メルマガ:青い瓶の話
タイトル:「青い瓶の話」 No.66  2004/09/05


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 ■■■                  青い瓶の話
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 ■■■                                             恋の終わりと青い袖。
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                                                 2004年9月5日号 No.66
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●「特集・緑坂」


○「緑色の坂の道」vol.2703,2575,2733,2640,2663・北澤 浩一
○「緑坂・解題」・森 輝秀(青瓶デスク)


※「緑色の坂の道」がブログになりました。最新のものはこちらから。
http://kitazawa-office.com/saka/


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○緑坂

       恋の終わりと青い袖。




■ 夏が過ぎる。
 雲のように。
 あのひとはあのとき、青いシャツを着ていた。



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       風のいたらなさ。




■ 除湿機が唸っている。
 一台はまだ新しく、もう一台はすこしだけ。
 私は仕事場から暗い庭を眺めていた。
 カーテンを空けている窓がある。机に誰かの影がみえる。
 ここは確か、開高健さんが常宿にしていた部屋ではなかったか。
 葉山から出てきて、このホテルの同じ部屋に泊まっていた。
 あの方も、ひとつの時代と舞台というものの中で、綱渡りをされていたのだ
と分かる。作家の家族の顛末をどこかで知ると、何故だろう、胸が痛むことが
多い。



■ 書くということは、どこかで毒を含んでいる。
 書くだけではなく、全ての表現にはそういう側面があると私は考えている。
 一方で戦争をしながら、こちらではCSSのことなどを考え、コンビニで釣銭を
募金したりもする。どう使われているのか、概要すら知らない。
 そういった時代の表現とは何か、ということを考えるのが一方で現代美術のひ
とつの流れでもあったのだけれども、それも余裕があるからできるのだと言われ
た。



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       うすなさけ。




■ 東のそら色。
 髪を指先で拾う。



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       BASIN STREET BLUES 4.




■ ルイ・アームストロングの曲は、車の中で聴くには鈍い。
 光の落ちた庭を眺めながら、江戸切り子のグラスにウィスキィを垂らしている。



■ 何故漠然とするのか、考えてみたことがある。
 つまらないからだが、それを潰すために本を読んだり音を聴いたりする。
 今回、オリンピックは見ていない。
 夕方私は、ガラス張りに囲まれたカフェの喫煙室で、煙草を吸っていた。
 外の灰皿の廻りには、OL達が腕を組みながら煙草に火を点けている。
 その仕草は、なに、年季の入ったものだった。



■ おそらく、一部のOL達の間では、煙草はアクセサリーの段階を過ぎてもいる
のだろう。それがいいのか悪いのか。
 爪先だって歩かなくてもいいのなら、化粧なんてしなくなる。



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       夜の蝉。




■ 常夜灯にぶつかっている。
 じぃー、ばたばた、と騒いでいる。
 君もそのうち粉になってしまうのだな、と思いながら、駐車場を下ってゆく。



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●「緑坂・解題」・森 輝秀



 一体、緑坂について説明するのは少し難しい。ブログ化にあたりURLが変更とな
って、ヤフーでは「オンラインエッセイ」のカテゴリに移動した。これはヤフー
の編集の方に選んで戴いたものであり、これが一般的な見方ではないかと思われ
るが、散文詩ともコピーとも評されることもある。

 一貫して斜に構えたポーズがハナにつく、という手厳しい感想を聞いた事もあ
るが、実はそうでもないような気もする。ただ、偏差値の高い学校に行っている
女の子に「すみませんが、これって何のためにやっているのですか」と子犬のよ
うな目で問われたならば、緑坂先生は「オジサンをいじめないでくれタマエ」と
言うしかない。らしい。


 とは言え、同種のコンテンツはネット上では今のところ見当たらない。連載も
すでに2500回を超え、密かに読んでいる人々は確かに存在するから、世の中って
不思議だ。以下、時系列に追ってみる。


・93年 春頃 「緑坂」連載開始(読売新聞社パソ通ネットYOMINETにて)
・97年 春頃 「緑坂」同上閉鎖に伴い、新YOMINET(internet)に移行
・99年 不明 「緑坂」PDF版/音楽や写真との融合コンテンツ
・02年 初夏 「青い瓶の話」メールマガジン上にて「緑坂」配信開始
・04年 初夏 「緑坂」MovableTypeにてブログ化/FLASHコンテンツ追加

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 こうやって見ると、インターネットの技術的な歴史を限りなくなぞっているこ
とは興味深い。例えば、お子様には不向きな携帯コンテンツでの配信なども地味
に考えていたりもして、実をいうと「緑坂」や「青瓶」の背後には数名の技術部
隊があり、それなりに日々精進している。

 そんなわけで、失った年月への後悔の念と、幾ばくかの面映さと、若干の開き
直りを含みながら、「緑色の坂の道」はまだまだ続くのであった。


森 輝秀:tel@kiritorisen.com
青瓶デスク
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○おまけ坂

二日酔い。




■ しかも、雨である。


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■「青い瓶の話」                              2004年9月5日号 No.66
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