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============================================================ [[ e p - f i n a n c e ]] edition: 7-Sep-2004 ============================================================ おはようございます。 発行人しております、shi でございます。 emichanproduction.com http://www.emichanproduction.com で、毎週連載中の経済小話を紹介して行きます、本メルマガは 発行人の知識と経験をもとにいろいろな、社会人なら 知っておきたい話から、こんなこと知ってるのは、金融業界の ほんの一握り!といったカルト話まで、盛りだくさんで進めて いこうと思っております。 さてさて、先週中国地方に出張でしたが、ご存知の通り台風に ぶつかってたいへんでした。 で、明日、また同じところに行くのですが、既にもう(2:00 a.m.)朝の飛行機が 飛ばないことが確認できてます。なので、明日朝早くに新幹線に切り替えようかと 思ってるのですが、先週もそう思って行ったら新大阪どまり。。。 今週も大丈夫かなぁ。。。 ということで、今日は「企業資産の流動化と信託について」の最新トピックです。 今回は、証券化に限らず、一般的な金融取引や不動産売買で常に気にされる、 本当に売ったの?ちゃんと自分のものになったの?という問題についてです。 <<<<<<<<<<<<<<<<<< financial talk >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> [企業資産の流動化と信託について : 本当にあなたのもの? 証券化と真性売買について] さて、例えばここに。。。あなたのテニスラケットがあるとします。 これは、さっきお店で買ってきたばかりの新品です。でも、どうやって それがあなたのだと証明しますか? 例えば、それがあなたの手の中にあって、買ったばかりだから そのときのお店のレシートがあって、ついでにお店の人から もらった直後にお店の中で「アンドレ(マリアでもビーナスでもいいのですが;-)」と ラケットにつけた名前を自筆で書き込んでマークした、というのであれば 売ったお店の人を含め、あなたのテニスサークルで、そのラケットを前から欲しいと 思っていたお友達を含めて多分誰もがあなたのものだと納得するでしょう。 ものの場合は、それを持っている人(占有者)がその持ち主だ、と考えるのは 当然です。なにせ、名前が書いてあるといっても、どう見ても日本人なあなたが 「アンドレ」とは思えないですからね。持っていることが大事です。 とはいえ、お店の人からみるとどうでしょう? 売ってお金を渡してくれた人であれば、ちゃんと売り買いしたのでいいでしょうけど、 売り買いせずに勝手にお店の外に持ち出した場合は駄目ですよね。 要は、ちゃんと売買が成立した上で、その所有権がちゃんと移転させることが ポイントであって、そのときのレシートは売買が成り立った証明になるのです。 では問題です。 ものはものでも、土地はどうでしょう? それが自分のものかどうかは、一つはそこにいるかどうか?ということになるものの、 それは単に占有しているだけ、のケースもあります。では、他の人に対してそれが 自分のものだ、というのにはどうすればいいでしょう。 法務局というところに行って、この土地や建物は自分のものだ、と登録する(登記する) ことが必要になります。では、買ったときに、売ってくれた人に対してこれが 自分のだ、というのはどうすればいいでしょう。 ま、売買契約書で意思の確認をする、というのが簡単な答えですが、 この点はいろいろあるのでちょっと宿題にしましょう(笑) ではでは、今度形のない、金銭債権の場合だとどうでしょう。 最近、おれおれサギと並んで多かったサギ、「不正請求」というのがありました。 いきなりメールや携帯電話で怖い声で 「○○債権回収だけど、あなたが○●から借りていた○●円の借金を買い取った。 次に言う口座に速やかに振り込みなさい。」 というあれです。 まぁ、この場合、そもそも借りてもいないのに、怖い声で言われたものだから びっくりして払ってしまった、というのが被害者の声でしょう。 さて、金銭債権、要は借金を取り立てる権利を持っている人が他人に売る場合、 問題はどこにあるでしょうか。 一つは、取り立てる権利(債権)を本当にその人に譲ったと言う証拠 もう一つは、それを他の人から「それは私がもらったんだ」と文句が言われないようにする証拠 が必要になります。なにせ、ラケットのように形がないですから、上記のように はったりで言われてしまっても確認できないことがあるからです。 前者の場合、大事なのは譲った後に取り立てる相手から「これからはあなたに払わないとだめなのね」 とちゃんと認知してもらえばいいのです。その為には、 - 譲る人が取り立てられる人(債務者)に「あなたの債権は○○に売っちゃったのでこれからはそちら に払ってね」と通知すること。 もしくは - 債務者が譲られた人に対して「譲られたことを聞きました。これからはあなたに支払います。」と 譲り受けについて理解して承諾すること。 のどちらかが必要になります。これは、民法で決められていることですから、 上記の不正請求は、このどちらにも当らない(譲り受けた人が勝手にいっている)ので その人に支払わなくとも借金はいいことになります。 では、譲られた人が他の人から文句を言われないようにするにはどうすればいいでしょうか。 先ほどの承諾書に公証役場で確定日付を押してもらえばいいのです。 すごく簡単でしょ?でもこれをすると、人から難癖をつけられるごとにその紙を 見せないといけない、という面倒はあるのですが。。。 さて、これを流動化するときに当てはめてみましょう。 資金調達したい人で信託を使う人にはこの論点が二度起こり、 投資家も同じように2度ナーバスになるのです。 最初は調達の為の資産を信託に移す時、もう一つは、そうやって手にした受益権を 売却した時です。 最初の場合、もし信託にちゃんと所有権が移っていないとそもそもものを預かって 初めて成立する信託が成立しないことになって、発行された受益権もただの紙切れとなって しまうという問題があります。 また、後者の場合ですと、受益権が移っていないとなると、信託のプールから発生する 収益や元本を受け取る権利を持っていないということになって問題が起きます。 さてさて、流動化の時に限らず上記のように所有権がちゃんと移転しているかどうかというのを 真性売買性といって、弁護士の人たちが常に頭を抱える問題です。 実は、先ほどのように、ちゃんと債務者の人やその他の人たちに文句を言われないように する手続きをしたとしても、売った人が会社だった場合や、金銭債権の信託のときに よく言われるのですが、信託プールの実質支配権が信託に残っていると、実はちゃんと 売っていなくてそれを担保にお金を借りていただけ?と言われるかもしれないのです。 とくに、売った人がその後に破産したりすると。。。 http://www.emichanproduction.com/ -> "Finance" <<<<<<<<<<<<<<<<<< financial talk >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> そうそう、e-magazine で購読を始めていただいた方から、結構熱烈な ラブコールを戴いて、職場で真夜中の12時近くに読んで、疲れも吹っ飛びました。 本当に感謝です。 そこで、ちょっと思ったのですが、信託と流動化以外のねたもそろそろ書こうかな、 なんて思い始めています。どう思いますか? ところで、ご存知の方もいらっしゃると思いますが、 水曜にはビジネス本の ep-books <http://melten.com/osusume/?m=18931&u=18930> 金曜には 80年代や90年代のポップスの紹介をする ep-music <http://melten.com/osusume/?m=18932&u=18930> をそれぞれ開始します。 また、ep-update <http://melten.com/osusume/?m=18652&u=18930>で この3つをダイジェストを中心にいろいろアップデートしたことや はみ出したネタなどをご紹介して行こうと思っております。 いろいろな所にアンテナを張りながら執筆しておりますが、 「こんなネタ教えて?」 とか、 「これってどういうこと?」 というご質問から、 「それって嘘でしょ?」 というご指摘まで、いつでも大歓迎ですのでお気軽に メールくださいね。 目の前には半期決算の9月が!!それよりも台風が!!! みなさん、体を壊さない程度に頑張りましょうね!!! ============================================== ep-finance: 発行人: shi http://www.emichanproduction.com/ メニューの "main magazine" でバックナンバーと 登録/解除をどうぞ。 melcup: 35部 emaga: 9部 Mailux: 0部 メル天: 20部 メルマ!; 0部 ============================================== 本メルマガは転送は変更を加えない限り許可ですが、 あわせて、上記サイトからの購読をお勧めください。 |