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===================================================== 発行部数 17 == ★★ 日刊ドラマ速報 ★★ ☆☆ 2004/10/27 (Wed) ☆☆ ====================================================================== == 目次 ============================================================== 1.水曜日の連続ドラマ 2.編集後記 ====================================================================== ---------------------------------------------------------------------- 1. 水曜日の連続ドラマ ---------------------------------------------------------------------- タイトル 一番大切な人は誰ですか？ 局 名 日本テレビ系 放映日時 水曜22時 キャスト 中町東子（宮沢りえ） 松ヶ谷要（岸谷五朗） 松ヶ谷路留（牧瀬里穂） 坂下公也（内藤剛志） 藤尾哲春（佐藤隆太） 中町小南（小林涼子） 北村逸子（吉田日出子） 脚 本 大森寿美男 あらすじ 『アトリエＴＯＣＯ』を窓越しに見つめる 怪しい若者（忍成 修吾）。その視線の先には、ミシンをかけている東子（宮沢りえ） が――。 偶然なのだろうか、巡回に通りかかった要（岸谷五朗）が、そ知 らぬふりで立ち去ろうとする その若者の肩をたたき 話しかける。 「あの店に 何か？ 買いたいものでもあるのかな？」 若者は、お金がないのだと言う。 「お客だと思われて、出ていく時気まずいじゃないですか？ そん なの優しくないじゃないですか？」 と、若者は憮然として 路地を出て行く。 「あんなに繊細で 生きてけんのかよ」 と首をかしげながら 要は独り言。 その頃、路留（牧瀬里穂）は、また学校を抜け出してきた小南（小 林涼子）と会っていた。この前と同じ場所の 川辺の木陰。午後の太 陽に照らされて、川面がきらきらと 輝いている。 「私、この街に引っ越してきたばかりで、まだ知り合いとかいない のよ」 小南は、偶然出会ったこの女性のことを“元父親の新しい妻”だと 感づき始めているようだ。 「私は路留。あなたは？」 「――中町」 小南は名字を確かめようとしたが、路留がしゃべるのと一緒になっ てしまい、それ以上尋ねられずに 言葉をのみこむ。 「中町さんは、私みたいなのと友達になってくれる気、ある？」 小南は「あります」と微笑む。 「鬼平犯科帳の人、何やってるんですか？ 仕事」 「地方公務員」 「新婚ですか？」 「…夫は二回目なの。私は一回目だけど」 小南は確信したようだ、この目の前にいる女が 母から父を奪った 本人だと。小南は 二人のなれそめを聞きたいと、しつこく食い下が る。 商店街を自転車で巡回中の要は、偶然 東子にぶつかってしまう。 要は東子に近づき「この間の話だけど…」と話しかけるが、東子は 迷惑そう。 向こう側から歩いてきた、久内の妻加奈子（三浦理恵子）が、東子 を呼び止める。要は、東子とは無関係かのように、先を急ぐ。 後ろの東子を気にしつつ、自転車を押して歩いている要。 「要さん！」 声の方を振り向くと、肉屋でコロッケを買っていた 路留だった。 要は何としても、後ろから近づきつつある東子に 路留のことを気づ かれたくない。そわそわしながら、商店街のメインストリートから脇 道に 路留を連れ込む。 「これからね、川原でピクニックなの」 「？」 「…私ね、出来ちゃったの…」 「えっ？」 「と・も・だ・ち。この街に来て 初めての」 ほっと胸をなで下ろす要だったが、もうそこまで東子が来ているの に焦り、巡回のふりをして すぐそばのリサイクルの店に 路留もろ とも入っていく。 東子は要とは反対側の和菓子屋に、出来上がった服を届けにやって きた。店番をする この店の嫁（手塚里美）は、小南の友達ナツミの 母親。訪問着をワンピースにリフォームしてもらったのだが、その出 来ばえに大喜びして、さっそく中で服を着がえて 東子に見せにくる。 「小南ちゃん、最近塾休んでるって、ナツミが心配してたけど…」 小南から 何も聞いてなかった東子は驚く。 リサイクルの店を出ると、ちょうど無銭飲食の犯人を追いかけてき たところの 木幡（鶴見辰吾）とぶつかってしまう。木幡は「やるべ きことはやった」と言って、犯人を捕まえるのをあっさりあきらめ、 路留の顔をしげしげと見つめる。 「松ヶ谷の妻です」 木幡は路留の美しさに 派手にのけぞって驚く。 「驚きすぎ」 と要。 家に帰る路留に手を振る木幡は、その時和菓子屋から出てきて 道 路を横切る東子に気づく。 「あれ？ あの女、どっかでみたことあるな…」 すぐに“要の元妻”と気づき、また派手に驚いてみせる木幡。 「そりゃ、驚くだろ」 と要。 学校帰りの小南は 用事があるからとナツミと別れ、川辺の路留の ところに来ていた。 真偽のほどは疑問だが、友達の彼氏を好きになってしまったと悩み をうち明けると、路留は「参考にはならない」と言いながらも、中学 生の小南に気を許してしまう。 夫の仮の名前を「Ａにしようか」と言う路留に、小南は鬼兵犯科帳 の本を手に取りながら、わざと 意地悪く言う。 「“Ｋ”にしませんか？」 路留は夫と居酒屋で知り合ったこと、夫が結婚していて、小学生の 子どももいると知っていたこと、仕事で忙しい奥さんの代わりに夫が 子育てをしていたことを 話す。 「――そのうち、何となく話すようになって、私のほうが先に好き になっちゃったの」 「Ｋさん、結婚してたのに ですか？」 「そういう人と付き合うのは、Ｋさんが初めてじゃなかったから。 ――ゆがんでるの、私。楽なのよ、そういう人と付き合うのが」 路留は 続ける。 「私といて、『あ、この人今 家族のこと考えてるな』って 思う でしょ？そうすると、沈黙も怖くなくなるの。お互い勝手なこと考え てても それが当たり前で、そういう沈黙に 身を任せていられるっ ていうのかな？ 難しいけど つまり、楽なのよ。――悪魔だよね、 向こうの家族にしてみれば」 「路留さんって寂しい人」 「Ｋさんにも 昔そう言われた、『君は寂しすぎる』って」 小南は川を見つめたまま、黙り込む。 今晩宿直の 藤尾（佐藤隆太）が、カメラ目線で拳銃を構えている。 「Ｙｏｕ Ｔａｌｋｉｎｇ ｍｅ？ 俺に なんか用か？」 映画『タクシードライバー』の ロバート・デニーロのマネだと言 うのを聞いて、要はあきれている。 「やっぱ 主任もやったクチですか？」 「やってねえよ」 「いやいや…、見たらやるでしょ。持ってたら やるでしょ」 と藤尾は 拳銃を要の目の前に見せる。 「早く保管庫にしまって 寝ろ！」 「――けど、考えてみたら、タクシードライバーも巡査も 似てま すよね。向こうには この制服や制帽しか見えないんですから。俺た ちがどんな人間かなんて 知る必要ないんですからね…」 「…お前、悩みでもあんのか？」 そんな中、商店街のコンビニに強盗が入ったという 通報が入る。 「被害金額は ６万くらいね…」 コンビニの店主が 木幡に話している。 いやいや 犯人役をさせられている藤尾にのしかかった店主が、 「襟をつかんだときに、胸元にほくろが見えた」と思い出し、木幡は 黒のマジックで 店主の指した藤尾の胸元に「証拠だから」と 大き くほくろを描き込む。 「俺の宿直の時に限って、必ずコンビニ強盗がおこるんだな」 と木幡。 「まさか お前じゃないよな？」 「面白い発想するよねー。別れた女房のいる街に わざわざ異動し てきて、しかも 新婚で…」 「…それを発想したのは 俺じゃない」 「実は俺、ファンだったんだよ、お前の別れたカミさんの」 木幡は 「明日店に 行ってみるか」と言って去っていく。残され た要がつぶやく。 「最低だ…」 翌日。 東子の店に顔を出した木幡だったが、東子は全く覚えがないらしい。 そこに要も現れ 「本当に来たのか？！」と驚く。 「あ！木幡さん。今でもさ、婦人警官の制服とか借りたりしてるん ですか？ほら…恋人によく着せたりして、楽しんでるって」 木幡は 急に落ち込む。 「最低だな、俺は。…やってない、今は」 言いすぎだと、要は東子に言う。 「人にはな、触れられたくない現実ってのがあるだろ？！」 「だったら、来ないでよ。ここは私の『触れられたくない現実』な んだから」 ふと、目線を外にむけた要は、表に この間見かけた若い男がまた いるのに気づく。 「あれは、ここの客か？ いつもここを 見てるんだ」 東子は知らないらしい。外に出て、東子は男に声をかける。 「こんにちは。何か用ですか？」 「――あの…スーツ作って欲しいんですけど」 それを聞いて「そういうことなら」と 東子は男を店内に通す。そ れと入れ替わりに 木幡と要を追い返す。 男は「川口」と名乗り、「６万ぐらいに抑えたい」と言う。 サイズを測っている東子の姿が 鏡に映っている。それを、じっと 見つめる川口。 木幡と要は 商店街を歩く。 「金か？」 「受け取ってもらえないんだ」 「意地らしいじゃないか、そんなことで お前を許したくねえんだ よ」 要が帰宅すると、路留の姿はなかった。 いつものように “招き猫の貯金箱”に、財布の小銭を入れる手が ふと止まる。平机の引き出しの鍵が、この中に入ったままだったと 要は思い出す。 同じ頃、路留は小南と一緒だった。 「Ｋさんには 私には開けられない引き出しがあるの。たぶんそこ には 私には見せられない大事な何かが 入ってる気がする。たぶん 子どものこととか…。前は、私より大事なものがあるのは 当たり 前だったけど、結婚してからは どうも違う。時々、無性に開けたく なっちゃう。壊したくなっちゃうのよ」 「壊しちゃえば？」 小南の発想に 笑う路留。 「路留さんと結婚したのに、そんなもの隠してるＫさんは 卑怯だ よ」 「…卑怯なのは私。Ｋさんが離婚したって聞いた時、『そんなこと 望んでなかった』って言ったのにね。そしたら、Ｋさんは言ったの、 『君を好きになったんだからしょうがない。妻や子どもに捨てられて も文句は言えない』って。嘘じゃないけど 嘘も入ってると思った。 …けどね、嬉しかったの。生まれて初めて、そんなことを嬉しいと思 える自分が いるなんて…」 「よかったじゃない」 「よかったのかなあ…」 小南は「塾だから」と言って、急に立ち上がる。もうこれ以上 話 を聞いていられなかった。早足で歩いていくうち、小南の目から涙が 溢れてくる。 偶然、小南を見かけた要が声をかける。 公園で「きちんと、話したくて」と、要が話そうとするのをさえぎ る小南。 「卑怯だもんね、Ｋさんは」 要は 不思議そうに小南を見る。 「お母さんだって いっぱい浮気してたんだし。お父さんはたった の１回でしょ？その１回が本気になっちゃったんでしょ？ ――私の ことなら心配しないで。言ったでしょ？ちゃんと嫌いになれたって。 ――お母さんを惑わすのだけは やめて！ お母さん、ちゃんとお父 さんのこと 嫌いになれてないんだから」 「そんなこと ないだろ」 「ちゃんと嫌いになってよ！ お母さんのことも私のことも、みん なに優しくしようとするなんて、卑怯だよ！！」 涙ぐんで 走り去る小南を 黙って要は見送る。 「人をやとう余裕があるのか？！」 「手伝ってくれるだけ。スーツの仕立て代は 安くしてあげるけど ネ…」 『アトリエ東子』を訪れた坂下（内藤剛志）は、店で東子の手伝い をすることになった川口のことを心配するが、東子はあまり気にして いない様子。 「ヘンな警察官が近づかないように、ボディーガードにもなるし ね！」 と東子が笑うのを 坂下は「なるほど」とうなずく。 「気をつけたほうがいいですよ、あの子は 間違いなく、彼女に気 があるみたいでしたから…」 鴨下町交番に 坂下がやってきて、川口のことを要に教える。 「まさか、そんな若い子が…。いくら東子でも相手にしないでし ょ？」 「言い切れますか？」 「…切れませんね」 要にも そのあたりは自信がない。 「店の経営も苦しくて、毎日不安でしょうから。幸せな明日は来る んですかねえ…」 坂下は要の神経を逆なでするようなことばかりひとしきり言って 「気にしないで下さい」と去って行く。 「するよ！」 要がつぶやく。 そこに巡回から帰ってきた藤尾が「今の人は？」と尋ねる。 「ああ、道を尋ねに来たんだ。『明日はどっちだ』って」 「明日？ それはやっぱり 東でしょ…」 「――お前やっぱり 悩みなんかないだろ」 「？」 家では路留が、和室の戸棚を掃除している時、うっかり あの“招 き猫の貯金箱”を 落として割ってしまう。散らばる小銭の中に、あ の鍵を見つけた路留は、ついに引き出しを開けてしまう。 そこには １冊のアルバムがあった。開いてみると、最初のページ には赤ちゃんの写真。次のページは、歩き始めた頃、七五三…。どう やら、要の娘の写真らしい。ページをめくるたびに、その子はどんど ん成長していく――そして、最後のページで 路留が見たものは！！ この町で最初の友達になった、あの中学生 “中町”の姿だった。 路留は 愕然とする。 「どうして…？」 坂下の話で 心配になった要は、また東子の店にやって来てしまう。 「これは小南のお金だ。頼むから受け取ってくれ。そしたらもう、 ここには来ないから」 と この間の金を もう一度渡す。 「ありがと。助かる、正直言って。けど、小南のことは 私がどん なことをしても 幸せにするから」 要はうなずく。 そこに、川口が買い物から帰ってきた。シーチングの終わった上着 を、東子が川口に試着させる――その時、鏡に映った川口の胸元に、 大きなほくろが！ 要は、川口の飲みかけの缶コーヒーを そっとハンカチで取り、帽 子で隠して店をあとにする。 その夜。 交番に 木幡から電話が入る。 「要ちゃん。アタリだよ。指紋が一致した」 木幡は「これから川口のアパートに向かう」と言う。要は自転車を 飛ばし、東子の店に急ぐ。 川口のアパートの部屋に入った木幡は 愕然とする。部屋中に貼ら れた、東子の隠し撮り写真…。 「そんなに熱烈なファンだったのか…」 木幡は つぶやく。 深夜。 ベッドで寝ていた東子が ふと目を開けると、そこに立っていたの は川口。右手にナイフを持っている。東子は慌ててベッドから身を起 こすが、恐怖で声も出ない。 「すいません。驚かして…」 川口は意外にも そんなことを言う。 「一言、お礼が言いたくて…。あなたのこと、ずっと見てました。 どんな人なのかなって、想像してました。僕は 変態です」 「…そ、そんな、自分を悪く思っちゃ ダメよ」 「あなたはそれ以上に 優しい人でした。生まれて初めてなんです、 こんなに優しくしてくれたの…。――握手してもらって、いいです か？」 こわごわ東子は手をのばし、川口の手を握る。体を目いっぱい離し ていたが、川口に体を抱きすくめられてしまう。背中にナイフが 当 たっている…。 「すいません、こんなことまで…」 川口は「許してください」と言って、逃げていく。 ちょっとの間、震えていた東子だったが、急に小南が心配になり、 部屋を転がり出て、小南の部屋の前にやっと出てくる――大丈夫、小 南は眠っているようだ。ほっとして、廊下で腰を下ろすが、次の瞬間、 何かに気づき、階下に下りていく。 手持ち金庫の中のお金が そっくりなくなっていた！ この中には、 今日ありがたく受け取った、要の金も入っていたのだ！ 愕然として、 肩を落とす東子。 ――店のシャッターを叩く音が聞こえる。それは 要だったが、東 子は出ていいのかどうか、迷っていた。 寸 評 このドラマ、内容は結構シビアなんですが、バックで流れる音楽 が コミカルな感じだったり、会話が笑えるところが多かったり、救 われるところがあると思いませんか？ 来週は、小南は新婚夫婦の家に まんまと上がりこむようだし、新 妻はというと それを「騙されたふり」してるみたいだし…。考えて みると、怖いことです。そんで 間に入ってる要は、女３人に ホン ローされまくって…。どーなることやら。 執 筆 者 三森(anponhana@mail.goo.ne.jp) ---------------------------------------------------------------------- 2. 編集後記 ---------------------------------------------------------------------- 子どもに関わる仕事をしています。いろんな子どもがいて、いろんな家庭が あります。 先月ごろから、週に何日か、保健室で眠って過ごすお子さんがいます。お母 さん（お父さんはいません）が、深夜まで働いているので、帰りをずっと待っ ているので、日中眠くて 保健室に来るのだそうです。 実は、その子には 同居していたおじいさんがいたのですが、そのおじいさ んが この夏亡くなってしまいました。おじいさんの死を目の当たりにした その子は、「仕事に行ったお母さんが 帰ってこないかもしれない」と、心配 で心配で眠れないのです。 保健室の先生にも、担任にも、どうにも出来ない問題――。時が、解決して くれるのを 待つしかないのでしょうか。（三森） ====================================================================== 発行元：ドラマ研究会 e-mail：info@j-drama.tv url ：http://www.j-drama.tv/ ＩＤ ：MM3E195F16414CD このメールマガジンは、メールマガジン[MailuX]を利用して発行しています。 （http://www.mailux.com/) ====================================================================== |