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===================================================== 発行部数 16 == ★★ 日刊ドラマ速報 ★★ ☆☆ 2004/08/13 (Fri) ☆☆ ====================================================================== == 目次 ============================================================== 1.金曜日の連続ドラマ 2.編集後記 ====================================================================== ---------------------------------------------------------------------- 1. 金曜日の連続ドラマ ---------------------------------------------------------------------- タイトル 世界の中心で、愛を叫ぶ 局 名 TBS系 放映日時 金曜22時 キャスト 松本朔太郎(山田孝之) 廣瀬亜紀(綾瀬はるか) 松本朔太郎(緒方直人) 小林明希(桜井幸子) 中西光太(西洋亮) 谷田部敏美(松下由樹) 廣瀬綾子(手塚理美) 廣瀬真 (三浦友和) 松本謙太郎(仲代達夫) 大木龍之介(田中幸太朗) 中川顕良(柄本佑) 上田智世(本仮屋ユイカ) 松本芙美子(夏帆) 松本潤一郎(高橋克実) 松本富子(大島さと子) 脚 本 森下佳子 あらすじ ●2004年 夜の海に静かに足を踏み入れていく朔太郎(緒方直人)。 *------------------------------------------------------------* −亜紀と一緒に灰になったのは僕の心だった。何一つ願うことはな かった。そんな人間は、生きているのか死んでいるのか…… *------------------------------------------------------------* そのころ、明希(桜井幸子)は息子一樹の6歳の誕生日を祝おうとし たが、一樹は朔太郎がいないことに駄々をこねる。明希はなだめすか すが一樹は聞き入れない。 浜辺に突っ伏し、激しく咳き込むずぶぬれの朔太郎。 *------------------------------------------------------------* −生きていると思い知らされただけだった。最低だった。 *------------------------------------------------------------* 少し落ち着き満月を見上げる朔太郎に亜紀(綾瀬はるか)の声が聞こ えてくる。 *------------------------------------------------------------* −サクちゃん、何かを失うことは何かを得ることだって、わかる? *------------------------------------------------------------* 満月に亜紀の骨のあった小瓶をかざす朔太郎。 *------------------------------------------------------------* −僕は17年間でいったい何を得たのだろうか…… *------------------------------------------------------------* その夜一樹は一人で朔太郎を探すため、家を出て行ってしまう。 ●1987年 朔太郎は亜紀が白血病であることを隠しながらお見舞いを続けてい た。亜紀の病室に入る前にマスクをつけ神経質になる朔太郎(山田孝 之)。 そのころ亜紀は病院の敷地内で点滴を打ちながら絵を描いている真 島順平(鳥羽潤)を見かけて声をかけた。亜紀は点滴が自分の使ってい るのと同じなので同じ病気なのかなと探るように言うと、真島は「同 じ病気だったら大変だよ、白血病だもの」と言う。亜紀は自分の病気 が再生不良性貧血であると告げると、真島の絵を描く筆が止まってし まう。しかし真島は「それなら僕と違うね」と笑顔で取り繕う。 そこへ亜紀を探していた朔太郎が2人を見つける。2人の仲を怪し んだ朔太郎は自分が亜紀の彼氏ですと睨みつけるように言うので、真 島と亜紀は思わず笑い出してしまう。 病室へ戻る途中、亜紀は真島が白血病であることを朔太郎に話すと、 朔太郎は動揺を隠せない。亜紀はそれを見て何かあると感じてしまう。 亜紀は医学事典借りてきてくれたと朔太郎に尋ねると、朔太郎は貸し 出し中だったと嘘をつく。亜紀は「じゃああれ(カメラ)は持ってきて くれた?」と尋ねる。 病室に戻ると、亜紀はオーストラリアへの修学旅行用に使うパスポ ート写真を撮るため制服に着替える。写真を撮るのを頼まれていた朔 太郎は戸惑いながらも準備を進めていると、綾子(手塚理美)が入って くる。気まずさから言い訳がましくマスクをつける朔太郎。綾子は亜 紀に無理をしないようにと咎めるが、亜紀はいらだって「貧血でいつ まで入院させるのよ!」と声を張り上げる。 病院のラウンジで朔太郎と綾子はお茶を飲みながら話をする。病名 を隠し続けることの難しさを朔太郎が口にすると、綾子は「6割はよ くなるけど、4割はなかなか厳しくて。あの子意外と悲観的な考え方 するから。ごめんねサクくんにもつらい思いさせて」と暗に隠し通す 方が今はいいということをほのめかす。 病院からの帰り、朔太郎は松本写真館に立ち寄ると、潤一郎(高橋 克実)が「嘘をつくのも大変だろ」と声をかける。その日潤一郎は真 (三浦友和)から亜紀の病名を電話で告げられていたのだ。潤一郎は疲 れている朔太郎を気遣い、亜紀のパスポートの写真を現像するのを代 わりにやると言って朔太郎を家に帰らせる。 うつろな表情で自転車をゆっくりとこぎながら朔太郎は物思いにふ ける。 *------------------------------------------------------------* −見抜かれていた。一人になると考えてしまう。6割、4割という 数字はとても微妙で、亜紀は6割なのか4割なのか、ぼーっとしてい ると言われる僕でさえこうなのだ。もし亜紀がこの事実を知ったら… … *------------------------------------------------------------* 朔太郎はペダルを踏み外す。自転車のチェーンが切れてしまったの だ。ぼんやりとチェーンの切れたペダルを手でこぎまわす朔太郎。 その夜、亜紀は真島の病室を尋ね、以前生物の先生が作った詩を渡 す。そして「真島さんはなぜ笑っていられるんですか?私最近いらい らばかりで」と尋ねる。真島は「何かを失うことは何かを得ることだ と思わない?僕は夜がこんなに長くて、朝が来るのがこんなに幸せな んて知らなかったよ」と答える。亜紀は「本当に負けず嫌いなんです ね」と言い笑顔になる。 ふと亜紀は真島のベッドの傍に医学事典があることに気づき、見せ て欲しいと言う。 真島はためらいながらも貸す。亜紀が再生不良性貧血のページを開 くとそこには「ばかにするな」と書かれ、ページ全体に大きく×印が つけられていた。声を失う亜紀に真島は自分も同じように再生不良性 貧血だと言われたと話す。しかし真島は再生不良性貧血という病気も あるのだから本当に同じかどうかはわからないと静かに話す。 その夜亜紀はベッドの中で不安と恐怖に駆られ眠ることができなか った。翌日朔太郎がお見舞いに来ると、亜紀はニコニコしながらオー ストラリアのガイドブックを読んでいた。それを見た朔太郎はほっと して「ご機嫌だね」と言い、修学旅行の資料を挟んだファイルを渡す。 亜紀は「外泊許可が出たの」と朔太郎に言う。 亜紀は朔太郎にマスクをはずしてと頼む。しかし朔太郎はなかなか はずさない。亜紀が再度はずしてと頼むとためらいながらはずす。亜 紀は「わたし白血病なんだって。昨日先生に聞いたの」と朔太郎に言 う。それを聞いた朔太郎は動揺しだし「亜紀のお父さんもお母さんも 悪気があったわけじゃなくて」と弁解しだす。それを見て亜紀は「や っぱりそうなんだ……ゴメンだました」と顔を強張らせながら言う。 朔太郎が「でも6割の人はよくなるって……」と亜紀を落ち着かせよ うとするが、亜紀は「嘘ついているの疲れたでしょ」と言って朔太郎 の言うことを取り合おうとしない。 朔太郎は真に会い病名を告げたことを謝り「僕死んだ方がいいかも しれない」と涙声で言うと、真は険しい表情で「死んでくれ」と言う。 しかし真は「本当は俺が言うべきことだった。つらかったろう、あり がとう」と声をかける。 その夜亜紀は病室で朔太郎が持ってきた修学旅行のファイルを床に 叩きつけ「なんで、なんでさ」と自分が白血病になったことに苦しむ。 翌朝、学校の下駄箱で朔太郎が昨日のことを悩んで立ち尽くしてい ると、後ろから亜紀が来て朔太郎の肩を叩き、例のように人差し指を 立てて朔太郎の頬に突き刺す。 朔太郎が驚きで声も出ないでいると亜紀は笑顔で「外泊許可でたっ て言ったじゃん」とまるで何事もなかったかのように言う。そこに龍 之介(田中幸太朗)、顕良(柄本佑)、智世(本仮屋ユイカ)がやって来る。 亜紀は朔太郎に両耳に指を当て、ウォークマンのことをほのめかし、 3人と一緒に教室へ行ってしまう。 屋上でウォークマンを聞く朔太郎。 *------------------------------------------------------------* −おはようございます。廣瀬亜紀です。油断してたでしょ(亜紀が いたずらでボリュームを最大にしてたため大音量で流れ朔太郎は驚き、 慌ててボリュームを下げる)。あっ考えたらなんかおはようと言うの 久しぶりだ。とにかく今日一日は病気のことを忘れようと思います。 まずはコロッケパンを食べたいぞよ。 *------------------------------------------------------------* 朔太郎は亜紀が元気になったことを嬉しくなりながらも、無理して いるのも感じて切なくなる 朔太郎が教室に戻ると、ホームルームの時間で谷田部(松下由樹)が 入ってくる。亜紀を目にした谷田部は驚くが「来るなら連絡くらいし なさいよ」と嬉しそうに注意する。谷田部は修学旅行のプリントを配 ろうとするが、亜紀を気遣ってやめてしまう。 そして「じゃあ学級委員、後はよろしく」と言う。それを受けて亜 紀は立ち上がり前に行こうとするが、すでに他の人が代わりに学級委 員になっているのに気づき、戸惑ってしまう。 昼休み図書室で久しぶりの学校に違和感を覚え溶け込めない自分を 感じて亜紀は気落ちしているが、そこへコロッケパンを持った朔太郎 がやってきて「午後サボらない」と亜紀に言う。 たこ焼き屋パパさんでたこ焼きを食べた後、朔太郎と亜紀は波止場 へ行く。朔太郎のひざに膝枕をしながら亜紀は「ここで告白したんだ よね」と笑いながら言う。 そして何かを思いついたようには起き上がり「最悪、私一回も好き って言われていない」と言い、朔太郎を期待の目でまじまじと見つめ るので、朔太郎はたじたじになる。 その後朔太郎の家に行き、亜紀は富子(大島さと子)の家事の手伝い をしてすごす。 夕方綾子は亜紀から電話を受ける。綾子は真に「亜紀はサクくんの ところでごちそうになるって」と伝えると、真は「いいのか?」と綾 子に聞き返す。綾子は「次があるわよ、あるわよね」と答えるが、 2人とも亜紀がいないので寂しさを感じる。 朔太郎の家で亜紀は朔太郎一家と鍋ものを囲んで談笑する。病状を 知らない富子は元気そうな亜紀の様子に「病気もすぐ治るよ」とぽん と言ってしまうので、朔太郎や潤一郎は亜紀のことを気にしてあまり 食が進まない。そんな様子を察してか亜紀は「あの、本当のこと言っ ていいですか?私、白血病なんです」と打ち明ける。突然のことに富 子はショックを受けるが「大丈夫だよ、大丈夫だからね」と亜紀を精 いっぱい励ます。そんな富子に亜紀は嬉し涙をこぼし「また、来ても いいですか?」と聞くのだった。 夕食後、浜辺に出た朔太郎と亜紀。亜紀は富子が自分の病気を聞い て、そのまま受け止めた飾らなさがすごいと話す。そして「何かを失 うことは何かを得ることだってわかる?ずっと前の私なら今日のこと ここまで喜べなかった。今度はもうちょっと元気になってサクちゃん の家で朝ごはん食べたいな、それが今の夢かな」と言う。 *------------------------------------------------------------* −きっと前の僕だったら単純に喜べたことが悲しくなる。世界を飛 び回りたいと言っていた亜紀がうちに来ることが夢だと語る。たぶん 現実を受け入れていくとはこういうことなのだ。だけどそれすら心の どこかで声がする。そんな未来があるのか、と。 *------------------------------------------------------------* 不安な顔つきでいる朔太郎を見て亜紀は「大丈夫だよサクちゃん。 夜は必ず明けるんだよ」と言う。 自転車で亜紀を病院へ送る朔太郎。 *------------------------------------------------------------* −ペダルが少し軽かった。きっとチェーンを直したせいだと僕は言 い聞かせていた。 *------------------------------------------------------------* 病院に戻った亜紀は医師から今後の治療方針について説明を受ける。 「完治はあるんですか?」と質問する亜紀に、医師は「それはがんば りしだいだから、がんばろう」と答える。 自分の病室に戻る途中真島の病室を通った亜紀は室内で中年女性が 片づけをしているのを見て「真島さん、退院したんですか?」と声を かける。するとその中年女性は亜紀にスケッチブックを見せ「これ受 け取ってやってください。順平の遺言ですから」と言う。真島の突然 の死を知った亜紀は激しく動揺する。 夕方朔太郎がいつものように病院へお見舞いに来ると、同じく病院 に来た真と鉢合わせる。真は「まだ死んでないのか」と笑いながら言 い、一緒に病室へ向かうが、病室が散らかり、亜紀がいなくなってい るのを見て愕然とする。真と朔太郎はすぐさま亜紀を探しに出かける。 夜思いつめた表情で亜紀は浜辺に立っていた。そこへ朔太郎が駆け つけてくるが、亜紀はかまわず海へと足を踏み入れていく。朔太郎も 急いで海に入り亜紀を止めようとするが、亜紀は「どうせ死ぬなら今 死んでも同じじゃない。なんで苦しい治療を受けなきゃいけないの?」 と叫び、朔太郎を振り放す。「みんな卒業して、社会に出て、結婚し て、そういうの横目で見て生きていくんだよ。うらやましがって、ひ がんで、可哀想ねと言われて、いいことないのに、惨めにいいこと捜 して、一生そうやって暮らすんだよ。なんで私だけそういう目にあわ なくちゃいけないの?私が何したって言うの」と言い、沖に向かって ずんずん進もうとする。朔太郎は「治るかもしれないだろ」と必死に 止めるが、亜紀は「気休めいわないで、私が死ぬって思っているくせ に」と言い返す。朔太郎は「そうだよ、そう思っちゃうよ。だけど俺 の知っている廣瀬亜紀は鼻血出ても保健室行かないんだよ、雨の日で も弔辞を読むんだよ、白血病でも自己ベストを更新すんだよ。誰より も負けず嫌いで、上昇志向の塊みたいな父親と強がりで優しい母親か ら生まれて恐竜みたいにたくましく育てと言われて。だから俺は廣瀬 亜紀を信じる。俺を裏切らないでくれよ」 *------------------------------------------------------------* −言い聞かせていた。言い聞かせていた。亜紀に言いながら僕は自 分に言い聞かせていた。だけど僕はまだ知らなかった。信じることは 闘いだと、僕は知らなかった。明けない夜はないけれど、目覚めなけ れば朝は来ないということを、目覚めていても明けない夜があること を。 *------------------------------------------------------------* ●2004年 明け方朔太郎が自宅へ戻る途中、朔太郎は警察に保護された一樹に 偶然会う。 一樹は「サク、もう写真撮ってくれないの?僕のこと嫌いになった の?」と心配そうに尋ねる。 *------------------------------------------------------------* −何かを失うことは何かを得ることだと亜紀はそう言ったんだ。亜 紀はそう言ってくれたんだ。 *------------------------------------------------------------* 朔太郎は一樹を抱きしめ「好きだよ、大好きだよ」と言う。そこへ 明希がやってくる。 寸 評 何かを失うことは何かを得ること−亜紀を失って17年、朔太郎は 一樹を抱きしめながら改めてそのことを思い出していましたが、明希 との今後の関わりに影響しそうな予感ですね。34歳の朔太郎はオリジ ナルの部分だそうですが、ラストに向けて大きな動きが見られるので しょうか。 白血病の捉え方について少しあいまいな感じがします。私などは 80年代で考えると白血病と宣告されたら、余命がどれくらいで、残さ れた人生をどうするかを考えるという感覚なのですが、ドラマの中で は治るかもしれないという含みを持たせてるので少々混乱してしまい ます。 執 筆 者 ケン(kain_evel@yahoo.co.jp) ---------------------------------------------------------------------- 2. 編集後記 ---------------------------------------------------------------------- 高校野球シーズンに、オリンピックが始まりと各局とも通常のレギュラー番 組の放送が変更が相次いでいます。放送時間帯を事前によくチェックしておか ないと録画し損ねそうな気がして、少々不安気味です。ところで「世界の中心 で…」は7回目が終わりましたがこの調子で行くと8月中に9話まで行きますね。 全11話と聞いてますが、9月なかばには終わってしまう勢いです。番外編がプ ラスされるのでしょうか?(ケン) ====================================================================== 発行元:ドラマ研究会 e-mail:info@j-drama.tv url :http://www.j-drama.tv/ ID :MM3E195F16414CD このメールマガジンは、メールマガジン[MailuX]を利用して発行しています。 (http://www.mailux.com/) ====================================================================== |