
見事に元値の1/3以下の値段を言われて、売るのをやめて知り合いにあげたら、
ご丁寧に気を利かせてその値段以上のお土産を買って来てくれた、という話も(笑)。

とはいえ、これはかなり乱魔で、他の業者さんに負けてしまうでしょうから
少なくとも都営地下鉄がこの券を買い取る金額は考慮しないと駄目ということになる。
都営地下鉄のサイトによれば、回数券の買取価格(正確には払い戻し)は

回数券の運賃 - (「その区間の普通運賃」 X 「使用済みの枚数」 + 手数料: 210円 )

ということですから、回数券を11枚買って全部を払い戻してもらうと
金額にかかわらず同じ値段で割り引かれて払い戻してもらえることになる。
しかも、期間がいつであってもだ。時間的プレミアムはない、ということだろうか。

となると。。。あとは、期限切れになる前(金券ショップであれば売れるまで)に
紙切れになるリスクを入れる必要があるかもしれない。
公共機関であればいいかもしれないが、よく謝礼の換わりに現金だとあまり。。。
というときに渡される「百貨店共通商品券」は、どこの百貨店でも
使える、という触れ込みになるが、見落としがちだが致命的、というものがある。
それは、「百貨店共通」というものの、発行した「百貨店」が倒産した場合には
使えなくなってしまう、というものだ。

なので、もし手元に「百貨店共通商品券」があっても
「いつでも買い物に使えるからいいや」
なんて思っていたら紙切れになっていた、なんて話も実際あるので注意が
必要だし、一度見直したほうがいいかもしれない。

いずれにせよ、どこの「百貨店」の「商品券」かで割引率を変える、という
芸当が必要になっているように思うと、なんとなく「手形の割引」のような
問題に見えてきた。

あとは、その入場券や回数券が「売れるかどうか」という「流動性」の問題
もあるだろう。たとえば、東京で「サガン鳥栖(失礼!)」の試合のチケットが
飛ぶようには売れないだろうから、そうなると、売れ残って紙切れになる
リスク分安くしないといけない、というのは筋がとおるだろう。

そう考えると、回数券や入場券のディスカウント市場と言うのは、案外
普通の金融で考えるような考え方でみることが出来るといえるが、
そもそも、この手の前売りはその発行した会社の債権の一種とみれば
当然と言えば当然かもしれない(笑)

さて、こんなディスカウントが当然に見えてしまう金券ショップですが、
どういうわけかプレミアムがつくものがある。
「切手」と「プリペイドカード」
です。その使い道を上記のように考えればディスカウントになるはずなのに、
これらだけはその図柄の希少性などのお陰で額面とは関係の無い値段で
取引されるが、これは「お金」の代わりとしてではない理由なので、
ヤフオクのような「そういう市場」で適宜やってもらえばよく、
「スマートな支出」の観点から見るならば、「お金ほどの流動性」がないの
だから「額面より安くて当然!」という結論だけでよく、
それを買い物の直前に手に入れて使えばいいはずなのだ、多分(笑)

最後に、生活に入り込んでいる会社の債権、と言う観点でプレミアムも
ディスカウントも付かない不思議なものがあるので一言。
Edy や Suica、Icoca として知られている電子マネーだ。
これ、当然この発行会社に対するデポジット(預け入れ)でしかなく、
ということはその会社に対する債権にもかかわらず、特に利息もプレミアムもなく、
といって特定のお店でしか使えないから流動性もないのに、等価交換。
しかも、金券ショップで買えるわけでもない。
そう考えるとあまりメリットが無いように思えてきてしまう。。。

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ちなみに、日経の記事と言うのは、需給の関係からか、金券ショップで
出回っている国内の格安航空券(この場合、株主優待の航空券)の価格の
下落が見られる、というもの。結局いろいろな意味での市場の原理と言うのが
いろいろな二次市場(転売可能な市場)で見ることが出来る、というところでしょうか。

さて、前回ちょっと触れた信託業法の改正ですが、ちょっと愚痴交じりで
もう少し触れてみましょう。

本来新規参入をしやすくする意味もこめての改正だったはずですが、
実際には事務水準の要求と責任レベルが高くなっていることから、
なかなか難しいところがあるように見える改正となってしまったようです。

また、法文からの解釈で不透明な部分が多いことから、多くのパブリックコメントが
出たもののそれに対する回答も不十分で、補強する政省令も証券化という観点から
見ると明確でない部分もいまだに多いことから、

「何か受託者の事務ミス以外で起きたトラブルはスキーム上の問題点という
 ことで、そもそも投資家が飲むべきところだからいいじゃん」

という、本来の導管体の役割でしかないはずの信託に不必要な義務と責任が
落ちてきてしまっている、という感が否めない状態になっている、と言う感じです。

お陰で、これから出張だけが増えるようにしか思えないのは
私が楽天的だからでしょうか(笑)


ところで、ご存知の方もいらっしゃると思いますが、

ビジネス本レビューの

           ep-books <http://melten.com/osusume/?m=18931&u=18930>

では、今スキルアップ思案中です。

80年代や90年代のポップスの紹介をする
        
           ep-music <http://melten.com/osusume/?m=18932&u=18930>

で、アンビエントハウスから派生した音楽を追いかけてます。

また、ep-update <http://melten.com/osusume/?m=18652&u=18930>で
この3つをダイジェストを中心にいろいろアップデートしたことや
はみ出したネタなどをご紹介して行こうと思っております。


そして、発行人のもうひとつの顔、浅草のお土産屋のお兄さんとしての
浅草ガイド、
         info-asakusa <http://melten.com/osusume/?m=18835&u=18930>
も、ぜひご覧くださいね。

いろいろな所にアンテナを張りながら執筆しておりますが、
「こんなネタ教えて?」
とか、
「これってどういうこと?」
というご質問から、
「それって嘘でしょ?」
というご指摘まで、いつでも大歓迎ですのでお気軽に
メールくださいね。

さて、今日は土曜で本当はお店に居ないといけないのですが、
うちのみすけくんがインフルエンザに掛かったので
おうちで療養に付き合っています。

。。。私に感染しないか???

では、皆様、体には気をつけて。
# って自分が一番やばいっすね(笑)


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