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タイトル:Daily Drama Express 2004/10/12 めだか (2)  2004/10/18


===================================================== 発行部数   15 ==
                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2004/10/12 (Tue) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.火曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 火曜日の連続ドラマ
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タイトル めだか
局  名 フジ系
放映日時 火曜21時
キャスト 目黒たか子(ミムラ)
 椎名亮介(原田泰造)
 桜木拓 (瑛太)
 川原由布子(須藤理彩)
 矢部弘紀(山本太郎)
 刈谷六郎(泉谷しげる)
 種田直文(小日向文世)
 国見祥子(浅野ゆう子)
  川嶋多英(木内晶子)
  小山田修(山崎樹範)
  高杉順平(平岡祐太)
  吉住明日香(黒木メイサ)
  武井康 (加藤康起)
 山本えり(朝比奈えり)
 根本ゆうや(遠藤雄弥)
  森本正治(林隆三)
  目黒みず江(市毛良枝)
脚  本 相沢友子

あらすじ  三葉学園高等学校職員室。(昨日授業でぶち切れてしまった)た
か子(ミムラ)は恐る恐る祥子(浅野ゆう子)の様子を探っている。
たか子の視線に気づき、「何でしょう?」と尋ねる祥子。思わずビク
ついて愛想笑いをし「いえ、別に」と答えるたか子。そこへ矢部(山
本太郎)がやってきて「目黒先生、昨日ぶちきれたらしいですね。い
やぁ、見かけによらず気合入ってますねえ」と言う。たか子祥子のこ
とを気にしながら「何やったか自分でも覚えてないんですよ」と弁解
する。

 重い足取りで教室に向かうたか子。教室前で昨日ぶちきれた自分の
ことを思い出し、たか子はまずいことをしたといじけ顔になる。たか
子が恐々と俯き、小声で「おはようございます」と言いながら教室に
入る。「おはようございます」という生徒の声に思わずビクッとして
しまう。たか子は教卓につくとそーっと顔を上げ、出席を取ろうとす
る。たか子は「まだ来てない人……」と言いかけて驚く。姿勢を正し
真剣な眼差しの生徒たちがいる。刈谷(泉谷しげる)が「全員来てお
ります」と言う。予想外の展開にたか子は戸惑ってしまう。

 授業が始まっても皆真剣な表情で話を聞くので、たか子はどうもし
っくりとこないが、表情は嬉しそうになる。授業後、たか子は小躍り
しながら椎名(原田泰造)に生徒たちのまじめな様子を話す。「もし
かしたら私の言ったことが理由だったりして」とたか子は舞い上がる
が、椎名は冷めた口調で「中間テストが近いからですよ。テストが終
わればまたいつもどおりになりますから」と言って行ってしまう。
「そ、そうですよねぇ」とがっくりくるたか子。

 たか子が職員室でコピーを取っていると、祥子が「目黒先生、お客
様ですよ」と声をかける。森村(林隆三)が職員室に入ってきたので、
たか子はびっくりする。森村は辺りを見回しながら「ほぅ、ここがめ
だかの学校かあ」と言う。矢部が「めだかの学校?」と不思議がる。
たか子はあちゃ〜という表情になるが、森村はかまわず「小学校から
のあだ名なんですよ」と答える。矢部は「かわいいですね、似合って
ますよ」と言うが、たか子は引きつった笑いを浮かべる。

 廊下のベンチに座ってたか子と森村は話をする。たか子が「病気な
んじゃないですか?」と言うと森村は「ただの腸炎だ、もう治った」
と答える。森村は「この前辞めるとか言ってたから、もういないのか
と思った」と言うと、たか子は身振りしながらたどたどしく「なんか、
こうカァーッときちゃって、気がついたら私は絶対やめない!って叫
んでたんです」とたか子が言う。森村は「生徒ともめてたのか?」と
聞くと、たか子は「いえその、私の一方的な八つ当たりで」とばつの
悪そうな顔をする。そこへ体育の授業に向かう生徒たちが通りかかる。
桜木(瑛太)が森村に気づき、挨拶をする。たか子は気まずそうな顔
をするが、森村は「桜木とめだかの小学校時代の担任です」と挨拶す
る。生徒たちが「へぇ同級生だったの」と驚くので、森村は「あれ、
言ってないのか?」と不思議がる。たか子は「あえて言うことでもな
いかと思って……」と歯切れの悪い返事をする。

 放課後、たか子が廊下を歩いていると、向かいから明日香(黒木メ
イサ)がやってくるのと会う。明日香は「めだか先生、相談したいこ
とがあるから、帰りにお茶しません?」と意地悪そうな微笑を浮かべ
ながら言う。たか子は一瞬また待ちぼうけを食らわされるのではない
かと思うが、すまし顔で「いいわよ」と強がってみせる。

 案の定たか子は喫茶店で待ちぼうけを食らわされる。ふぅっとため
息をつくたか子だが、表情はさばさばしている。

 次の日、中間テストが始まる。たか子が出席をとると桜木だけがい
ない。2日目、3日目とテストは続くが、結局桜木は1日も現れなかっ
た。職員室で椎名が「桜木、来てませんでしたね、まっ、事情がある
んでしょう」と言うが、たか子「あたしのせいかもしれません」とぽ
つりと言う。

 たか子は桜木を訪問することにし、桜木が昼間働いている岡崎工務
店に行く。たか子は中年男性社員に出会い、桜木の様子を聞くと、
「ここんところ、現場にいっぱなしだよ。近くだし、行ってみれば」
と答える。

 たか子が現場に出向くと桜木が一人で作業をしていた。桜木はたか
子に気づいても話しかけない。たか子は来てほしくないんだろうなあ
と感じて、愛想笑いをする。桜木は作業をしながらぶしつけに「キス、
怒ってんだろ」と言いだす。たか子は同窓会の出来事を思い出して動
揺し、「テストに来なかったの、私のせいだよね。私も森村先生が急
にやってきて私たちのことを同級生って言うなんて……」と一気にし
ゃべるが、桜木は「ちょっと待って、何か勘違いしてない?急な仕事
が入っただけだよ」と言う。「えっ?でも」と驚くたか子。桜木は
「そんな理由でテストを受けないほどばかじゃない。この家のリフォ
ーム作業を大至急やんなきゃいけないんだよ」と言う。少し安心した
たか子は「大至急っていつまで?追試は?」と聞くと、桜木は「来週、
7日後だよ」と言う。たか子は「それって追試の初日?」と驚く。桜
木は作業の手を止め、真顔で「ずらしてもらえませんか?無理は承知
です。お願いします」と頭を下げる。日程をずらせるわけもなく、た
か子は困惑してしまう。

 たか子は学校へ戻って、おずおずと祥子に日程変更を相談するが、
祥子はあっさりと断る。たか子は「そっ、そうですよねぇ」と愛想笑
いをする。祥子は桜木の職場に出向いたことについて注意する。「元
同級生だからと言って、くれぐれも個人的感情で生徒を特別扱いをし
ないように」と言う祥子に、たか子は「は、はい」と元気なく答える。

 たか子は教室で答案を返していた。皆赤点ギリギリだが、順平(平
岡祐太)は98点とダントツに良かった。たか子は「高杉くん」と呼ぶ
が、順平は俯いて座ったままで動かない。たか子は答案を裏返しにし
て順平の机の上に置く。

 授業後、明日香が来て「先生、この間はごめんなさい、急に一緒に
テスト勉強しようって誘われちゃって。留守電にメッセージ入れてお
いたんですけど、聞いてくれましたか?」とケロッと言う。たか子は
すまし顔で「そんなメッセージなかったけど」と答える。明日香が
「間違えちゃったかなあ」とうそぶくと、たか子は笑いながら「いい
のよ、おかげでラーメン食べずに済んだから。お茶だけなら太らない
し」と切り返す。明日香は「じゃあ、また誘ってもいいんですね?」
と言うと、たか子は「ええ、いいわよ」と平然と言う。明日香は「じ
ゃあ今日また。今度は絶対行きますから」と言って立ち去る。去り際、
明日香は「あそこのケーキ、おいしいんですよ」と一言付け足す。そ
の晩、たか子は喫茶店で恨めしそうにメニューのケーキを眺めながら
待つ。店員が注文をとりに来ると、「紅茶をお願いします」と言うが、
我慢しきれず、すぐ「やっぱ、ガトーショコラも」と眉をハの字にし
て言う。

 翌日、たか子は桜木のところへ行き、追試の日程が変えられないこ
とを伝え、会社に追試を受けられるようにお願いしてみてはと提案す
る。しかし桜木は自分のミスでこうなった、他の人も自分の持ち場で
手一杯、普段から学校通いで迷惑かけているし、自業自得だよと答え、
追試を諦めようとする。どうすることもできずたか子は途方に暮れる。

 その日、種田が登校すると、校門のところで下校する全日制の生徒
の一人に絡まれる。種田がそっと差し出すお金をさっととって走って
いく生徒。種田はとぼとぼと学校に入っていく。

 たか子が教室に入ってくると、遅れた生徒が次々だらだらと入って
くる。刈谷は酔っ払っていて、たか子のところにくるや頭をなでなで
し始める。教卓に顔がくっつきそうになるたか子。たか子が出席を取
ると、桜木だけが欠席している。小山田(山崎樹範)が「どうして桜
木は休んでんですかぁ?同級生の関係が妙な方向にこじれてるとか?」
とからかうと、教室中がヒューヒューとはやし立てる。たか子はそれ
を無視し「桜木くんは仕事が忙しくあと一週間は来られないそうです」
と答える。「じゃあ、追試受けられないじゃん」「留年決定じゃん」
という声が上がる。刈谷が「あんた同級生だろ、何とかしてやれよ」
と言いだす。小山田は「そんなの無理じゃん、もう一年やるしかない
でしょ」と言うと、種田は「桜木くんはやりたいことがあるから、も
う一年は気の毒でしょう」と言い、刈谷は「そうだよなあ、お前と違
って桜木はフラフラしているわけじゃないし」と何気なく口走る。カ
チンと来た小山田は「フラフラしてるってなんだよ」と机の角を蹴り
上げる。刈谷は「フリーターだかなんだか知らないが、コロコロ仕事
を変えやがって、根性がねえ」と言うと、小山田は「そんなの関係な
い。たか子は椎名に途中退学の現状を尋ねる。椎名は「卒業するのは
半数くらいです。勉強や集団行動についていけなかったり、仕事や家
庭の事情でやめていく人もいます」と答える。たか子は驚き「かわい
そうですね」と言うと、椎名は「誰だってああもうだめだ、ここまで
が限界だと思い知らされる瞬間があるものです。最初は意欲的でもそ
れを保ち続けるのは容易じゃないということです。目黒先生にもそう
いう経験があるでしょう」と諭すように言う。その日の帰り、喫茶店
で眉間にしわを寄せ、思い悩むたか子。

 翌日、たか子は多英(木内晶子)と自由軒で昼食をとる。たか子は
「なんか気持ち悪い」と顔をしかめる。多英は「食べすぎ?」と言う
と、たか子は「食欲は悲しいほどあるけど。なんか胸の辺りがひっか
かる感じで」と説明すると、多英は怪訝な顔をして「それってもやも
やじゃない?何か納得いかないこととか後ろめたいことがあるんじゃ
ない」と言う。たか子は「あっ」と思い当たる。多英は「それよ」と
言う。たか子は「でもそれは私ではどうにもならないし」と言うと、
多英は「それならもやもやしないはずだけど」と言う。たか子はなお
考えこんでいたが、突然立ち上がり、「ごめん私ちょっと行ってくる」
と言って店を出て行く。

 桜木の仕事現場にきたたか子は、上着を脱ぎ捨て桜木を手伝うと言
い出す。「追試を受けられる方法、これしか思いつかないから」と言
うたか子。桜木は助けにならないと突っぱねるが、たか子は聞かない。
桜木は「なんで?先生だから生徒のために?同級生だから?あっ、も
しかして俺にほれているから?」と言う。
 たか子はキッとした顔になり、「もやもやすんのよ。悪いけど生徒
とか、同級生とか関係ないから。わたしがもやもやするから気のすむ
ようにさせて」と言う。
 桜木は「自分のためかよ」と吐き捨てるが、たか子は「そうよ、自
分のためよ」と言い放つ。その迫力に押されたか、桜木は手伝いを受
け入れる。

 その日からたか子の手伝いは毎日続く。足手まといになりながらも
懸命に働くたか子に桜木も徐々に心を開いていく。食事休憩中、たか
子は「桜木くんのやりたいことって何?みんなが言ってたけど」と尋
ねると、桜木は「笑われるから言わない」と答える。たか子はムキに
なり「笑わないわよ」と言い返すと、桜木は「昔こどものとき東大寺
の大仏を見て圧倒されて、ずっと見続けていた。これは誰が作ったん
だろうって。それで建築家になりたいと思った。自分の死んだ後何百
年も残るような」と話す。たか子はにっこりし、うらやましそうに
「いいなあ、やりたいことがあって」と言う。桜木は「おまえは教師
になりたかったんじゃないのかよ?」と尋ねると、たか子は急に沈ん
だ顔をし「うん」と答える。桜木は「他には?」と聞くが、たか子は
答えられない。桜木は「もったいね。大学まで行って、時間も金も使
える環境にあったのに。あっ、ひがみ根性で言っているわけじゃない
ぞ。そういう時期もあったけど、俺はそれでも恵まれているから」と
言う。それを聞いたたか子は自己嫌悪気味になる。種田が仕事で外回
りしていると、たか子が桜木を手伝っているのを見かける。

 たか子が筋肉痛に苦しみながら職員室へ入ってくると、刈谷がたか
子の席に座っていて「質問がある」と言う。たか子が「なんですか?」
と聞こうとすると、祥子がやってきて恐い顔でたか子に話があると言
う。

 刈谷が教室へ来て、みんなにたか子が祥子に怒られていることを話
す。種田は「たか子が桜木の手伝いをしているのがばれましたかね」
と言うと、小山田が「俺、矢部先生に言っちゃったかも」と言いだし、
その話に持ちきりになる。ひとり話に加わらないでいた明日香はそれ
を聞いて教室を出て行く。

 職員室では祥子がたか子に桜木を手伝っている件について問いただ
していた。明日香が職員室前に来て立ち聞きする。祥子は「あなたは
生徒の全人生を背負うんですか?桜木くん以外にも困っている生徒が
いたら職場に行って手伝うんですか?必要以上に生徒の私生活には立
ち入らないで下さい。もう一度できることとできないこととを見極め
て行動してください」と諭す。しかしたか子は自信がなさそうに「で
きることとできないことの見極めがつかないんです。私は自分の限界
がどこなのかまだわからないから、みなさんのように正しい判断がで
きないんです」と言う。チャイムが鳴り「すいません、授業に行きま
す」と言って立ち上がるたか子。外で聞いていた明日香が教室へ戻っ
ていく。祥子をはじめ、椎名、矢部もたか子の態度に困惑を隠せない。

 たか子はその後も桜木の仕事の手伝いの手伝い、夕方からは授業、
放課後は終電まで喫茶店で明日香を待ち続ける日々が続く。そんな中、
たか子が学校帰り喫茶店で自分のしていることについて思い悩んでい
ると、店の外を明日香が通りかかりたか子を見つけて足を止める。そ
こへ椎名が来て、明日香に「何やってんだ」と注意する。明日香は慌
てて走り去る。椎名が店内を見、たか子がいるのを知る。伏目がちに
何事か思う椎名だが、そのまま立ち去ってしまう。悩みこんだたか子
は疲労が極度に達し、家に帰るなり着替えもせず寝込んでしまう。母
のみず江(市毛良枝)がだらしないと言って起こそうとするが、たか
子はそのまま眠り込んでしまう。

 たか子の手伝いの甲斐があってか、追試には間に合いそうな見通し
になる。たか子は桜木に「先に学校へ行ってるね、追試10時からだか
ら」と言うと、桜木は「夜までにはなんとかなるでしょ」と答える。
しかしたか子が外へ出ようとすると壁の一部がはがれているのを見つ
ける。自分のやったところだと気づいて慌てふためくたか子に桜木は
「俺がなおしとく」と言う。たか子は「追試は?」と聞くと、桜木は
「なんとかするよ」と言う。たか子は「間に合わないよ」と泣きそう
になるが、桜木は「大丈夫だよ。追試には必ず行くから」と言うので、
たか子は「わかった」と言って学校へ行く。

 学校についたたか子は自分の失敗に落ち込むが、そのうち疲れから
机に突っ伏して眠り込んでしまう。そこへ椎名がやってくる。たか子
が寝ているのを見て、肩を叩いて起こす。たか子は目を覚まし「なん
でしょう?」と言う。そこへ祥子と矢部が入ってくる。椎名は「来週
は水曜と木曜の授業が入れ替わりますから注意してください」と言っ
て立ち去る。

 桜木のことを気にしながら、授業を行うたか子。職員室では祥子が
椎名に追試のテスト問題を渡している。椎名はふと祥子に「国見先生
はご自分の限界を知ってらっしゃるのでしょうか?」と尋ねる。祥子
は淡々と「ええ、もちろん」と答える。椎名は「それは本当の限界な
んでしょうか?」とさらに聞くと、祥子は「感情に流されるのは危険
です。椎名先生はご自身の経験から良くご存知のはずでしょう」と釘
をさす。

 放課後になるとたか子は職員室へ飛んでいき、椎名に桜木は必ず来
るから少し待ってくださいと懇願する。椎名は無表情に「ずいぶん熱
心ですね。失礼ですが、正直意外です」と言う。たか子は苦笑いをし
ながら「自分でも意外です。まったく何をこんなに意地になってんで
しょうね」と言う。椎名は「一教科目は10時から45分までです。それ
までは教室で待ちますよ」とだけ言って立ち去る。たか子はいても立
ってもいられず外に飛び出し、学校近くで桜木が来るのを待つ。教室
で考え事をしながら待ち続ける椎名。壁時計を見て10時45分になった
のを見て、教室を出て行く。

 たか子がはらはらしているとようやく桜木がやってくる。二人で急
いで教室へ駆け込むがすでに電気は消されていた。桜木は「ありがと
な。無事引渡しできたよ。でももう少しましなやつが手伝ってくれた
ら追試に間に合ったかも」と言うと、たか子は「ちょっとぉ、それは
ないでしょ」と笑いながら文句を言う。冗談冗談という表情で「まっ、
いいか面白かったし」と言う。そこへ急にドアが開き、椎名が現れる。
椎名は淡々と「さっさと席に着け。追試はじめるぞ」と言う。
 たか子は驚き「いいんですか?」と聞くと、椎名は表情一つ変えず
「国見先生には絶対言うな」とだけ言う。桜木は「ありがとうござい
ます」と言って席につく。椎名は答案を配りながら「今日は吉住と待
ち合わせてないんですか?」とたか子に言う。たか子は「あっ」と思
い出し、「あとお願いします。それから桜木くんがんばれ」と言って
慌てて出て行く。

 たか子は喫茶店に駆け込む。すっかり常連になってしまったたか子
は店員に「今日のご注文は?」と聞かれる。恥ずかしくなったたか子
は情けない顔つきで「紅茶にしてください」と頼む。すると「それ、
チーズケーキセットにしてください」と言う声がして明日香が入って
くる。たか子の向かいに座り「バッカじゃないの」と言う明日香に、
たか子は満面笑顔になり「聞いて、桜木くん追試間に合ったの。私絶
対無理だって思ったから今でも信じられない」としゃべりだす。明日
香は「私はあなたと話すために来たんじゃないの」と突っぱねるが、
たか子はお構いなしに「急いでるときってどうして時間が長く感じる
んだろうね、私どうして学校にエレベーターがないのってどなっちゃ
った」と話し続ける。呆れ顔の明日香を物ともせず、たか子は「最近
なんかもやもやしてたけど、今はすっきりしてる。でも追試を受けら
れなかったとしてももやもやは晴れてたんじゃないかなと思う」と一
方的に喋り捲る。

 試験終了後、椎名と桜木は一緒に下校する。椎名は「目黒先生と同
級生だったらしいね。どういう子だった?」と桜木に聞く。桜木は
「めだかってあだ名がぴったりで、ちっこくて目立たなくて、いるの
かいないのかわからないやつで」と話す。

 たか子は相変わらず「わたし小学校のころ仮病使ったことがあった
んだ、音楽祭のピアノの伴奏失敗すると思って」と一方的にしゃべっ
ている。明日香が「勘違いしないで、わたしはあなたに気を許したわ
けじゃないから」とまた冷たく言うが、たか子は「でね、そのとき先
生が大切なのは舞台に立つことだって言うのよ。そういうのってこど
もに分かるようにちゃんと言ってくれないと」と自分のおしゃべりに
夢中で取り合わない。その様子に明日香も思わず口元をほころばせ、
次第に話に耳を傾けていく。


寸  評  今回は「自分の限界がどこまでかわからない」という一見ネガテ
ィブな発想が、実は「自分の可能性はもっとあるはず」ということの
裏返しというのを見事に行動で体現してみせたたか子の話でした。な
んかこうもやもやしたものがあると顔をしかめるたか子の気持ちは多
くの人が抱えているものではないでしょうか?
 そしてそれをすっきりさせるためには、悩んでいても決断して行動
すること、諦めずに精いっぱいやれば結果はどうあれ、すっきりする
ものというふうにたか子も少しずつ変化しているようです。そして周
りの先生方や生徒たちも。若さのバイタリティってすごいものですね。

執 筆 者 ケン()

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2. 編集後記
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 「世界の中心で、愛をさけぶ」の原作小説をようやく読みました。2時間で
読みきれるサラッとした内容でした。原作は最初「恋するソクラテス」という
題だったそうで、確かに哲学的な内容でした。たぶん書きたかったのは、純愛
よりも好きな人を失うとどうして深い喪失感を覚えるのだろうか、それは人間
にとってどういう意味なのかという哲学的省察が主題なんだろうなと感じまし
た。(ケン)

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発行元:ドラマ研究会
e-mail:info@j-drama.tv/
url   :http://www.j-drama.tv/
ID  :MM3E195F16414CD 
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