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タイトル:Daily Drama Express 2004/07/09 世界の中心で、愛を叫ぶ (2)  2004/07/24


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2004/07/09 (Fri) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.金曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 金曜日の連続ドラマ
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タイトル 世界の中心で、愛を叫ぶ
局  名 TBS系
放映日時 金曜22時
キャスト 松本朔太郎(山田孝之)
 廣瀬亜紀(綾瀬はるか)
 松本朔太郎(緒方直人)
 小林明希(桜井幸子)
 中西光太(西洋亮)
 谷田部敏美(松下由樹)
 廣瀬綾子(手塚理美)
 廣瀬真 (三浦友和)
 松本謙太郎(仲代達夫)
 大木龍之介(田中幸太朗)
 中川顕良(柄本佑)
 上田智世(本仮屋ユイカ)
 松本芙美子(夏帆)
 松本潤一郎(高橋克実)
 松本富子(大島さと子)
脚  本 森下佳子

あらすじ ●2004年
 生命保険の営業に励む明希。子供が生まれた知り合いに保険の見直
しを進めるが、他人のことよりお前と朔太郎はどうなんだと言われて
しまう。自分と朔太郎はそういう関係じゃないと言う明希に病院から
朔太郎が急にいなくなったという連絡が入る。
 病院へ向かい朔太郎の荷物を受け取る明希。

 故郷に戻ってきた34歳の朔太郎。

 故郷の高校の前に立ち、現在の高校生たちを見る34歳の朔太郎。
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 −17年ぶりの故郷はそれなりに、時を感じさせた。黒い髪の生徒は
いなくなり、ウォークマンはMDプレーヤーに代わった。
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 故郷の港に立ち、アイボリー色の粉の入った小瓶を握り締めながら
海を見つめる34歳の朔太郎。
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 −僕は亜紀と別れる場所を探すことにした。本当は17年前にしなけ
ればいけないことだったことだから。
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 故郷の町を歩く朔太郎。
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 −あの頃と変わらないところがいいと思った。まだあるだろうか
……、亜紀が好きだと言ったあの場所は。
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●1987年
 朔太郎が登校して下駄箱で靴を履きかえていると、後ろから亜紀が
肩を叩く。
 朔太郎がふりむくとまた人差し指を立てて朔太郎の頬に刺す。亜紀
は笑顔で「おはようサク」と言う。朔太郎も笑顔で何かを言おうとす
るが、上田智世(17)(本仮屋ユイカ)が亜紀にノートを貸してとせがん
で連れて行こうとする。亜紀は小声で朔太郎になにごとか言って一緒
に行ってしまう。朔太郎は下駄箱から紙袋を取り出すと中にはウォー
クマンが入っていた。思わずにやける朔太郎。それを見た龍之介が朔
太郎を面白そうにからかう。

 屋上に行ってウォークマンを聞こうとせっかちに再生ボタンを押す
朔太郎。
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 (大声で)こんばんは廣瀬亜紀です。びっくりしたでしょう?7月3日、
今日の晩御飯、うちはコロッケでした。うちのコロッケってお父さん
の好みでかにクリームなの。だから普通のジャガイモのやつあんまり
食べたことないのね。わらわは、コロッケが食べたいぞよ。図書室で
一緒にコロッケパンが食べたいよ。
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 聞きながら、朔太郎は何者なんだよ、にやけながらつぶやく。

 売店の前に殺到している生徒たち。首尾よくコロッケパンを買い満
足顔の智世の後ろから龍之介が取ってしまう。「龍之介、金払えよ!」
と智世は怒鳴る。一方朔太郎もなんとかコロッケパンを2つ買い、図
書室へ向かう。

 図書室内では亜紀とクラス委員の男子が文化祭の練習日程の打ち合
わせをしていた。その様子に朔太郎は思わずショックを受けてしまう。
亜紀は慌てて朔太郎のところへ走ってきて「ごめん、文化祭のこと相
談されちゃって」と言う。コロッケパンを背中に隠し「そうか」と朔
太郎は答える。亜紀はまた打ち合わせに行ってしまう。

 朔太郎が女子陸上部の練習を見ていると、亜紀がやってくる。「練
習何時まで?」と朔太郎が聞くと「今日は遅くなりそうだからいいよ」
と亜紀は笑顔で答えて戻ってしまう。

 たこ焼き屋パパさんで朔太郎が龍之介と顕良にそのことを話すと龍
之介は「そりゃ、俺の経験で言ったら付き合っているって言わねえよ」
と言い、顕良も「まあ俺の経験でも言わねえな」と言う。顕良は「お
まえは廣瀬と付き合ってなんかしたのか」と聞くと、朔太郎はおずお
ずと「テープで交換日記……」と言う。「キスは?」と聞かれ、答え
られない朔太郎に龍之介は「おまえからかわれているだけじゃないの
?」と言う。苛立つ朔太郎に龍之介は栓を抜いていないコーラを渡す。
そのまま口をつける朔太郎を見て龍之介と顕良はおかしそうに笑う。
「このままじゃロミオ役が先にキスすんじゃねーの」と2人がからか
うと朔太郎は自転車に乗って走っていく。帰り道謙太郎の家を通ると、
謙太郎に「今日、帰りによってけ」と呼びとめられるが、かまわず先
に行ってしまう。

 校門近くでカップルで帰っていく生徒を見ている亜紀と智世。智世
は「あたしたちっていつも女同士で帰っているよね」とぼやく。亜紀
は「言っちゃえば、大木くんに」と言うと智世はあわてて「あんなや
つ……」と否定する。亜紀は「智世ビーバップ好きじゃん」と言うと、
智世は「そんなんじゃなくてあいつは昔からあたしがいないとダメで、
コロッケパンも自分で買えないっていうか……」と弁解する。
 ふと亜紀は前方に朔太郎がいるのに気づき驚く。「いいって言った
のに」と困惑気味に亜紀が言うと、「忘れ物とりに来たついでだから。
送るよ」と朔太郎は言う。智世は思わず大声で「付き合ってるの?」
と朔太郎に尋ねる。亜紀は「言わないで」と言って朔太郎のところに
走っていく。

 自転車に二人乗りして帰る朔太郎と亜紀。朔太郎は「なんで付き合
っていること言わないの?」と尋ねると亜紀は「秘密の方がどきどき
するじゃん?」と答える。
 「経験あるの?」と朔太郎が聞くと「知りたい?」と亜紀はいたず
らっぽく笑いながら答える。「いいよ」と朔太郎が断ると、亜紀は
「教えてあげようか、私の秘密」と言う。

 町の山を登る亜紀と朔太郎。亜紀はすいすい登っていくが、朔太郎
は疲れてよろよろしている。亜紀は「仕方ないなあ」とつぶやき、ス
カートのすそをあげ「サクちゃん」と声をかけて駆け上る。それを見
た朔太郎も走りだす。
 亜紀が朔太郎を連れてきた場所は町を一望できる山の中腹だった。
そこは一面ピンクの紫陽花が咲いていた。「1人になりたい時よく来
るんだ」と亜紀は言う。亜紀は紫陽花を見て「きれいだよね」と言う
と朔太郎は「亜紀の方が……」と思わずつぶやく。亜紀が朔太郎の方
見ると、あわてて朔太郎は「なんで紫陽花ってビンクだったり青だっ
たりするの?」と聞くと、亜紀は「紫陽花って不思議な花でね、土壌
の酸性度によって色が変わるんだって。青い紫陽花は酸性、ピンクは
アルカリ性。ちなみに植物がよく育つのは弱酸性なんだって」と答え
る。朔太郎が「人間みたいだな。人間て環境によって変わるから」と
言うと「そうだね」と言って微笑む亜紀。思わず視線が合う朔太郎と
亜紀。朔太郎が顔を亜紀の方に近づけていくと、亜紀は「やだ」と言
って手のひらで朔太郎の顔面を押さえて止めてしまう。

 帰り道考え事をしながらゆっくりと自転車を走らせていると、後ろ
から謙太郎が後部座席に乗ってきて「よってけ」と言う。謙太郎の家
に行くと、謙太郎は折り入っての頼みがあると言ってある人の骨を墓
から盗んで欲しいと言い出す。「自分でやって」と朔太郎は嫌がる
「おまえなら見つかってもいたずらですむじゃろ」と言って謙太郎は
食い下がるが、朔太郎は無視して家に帰ってしまう。

 家に帰ると母の富子が、妹芙美子の彼氏との長電話について注意し
ていた。富子は父の潤一郎と朔太郎にも注意してくれと言うが、朔太
郎はただ「いいな、お前の彼氏」とぼそっとつぶやく。

 自宅で入浴後に鏡で下唇の裏を見ている亜紀。自分の部屋に戻ろう
としてダイニングを通り過ぎると父の真に「最近夜中に電話している
だろ。部屋から声が聞こえるぞ」と注意される。「英語のヒアリング
のテープだよ」とはぐらかす。「がんばってくれてるならいいけどな」
と真は言う。

 そのころ朔太郎は自宅でテープに吹き込んだ自分の声を聞いていた。
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 だから俺としては亜紀にジュリエットをやらないでほしい。もしキ
スシーンがあったりしたら嫌って言うか……
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 テープを止め「何言ってんだよ、俺」と独り言する朔太郎。

 翌朝下駄箱でウォークマンがないのをさびしそうに見る亜紀。教室
に入り、机に突っ伏している朔太郎の視線に気づくと笑顔で答える。
朔太郎は「どうしたの?とか聞けよ」とつぶやく。
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 なんだか自信がなくなってきた。亜紀は本当に俺のことを好きなの
だろうか。もちろん愛情表現はひとそれぞれだけど……
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 ホームルームの時間、ロミオ役を誰にするかの話し合いが行われて
いる。智世がメモを朔太郎の方へまわしていく。女子生徒の間から
「どうせなら学級委員同士でやっちゃえば?前から仲いいみたいだし」
という声があがる。メモが朔太郎のところに回ってくる。そこには
「ロミオやれば?byともよ」と書かれていた。目を丸くして智世のほ
うを向くと、智世はにんまりしてピースサインする。「誰もいなけれ
ばぼくがやります」と学級委員の男子生徒が言うと、突然顕良が手を
上げてロミオ役に立候補する。教室内に笑いが起こる。顕良は左手を
上げながら右手で朔太郎に合図を送る。戸惑いながらも手を上げる朔
太郎。女子生徒の間から「せっかくだからジュリエットが選べば?で
きてるっていう噂もあるし」という声があがる。
 亜紀は困り果て、最後に「学級委員同士ということで」と言う。

 放課後の掃除当番で流し場で朔太郎が雑巾を絞っていると、亜紀が
来て「怒ってる?」と聞く。朔太郎が「怒ってないよ」と言って乱暴
に雑巾を絞る。「やっぱり怒っている」と亜紀は言い、「連れてって
ほしいとこあるんだけどなあ」と朔太郎に聞こえるようにつぶやく。

 謙太郎の家で写真を見ている亜紀。「なんでこんなとこ来たいんだ
よ」茶を入れている朔太郎。一枚の若い女性の白黒写真を見つける亜
紀。「これ誰ですか」と亜紀が尋ねると、「あの世で一緒になろうと
誓った人だ」と謙太郎は答える。謙太郎によると彼女は身体が弱く結
核で、謙太郎自身は兵隊に取られ戦争が終わるまで2人は生きてない
だろうと思っていたんだと言う。幸い2人とも無事に終戦を迎えたが、
病気の彼女を世話するのにはお金がかかり、謙太郎はよくない仕事に
手をだして刑務所に送られてしまった。服役している間に特効薬がで
きて彼女は治り別の人のところに嫁いでしまった。謙太郎は出所後会
おうと思っていたが、その矢先に彼女は急に亡くなってしまったのだ
という。
 「だから、骨をね、せめて……。俺が死んだらあの人の骨とあの人
の骨を一緒にしてまいて欲しいんだよ。そうしたらあの世で一緒にな
れるかもしれないと思って……」と謙太郎は言い、ソファに崩れ落ち
る。朔太郎は「狸じじい」とつぶやき、暗に演技だと批判する。

 帰り道、亜紀は「すごいよね、40年以上も思い続けるなんて」と言
うと、朔太郎は「ばあちゃんに悪いよ」と言うと、亜紀は「そうかな。
純愛だと思うけど」と言う。
 そして「好きな人と暮らすのと、好きな人を思いながら別の人と暮
らすのとどっちが幸せなんだろうね。一緒にいると嫌なところも見え
るじゃない」と言う。朔太郎は「ひょっとして俺のこと?」と聞くと、
亜紀は「そんなこと言ってないよ。本当の私を知ったらサクちゃんは
いやになっちゃうかもなあ」と言う。別れ際亜紀は「手伝ってあげれ
ば、おじいちゃん」と言う。

 自宅に入ると居間で食事の準備もせずテレビを見て笑い転げている
母の富子を見、父の潤一郎に「いやにならない?」と朔太郎は尋ねる
が、潤一郎はキョトンとしてしまう。

 翌朝亜紀は下駄箱で交換日記のウォークマンを入れた紙袋を見つけ
てうれしそうに中を見る。屋上で再生する亜紀。
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 おはようございます。松本朔太郎です。突然ですが、わたくし文化
祭の演出に立候補しようかと思います。そなたの接吻を阻止するのじ
ゃ。コロッケパンが待っておるぞよ。あっ、図書室。
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 コロッケパンに殺到する生徒たち。朔太郎は首尾よくコロッケパン
を買い、図書室に直行する。図書室では学級委員の男子が思いつめた
表情で亜紀に「廣瀬って松本と付き合ってるの?」と聞く。「なんで
?」と問い返す亜紀に「俺、廣瀬のこと……」と言い、いきなり亜紀
にキスをする。そこへコロッケパンを持った朔太郎が入ってきてキス
シーンを目撃する。朔太郎はコロッケパンを投げ捨て、血相を変えて
学級委員の男子に飛び掛り胸倉をつかんで「何やってんだよ!」と詰
め寄る。

 朔太郎、亜紀、学級委員の男子の3人は谷田部に呼ばれ、説明を求
められる。亜紀は朔太郎が自転車をとられたと勘違いしてけんかにな
ったと言いつくろう。教室へ戻る途中、朔太郎は「なんで本当のこと
言わないの?」と言う。亜紀は「サクならわかってくれ……」と言う
と、朔太郎は「わかんねえよ。亜紀が何を考えているか全然わかんね
えよ。心が狭いんだよ俺は。亜紀が他のやつに触られるのも、他のや
つと楽しそうにしてるのも!」と声を張り上げる。

 海辺で1人思い悩んでいる朔太郎のもとに龍之介がやってきて「坊
主(顕良)が負けたってよ。俺は廣瀬のためにケンカはできないって」
と言い、いきなり朔太郎にキスをする。「何すんだよ」という朔太郎
に「こんなキスになんの意味があるんだ。正々堂々廣瀬を持っていか
れた坊主(顕良)の気持ちを考えてみな」と言う。

 部活のあとかたづけをしている亜紀に谷田部は「いやならいやって
言えば、ジュリエット」と言うと、亜紀は「1回引き受けたことです
から」と言う。谷田部は「意地っ張り」と言う。亜紀は「サクが演出
やってくれるって言ってくれてたんですけど、でももうだめかも」と
言う。

 朔太郎は謙太郎のところへ行き、「骨を盗みにいこう。悔しいと思
うんだ、持っていかれるのって」と言う。一方自宅に帰った亜紀はウ
ォークマンの交換日記用のテープがなくなっていることに気づき、父
の真を問い詰める。「今の時期に男と付き合っているヒマあんのか」
と新聞を読みながら言う。亜紀は「お父さん私にいつもいつも頑張れ
って、なんでそんなに頑張らなきゃいけないの?いつまで、ねえ、い
つまで頑張らなきゃいけないの?」と行って自分の部屋に行ってしま
う。
 謙太郎は墓前で一本線香をあげ、骨壷の中の骨を握り締め、目を閉
じて頬でさする。小さな容器に粉の骨を少し詰めた後帰る道すがら朔
太郎は「おばあちゃんとサトさん、どっちが好きだった」とたずねる
と謙太郎は「どっちだろうねえ、まあどっちにしても一緒に老いて行
けるという人生もまたすばらしいことだと思うよ。おかげでサクとい
うすばらしい運転手にも会えたしなあ」と言い、自転車の後部座席に
座る。
 そして謙太郎は「ま、いずれにしても最後までよろしくな」と言い、
骨の粉が入った小さな容器を朔太郎のポケットに突っ込む。

 ゴミ箱から捨てられたテープを見つけだす亜紀。自宅へ帰る途中亜
紀の家の前を通った朔太郎は自転車を止めて亜紀の部屋を見上げる。
突然窓が開き、亜紀が窓から外に出ようとする。朔太郎が「何してい
るの?」と小声で言うと「会いに行こうと思って、サクに会いに行こ
うと思って」と小声で答える。

 明け方。町を一望できる紫陽花の咲いている山の中腹で、朔太郎は
「見せたいものあってさ」と言う。亜紀も「私も」と言う。「あの、
どうぞ」と2人同時に言い、亜紀は「じゃあ、せーので」と言って、
お互いの見せたいものを出す。亜紀は捨てられたテープ、朔太郎は骨
の入った容器を出す。亜紀が「お父さんに捨てられた。これが理由。
つまんない話でしょ。問題起こすと面倒だから、私家でも学校でもう
そばっかりついてるの。にこにこにこにこして。本当変な女だよね」
と言う。

 朔太郎の持っている容器を見て亜紀は「それ骨?」と言ってじっと
身、「きれいだね」と言う。朔太郎は「でも俺さあ、やっぱりこうい
うのいやだって思ったんだ。亜紀に言いたくてさあ、俺のばあちゃん
海女やってから真っ黒でしみだらけでさあ。口も悪くておじいちゃん
のこと役立たずのヤダロクって言ってたし。おじいちゃんもおあばち
ゃんのことオカメって言ってたけど、俺そういうのがいいよ。汚いと
ころも、ずるいところも、だめなところも、しみもしわが好きになれ
るような、そういうのがいい」と言う。そして亜紀の方を向き「だか
ら亜紀、そのまんまがいいよ」と言う。
 亜紀は「鼻の下ににきびとかできていい?」と言うと、朔太郎は
「いいよ」と言う。
 亜紀は「タコは?」と言うと、朔太郎は「水虫もいいよ」と言う。
亜紀は涙をこぼしながら「初めてなの私、頑張らなくていいって、そ
のまんまでいいって言われたの」と言う。朔太郎は亜紀の肩に手をま
わし、亜紀は朔太郎の腰に手を回す。亜紀は「嫌いにならないでね、
サクちゃん。私のこと嫌いにならないでね」と涙声で言う。
 朔太郎は亜紀にキスしようとするが、亜紀は身体を硬くして拒む。
朔太郎が「それさあ、何なわけ?」と怪訝そうに言うと、亜紀は「口
内炎があるの3つも」と言うが、朔太郎はそのまま亜紀にキスをする。

●2004年
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 こんな風に、ひとつずつ僕たちは近づいていくのだろう。10年後、
20年後、ひょっとしたら100年後。けんかをしたり、仲直りをし
たり。だけど昨日より今日、今日より明日、明日より明後日、ぼくは
当たり前のように亜紀を好きなっていく、そう思っていた。ここに毎
年紫陽花が咲き続けるように今も変わらずに紫陽花が咲いていた。だ
けどあの日亜紀と見たピンクの紫陽花は一本もなかった。目の覚める
ような青だった。僕の目をさまさせる鮮やかな青。亜紀などいなかっ
たのだと言われている気がして、僕はまくことができなかった。
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 34歳の朔太郎が夜道を歩いて実家に戻ってくると、明希が自分の子
供と一緒にいるのに出くわした。「どうしたの?」と驚く朔太郎に明
希は「急に病院抜け出して、心配するに決まっているでしょ」と言う。

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 あのときと同じだった。あのときの僕は1人では何もできないと思
ったんだ。
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●1987年
 謙太郎の家を訪れる朔太郎。謙太郎を探すと、謙太郎はソファの上
で倒れていた。


寸  評  付き合い始めたのに、付き合っているのかいないのか悩む朔太郎
は亜紀に振り回されている感じでした。いい子を演じなくてはと縛ら
れている亜紀に対する朔太郎のもどかしさみたいなものがよく出てい
たなと思います。最後、ありのままの亜紀でいいと伝えて、より理解
しあえるようになり、次回以降さらにどんな風に展開していくかが楽
しみです。
 ところで亜紀の模試の判定結果の志望校は御茶の水女子、東京外国
語、奈良女子、慶応、津田塾、上智と・・・。亜紀の父親が頑張れと
言うのは、一流大を出てその肩書きで一流企業の会社員と結婚して安
定した生活を送るのがベストと思っているということなのでしょう
か?

執 筆 者 ケン(kain_evel@yahoo.co.jp)

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2. 編集後記
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 仕事の性格上、帰りが遅くビデオにとったのを週末に見て書いています。ま
だ慣れていないのでなかなか大変ですが、一生懸命やっていきたいと思います。
(ケン)

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発行元:ドラマ研究会
e-mail:info@j-drama.tv
url   :http://www.j-drama.tv/
ID  :MM3E195F16414CD 
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