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======================================================================== ━┓→ N┃→ 仮想力線電磁気学 ━┛→ ======================================================================== ------------------------------------------------------------------------ ●第77回 第4章・遠隔作用と疑似近接作用(その7) ------------------------------------------------------------------------ 当メールマガジンを御購読いただき、誠にありがとうございます。 今回も、遠隔作用の特徴について解説します。 第1章と重複するところがありますが、重要な部分ですので、復習を兼ねてお読 み下さい。 なお、このメルマガは等幅フォントで御覧下さい。 **************************************** 26.選民的ではないが平等でもない **************************************** 前回までの話で、遠隔作用では作用を受ける相手を選ぶことはできない、という ことを述べました。 つまり、近接作用で見られるような選民思想的な考え方は通用しない、というこ とです。 このため、作用を受ける相手は無数になる、ということでした。 さて、それでは、その作用により、全ての物体(を構成する素粒子)は同じ量の エネルギーを「平等に」受け取ることになるのか?、というと、決してそうでは ありません。 もちろん、あらゆる条件が全く同じであれば、同じ量のエネルギーを受け取るこ とになりますが、そうでなければ受け取るエネルギーの量は物体ごとに異なって きます。 現実的には、全ての物体が同じ条件にあるということはまずあり得ないので、エ ネルギーの配分は不平等になります。 場合によっては、ある特定の物体にエネルギーを一人締めにされてしまうことさ えあります。 このように、遠隔作用には、 『選民的ではないが、平等というわけでもない』 という一筋縄ではいかない特徴があります。 このため、思いもよらないものが関係してきたり、思わぬ不均一が生じたり…と いったことが起こることになります。 そして、こうした特徴のおかげで、従来、量子論や相対論によってしか説明でき なかったことが、これらの理論なしで説明できることになるのです。 **************************************** 27.選ぶも均すも人為 **************************************** ここで、是非とも気付いてほしい重要な問題があります。 それは、作用を受ける相手を「選ん」だり、作用を受ける相手(複数)の条件を 同じ(「均一」)とみなしたりするのは、ともに、その問題を解こうとしている 『人間』が勝手にやっていることである、ということです。 もし、本当は複数のものがかかわってくることなのに、一つに限定して「選ん」 でしまったとしたら、間違った結論に至るのは当然ですよね。 一方、条件が異なるものを、条件は同じと「均し」てしまったら、これまた間違 った結論に至るでしょう。 どちらの場合も、『人間』が間違いを犯しているのです。 したがって、正しい結論に至るためには、こうした誤った行為(「選ん」だり、 「均し」たりすること)をやめるのが合理的な解決策でしょう。 ところが、世の中には、そうしたがらない人たちが沢山いるのです。 彼らは、間違いをごまかすために、巧妙な屁理屈をでっち上げ、結果を強引に合 わせようとします。 しかも、そうした屁理屈を「天才の閃き」などと崇めています。 そうした屁理屈が何と何であるかは、もはや言うまでもないでしょう。 要するに、勝手に「選ん」だり、「均し」たりしてはダメだということです。 下手に単純化したり理想化したりと余計なことはせずに、そのまま正攻法で解く ことが肝要なのです。 どうせ常識を捨てるのなら、そうした悪しき常識こそ捨て去るべきです。 余談ですが、独裁者のような特定の人物を偶像化するのは、人を「選ぶ」行為と 言えます。 また、独裁国家を「民主主義人民共和国」などと呼ぶのは、不平等なものを平等 と勝手に「均し」てしまう行為と言えます。 したがって、その種の(政治)思想に染まった人たちが、誤った単純化や理想化 をする物理理論に魅せられるのは、何ら不思議なことではありません。 逆に、誤った単純化や理想化をする物理理論に染まった人たちが、その種の思想 に魅せられるのも、何ら不思議なことではありません。 拉致問題を追求していた党員を追放してしまった某政党の(前の)党首が物理学 科出身だったのも、別に不思議なことではないでしょう。 **************************************** 28.不平等になる要因とは? **************************************** さて、ここからしばらくは、エネルギーの配分が不平等になる要因について考え てみましょう。 ここで、ある一つの物体(A)が、二つの物体(BとC)に作用を及ぼし仕事を する問題を考えます。 すると、物体Aは、物体Bと物体Cにエネルギーを与えることになりますね。 そこで問題なのは、物体Bと物体Cがそれぞれ受け取るエネルギーの量です。 両者が受け取るエネルギーの量を不平等にする要因とは、何でしょうか? たとえば、『距離(の違い)』があります。 御存知のように、電磁気作用の大きさには、距離が関係してきます。 距離が近く(遠く)なるほど、作用は強く(弱く)なります。 したがって、物体Aからの距離の違いが、作用の大きさの違いになります。 ですから、物体Aからの距離の近い(遠い)ほうが、より多くの(少ない)エネ ルギーを受け取ることになりそうですね。 でも、ちょっと待って下さい。 作用が小さくても、作用が及ぶ時間が十分に長ければ、大きな仕事をされること になり(→塵も積もれば山となる)、その結果、多くのエネルギーを受け取れる はずではないでしょうか? だとすれば、距離が違っていても、両者に配分されるエネルギーの量は同じにな るのでは…? いやいや、そうはなりませんね。 でも、なぜでしょう? 答えは、上の文章の中に記されています。 これは、遠隔作用の特徴を理解する上で、極めて重要な概念です。 詳しくは次回、説明いたします。 ======================================================================== 発行者 : tarkun(たーくん) mailto:tarkun2@yahoo.co.jp 配信 : MailuX http://www.mailux.com/ バックナンバーの閲覧、購読の解除、配信先の変更は、下記のHPへ。 http://www.f8.dion.ne.jp/~tarkun/mm/mailux.htm 購読の解除や、配信先の変更は、御自分でお願いします。 ======================================================================== |