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通巻76号 2004.9.13発行 Ｍ4 Action! 「幸せなところに恐怖はやってくる」 「華氏911」見ました。政治を扱う映画のわりには、地元の劇場で若者が目立ちま した。ひとことで言ってしまうと「米国民は、ブッシュ政権によって本来は存在し ない恐怖を植えつけられて、脅かされているんだよ」というメッセージを受け取り ました。それはそうでしょう。日本にだって、同じような社会現象が存在していま す。「架空請求」です。 仮に、マイケル・ムーア監督の主張が全部正しいとすると、ブッシュ政権と架空 請求業者のやっていることは規模は違いますが、同じです。ありもしない恐怖をで っち上げ、それを押し付け、金品を奪う。この手に引っかかるのは、当然これらを 恐怖と感じる人でしょう。その人たちは、いわゆる「幸せな人」です。満たされて いる人は、欲求が満足状態にあるので、あらゆることに無関心です。税金が上がり そうでも別に大したことではないし、誰が総理になっても自分には関係ありませ ん。ガソリンの値上げはまあしようがないし、嘘の温泉でもまあ気持ちよかった。 喜怒哀楽のうち、喜びと楽しみについては満足していますから、怒る気はありませ ん。そんな幸せな人にとって、イヤなのは哀しみ。悲しいことは誰だってイヤで す。 人々は何をされると悲しいでしょうか。テロリストがあなたの町に潜んでいて、 自爆テロをするかも知れない。暴力団風の男たちが家までお金を取り立てに来るか も知れない。しかし、最初からモノにも恵まれず、自分は不幸だと思っている人に は、こんなこと悲しいとも思わないのではないでしょうか。仮に一連のテロ活動が アルカイダとビン・ラディンの仕業だとすれば、彼は先進国病患者を憎み、ブッシ ュは同じ患者を利用する。どちらにしても、恵まれた先進国だから、起こりうるこ とです。幸せを感じているはずの先進国病患者にしか効果がないのですから。もと もと、戦争の真っ只中の国にテロなんて効果的とは思えないし、架空請求のはがき なんて、社会問題になりようがありません。 今更、昔の共産主義革命とかを唱えるつもりはありませんが、先進国として、米 国のように極めてしまった国の国民にとって、また、米国に続く日本国民にとっ て、今は感動を与えられるようなモノやサービスにお金を支払わなくなりました。 もちろん、売れていないとは言いませんが、CDの売れ行きが単純にCD-Rだけの仕業 とは思えません。娯楽がない戦後とは違うのです。モノに恵まれた幸せだと思って いる人々には、恐怖というマイナス面に引っ張って、お金を出させるしかないので す。暴力団はそこに目をつけました。 こんなことを言っている私は幸せなのかどうか分かりませんが、トップを極めず に2番手を維持していくということも必要なことなのかも知れません。皆さんは幸せ ですか? （こくぶ ひろゆき hk@ihg.jp http://www.ihg.jp/) 追伸) 初めてこのメールマガジンをお送りさせて頂いた方もいらっしゃいますが、 1994年から(当時はFAXでしたが)不定期に発行しているものです。徒然なるまま に思いつきを皆さんにお送りするものですが、ご迷惑でしたら、一番下の解除 方法で解除できますので、お手数ですが、ご自身でご手配をお願いします。 「おいおい、ふざけんな!」という方はその旨、ご返信下さい。そういう方には こちらで対応させて頂きます。 なお、バックナンバーM4 Visionについては以下のホームページにあります。 http://www.spre.ad.jp/new/m4_index.html ◎最近見た映画 「ヴァン・ヘルシング」ギャガ・ヒューマックス共同配給 http://www.vanhelsing.jp/index.html ヒュージャックマンとケイト・ベッキンセールですが、この女優、どこかで見た と思ったら、「パール・ハーバー」の人でしたね。今回は全く違うアクションもの なわけですが、ドラキュラとフランケンシュタインを同時に画面で見るのはアニメ 「怪物くん」以来です。どうでもよいストーリーですけど、映画の後何もなかった かのように映画のことに触れないカップルには丁度よく楽しめる映画だと思いま す。 -- 國分 裕之 (Hiroyuki Kokubu), Independent Holdings Inc. E-mail hk@ihg.jp URL http://www.ihg.jp/ |