メルマガ:南米旅行記
タイトル:南米旅行記  2004/12/12


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南米旅行記No.48(2004年12月12日 Sun.)


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Index
1.今週のコラム
2. 株
3.メキシコ旅行記XIX
4.南米旅行記XLIX
5.あとがき

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今週のコラム

近くにある上新電機でサルバドールのDVDを999円で売ってい
た。この映画はオリバー ストーンが1986年に監督した作品で
アカデミー賞の候補にもなったらしい。

棚には4〜5個のサルバドールの箱が並んでおり、「最近の日本人は
この手の映画をみないんだよな」といいながら思わず衝動買いして
しまった。といっても999円だから、この値段で衝動買いと言っ
ているエドワルドは、相当せこ〜い人間のようだ。(笑・・・

内容は、酒、ドラック中毒のあるジャーナリストが、金儲けのた
めに内戦中のエルサルバドルへサンフランシスコからオンボロ車
で旅するところから始まる。バックに流れているイーグルスの曲
がなんともいえない。エドワルドにとって遠き青春の思い出が
蘇ってくるようだ。

彼等がエルサルバドルに着くといきなり軍隊に捕まり装甲車に拘束
されるのだが、その時多くの人々が地べたにうつ伏せに寝転ばされ
るている中から若者が引っ張り出されて頭を打ち抜かれるシーンは
強烈である。

相棒が淋病にかかって薬局のおば〜さんに大きな注射器をお尻に打
たれるコミカルな場面もあるのだが、全体的に人々が殺されるシー
ンや死体の映像が多くリアリスティクである。やはり、ベトナム戦
争で兵士として従軍したオリバー ストーンだからこそ描けるのだ
ろう。

映画が進むと共に、殺人のシーンや死体に慣れてマンネリ化した頃
に、戦闘シーンで普段着を着た騎馬軍団が政府軍の護る要塞に突撃
してくるシーンがあったり、観衆を飽きさせないように工夫されて
いてプロの拘りが感じられる。

全体を通して多くの殺人シーンや死体を見せられた後、ラストで
苦労してアメリカまで連れてきた彼女が国境を越えたところで
アメリカの移民官に捕まり、彼女がエルサルバドルへ送還された
ら「殺され〜る」と叫ぶジャーナリストの姿は、世の中の理不尽さ
を味あわされる。それも同じラテン系の移民官が摘発するのだ
からやりきれない。

まあ、みなさん999円で安売りしていることだし、騙されたと
思って買ってみてはどうでしょうか? なに、レンタルで十分だっ
て。それもそうだな。しっつれいしました。(笑・・・

あ、それから、昨夜上新電機に行ってDVDの安売りをチェック
するとサルバドールが一個しかなかった。やはり、いい映画なの
だろう。日本人もなかなかやるわい。

エドワルド

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最近の株は不可解で読むことができませんので、お休みです。

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メキシコ旅行記XIX

年も押し迫りもう12月30日だ。正月を海沿いの町で過ごすのも
いいな〜と思ってベラクルスに行く事にする。昨日、グアダルー
ペ寺院へ行った日本人と同じ部屋で寝たので寝不足だ。日本人とい
えども外国では信用することはできない。お尻の貞操を奪われるか
もしれないし、パスポートや全財産を取られる可能性もある。

やはり、知らない人間と部屋をシェアーしなければよかったと思い
ながら、エドワルドは東バスステーション(メキシコシティには
長距離バスステーションが3つある)に着いた。寝不足でボーと
した頭をかきながら、切符を買うための列に並ぶといきなりメキ
シコ女性が話しかけてきた。

「どこの国出身なの?」

「日本ですけど」
この頃になるとエドワルドも旅行書に乗っている少しのスペイン語
くらいは理解できるようになっていた。
「これからどこへ行くの?」
「ベラクルスだけど」
「じゃ、メキシコシティにまた戻ってくる」
「戻ってくるけど」
「じゃ、戻ってきたら、電話してね」と彼女がいいながら紙の切
れ端に自分の電話番号を書いて手渡した。
メキシコの女性は本能のまま生きている。街で好みの男性を見つける
と躊躇なく話しかけてきて、友達になろうとする。日本人と比べ、す
べてにおいて自由に生きているといえるかもしれない。スペイン語が
流暢ならベラクルス行きを中止して彼女に付いていくのだが、どう言
っていいかわからないので、エドワルドとしては断念するしかなかっ
た。残念。

バスは、子供の頃テレビで見たアメリカのテレビ番組「逃亡者」に出
てくるような感じで、ボディが丸みを帯びている。なんともいえない
懐しさが漂う。アメリカでもトレールウエィ(アメリの長距離バ
ス会社グレイハンドの対抗馬)のバスは大体旧式のこのタイプだが、
メキシコではほとんどのバスがこれである。

バスに乗り込むと前の席に若いアベックが座っていたので、エドワ
ルドに嫌な予感が走った。案の定、目の前はキスの嵐である。女性
の方がエドワルドの好みだったから、もうたまらない。それに静か
なキスだったらいいのだが、壊れかけの椅子の背もたれをギッコン
バッタンと前後左右に動かせるほど激しいものだったから堪らない。
エドワルドは、思わず英語で「Silence」と叫んだ。

アベックは「チ〜ノが」という目でエドワルドを凝視したが、とり
あえず静かになった。メキシコではほとんどの東洋人が空手かカン
フーをやっていると思っているようで、こんな時に喧嘩にならな
いのである。改めて、ブルース リーやジャッキー チェンの恩
恵を受けていることを再認識する。エドワルドは彼らに感謝した。

ベラクルスに夜12時ごろ着いた。正月前といえども北回帰線の
南に位置し、高度0mにあるベラクルスは暖かい。今さらホテルに
泊るのも勿体無いので、海岸沿いで寝ることにする。せこ〜い。(笑
・・・

海は真っ暗である。初めてのメキシコ湾。この向こうは海賊が跋
扈したカリブ海だなと思うと、無性に行きたくなった。今いるベ
ラクルスも、ドミニカのボカチカ海岸もあまり変わりないだろう
が、人間の感情とはそんなものだろう。

バックパックを枕にして浜に横になった。潮騒の音が聞こえてく
る。昔の彼女の笑顔に包まれて記憶が遠のいていった。

つづく・・・

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南米旅行記XLIX

 プーノにはボリビア領事館がありビザを取りに行く。大使が出張中と
いうことで、国境でビザを取ることを薦められる。

 小型のバンが国境の小さな町ユングウノに着く。ビザは問題なく
US10ドルで取れ、簡単にボリビアに入国できた。入国してからも、
やはり小型バンに乗り、コパカバーナへ。途中に、アイマラ族の祭り
だろうか、女性達が大きな奇妙な被り物を頭から被り踊っている。
バスの中から写真を撮ろうとすると、女性がこちらに手を伸ばして
カメラをとろうとした。写真を撮られると魂を盗られると思ってい
ると何かの本に書いてあったが、グアテマラの自分の姿を写真に撮
らしてお金を請求するインディオとはまったく違う。

コパカバーナからは小型バスに乗り換える。ここから、ラパス(ボリ
ビアの首都)まで5時間ほどだ。チチカカ湖を渡らなければならないと
ころがあり、バスを降りて、小型バスがやっと乗れる平たいフェリーに
バスとは別々に乗り20〜30メートルしかないチャンネル(湖峡)を
対岸へ渡る。

時刻は、午後5時、西に傾いた太陽が湖面に反射して、きらきら輝き、
すべての物を黄金色にしている。このアンデスの鮮やかな美しさを語ろ
うとしても、それに値する言葉がこの地球上に存在するだろうか。とに
かく、美しいのだ。

バスは真っ暗な中、円を描いてすり鉢の中を下りていくようだ。ラパ
スは巨大な盆地の中にあり、端の高いところと中央の低いところの高低
差が500メートル以上はあるだろう。眼下を見ると天井が逆さまにな
ったように街の光りで溢れている。(思わず、「街の灯りがとても素敵ね、
横浜、ブルーライト横浜」という歌を口ずさんでいた。話は横にそれるが、
若き日の石田あゆみは綺麗だったね。うひうひ〜。)天井の星と、眼下の
明かりで、まるでプラレタニュームにいるような錯覚が私を襲う。そこ
をまるで、銀河鉄道999のようにバスが滑り降りていく。空の彼方に
流れ星が走る(そんな都合のいいように流れ星がでるわけがないじゃ
ないよと白けないで感動してね)。エィズでありませんようにという
願を掛ける。

バスを降りて、適当なホテルをサウスアメリカンハンドブック(英語
版の旅行書)で見つけチェクインする。キト、クスコ、プーノを旅して
きて体が高度順化しており、息苦しくなく、体調は完璧だ。

 チェ ゲバラが命を落とした国、ボリビア。アルゼンチンで生を受
けた彼は、この国で生を失った。ラテンアメリカ史に燦然と輝く英雄で
ある彼が死んだ国に一歩を印す。

腹が減ったので、福本君とチャイニーズレストランへ行く。スペイン
語で働いている初老の東洋人に話しかけると、彼がオーナーで中国人
であるということだった。中から女性が出てきた。彼女は女房で韓国
人であると紹介される。

食事をしていると、二人が喧嘩をはじめ中国語と韓国語が飛び交い激
しくなってきた。こんなところで第二次朝鮮戦争を見るとは思わなかっ
た。親父は、気分が悪いのか、店に入ってきたボリビア人を手で押して、
怒鳴りながら追い出してしまった。バスに乗るだけで退屈していた我々
は思わぬ見世物を心から楽しんでいた。

つづく・・・・・

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あとがき

日本の財政赤字が政府歳入の10倍以上ある理由で、道路公団の
民営化や年金改革をやっていると思ったら整備新幹線で、北海道
九州の福岡〜八代だけでなく、福岡〜長崎、富山〜金沢まで新規
着工が決められたとか。こんなんで700兆円以上あると言われ
てる財政赤字が解消されるんでしょうか。

それも新幹線の造り方が嫌らしい。既成の事実を作るために必要
性の欠く端の方から造りだすのだから、国民を馬鹿にしていると
しか思えない。

なんか、嫌な国に生まれたような気がするのは私だけだろうか?

エドワルド

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