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===================================================== 発行部数 16 == ★★ 日刊ドラマ速報 ★★ ☆☆ 2004/09/01 (Wed) ☆☆ ====================================================================== == 目次 ============================================================== 1.水曜日の連続ドラマ 2.編集後記 ====================================================================== ---------------------------------------------------------------------- 1. 水曜日の連続ドラマ ---------------------------------------------------------------------- タイトル ラストプレゼント〜娘と生きる最後の夏〜 局 名 日本テレビ系 放映日時 水曜22時 キャスト 平木明日香（天海祐希） 百瀬有里（永作博美） 小田聡（佐々木蔵之介） 廣川来実（須藤理彩） 安芸蓮太郎（要潤） 小田歩 （福田麻由子） 平木綾音（田畑智子） 古茂口豊（松重剛） 高橋真子（深浦加奈子） 牛尾加奈子（中島ひろ子） 平木昇 （林泰文） 平木伸子（大森暁美） 平木清孝（平泉成） 脚 本 秦建日子 あらすじ 第9話「遺言」 百瀬有里（永作博美）の提案により平木明日香（天海祐希）、小田 聡（佐々木蔵之介）、小田歩（福田麻由子）は4人で暮らしている。 9月1日朝食堂の隣の部屋で寝ている聡。『まだ悪い夢を見ている気 がする。熱なんか出したの何年ぶりのことだろう（聡の心の声）』そ こへ有里が「起きた？体の具合どう？」と聡の額に自分の額を当てな がら聞く。『有里だ。かわいいなあ。エプロン姿』ドアを開けて歩が 来る。「パパ調子どう？」『かわいいなあ。歩』 聡が3人家族の幸福感に浸っているとドアを開けて明日香。「風邪 ぐらいでみんな優しすぎるんじゃないの？風邪なんか唾つけておけば 治るって」『誰だ？このデカい女はなんでここにいるんだ（聡の心の 声）』 歩がママの誕生日に海に行きたいと言う。明日香は「いいよ。いい よ。この時期なら空いてそうだし」『死にたくない（明日香の心の声） 』歩が「昼は砂浜で遊んで夜はみんなでケーキ」『死にたくない』 歩が「これからみんな毎年誕生日になったら海に行くの」と言うと 明日香が「考えたんだけどさあ９月だときっとくらげだらけ」有里が 「何も泳がなくてもいいんですよ。砂場で遊ぶだけでも楽しそうじゃ ないですか」聡が「無理して行く必要ないんじゃないの」と話に水を さす。有里が「私は今年行きたいの」明日香が「海のことはまた相談 しよう」と歩と食事を食べ始める。 明日香と有里は出勤前に歩と手をつないで小学校へ送って行く。歩 を小学校に送り届けると有里が明日香に問う。「何で行かないんです か？海」「今年私と一緒に海に行ったら来年再来年、これから海に行 くたんびに歩私のこと思い出しちゃうかなと勝手に死んでいった母親 のこと思い出したらもう歩、海を楽しめなくなっちゃうかなと思って」 と言い「ほら猫だって最期は家を出るっていうじゃない」といずれ聡 の家を出る意思があることをほのめかす。 病院の診察室。医師の澤口久雄（升毅）が明日香に入院を勧める。 明日香は娘が自分の誕生日の計画をしているし、田舎に帰って親孝行 したいのでと入院を拒む。澤口は「体、本当はかなり辛いんでしょう ？いつでしたっけ？誕生日」「９月１５日です」澤口は入院を明日香 の１６日まで待つことをしぶしぶ承知。 明日香は席を立ちドアノブに手をかけると澤口の方を振り返り「先 生に1つお願いがあるんですけど」と言う。 明日香の病院の帰り道。父清孝（平泉成）から携帯に電話が入る。 「どうなっているんだあ。さっぱり連絡もよこさないで。お父さんの ライブが決まったんだ。今度の金曜日お前に参加してもらう」明日香 の立つ歩道の向かい側から蓮太郎が撮影機材を抱えて仕事仲間と歩い てくるが明日香を無視して行き過ぎる。明日香は「時間を頂戴」と電 話を切り、歩道に停まっていた車に乗り込む蓮太郎を切なげな表情で 目で追う。 明日香が事務所に戻ると廣川来実（須藤理彩）が坂本夫婦（村上航 と遊井亮子）との設計打合せに出席しないと言っている。明日香は来 実に「なんであんたが坂本さん夫婦とうまくいかないか教えてあげよ うか。格好つけてセンス良く仕事しようとしているからダメなのよ。 私みたいになろうとしてない？無理無理100年早い。たかが牛なら牛 らしく牛小屋を必死で建てればいいのよ」と言い放つ。来実は憤慨し 「うんこして来ます」とトイレへ。「かなり傷ついているね」と牛尾 加奈子（中島ひろ子）。明日香は「そう」と素っ気無い。 学校から戻った歩が梨を持って聡の部屋へ様子を見に行く。聡は 「歩はどうだこの生活？4人の」と歩に尋ねる。「毎日すごく楽しい。 パパは楽しくないの？」「楽しいよ。歩が楽しいことはパパもすごく 楽しい」と答える聡。 夕方になり明日香は退社。加奈子が「今日は早いねえ。何かあるの ？」と尋ねると明日香は「デート」と楽しげに去って行く。来実は 「明日香さんは仕事もできてきれいだけど、人の痛みもわからない、 ただの不感症女じゃないですか」とかなり荒れた様子で退社して行く。 牛丼屋で来実が一人で食事をしていると蓮太郎が入ってくる。来実 は「今日はデートじゃないんですか？明日香さんと」蓮太郎は自分が プロポーズした日に明日香が聡の家に泊まった理由がわからないので、 明日香と連絡を取っていない。明日香から2度電話をもらったが出ず に偶然道で会った時も「俺逃げちゃいました」と告白。 来実は蓮太郎に質問。「明日香さんのどこがいいんですか？」「い い人ぶらない所」来実は「単にいい人じゃないだけかもしれないのに」 と毒のある言葉。「何かあったんでしょう？明日香さんと」と蓮太郎 は来実に尋ねる。 レストランのバーカウンターで明日香は「歩へ」と手紙を書き始め る。「海へ一緒に行かなくてごめんね」と心の中でつぶやくが書けな い。 有里が聡の家に帰ると歩が「ママ今日はあっちの家に泊まる」とい う電話があったと言う。歩が有里に「パパは嫌なんじゃないかな？パ パが嫌だって思っているからママおうちに帰っちゃったのかな？」 「歩ちゃんそれは違うよ。ママはきっと」「きっと何？」「うまく言 葉では言えないんだけど歩ちゃんが悲しまないように一生懸命考えて いるんだと思う」有里は明日香の気持ちを歩に正確に伝えるのことが できない。「歩ちゃんにとって良いことと思うことを。ごめん。難し い」 レストランのバーカウンターで歩への手紙をダメだと丸めている。 待合せ相手の澤口がやって来る。明日香の手紙を見て「（明日香のお 願いが）遺言書をお預かりするということだったらお断りします」と 断ると明日香は「違います」と言う。 会社では社員が帰宅した後、社長古茂口豊（松重剛） が一人残っ ている。来実が頭に血を上らせて部屋へ入ってくる。「格好悪いって 言われたんです。若造（蓮太郎）にも」「若造？」「プロポースした んだったら返事ぐらいしてもらえって言ってやりました。『牛丼はフ ランス料理みたいにしゃれてないけど、ちゃんと安くてうまい。来実 さんだって同じ牛なのにやればできるのにやらないなんて格好悪いっ て』そこまで言うなら飛び切り安くてうまい牛丼になってやる」と来 実は宣言し、机に向かって仕事を始める。社長は来実の話がわからな いが来実が仕事をる気になったことを喜んでいる。 レストランで明日香が料理を注文すると澤口も同じ物を注文。明日 香が「枝豆のポタージュ」を「オマール海老のテリーヌ」に変更。明 日香はこの店（内装）は自分を指名してくれた最初の店と説明。今日 は澤口先生の話を聞かせてくださいと言う。明日香に「オマール海老」 澤口には「ポタージュ」が運ばれてくる。 明日香が澤口に自分の料理を勧めると澤口が「実は私、人と料理を 分け合ったこと１度もないんです。昔好きだった女性に『あなたとし たいと思っていて結局できなかったこと1つだけある。それはレスト ランで食べ物をシェアしあうことだ。あなたはいつも私と同じ物を頼 むから』」 澤口は明日香の皿の海老を取り口に入れ「おいしい。人と何かを分 け合えるっていいですね。これからは相手と違う物を注文しようと思 います」と言う。明日香は澤口の言葉を聞いて「そうして下さいね。 私が生きてた意味がもう1つ増えた気がします」「で、お願いってい うのは？」「私のお願いは聞いてもらえました」と涙ぐむ。 澤口がホッとしてポタージュを「明日香さんこれ」と勧める。明日 香と澤口は打ち解けた様子で食事をしている。 9月2日の朝、明日香は1時間早く会社へ出社。徹夜した来実が明日 香に坂本家の模型を見せる。明日香は「格好悪い家だね」と手厳しい。 来実が坂本夫妻に模型を見せている。夫妻は「格好悪い」とがっか りした様子。来実は「美人は3日で飽きる。でもブスは3日で慣れる。 大切なのは中身です」と自信を持って説明。明日香は来実の成長に一 安心。 蓮太郎から明日香の携帯に電話が入る。明日香が窓の下に目をやる と蓮太郎が右手に携帯、左手に手作りの弁当を持ち大きく手を振って いる。 公園のベンチに座る蓮太郎と明日香。蓮太郎は弁当を差し出す。明 日香は弁当の包みを開けず「結婚生活に向かないっていうか私年も年 だし」とプロポーズを断る。蓮太郎が「病気なんでしょう？」と尋ね ると明日香は無言でうなづく。「もう治らない？」再び無言でうなず く明日香。 明日香は病気のことを早く打ち明けるなり黙って別れるなりすれば よかったと謝る。「都合よくあんたに頼ってた。本当にごめんね」 「都合よく使ってくれていいよ」と蓮太郎。明日香はもう残された時 間がないので明日の朝実家に帰ると言う。明日香は「こんな我儘で自 分勝手な女、早く忘れて」と再び謝る。 明日香が席を立ち歩き出すと蓮太郎が「これでいいの？1年付き合 ってきた俺との最後こんな終わり方でいいの」と訴える。明日香は蓮 太郎に背を向けたまま「プロポーズしてくれてすごく嬉しかった」蓮 太郎の方を向き「本当に嬉しかった」と泣きながら歩いて行く。残さ れた蓮太郎は頭を抱えながら座り弁当を叩き落しむせび泣く。 有里は明日香から呼び出され公園へ。明日香からしばらく実家に戻 ると言われる。有里は「でも戻ってくるんでしょう？黙っていなくな ったりしたら歩ちゃん悲しみますよ」「赤の他人の私に優しくしてく れて、あなたって国宝級のお人よし」4人の同居生活は楽しかったと 明日香はお礼を述べる。 「歩ちゃんにはなんて言うつもりですか？」有里は歩の学校を休ま せて田舎に連れて行ってやってほしいと頼み泣きじゃくる。「なんで あなたが泣くのよ」と明日香。 「お誕生日海行きましょうよ。今更どんな気使われたって、聡さん も私も歩ちゃんも明日香さんのこと絶対に思い出すんです」 聡の家ではこの日の夕食当番の明日香が「平木家特製ごっちゃり鍋」 を歩に手伝わせて作っている。聡が油揚げの巾着にマグロのすり身を 入れたのを見て不安気。 鍋が出来上がり聡も歩もおいしいと言って食べている。 9月3日の朝、明日香は遺言の手紙を書き上げる。出来上がった封筒 は「聡へ」「有里さんへ」「事務所の皆さんへ」「蓮太郎へ」の4通。 「歩へ」と書かれた便箋には何も書かれていない。 明日香がマンションを出てくるとレンタカーを借りた蓮太郎が待っ ていた。「お迎えに参りました。明日香さんも好き勝手やってるんだ から、俺も好き勝手やることにした。俺は今日絶対明日香さんを田舎 まで送りたい」と言う言葉に明日香も同意。 聡の家では有里と聡と歩が朝食を食べている。「ママまた田舎に行 っちゃった」と歩。「ママの誕生日までに絶対に帰ってくるよ」と有 里。「なんかあいつがいないと部屋が広く感じるな」と聡。 歩が学校へ出かけると有里が聡に「ずっと迷っていたんだけどね。 聡さんは知っていた方がいいと思いの。実は明日香さんね」と話し掛 ける。 田舎へ向かう車の中。運転をしている蓮太郎の左手は明日香の右手 に重ねられている。明日香は幸せな顔をして目を閉じる。 寸 評 ドラマの最初から4人の同居生活が開始されていました。有里か ら同居の提案があった時の聡の反応を知りたかったです。「誰にも迷 惑をかけず、ひっそりと死にたい。死んだ後は思い出さないで忘れて ほしい」というのが去り行く明日香の別れの美学なのかもしれません。 残される蓮太郎や歩を思いやる有里の哀切な思い・何かしたくてもで きない無力感が伝わってきて涙なしには見られませんでした。 執 筆 者 たま(dorama_last@yahoo.co.jp) ---------------------------------------------------------------------- 2. 編集後記 ---------------------------------------------------------------------- あなたに子どもがいたら最期にどんな言葉を残したいですか？私は「どんな 状況にあっても潰されずに逞しく行き抜いてほしい」ということです。私は最 近、友人の子どもたちが誕生日を迎えると「おめでとうメール」と共に詩人吉 野弘が娘奈々子に宛てた詩「奈々子へ」（『二人が睦まじくいるためには』所 収 童話屋）を贈っています。全文は紹介できませんが「お前にあげたいもの は／香りのよい健康と／かちとるにむづかしく／はぐくむにむづかしい／自分 を愛する心だ」というフレーズには心打たれます。 『二人が睦まじくいるためには』には「祝婚歌」という詩もあり、こちらは これから結婚される方、結婚している方にオススメします。第9話のラストシ ーン蓮太郎と明日香が田舎へ向かうシーンで「健康で／風にふかれながら／生 きていることのなつかしさに／ふと 胸があつくなる／そんな日があっていい」 という個所を思い出しました。 「生まれてきたことへの感謝」は好きな人がいてこそ感じる思いですね。 （たま） ====================================================================== 発行元：ドラマ研究会 e-mail：info@j-drama.tv url ：http://www.j-drama.tv/ ＩＤ ：MM3E195F16414CD このメールマガジンは、メールマガジン[MailuX]を利用して発行しています。 （http://www.mailux.com/) ====================================================================== |