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タイトル:[ep-finance] 出来ること、出来ないこと  2004/08/30


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         [[ e p - f i n a n c e ]]

         edition: 30-Aug-2004

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おはようございます。
発行人しております、shi でございます。

emichanproduction.com
http://www.emichanproduction.com

で、毎週連載中の経済小話を紹介して行きます、本メルマガは
発行人の知識と経験をもとにいろいろな、社会人なら
知っておきたい話から、こんなこと知ってるのは、金融業界の
ほんの一握り!といったカルト話まで、盛りだくさんで進めて
いこうと思っております。

さてさて、先週休み明けということで仕事がだいぶどたどたする
ことを予定して会社にいった(笑)のですが、そうしたらなんと、
月曜の朝にデスクはあるものの、座る椅子がなかったのです(笑)

そっか、とうとうクビかぁ。。。

なんて思ったら、単に会議をするのに椅子を拝借されてたそうです。
なんとなく、ほっとしますけどね。

でも、そんな週明けでしたが、週の半分は椅子がいらない生活でした(苦笑)
月曜は首都圏某所で会議。
水曜は近畿地方で会議。
木曜から金曜に掛けて中部地方でクロージング。

。。。しかも、今日も午後から明日に掛けて中国地方に出張です。
台風大丈夫かなぁ。。。

ということで、今日は「企業資産の流動化と信託について」の最新トピックです。
今回は、この出張で仕入れたネタをベースに、信託銀行に出来ることと出来ないことの
制限があることを見て行きましょう。

<<<<<<<<<<<<<<<<<< financial talk >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

       [企業資産の流動化と信託について : 信託の出来ること、出来ないこと]

さて、前回信託というのは資産流動化の世界においては何でも出来る魔法の箱の
ようなご説明をしました。確かに、「出来る範囲」であれば何でも出来るのは
これに限った話ではないのですが、当然、何事も無制限に、という訳には行かないのです。

まず、信託が受け入れられるもの、の観点から見てみましょう。
「今のところ」、信託が受け入れられるものは「換価」や「評価」できる「財産権」に
限定されていて、大きく分けるとすると
- 金銭
- 有価証券とそれに類するもの
- 金銭債権(ローンやリース債権)
- 不動産
- 貴金属や輸送用機器などの動産の一部
というところでしょうか。

そうすると、例えば、
- イギリスでのパブの証券化というような事業の信託
とか、
- U2 やデビット・ボウイのコンサートなどの興行収益や
特許やワインの売り上げから発生するキャッシュフローを当てにする証券化
とか
- ビートルズの版権を例とする著作権の信託
といったものは、資産の持つ将来のキャッシュフローを売るという意味の
「資産流動化」の目的ではあれども、信託の器に入れることが出来ないですし、

- 特許の管理を一元化する為に信託勘定にグループ会社の特許をすべて信託する
とか、
- 信託の器を使って、特金信託を作ってヤフーオークションで物品のトレーディングをする(笑)
といった、
自分の事業を肩代わりさせたり、お金で一旦信託を作ってその後にそのお金で動産を
売買することもちょっと出来ないのです。ですので、ヤフオクの代わりに
株式市場などの金融市場や、不動産市場を使うことになります。

また、動産についていえば、よく動産のリースに対して、そのリース債権の証券化というのが
行われていますが、リース債権とリース資産とは切り離せそうで切り離せないことから、
資産を提供して、かつ信託した後もリース債権の回収を行う会社が倒産した際には、
リース資産を会社から切り離さないといけない、という問題にあたることがあります。

最近、私個人が気に入っている例で恐縮ですが、「植木」のリース債権を信託銀行が
受け入れる(「受託」するといいます。)のですが、上記のような状態になった
場合、リース資産である「植木」をリース先から支払いの担保として取り戻す時に
その受け入れ先を誰にするか、というのが問題で、当然、「植木」は受託できる
「動産」ではないですので、リース債権を受け入れた信託銀行がこのリース資産で
ある「植木」までは面倒が見切れないのです。

ところで、なぜ「植木」が気に入っているかといいますと、よく「やくざ」がミカジメ料をもらう際に
使う手として、出入りする先にリースとして植木を置かせることでそのリース料としてミカジメ料を
もらうそうなのですが、ちょうど動産として受け入れられないものとして植木というのが
イメージしやすいからなのです。
とはいえ、一般のリース会社さんも普通に「植木」をリースしていますので誤解の無いように。

かようなことを考えれば、信託を受ける信託銀行(「受託者」というのですが)にも
リース資産に対する制限がある訳ですが、取り組む案件のアレンジャーを始め、
特に格付け会社がこの点に対して全く理解が無く、常に無理を言われることがあるのが
頭痛の種だったりします。

これに付け加えて、
- 訴訟目的の信託は設定しては行けない
といって、例えば、自分の持っている債権や不動産が訴訟になっている、もしくは
訴訟になることがわかっていてその訴訟をする為に、所有権を信託に移転して
信託銀行の名前で訴訟のプロセスを肩代わりさせる、というのは出来ません。

ところで、これは今の「信託法」と信託銀行の根拠となる「兼業法」の元での
話です。現在これらの信託業法に関しては改正の議論が進められていて、近いうちに
- 特許

- 著作権
といったものも信託ができるようになる、と言われております。そうすると、
信託の器を使って、アイドルの写真集や DVD の売り上げを当てにするファンドを作る、
その為に信託銀行員がそのアイドルの下調べ(一般に「デューデリジェンス」といいますが)をする、
なんてことになるのかもしれませんね(笑)

ところで、法律の縛りでもう一つ、受託に制限がありました。
銀行の子会社の信託銀行は「年金」には手が出せず、また、「不動産」の受託についても
基本的には信託勘定から「処分」する、すなわち売却して現金化して終了することが
出来ない、という制限があります。前者はさておき、後者の場合、その結果、不動産の
トレーディングは出来ませんし、受託している不動産を買いたい、という人が出てきたときに、
信託勘定から直接売るのではなく、一旦受益権を買いたい人に譲渡して、そのあと、
買いたい人が信託勘定から現物で引き渡すことで信託契約を終わらせる、という
手順を踏まなければなりません。

とはいえ、実は、不動産の取引の「瑕疵担保責任」の問題で、近年は直接売れる信託銀行
ですら、受益権の譲渡と信託契約の解約の手法をとることが多いそうです。
ところで、この「瑕疵担保責任」、数年前なら新生銀行の代名詞だったもので、
「購入した後に物件に何か問題があったら修理などの責任を取る」というのは
不動産の世界では当然のことなのですが、信託銀行としては信託勘定がなくなった
あとに、売った物件の責任を取るのが自己勘定になることを嫌がっての流れだそうです。

さて、この辺りは法の直接的な考えに即しての制限ですが、これから先は、会社によって、
考え方の異なるところです。

例えば、不動産ですが、「公序良俗に反しない」というお固い銀行の原則に照らし合わせた時に、
- 「やくざ関係者」の出入りしそうなテナントのいる建物
- 「風営法」で定める特定の業種(ようは「ピンク産業」系)がテナントとして入っている建物
などはまず受託の対象から真っ先に外されるようです。この辺りは直接的、間接的に
やくざ関係者と関与があるのも嫌なところだからのようですね。
ところで、「風営法」で、定める他の業種については、というと、まぁ、ゲームセンターや
ダンスホールあたりは良さそうですが、議論が分かれそうなのが「パチンコ」のようです。
国内の信託銀行でこれを受託できるところはかなり限定されるとか。あと、ホテルなどにも
受託できるホテルと出来ないホテルに線引きを引くところもあるようです。

そういえば、不動産でたまにあるのが、前の店子さんの不審死があるケース。
通常そういうのがある場合には仲介業者の作る重要事項説明書(アパートを借りるときに
もらうあれです。)にその旨(とお祓い済みかどうかも)書かなければならないそうなのですが、
これって受託の基準にしているとか特に聞かないですねぇ。。。

同じように、金銭債権でも、意見の分かれるのが、「サラ金」(消費者向け無担保ローン)や
クレジットカードのローン債権、「商工ローン」(中小企業向けローン)あたりです。
これらは、出資法に定められる上限金利である 29.2% と利息制限法に定められる 18% との
間の金利を取って貸し付けていることから、このグレーゾーンの取り扱いで受託可狽ゥどうか、
という判断が分かれているようです。
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                          -> "Finance"
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さて、ご存知の方もいらっしゃると思いますが、

水曜にはビジネス本の

           ep-books <http://melten.com/osusume/?m=18931&u=18930>


金曜には 80年代や90年代のポップスの紹介をする
        
           ep-music <http://melten.com/osusume/?m=18932&u=18930>

をそれぞれ開始します。
また、ep-update <http://melten.com/osusume/?m=18652&u=18930>で
この3つをダイジェストを中心にいろいろアップデートしたことや
はみ出したネタなどをご紹介して行こうと思っております。

いろいろな所にアンテナを張りながら執筆しておりますが、
「こんなネタ教えて?」
とか、
「これってどういうこと?」
というご質問から、
「それって嘘でしょ?」
というご指摘まで、いつでも大歓迎ですのでお気軽に
メールくださいね。

浅草のサンバが終わると、どうも毎年夏が終わって気が抜けた気分になる私ですが、
目の前には半期決算の9月が!!
みなさん、体を壊さない程度に頑張りましょうね!!!

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