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タイトル:Daily Drama Express 2004/10/10 夫婦。 (1)  2004/10/24


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2004/10/10 (Sun) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.日曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 日曜日の連続ドラマ
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タイトル 夫婦
局  名 TBS系
放映日時 日曜21時
キャスト 山口太一(田村正和)
 山口華(黒木瞳)
 山口菜穂(加藤あい)
 山口順(塚本高史)
 待田幸子(羽田美智子)
  田之上静香(西田尚美)
 元木慎吾(大森南朋)
 敏江(深浦加奈子)
 照代(今井陽子)
脚  本 遊川和彦

あらすじ  第1話「妻の言い分VS夫の言いわけ」

 山口太一(田村正和)は通販会社の社長。会社の利益より、お客さん
の喜ぶ笑顔が大事だと社員に言い聞かせている太一は、今日も自らテ
レビショッピングに出演中。本日の商品は『ホームフットワーカー』
 ビデオ、お洒落なタオル、リストバンドがついて消費税込みで
49800円。決め台詞は「またカミさんに怒られちゃいますよ、あなた
こんなに安くしちゃダメよって。」だ。

 「本当にあんな事言ってるんですか?」「あの人が勝手に作ってる
に決まってるじゃない。」太一と結婚して25年になる妻、華(黒木瞳)
は近所の主婦仲間、敏江(深浦加奈子)、照代(今井陽子)に聞かれ、こ
う答える。華は専業主婦。敏江達と談笑しながらも、テーブルの上を
拭いたり、曲がった写真立てを直したりせずにはいられない性分だ。

 「子供のいない私には、華さんち、結構理想なんですよねぇ。」と
照代。素敵な夫は稼ぎも良く、娘・菜穂(加藤あい)は明るくて綺麗、
息子の順(塚本高史)は優しくてかっこいい…。敏江にも「ウチの亭主
言ってたわよ、華さんは40代には見えないよなあ10歳は若く見え
るって。」と言われ、華は照れながら、子供達は二人ともわががまだ
し、夫は外面はいいけどウチではぶすーっとしてるし、休みもろくに
ないし、と不満を口にする。

 「いいじゃない、休みないの。」と敏江。休みの日にゴロゴロされ
ると邪魔なだけ、と言う敏江に、「うそー。じゃあ、あっちの方とか
も?」と照代。
 「もうここ何年もないし、もうしたいとも思わない。」と敏江。華
も「この前いつだったかも忘れちゃった。」と同調する。

 照代は「私そんなの耐えらんない。」と、華さんは綺麗なんだから
髪でも切ってイメチェンしてみれば?とけしかける。さらに、下着を
変えてみるとか、場所を変えてみるとか…と話は続く。

 太一は、部下の元木慎吾(大森南朋)を連れて、街頭調査に出た。若
い子と話し、俺がもうちょっと若かったらなーと言う太一に「社長に
はあんなにきれいな奥さんがいるじゃないですか。」と慎吾。
 太一は言うのだった。「お前何にもわかってねーなー。女房っての
はな、結婚したら女じゃなくなるんだよ。家族だよ。家族とそんな気
になるかおい。」

 そんな時、太一は一人の女性・幸子(羽田美智子)とぶつかる。太一
は幸子の顔を見て呟く。「どっかでお会いしたような…?」すると幸
子も「そういえば私も…」
 「あーっ!」突然幸子が大きな声をあげる。「思い出しました?」
「いえ、私また違う靴はいてきてる…。」どうやら幸子はそそっかし
い性格のよう。
 そこへ、別の場所で調査していた慎吾が戻ってくる。「あら〜こん
にちは。」と幸子。幸子と慎吾は知り合いの様子だが、なぜか慎吾は
そわそわしている。
 「綺麗な人だよなあ。誰だよ?もしかして新しい彼女?」幸子が去
った後、太一が慎吾に尋ねる。
 「違いますよ。」と慎吾。
 「どっかで会った様な気がすんだけどなあ…。」

 夕食時、順は携帯をいじりながら食べている。華はせっせと床を拭
いたり、流し台を掃除したりしているが、ふと昼間言われた“10歳は
若く見える”という言葉を思い出し、近くの鏡で、微笑んだり色っぽ
い顔を作ってみたりしてみた。「なにやってんの?」順に言われる。

 「ただいまあ。」菜穂が帰ってきた。「パパに例の話してくれた?」
実は、菜穂には結婚したい人がいるのだ。
 「付き合ってまだ1年、そんな焦る事ないじゃないの。」と言う華
に、菜穂は、来年は恋愛運サイアクだから、結婚するなら今しかない
って数子が言ってた、と話す。
 「数子って?」「細木数子」
 あきれた華は、結婚はそんな甘いもんじゃない、と言うのだが、
「ママだって二十歳で結婚したんでしょ?」と返されてしまう。

 夜遅く、太一が帰ってきた。「とりあえずビール。あ〜疲れた。」
 太一はソファーに腰をおろし、最近の若いもんは…と愚痴をこぼし
ながら、脱いだ靴下をそこらに放り投げる。華が菜穂の事で話がある
…と言っても、録画してもらっていたスポーツニュースに夢中だ。
 「聞いてます?」
 「聞いてるから早くしてくれよ、死にそうだよ腹減って。」
 電話してくれれば用意しとくのに、うちで食べるって言う日に限っ
て突然いらないって言うし…と華はぶつぶつ言いながら、太一の食事
を用意する。

 食べながら、太一は今度は新聞を読み始める。
 「先に寝ていいぞ」「だから話があるって言ったじゃない。」しか
し太一は新聞から目を離そうとしない。「男も美肌?」
 それを聞いて華は「ねえ私いくつに見える?」と太一に尋ねる。
 「46だろ。」「それ本当の歳でしょ。じゃなくて見た目よ、見た
目。」「見た目なんてしらねえよ。」「私ね、今日ね、10歳若く見え
るって言われたのよ、多分お世辞だと思うけど。」「お世辞お世辞お
世辞。」「ちょっと!」「うるせえなあ、お前はあ。新聞読んでんだ
からちょっと静かにしてくれよ、おい。」
 華はふくれる。「ちゃんと片付けておいて下さいよ。おやすみなさ
い!」

 朝。華と順がいるリビングに、太一が階段を下りてくる。実は大学
4年の順は留年が決まっているのだが、まだ両親にはその事を言えず
にいた。なんとなく気まずい順は、大学午後からだからもう少し寝る、
と二階に上がっていく。

 「あいつ就職どうなってんだ?」と太一。
 華は、菜穂の時のように、太一の知り合いに頼めないかと聞くが、
太一は、男と女は違う、女はいずれ結婚するから気楽に頼めるが、男
は一生の仕事だから、本人にやる気がなければ頼めない、と言う。
 「だったらあなたから何とか言って下さい。」
 「俺が言ったって聞きやしないよ。説教だって思うだけでさあ。」

 出勤準備ができた菜穂がリビングに下りてくる。「パパに話してく
れた?」小声で華に聞く。「だから自分で言いなさい、自分で。」と
華。

 菜穂は、今度食事に行こうと太一を誘う。「近頃パパとデートもし
てないし。」と言われ、ちょっぴり喜ぶ太一だったが「全然たいした
話とかじゃないんだけど、ちょっと話したいことがあるし。」と菜穂
が言うのを聞いて、太一の顔色が変わる。
 「なんだ?」
 「だからそんときゆっくり話すから。いってきます。」
 「気になるなおい…。」

 スーパーで買い物をしていた華は、通りかかった下着売り場にふと
足を止め、派手な下着を手に取るが、「何かお探しですか?」と店員
に声をかけられ、「いえ、いいです」と足早に立ち去る。
 そして、美容院の前で“髪とか切ってイメチェンしてみたら”と言
う言葉を思い出し、華は中に入る。

 その時、太一から電話がかかってきた。太一は、菜穂のことが気に
なって仕事が手につかないのだ。
 「どうせお前知ってんだろ。もしかしたら結婚とか言うんじゃない
だろうな?」
 「さあ…多分そうなんじゃ…。」
 太一はうろたえる。「おい…どうすんだよお前…。」

 順は、ギターを片手に路上に立っていた。心の中のもやもやを吐き
出すかのように歌い出す。
 “こんな腐りきった世の中で こんな俺に何ができるだろう くそ
くらえ 地位 名誉 お金。宝物は愛情、夢…”

 とその時、目の前でひとりの老人が胸を押さえて倒れこんだ。順は
辺りを見回すが誰も気付かない。どうしていいかわからずにいると、
「おじいちゃん大丈夫?」と静香(西田尚美)がやってきて、救急処置
を施し始める。静香は、順に、胸のポケットから携帯をとるよう指示
する。「もしもし、内科の田之上です。」静香は看護師だった。

 順は、老人が運ばれた病院の廊下で待っていた。「あれ、まだいた
んだ?」通りかかった静香が気付く。静香から老人の様子を聞いて順
はほっとする。帰ろうとする順に「さっき携帯とったとき、おっぱい
触ったよね?」と静香。
 「触ってませんよ。」順は慌てる。
 「ドキドキしたでしょう?見かけによらず結構大きいから。」
 順は思わず「何言ってんですか、全然ないじゃないですか。」と言
ってしまう。
 「やっぱり触ったんじゃん。」静香は悪戯っぽく笑った。

 仕事が手につかない太一は、菜穂の相手が誰なのか調べるよう、慎
吾に頼む。慎吾は困る。実は、菜穂の相手とは慎吾なのだ。
 太一の「俺はいずれ、お前と奈緒を結婚させてもいいと思ってたわ
けだよ。この会社だって、これからお前が中心になってやっていかな
きゃと思ってるんだ。」と言う言葉に、慎吾は、菜穂の相手が自分で
ある事を打ち明ける。

 山口家。しかめ面の太一の前に菜穂と慎吾が並ぶ。
 「なんで私が言う前にしゃべっちゃうのよ。もう…。」「ごめんつ
い油断しちゃって…」

 「お前知ってたのか。」太一が華に聞く。「はい、一応…。」
 太一は自分だけ知らなかったのが面白くない。実は、華は、菜穂に
付き合っている人がいる事を、時々太一に話していたのだが、太一は
そんな話聞きたくない、といつも逃げてばかりだったのだ。

 別に反対をしてるわけじゃない、と言う太一は、菜穂がいつ結婚す
るって言い出すか、半分びくびくしながら、いろんな場面を想像して
いたと語り出す。話しているうちに感極まって涙ぐむ太一。
 「お前らに、この父親の辛くて切ない気持ちはわからないだろう。
それなのに、なんだよこれは。だまし討ちじゃないか。」

 反対はしてないが、一旦白紙に戻して1〜2年時間を置けと言う太
一の言葉に、「冗談じゃないわよ、式場だって仮押さえしたのに。」
と菜穂。人気の式場を予約していた友達がキャンセルして空いたとこ
ろを押さえたのだという。しかも3ヵ月後。
 太一も華も驚く。

 華は菜穂をランチに誘い、何故結婚したいのかと聞く。何だかんだ
いって女の幸せは結婚だし、慎吾は前から自分の事好きだったみたい
だし、と菜穂。それに、慎吾が次期社長になればパパだって都合がい
いはず、と言う菜穂に「なんか打算的ねえ、若いのに。」と華は首を
かしげる。
 「じゃあママは何で結婚したの?」
 「パパの事愛してたからよ。」華は、太一と出会った頃の事を語り
出した。

 太一と華が出会った頃、太一は上司ともめて勤めていたデパートを
辞めたばかり、おまけに前から好きだった人にも振られて、という最
悪の状態だった。なのに、華と会っている時は、華を一生懸命笑わせ
ようとしてくれたと言う。そして自分の夢を何時間も語る姿に、でき
たら一生側にいて、この人の夢、叶えさせてあげたいなと思った、と
華。
 「だからねママ、短大卒業したらすぐにパパの部屋おしかけて、結
婚してくださいってせまったの。」

 同じ頃、太一は婚約解消するよう菜穂を説得しろと、慎吾に命じて
いた。それは無理ですという慎吾に、そんなんじゃ、一生尻にしかれ
るぞ、と太一。
 「僕は別に構いません。だって世界で一番好きな人とずっと一緒に
いられるんですから。」

 お前は結婚というものがわかってないという太一から、太一と華の
なれそめを聞く慎吾。
 「じゃあ、奥さんの方からプロポーズされたんですか?」
 「あいつはずっと俺に惚れてたしな。」
 「でも考えませんか?好きだった人と結婚してたらどうだったろう
って。」
 太一は「別に。よく言うだろう。結婚は2番目に好きな人とした方
が幸せになれるってさ。」と言うのだった。

 太一は、無理やり慎吾から式場を聞き出し、その式場へと向かう。
キャンセルしてしまおうという魂胆だ。

 華がなかなか来ない事にしびれを切らした太一は先に中に入る。な
んと、そこにいたのは幸子。幸子はこの式場に勤めるウェディングプ
ランナーだったのだ。もうすぐ式が始まるのに花嫁の父が行方不明で、
と言う幸子。太一も一緒に探す事にする。

 太一は、酔っ払っている花嫁の父(角野卓造)を発見。幸子が説得す
るが、父親は聞き入れない。
 太一がハンカチを差し出して、「父親なんて切ないもんですなあ。」
と語りかける。
 「全く誰のおかげで大きくなったと思ってんだ。こっちは生まれた
時からずっと世界中の誰よりも娘の幸せを願ってきたと言うのに。」
その言葉に「そうなんですよぉ。」と花嫁の父が泣き崩れる。
 太一は優しく肩を抱きながら、子どもの望む道を進ませてやるのが
親の役目、父親として胸張って送り出してやりましょうと話す。花嫁
の父は「そうですね。」とやっと立ち上がった。太一の話に幸子も目
を潤ませる。

 幸子は太一に礼を言い、自分が結婚しても父はあんな風に泣いてく
れるのかなと呟く。いい歳した娘がいつまでも結婚しないのを、両親
は疎ましく思っているという幸子に、「この世に娘の幸せを願わない
親なんていないんだから。例えいくつになっても。」と太一。
 「でも、どうしてあなたみたいな素敵な人がまだ…?」
 幸子は、一生お互いを大事にしていけるような人と結婚したいが、
そんないい男はなかなかいない、たまにいても結婚してるし、と話す。

 「ああっ!」幸子が声をあげる。また、靴を間違えてきたらしい…。
 太一と幸子が楽しげに笑っているところに、やっと華が現れる。

 「ああっ!やっと思い出した。」幸子は、太一がテレビショッピン
グに出ていることに気付く。「もしかしてこちらがいつも怒られてる
奥様?」 華は苦笑い。

 式場キャンセルの件を、太一は自分からは話さず、「こういう問題
は母親が話した方が…」と華に任せる。挙句の果てに「私は別に反対
してるわけじゃなくて…」とまで言い出す始末。

 そして、幸子に、もう一度お嬢さんとよく話し合っては?勝手にキ
ャンセルしたらお嬢さんも傷つくと思うんですけど、と言われ「そう
ですね、おっしゃるとおりです。」と調子のいい太一。

 式場からの帰り道、「絶対キャンセルするんじゃなかったんです
か?ほんとに外面いいんだから」と華は呆れ顔。
 華は呟く。「…似てますね、あの人。昔、あなたが好きだった人。」

 歩いていると、ラブホテルが目に入る。照代の“じゃあ場所をかえ
てみるとか”の言葉を思い出す華。「どうした?」太一に言われ、我
に返る。
 「二人で出かけるなんて久しぶり。何かデートみたい。」と華は腕
を組もうとするが、「よせよ。」と照れる太一に振りほどかれてしま
う。

 「ねえ、髪どう思う?」華は聞いてみるが、太一は華が髪型を変え
た事に気付かないどころか、勘違いして自分の髪型をチェックしてい
る。「ん?おかしくねえじゃねえか。」
 「もういいです!」華は足早に歩き出した。

 家に帰ると、菜穂が「式場行ったでしょ?!」と怒っている。太一
は、忘れた、疲れた、頭痛い、風邪っぽい、寝る、風呂入らない、と
さっさと逃げ出す。

 寝室で、華から菜穂の結婚の意志が固い事を聞いた太一は「どうす
んだよ、お前」と華を責める。直接言えばいいでしょう、という華に、
太一が言う。
 「それはお前の役目だろうが。子どもの事はお前に任せてあるんだ
からちゃんとやってくれよそれぐらい。こっちは忙しくてそこまで頭
回んないよ。お前ずっと家にいて、たいした苦労ないんだろうから、
いくらでも考える時間あるだろう。」
 「何それ…。」華は言葉を失う。
 そして、とにかく頼む、と言って太一はさっさと寝てしまった。

 「はぁっ…」ため息をつく華。

 華もベットに入ったものの寝付けない。隣のベットでは太一が高い
びき。さらには「まーたカミさんに怒られちゃう」と寝言まで言って
いる。華はベットから起き上がり、空中で太一にパンチと蹴りを入れ
る。
「愛と信頼で私が保証します」「いますぐお電話下さい」太一の寝言
は続く。

 華はいても立ってもいられなくなり、モップ片手に部屋の掃除を始
めた。「あっっ!」勢いあまって、ベットに足をぶつけてしまう。痛
みと口惜しさ、哀しさで泣けてくる。

 太一が気付いた。「お前なにやってんだこんな時間に」

 華は太一に聞く。「あなたはなんで私と結婚したんですか。」
 「え?」
 「どうして結婚したんですか私と。」
 「何言ってんだお前。」
 「私と結婚してよかったと思ってます?」
 「当たり前だろう。」寝ぼけ眼で太一が答える。

 「お前、な、泣くなよ。」「泣いてません。」「俺、なんかした
か?」「してません!」「じゃあ何だよ。どうしたんだよ。」

 華は、ずっと忘れていたような気持ちがあった事を思い出したのだ。
結婚しようって言われた時、飛び上がるくらい嬉しかった事、初めて
自転車に乗れたときや、初めて好きな人とキスした時のような気持
ち…。
 「結婚したら、きっとこんなことがもっといっぱいあるんだろうな
と思ってた。でも、もうそんな事はないんですよね。何かそう思った
らちょっと寂しくなっただけ。ばかねえ、いい歳して。お金に困って
るわけでもないし、子どもたちも二人ともいい子で十分幸せなのに。」

 翌朝。おそるおそるリビングに下りていく太一だが、華は何事もな
かったようにしている。
 「近々さ、みんなで温泉でもどっか行かないか?最近家族で出かけ
てないしさ。」太一が提案するが、華も順も無言。

 「おはよう」菜穂が下りてくる。菜穂は、今日も携帯で占いをチェ
ック。「私の今日の運勢最高だって。やりたい事があったらどんなに
周囲から反対されても自分の信念を貫きましょうだって。」

 ついでに華の運勢もみてみると“あなたの幸せを壊すかも知れない
ライバルが接近中。気をつけて”だった。「パパが浮気でもしてんじ
ゃないのお?」 その時、電話が鳴った。「あら、なーんかこの電話
の音、不吉な予感がするぅー。」菜穂がふざける。

 電話は幸子からだった。「お暇な時にでもお会いできないでしょう
か?」
 「…あの〜。電話じゃダメなんですか?」華の様子を伺いながら、
太一が聞く。
 「できれば、お会いしたいんです。」

 『いや〜僕もね、まさかこの時は本当に女房と離婚するなんて…夢
にも思っていませんでした。』


寸  評  最後の太一のセリフは、未来の太一の言葉なのか、単なる夢か何
かなのか…良くわかりませんでした。
 外面が良くて、家の事は妻に任せっきりの夫…太一の世代だと普通
かもしれないなぁと感じました。ブツブツ文句を言いながらも25年そ
れでやってきてしまった華にも、責任はあるかもしれません。華は美
人で、家の事もきちんとしていて、主婦としては完璧ですが、夫への
接し方は少し考えた方がいいかも。誰だって、疲れて帰ってきて新聞
読んでるとき話しかけられたら、「うるさいなぁ。」となると思いま
す。むしろ、一応相手をしていた太一は優しいなとさえ思いました。
でも、「お前家にいてたいした苦労ないんだろうから」はちょっとひ
どいですね。

 太一と華の夫婦が、幸子の登場によって、これからどう変化してい
くのか、楽しみです。

執 筆 者 浅沼(himawari_dance@yahoo.co.jp)

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2. 編集後記
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 前回担当の「逃亡者」と同じ時間帯ですが、個人的には、日曜劇場は今回の
ような路線の方が好みです。華たち主婦三人が、愚痴を言い合っている場面は、
同じ日曜劇場の「カミさんの悪口」で、田村正和と、橋爪功、今回花嫁の父役
で登場していた角野卓造の三人が文字通りカミさんの悪口を言い合っている場
面を彷彿とさせました。
 タイトルは「夫婦。」なんですね。そういえば同じ遊川脚本の「オヤジぃ。」
にも「。」がついていましたが、何か意味があるのでしょうか?(浅沼)

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発行元:ドラマ研究会
e-mail:info@j-drama.tv
url   :http://www.j-drama.tv/
ID  :MM3E195F16414CD 
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