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タイトル:Daily Drama Express 2004/10/14 黒革の手帳 (1)  2004/10/26


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2004/10/14 (Thu) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.木曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 木曜日の連続ドラマ
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タイトル 黒革の手帳
局  名 テレビ朝日系
放映日時 木曜21時
キャスト 原口元子(米倉涼子)
 安島富夫(仲村トオル)
 山田波子(釈由美子)
 中岡市子(室井滋)
 岩村叡子(山本陽子)
 橋田常雄(柳葉敏郎)
 長谷川庄司(津川雅彦)
 楢林謙治(小林稔侍)
原作  松本清張
脚本  神山由美子

あらすじ 東林銀行 AM9:00
 「いらっしゃいませ」行員が挨拶する中、お客が入って来る。
 受付の原口元子(米倉涼子)は、いつものように機械的に仕事をこ
なす。

 支店長室で、支店長の藤岡(小野武彦)と次長の村井 亨(渡辺い
っけい)が、“ハラグチモトコ”名義の口座へ多額のお金が振り込ま
れているデータをパソコン画面で見ていた。
 「まさか・・」「間違いありません。支店長、ここに呼びますか?」
「僕と君だけで調査するのさ、じゃないと破滅だ」

 次長は元子を呼びに、受付近くまでやって来る。
 元子は次長と目が合い、何かを感じた元子は銀行を出て、全速力で
逃げて行く。次長はその元子を追いかける。

 路地裏に逃げ、着ていた制服をゴミ箱に捨てる。ブラウスとスカー
ト姿になった元子は道路に飛び出す。一台の車にぶつかりそうになり、
運転手の安島(仲村トオル)と眼が合う。


 次長は元子を見失い、銀行へ電話をする。「支店長、先方の口座オ
ンラインを止めて下さい。逃げられたんですよ。」

 元子はボストンバックを持って、銀行のATMから全ての預金を引き
出す。

 銀行に戻った次長は支店長と元子のロッカーを漁る。元子のロッカ
ーからは、着物や帯が出て来る・・


 全てのお金を銀行から下ろし、タクシーに乗り新橋まで送ってもら
う。

 “燭台”のママ岩村叡子(山本陽子)と店を出て、「ありがとうご
ざいました」とお客をタクシーまで送る。
 元子のドレスを誉めた叡子に、「今日昼間の仕事辞めました。今日
から銀座だけで生きて行きます。わたし、この世界に入る前は嘘をつ
いていたような気がします」と報告する。


 支店長室で、支店長はこの横領の事実をなんとか本店に報告せずに
対処しようと次長へ話す。「本店の抜き打ち検査があったら終わりで
すよ。」「内部からリークされたら終わりですよ」次長は不安がる。
 そこへ電話が鳴る・・「君か原口くん 1億2千万 なんてことを
してくれるんだ」元子は電話口で、「東林銀行 大井支店 架空名義
 タニセイジロウ 7千2百52万 同目黒支店…」と黒皮の手帖に
メモをした、架空口座リストを読み上げる。

 「わたし、返すつもりありませんから。いただいた1億2千万。お
金持ちの方々への裏金づくりに手をかしていること、公になってもい
いのならわたしを警察に突き出して下さい。」次長は支店長から電話
を奪い、元子の背後に男がいるのかと疑う。しかし、元子はたった一
人でやったと伝える。真面目で誠実だと思っていた元子が豹変したこ
とに次長は残念がる。「わたし、真面目で誠実なんて言われてもうれ
しくもなんともないんです。」

 元子は、電話を切ってから、足元のお札を蹴飛ばし、ホテルのベッ
トに笑いながら倒れる。


 1年前

 “毎日毎日わたしの手の上を流れて行く大金。触りもしないのに一
瞬のうちに移動する大金。麻痺していく感覚。”
 一人の女が受付の元子の前にやってくる。梶原名義の口座へ数百万
を預ける。
 “消毒液の臭いがするこの女。彼女は月に一度くらい金を預けにや
ってきた。この梶原という人間は存在しない。一部の人間だけは、脱
税のため架空名義を持つことが許されている。銀行のトップシークレ
ット。”
 一人残った元子は架空口座のファイルからデータを画面に表示し、
黒皮の手帖に写す。
 “不正を示したこのファイルはブロックされてコピーすることが出
来ない。これもこれも、全て存在しない人の名前。”
 消毒液のする女が梶原名義の口座へ入金する金額を変更しようとす
る。元子はもう一度番号を取って並んでもらうように言うと、次長が
止めに入る。
 “金持ちなんだから、ちゃんと税金払えよ。払わないんならわたし
がもらっちゃうわよ。 10年働いて私の貯金は400百万ちょっと。
銀行ではこの程度のお客はごみと呼ばれる。”
 自転車に乗り、お得意様へちらし配りをする。
 銀行の後輩は元子の悪口を言いあう。
 公園では子供たちにクソババアと言われる。
 “復讐してやろうかお金に”


 一週間後

 喫茶店で支店長と次長が待っているところへ、元子が着物姿で現れ
る。
 1億2千万も横領したことに対し、罪悪感が無いのかと責められる。
1億2千万もの横領は本店に知らせずに処理をするのは無理だから、
半分の6千万を返してほしい。元子は「バブルの頃の不良債権1件に
つき、何千万も何億もちゃらにしてるじゃないですか?わたしだって、
正義感でやったわけじゃない。わたしだけのためにやったんです。そ
っちだって、悪いと知りながらやってたんでしょ。だからわたしを警
察につきだせないでしょ。」次長は元子の眼を見て、「何年も君を見
てきたけど、こんなふてぶてしいとは思わなかったよ。」と睨む。


 燭台のママ叡子の誕生日。多くのお客様から祝福される。その中の
大切な客、楢林謙治(小林稔侍)も誕生日に駆けつける。
 「拝見しましたよ、昨日のテレビ」「美容外科医は表に出るべきじ
ゃないと思っているんだがな」元子は楢林の隣に座る。半年前から燭
台に居るが、楢林は始めて会ったような顔をして元子の顔を見る。
 “東林銀行にいくつもの架空名義口座を持つ。職業:楢林美容外科
クリニック院長”

 クリニックで美容手術をする。助手の一人がミスをして転んでしま
う。楢林は助手を足蹴にする。

 手術が終わり、市子(室井 滋)は台の上に乗った楢林にマッサー
ジをする。台の上で楢林は眠ってしまう。市子は台の上に乗り、一緒
に添い寝をする。


 元子が着物姿で堂々と東林銀行へやってくる。次長が立ち上がり支
店長室へ入って行く。

 「あきれた奴だ。なんて大胆だ。わかったよ要求を飲む。こちらか
らは金を要求しない。」次長の言葉に元子は、「これからわたしに
1円も要求しないって念書を書いていただけます?わたしは女一人で
大銀行と戦っているんです。手帖ほしくないんですか?」
 元子の出した念書に支店長と次長は連名でサインをする。
 支店長と次長に元子も念書を書くように言われる。「架空口座のこ
と絶対に口外しませんって?」そう笑いながらいい、黒皮の手帖を支
店長と次長に渡し、「10年間大変お世話になりました」と席を立つ。
「女一人で1億2千万何に使う?遊んで暮らそうとしているのか?」
「わたしはもっと高みに上りたいのです。例えばこうやってお2人を
見下ろせるぐらい。」立ち上がった元子は支店長と次長を見下ろす。


 美容院で髪をセットしてもらう。オーナーの曜子(紫吹 淳)が丁
度居合せ、占いを信用しない元子だが、当たると評判の曜子に成功す
るか占ってもらう。曜子は首にかけた水晶を左手で触り、元子の肩を
掴み「運気は上昇している。嵐のように・・」「嵐のように上昇?悪
くはないわね」


 楢林と同伴して“燭台”へ入ってくる。叡子ママも快く楢林と元子
を迎える。元子が化粧室へ急ぐと、一人の男が元子をじっとみていた。
軽く会釈をして化粧室に入り、中にいたホステスに男のことを聞く。
男は衆議院議員の江口先生の秘書の安島。

 化粧室から出て、安島富夫(仲村トオル)の隣を通ると、安島が元
子の手を掴む。「思い出した」不思議そうな元子の顔を見て、「会っ
てる。君、急に道路に飛び出して来て、OLみたいな格好をしていた。
まるで、悪いことをして逃げているみたいだったな」「人違いです。
わたしじゃありませんよ」

 元子はさりげなく話しをかわし、名前を聞いてきた安島に「わたし
近いうちにここ辞めてお店出すんです。場所は決まっていないけど、
お店の名前は“カルネ”です」


 叡子ママは元子と一緒に喫茶店に入る。「噂によると空店舗探して
いるんですって?誰かいい人がいるのかしら?」元子は尊敬する叡子
ママに疑われていると思い悲しくなり涙目になるが「いえ、これだけ
ははっきり言っておきますママ。わたしにはパトロンと呼べる人はい
ません。」「用心しなさい。成功を祈っているわ」
 叡子ママは喫茶店を後にする。

 「いつまでも泣いているんじゃねーよ」涙を堪えていた元子はびっ
くりして声のほうを見ると、近くのテーブルでカップルが別れ話をし
ていて、男が先に席を立つ。

 元子が会計へ行くと、置いていかれたカップルの女が会計を通るの
に重なり、「お客様ご精算のほうがまだですが」と止められる。「ア
イツ金払わへんかった?信じられへん。」後ろに居た元子は少し笑い、
代わりに精算をする。

 「ありがとう。こっちに住んでいらっしゃるの?」その女、波子
(釈由美子)に声をかけるが、波子は男と別れたばかりだから、住む
とこもあらせん。とあっけらかんと言う。「じゃあ、わたしのところ
に来る?」

 “権利金3千万。保証金2千万。内装費1千万。女の子の衣装5百
万。1億2千万のうちの7千万が消えたけど、後悔していない。始め
て手に入れた確かなもの。”


 “カルネ”オープンの日は大勢の客で賑わっていた。
 楢林がお祝いに来て「なかなか感じのいい店だな」と元子を誉める。
「燭台のママには内緒だよ。そのかわり、ご祝儀がわりにいい奴連れ
て来た。橋田ちゃん。」
 元子は楢林と橋田をソファに座らせ、橋田(柳葉敏郎)に挨拶をす
る。「この子は橋田くんといって、予備校の理事をやっているんだ」
「いつもご立派なビルを拝見しております。」

 すると、波子が「お客さんと別れ際に握手をしたの。でも、全然手
を離してくれせん」と元子の隣に座る。楢林が興味を示し、元子が楢
林に波子を紹介する。「わたし、銀座は初めてなの。ママに叱られて
ばっかり。ママはわたしの恩人なの。ママだーい好き」
 元子がその場を波子にお願いし、玄関へ出ると、燭台の叡子ママが
開店祝いに来ていた。「おかけになって下さいと」と勧めるが、店内
を見渡し、波子をみつけ、「あの子いいわね。ああいうのがいいのよ。
ツンとした美人より、ああいう子って・・」言葉を濁し叡子はそうそ
うに帰って行く。
 ソファでは、波子が楢林と橋田の間ではしゃいでいる。


 市子(室井 滋)は夕食の準備をして家で待つ。しかし、楢林は帰
って来ない。

 楢林は、元子と波子を連れて寿司屋に来ていた。楢林の右手は、隣
に座っている波子の太ももの上に置かれていた。

 楢林をタクシーに乗せ送ると、波子は元子に「楢林先生が同伴しよ
うと言ってくれた」と嬉しそうに報告する。元子も「大事なお得意様
だから粗相のないようにね」と言う。

 波子がタクシーを捕まえに行き、その後を歩く元子の姿を安島は見
ていた。その元子の後ろを見知らぬ男がつけているのを見つける。


 車の中で安島は長谷川(津川雅彦)に、「次の選挙衆議院選やっぱ
りおまえが出ろ」と言われる。


 カルネで、波子と他のホステスのいさかいがある。元子は止めに入
り、「最近のあなたは眼にあまるわ。みんなと喧嘩するわ、遅刻する
わ。」と波子を叱る。


 一ヶ月後

 マンションの下見に楢林は波子とやって来る。「夏には神宮の花火
大会が見えるんだって、しんじられへん」波子の喜びように楢林は喜
ぶ。

 喫茶店で波子と元子が話す。「ママ、実はわたしお店開こうと思っ
て。」「どこに?」「銀座です。7丁目。カルネの2つ上の5階にバ
ーテンバーテンあるやないですか。あれ買おうと思って。わたしも悪
いと思って。お客様に言ったるわ。“カルネ”にもよってあげて〜っ
て。」「あなた何言っているのかわかっているの?」「うざいなぁ。
とられたくなかったら、せいぜいママも寝たら良かったんや」
 元子はテーブルの上にあったコップの水を波子にかける。「顔を洗
って出直せっていうことよ」「やれるもんならやってみや、カルネな
んて踏み潰してやる。」「遊び半分の小娘と覚悟が違うわ」


 クリニックでは楢林が「俺の金をどう使おうか勝手だろ。口答えす
るな。」と市子を叱りつける。

 元子は橋田に波子が楢林からお金を出してもらって、店を開くこと
を相談をする。楢林は20年来の愛人がいて、奥さんずっと入院だか
ら仕方がないといえば仕方がないんだけど、「俺から言おっか?」と
気にしてくれる橋田に、「波子が悪いんです。波子を調子にのらせて
しまったのはわたしね・・」「よし、わかった。なんとか力になろう
かね。先生と呼ばれる人間は全部知ってる。医者、弁護士、代議士、
会計士、予備校の教師もかな。大丈夫俺がついているから。今度一緒
に葉山行こうか。この夏行ってないんだ。」

 ノックの音がして、「長谷川会長からお電話です」と秘書が入って
来る。橋田が部屋から出て行くと、元子はとりあえずほっとする。


 「おはよう。どうしたの?」カルネにはホステスが2人しか居ない。
波子がホステスを勧誘していったのだ。お金につられて、ついていっ
てしまったのだ。「少々お金がかかってもいいから、女の子勧誘して
来て。あんな小娘握りつぶしてやる」


 波子は店の内装を見に来ている。楢林がやって来る。「本当にここ
でいいのか?カルネのママと顔を合わすと、気まずいな。」「そんな
こと気にしてたら、何もできへん。」

 内装業者が全て帰り、「先生ママのことばっかり。好きやった?波
子よりママのほうが好きなの?」「違うよ。こんなに何でもしてやり
たいと思った女は、この歳になるまで一人も居ないよ。」


 市子は家で夕食の弁当を食べる。


 楢林はクリニックで朝食をとる。お茶漬けを食べる姿を市子はじっ
と見つめる。「あのね。何か言いたいことがあったら言いなさい。も
ううんざりだ」楢林は上着を着て出て行こうとする。「先生今日はオ
ペが・・」「何とかしろ。そのための婦長だろ」

 “中岡市子 楢林の影の女にして、裏口座の管理人。よくもまぁあ
そこまで男のために生きられるものだ。”
 シャワーをあびた元子は黒皮の手帖を開く。
 食事を片づけようとした市子に電話が入る。
 「“カルネ”というバーを銀座で経営している原口といいますが、
婦長さんですか?」市子が戸惑っているのを察し、「一言お詫びを言
いたくてお電話しました。波子というホステスがおりまして、早い話
先生を狂わしてしまったんです。波子が今度銀座に店を出します。立
派なマンションも買ってもらったという話しです。両方で2億少しか
けるくらいでしょうか。わたし、これからお近くまで伺います。お忙
しければ勝手に待っております」「・・あの波子さんというのはどう
いう人なんでしょうか」

 “わたしも波子も銀座の女になって、短い時間で店をもった。
10年勤めた銀行から1億2千万横領した女。2ヶ月足らずで男をた
らしこみ2億を使わせた女。2人の女は似ているようで全然違う。わ
たしはこの戦いに負けるわけにはいかない。絶対に負けるわけにはい
かない。”


寸  評 元子が何気なく誘ってホステスにした波子にあんな簡単に店をつぶ
されるようなことをされるとは、女って怖いですね。これから元子が
どんな手を使って銀座で生きぬいて行くのか楽しみです。

執筆者  田村(t_volr@yahoo.co.jp)

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2. 編集後記
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 持病持ちで十数年薬を処方されています。ここ数ヶ月調子が良かったので、
病院に相談せずに薬を止めていました。最近忙しかったのか何なのか、持病が
ぶり返し、またまた病院へ通いだしました。担当の先生(院長先生の息子)に
「調子が悪い」と怒られるのを覚悟して申告をしたら、案の状叱られました。
その後に先生がとった行動は、わたしのカルテを机の右へポンと投げ、「俺は
知らん」というんです。まるで、勝手に悪くしろ。と言わんばかり、とりあえ
ず、点滴をお願いしたいと言って点滴をしてきました。点滴打ちながら、看護
婦さんが「また調子悪くなったの?」と優しく聞いてくれて、涙をこらえなが
ら、「でも、先生に見捨てられたからいい」と応えるのが精一杯。前から嫌い
な先生(院長先生の息子)で担当変えてほしいけど、専門の先生がその先生だ
からしょうがない、と我慢していたけど、やっぱりこれからは院長先生へ診察
してもらおうと固く心に誓いました。わたしは、民間療法でもなんでもいい、
治らなくてもいいから、副作用の出る薬を飲まずに病気と付き合って行きたい。
そういう方っておられませんか?(西脇)

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発行元:ドラマ研究会
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