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タイトル:Daily Drama Express 2004/11/10 一番大切な人は誰ですか? (5)  2004/11/17


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2004/11/10 (Wed) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.水曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 水曜日の連続ドラマ
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タイトル 一番大切な人は誰ですか?
局  名 日本テレビ系
放映日時 水曜22時
キャスト 中町東子(宮沢りえ)
 松ヶ谷要(岸谷五朗)
 松ヶ谷路留(牧瀬里穂)
 坂下公也(内藤剛志)
 藤尾哲春(佐藤隆太)
 中町小南(小林涼子)
 北村逸子(吉田日出子)
脚  本 大森寿美男

あらすじ  小南(小林涼子)を追うのをあきらめた要(岸谷五朗)が 家に
戻ると、路留(牧瀬里穂)が夕食の準備をしていた。以前勤めていた
会社で ホームページ制作の仕事をしていたことを小南に話したとこ
ろ、興味を示して家に来たのだと 路留は言う。
 「…娘なんだ」
 「え?」
 「俺の娘なんだ、あの子は」

 同じく、中町家でも夕食準備の真っ最中。小南が「夕食はいらない」
と2階に上がろうとするのを 引き止めて、東子(宮沢りえ)は小南
を座らせる。
 「お母さんじゃ、役に立たないかも知れないけどさ、何か悩んでる
んだったら お母さんにも分けてよ、ネ?」
 小南は「何でもない」と繰り返していたが、面倒くさくなってか
「友達のナツミが付き合っている男の子を好きになってしまった」と
 嘘をつく。
 「――好きになっちゃっ…たんなら、しょーがないんじゃない? 
そんなこと ちっとも最低なことなんかじゃないよ」
 と 東子。
 「でも、お父さんのしたことは最低じゃない?」
 「あれは、最低よ…間違いない!……でも、それはさ、こっちの理
屈かも知れない。 少なくとも相手の人には、お父さん 最低のこと
しなかったんだと思うよ――誰か 人を好きになるってことはサ、理
屈じゃないの。そのこと自体は 最低じゃないのよ、しょーがないこ
となの…」
 東子のすこしずれた話を、小南は「参考になった」と笑う。
 「このこと、絶対にナツミには言わないでね」
 ほっとして東子は 夕食の支度に向かう。

 「ずっと黙ってて すまない」
 「偶然?」
 「もちろん。異動してきて 街でバッタリ小南と会ったんだ――」
 これまでのいきさつを告白する要に、路留は一応驚いてみせる。
 「いやに冷静だな」
 と要。路留は「こういう時 どうとり乱していいのか分からない」
と言い訳をする。
 「でも、あなたから話してくれて よかった」
 と路留が口にするのを聞いて、要は怪訝な顔をする。
 「どうする?小南ちゃん。ちゃんと面と向かって、私のほうから話
した方がいいと思うの。私が知ったということも」
 「俺は あの子を傷つけたくないんだ」
 「そんなに一人で悲劇にならないで。思っているより周りの人はみ
んな 強いわよ。強いから 嘘がつけるの」

 翌日。
 自転車で巡回中、要は 趣味のいい服を着た柴犬を連れた老人を見
かけ、声をかける。犬の服は 実は「死んだ奥さんの服のリフォーム」
と 老人は言う。
 その服を作ってくれた店の主人を「大変素敵な方」と褒める老人の
話から、東子の作品だと 要は気づく。

 その頃、小南は学校を抜け出して、電気店に立ち寄り、デジカメを
見ていた。
 隣で同じように デジカメを見ている若い男――要の行きつけのス
ナックに勤めているが、小南とは面識はない――が「試したいんだけ
ど」と、小南に向けてシャッターを切る。
 電気店を後にした小南を、走って追いかけてきたその男の手には 
電気店の紙袋がふたつ。男は、「試し撮りのお礼に、デジカメを一つ
プレゼントする」と言い出す。
 男の怪しい申し出を 小南は断ろうとするが、結局その紙袋を 無
理やり渡されてしまう。

 男と小南は、ハンバーガー店へ。あまり悪い人でもないようだが、
小南は警戒している感じを出さないように、注意深く 男の話を聞い
ている。
 別れ際、男は「また会いたいから」とケータイのメールアドレスを
聞いてくる。
 「ケータイ、持ってないんです」
 「あ、ごめん。無理に教えなくて いい…」
 「本当に持ってないんです、うち 貧乏だから」
 と 小南は素直に答える。
 「でも、これで――」
 小南は、男がプレゼントしてくれた紙袋を指して 言う。
 「貧乏脱出計画 練ってるんです」

 2人は ハンバーガー店の前で別れた。緊張していた小南は、ほっ
とするが、男が後をつけてこないか 心配になる。足音にびくびくし
て振り返ると、ナツミの彼氏だという 西口くんだった。
 西口は、小南が見知らぬ若い男と 仲良く歩いているのを 偶然見
てしまったので、心配になって小南に声をかけたのだった。
 西口と2人で話しながら川原を歩くうち、小南は「西口がナツミの
彼氏」というのはナツミの嘘だったと分かる。
 「もう ついてこないでよ!」
 小南は、あっけにとられる西口を置いて 早足で歩き出す。いつも
 路留と話す木の下に、路留の姿はなく、がっかりする小南。

 巡回から戻った要は、藤尾(佐藤隆太)とその彼女清美(ベッキー)
に迎えられる。今日の清美の差し入れは、“けんちんうどん”。
 「よくこんなうまいものが こんなところで作れたねえ!」
 要は清美の料理の腕前を褒め、おかわりして食べている。藤尾も喜
んでいる。
 「いい不動産屋さんあったら 教えてください。この辺に 引っ越
してこようかと思って」
 清美の言葉に、藤尾は吹きだす。
 「藤尾さんのためじゃないの! 自分のためなの! 父親なんて
『結婚するまで絶対家を出るな』って言うんです。それじゃあ、私の
人生って 誰かに属しているみたいじゃないですかあ」
 交番に誰か来たようだ。清美が「いらっしゃいませー」と応対する
のを聞いて、藤尾が 慌てて表に出て行く。要はそんな若い2人の姿
を見て 微笑みながら、うどんをかきこむ。

 「再婚?そんな話、あるのか?」
 店にやってきた坂下(内藤剛志)が驚いて言う。
 「ないわよ、特にはね。商店街の奥さんたちが 盛り上がってるだ
け」
 「赤字経営の店に疲れ、子育てに悩み、再婚相手を求める『東子さ
ま』が、ここからどう這い上がっていくのか 楽しみにしていたんだ」
 東子が最近 犬の服ばかり作っていると聞き、坂下は嘆くが、東子
は「これも立派な仕事」と 楽しげにミシンに向かう。
 「なんかさ、洋服ってさ、その人間の外見を世間に後押しするもの
だと思ってたの。でもさ、本当にいいものを作るとさ、その人の内面
を後押し出来る…それが、実感できるの」
 坂下は、力説する東子の横顔を うっとりと見つめている。
 「…じゃ、僕の服も作ってくれるかな? 僕の内面を後押しするよ
うな」
 「どーんな内面よ?」
 坂下は 近づいてきた東子の手を握る――、とその時 外で、自転
車のベルの音! 要と気づいた東子が、坂下をかわして外へ出て行く。
 「――小南、どうしてる?」
 「かわいそうに。悩んでるわよ、要ちゃんのせいで」
 とっさに要は この間の夜のことを 東子に話してしまったのかと
驚く。
 「…何で、悩んでるんだ?!」
 東子は目の前に 両手で三角形を作って見せる。
 「おにぎり?」
 「おにぎりでどうやって悩むの? 三角関係! ――小南には近づ
かないでって言ったの! 要ちゃんはね、わるーーい見本でしかない
んだからねっ!」
 小南のこととなると、いつも東子はムキになる。
 「それより…気にしないでね…」
 言葉のトーンを落とした東子。泥棒の入った夜、要にしがみついて
泣いたことを言っているのだ。
 「別に、要ちゃんのことが好きで ああなったわけじゃないんだか
らね!誰だってよかったんだから。そばにあれば、イスでもよかった
んだからねっ!!つまり要ちゃんは、イスとおんなじなんだから。
――それより、今の奥さん、大事にしなさいよ。大事にしなかったら
 私、完全に要ちゃんのこと 嫌いになるからねっ!…今が 不完全
ってことじゃ、ないわよ…」
 東子は「ごくろーさん」と敬礼して、店のドアのところから「しっ、
しっ」と まるで犬を追い払うように 要を追い払う。

 店の中で 2人の話が終わるのを ずっと待っていた坂下が 口を
開く。
 「僕はずっと抑えてきたんだ。東子は男に食わしてもらう女ではな
く、食うために生まれた女だと思ってきた」
 「ひっどーーい!」
 「捕まって、結婚した男もいた」
 「さっきの? いけにえみたいに言わないでよ」
 「松ヶ谷さんと再会して、動揺してる東子を見て、あてつけに再婚
を考えてる東子を見て、自分の掟を、破る決心がついたよ」
 坂下は東子に近づく。
 「君は、僕の気持ちに うすうす感づいていたんだろ?」
 「? ――坂下ちゃんずっと…ホモだと思ってた…」
 「え?!」
 固まる坂下。

 交番に路留がやって来た。父親から電話があって、今晩要と会いた
いと言っていたことを 伝えに来たのだった。外に出てきた藤尾に 
にっこりと会釈して、路留は帰っていった。
 「もしかして、主任の奥さん? 素敵な人じゃないですかあ! 
2回目なのにずるいなあ」
 「一言 多いんだよ、君は!」
 藤尾と要が振り向くと、交番のイスに坂下が!!!
 「僕は…ホモに見えますか? あなたもずっと そう思ってたんで
すか?――いつから?」
 「東子に紹介されて、初めて会った時から」
 「ずっと?それからずっと?!」
 なるべく感情を出さずに、要は小指を立てる。
 「『この人は“コレ”だから安心して』って」
 「うおーーーーー!!!」
 いきなり坂下は吼え、すぐトーンを元に戻して 言う。
 「けど、今日から僕は 男になりますよ。東子のことは後悔しない
でくださいね」
 言いたいことを言った坂下の顔は 晴れ晴れとしていた。
 「あしたはどっちだ」
 迷いながら藤尾が“東”の方を指し示すと、坂下は指した方角に
悠々と帰っていった。あ然としている要。

 その夜。居酒屋で 要は 路留の父北村(田村亮)と会っていた。
夫婦の絆の話から、本来“絆”というのは“犬のリード”、つまり
“散歩ひも”のことなのだと、北村は笑う。
 「お互いにさ、気持ちよく散歩してる間は そのひもが非常に心地
よい“絆”に感じられるんだ。ところが、どちらか一方が違う道に進
もうとしたとたん、それは“しばり”になるんだよ。 “しばりのな
い絆”ってのは ありえないことなんだ…」
 要は昼間、東子に“しっしっ”と追い払われたことを 思い出して
いた。

 小南が、もらったデジカメで東子の服を次々に撮っている。
 「どしたの、そのカメラ」
 東子が聞くと、小南は「友達から借りた」と答える。
 「この店のホームページ作るから。そこで注文とったりするの」
 「無理よー、そんなこと。洋服作るには、採寸しなきゃいけないの
よ」
 小南は「そういう店やホームページがたくさんある」と、ネットで
調べた話をするが、東子は「どこで調べたのか」と心配な顔で尋ねる。
 「友達に見せてもらった。その人ね、こういうことすっごく詳しく
て、ホームページ作るの プロなの。だから その人に頼もうと思っ
て」
 小南は何とか嘘でその場を切り抜け、トルソーに新しい服を着せる。

 要はほろ酔いで帰宅し、「散歩でもしないか?」 と 路留を誘う。

 夜の公園を歩く 要と路留夫婦。要は 2人が出会った頃の話を 
持ち出す。
 「いつも 決まった時間に交番の前を通って帰っていく君を見ては、
何だかほっとするようになった。――一人で 無事に帰っていく君を
見かけては、安心するようになったんだ」
 「分かんないわよ、部屋に誰か待ってたかも知れないし、泥棒だっ
て…」
 「そんなことがないように、勤務にもハリが出た。そのうち、君が
いるあの街が 好きになってたんだなあ。そういう単純な思いが 交
番に長くいると、支えになるんだ」
 「少し、酔ってる?」
 要は路留を抱き寄せる。
 「半年してから気がついたんだ。君は、俺が交番にいる時は まっ
すぐ帰り、非番の時は居酒屋にいた」
 「それって、めちゃ 気づくのが遅い!」
 「そのことに気づいてから どうしようもなく…嬉しくなったんだ。
それは情熱とは程遠いが、気づいた時には、君は俺の生活になってた。
そんな風に、生活の中に潜んでいくような静かな結びつきがあること
を 始めて知った…。その君が、今は 俺の家族だ。それは この先
絶対に変わらない。誰が近くにいようと、子どもに嫌われようと、俺
は、君の家族でいることを これからも喜び続ける。このことは絶対
に 忘れないでほしいんだ」
 要を見上げ、路留はうなずく。

 小南は、家具の久内夫婦(高田純次、三浦理恵子)や、ナツミの母
(手塚理美)などを回り、ホームページに載せるからと頼んで、東子
の服を着てもらい、次々にデジカメで写真を撮った。
 川原では、柴犬を連れた老人をカメラに収めた。
 帰り際、あの木の下に路留がいるのを見かける。気づいた路留が 
立ち上がって手を振る。

 路留の家に行き、パソコンに取り込んだデジカメの画像を見る2人。
 「これが、そのお店ね? と、う、こ…」
 店の看板の画像の 次に出てきたのは、その主人東子本人。路留は
固まる。
 「この方は東子さん? あなたのお母さんね…。きれいな人。若い
頃の要さんが、情熱を燃やすのが よく分かるなあ」
 はっとする小南。
 「ごめんね。全部知ってしまったの」
 小南は「ごめんなさい」と謝り、慌てて出て行こうとする。路留は
それを引き止める。
 「あなたが悪く思わないで。むしろ 私と話してくれるあなたに 
感謝してるの。今まで通りじゃだめ?あなたとは隠し事なしの友達…
そんな風になれないかな。なっちゃだめ?…あなたが好きなのよ! 
このまま帰ったら、かえって後味悪いわよ。ただの仕事として引き受
けたっていいんだから――」

 その夜。
 町内で事件が起き、その現場で要は見張りに立つ。
 「たまんねえなあ。マルガイ(被害者)は二十歳の女性だ。待ち伏
せされたんだな…玄関でベンジンかがされて、金品まで盗られたよ」
 と木幡(鶴見辰吾)。怪我で済んだようだが、ゆっくりと階段を下
りてくる被害者の女性を 痛々しく見つめる要。

 「今、何て言ったの!?」
 小南の話に、耳を疑う東子。何しろ、店のホームページを要の今の
妻に頼むというのだから。
 「私は平気。だってお母さん、お父さんのこと何とも思ってないん
でしょ?ただのお巡りさん、なんでしょ? だったらその人も ただ
のパソコンの仕事してる人だよ。――そんなことよりさ――」
 店の売り上げの話を始める小南に、やっと東子が口をはさむ。
 「どうして?! どうして小南が そんな人と会ってるの?! ど
うして小南が そんな人と話すの?! 小南まで、お母さんのこと裏
切るの?!」
 小南は 涙ぐんでいる母東子に気づいた。東子は黙って、部屋を出
て行った。

 店の暗がりで背中を向けたまま、黙ってたたずむ東子を見つめる小
南は、どうしていいか分からなかった。


寸  評  犬ばかり出てきました。どういうことなのかと思ってたら、結局
“絆”をテーマにしていたのだと 後で気づきました。 路留の父親
の北村の話、含蓄がありますねえ。なるほどぉとうなずく私。
 それより、小南に接近してきたあのスナックの若い男、どういうつ
もりなんでしょう? ひょっとしたら 東子目当てなのかも。

執 筆 者 三森(anponhana@mail.goo.ne.jp)

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2. 編集後記
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 周りで家を購入、或いは新築する人がちらほらいます。そういう年齢になっ
たのだと思いますが、「みんな本当は不景気じゃない」ことを知りました。う
ちは相変わらず借家暮らしで、子どもたちは習い事一切なし。そんなお金があ
ったら たちまち食費に回ります。
 GWや年末年始、成田の人ごみを見ると、やっぱり不景気なのは全体の(多
く見積もっても)半分しかいないのかな、と思ってしまう……。
 「働けど働けどわが暮らし楽にならず。じっと手を見る」…とてもきれい…。
(三森)

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発行元:ドラマ研究会
e-mail:info@j-drama.tv
url   :http://www.j-drama.tv/
ID  :MM3E195F16414CD 
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