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通巻75号 2004.8.15発行 M4 Action! 「Yahoo!がなくなったら何故困るか?」 残暑お見舞い申し上げます。ゴールデンウイークに発行してからまた長期休暇に なってしまいました。しかも、終戦記念日。映画「華氏911」が一昨日の夜から恵 比寿で先行公開されました。まだ見ていませんが、楽しみにしています。見る前か ら言うのもなんですが、こういう映画が一悶着あったとしても公開されるアメリカ の器量の大きさを羨ましくも思い、日本の未熟さをなんとかしていかなければと思 ってしまいます。 さて、タイトルの通り、今日はポータルサイトについてです。いろいろあります が、学部の後輩が今月から近鉄球団買おうとしたライブドアに入社したので、その ときに後輩に話したことをまとめてみます。「Yahoo!がなくなったら何故困るか?」 裏を返せば「ライブドアがなくなっても何故困らないか?」ということです。もち ろん、楽天も同じく、私は困りません。しかし、Yahoo!が明日潰れるとなると、ち ょっと困ります。 私がYahoo!で使っているサービスは、Yahoo!にアクセスしてカテゴリ別に見ると、 「買う」ではオークション「知る」でファイナンス「楽しむ」でテレビ「調べる」 で路線「暮らす」でグルメ「集まる」でグループ、それにメールです。オークショ ンは売買とも普通に出品して普通に落札していますし、株価はファイナンスにまと めてあり、テレビで録画予約のGコード、モバイルで路線を調べ、株主向けの同報 メールにグループを使い、くだらないメールはヤフーに転送しています。しかも、 オークションの関係で、毎月280円引き落とされています。私はYahoo!依存症と言 われてもしかたない。Yahoo!は生活の一部になっているのです。 同じ六本木ヒルズに事務所を構える楽天やライブドアもポータルサイトの運営会 社ですが、見に行くことはなかなかありません。ライブドアのレイアウトはYahoo! を完全に真似していますが、ギガメーラーなどサービスが必ずしもYahoo!より劣っ ているわけではありません。楽天は、infoseekを買収しましたが、楽天の商売のサ イトとの連携がうまくいっていないため、「踊る〜」の映画で見かけるぐらいで、 もうポータルサイトとしての存在感はないと言ってもいいでしょう。 要するに、総合力でまず負けている次点の会社が例えひとつでもよいサービスを 提供したところで人は動かないということです。テレビを見る時間も少なくなって、 ネットをやる時間が多くなったとは言え、ネットの時間だって所詮はテレビの時間 が振り替えられただけのことです。時間がない現代人がよいところがひとつあるか らと言って、そのときに何の気なしに登録しても、競争でまたYahoo!が勝つように なれば、また普通にYahoo!に戻ってくるのです。ホームはYahoo!にあるというわけ です。 しかし、それでは次点の会社の存在意義がないかと言えば、そうではありません。 次点の会社が同じビルで頑張っているからYahoo!のサービスがよくなるのです。携 帯電話がそうでした。ただの携帯電話だったら、ドコモだけで事足りますが、次世 代携帯はauがいなかったら今のドコモはなかったでしょう。ドコモがパケット定額 制を予定より早めてくれたのもauのお陰です。今では懐かしい写真つき携帯は旧J ホンのお陰。その後、ボーダフォンになって、完全に引き離されてしまっています が、3位というのはなかなか辛いものです。 しかし、競争がいかに消費者にとって 利益があるのかということは実感される方も多いと思います。 もちろん、トップの苦悩はあるでしょう。次点は一番をまず真似していけばいい のですから。奇抜なことをいろいろやるよりも、日常使うポータルとしての品質を 極めていく時期と思われますが...また、伝統的な会社でなく、ベンチャーの場合、 人員の流失はすべて業界トップに向かって流れていきます。前回も書いたワーカー は次点の会社で駄目だと思えば、自分を棚に上げて会社のせいにするでしょう。そ の後、トップの会社で運良く雇ってくれたとして、自分が前の会社と同じことをし ても駄目だったときに初めて自分の未熟さを知るのです。20代の転職なんてそんな ものだと思いますが、その人材の流れの中で情報も流れていくのです。 携帯キャリア業界のようにわかりやすく歴史がつくられるのか、それとも、私な ど及びもしない妙案で乗り切るか、面白く拝見させて頂きたいと思います。 (こくぶ ひろゆき hk@ihg.jp http://www.ihg.jp/) ■Yahoo! http://www.yahoo.co.jp ■livedoor http://www.livedoor.jp ■infoseek http://www.infoseek.co.jp 追伸) 初めてこのメールマガジンをお送りさせて頂いた方もいらっしゃいますが、 1994年から(当時はFAXでしたが)不定期に発行しているものです。徒然なるまま に思いつきを皆さんにお送りするものですが、ご迷惑でしたら、一番下の解除 方法で解除できますので、お手数ですが、ご自身でご手配をお願いします。 なお、バックナンバーについては以下のホームページにあります。 http://www.spre.ad.jp/new/m4_index.html ◎最近見たアニメ映画DVD 「クレヨンしんちゃん嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦」原恵一/シンエイ動画 http://product.bandaivisual.co.jp/web_service/shop_product_info.asp?item_no=BCBA-1746 東大がアニメの講座「コンテンツ創造科学産学連携教育プログラム」を開くとい うので、その募集ガイダンスに行って来たのですが、その特別ゲストがこのクレヨ ンしんちゃんの原恵一監督でした。教授になった浜野先生が東大生に向かって「こ の映画見た人、手を挙げて」といったら、なんと手を挙げたのは数名...さすがに監 督本人目の前だったので「見たことない人は退場!これは古典ですよ、受験資格なし 」と言われて、みんな真っ青。私も慌ててDVD借りに行きました。(浜野先生は「買 ってください」と言っていましたが)私は漫画はあまり読まないのですが、アニメは 見ますよ。ただ、クレヨンしんちゃんはわざわざ見ていませんでした。まあ、良く できています。東大の先生が古典というぐらいですから、お子様がおられる方は一 緒に見てみてはどうでしょうか?普段のテレビと違ってあんまり子供の教育によくな いことはなかったような気がします(笑) ■コンテンツ創造科学産学連携プログラム http://www.iii.u-tokyo.ac.jp/gnrl_info/news/list04/13.htm -- 國分 裕之 (Hiroyuki Kokubu), Independent Holdings Inc. E-mail hiroyuki@kokubu.name URL http://www.ihg.jp/ |