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タイトル:非公式情報 第118号  2004/07/02


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民主主義が嫌いなアメリカ政府

By StrangeLove

改めて指摘するまでもなく、イラク人は主権を取り戻していない。『主権移譲』を盛んに宣伝する日本のマスメディアは自分たちの滑稽さに気づいているのだろうか?

少なくとも現在のアメリカ政府が最も恐れていることはイラク、そして中東が民主化されることである。民主化が進めば中東全域が『反米国家』になってしまい、イスラエルは孤立する。

戦後の歴史を振り返っても、イタリア総選挙への介入からはじまり、1950年代にはイラン、グアテマラ、有名なところでは1970年代のチリなど民主的なプロセスで選ばれた政権を次々と軍事力で倒してきたのがアメリカである。

1980年代に入るとアメリカは『プロジェクト・デモクラシー』なるものを始めている。これを字面通りに受け取るのはナイーブすぎる。「○○国に民主主義を!」とアメリカ政府が言うとき、それは気に入らない政権の打倒を呼びかけているにすぎない。自分たちの利権にプラスならば、虐殺を繰り返す軍事政権を支えてきたのがアメリカである。自分の手下ならば『自由の戦士』、敵ならば『テロリスト』と呼ぶのと同じことである。

さて、アメリカはイラクをどのようにするつもりなのか・・・この答えはアメリカの現政権を支えている『ネオコン』が1990年代に出している。

イスラエルはヨルダンやトルコと友好的な関係にあるが、その間にあるイラクにも両イスラム国と同じような政権ができれば、シリアと湾岸諸国とを分断することができる。つまり、イラクのサダム・フセイン体制の打倒は中東戦略の最重要課題だということになる。その先にあるのはイスラエルを中心とする中東、ということのようだ。

勿論、こうしたシナリオに対する反発も小さくない。アメリカの権力グループ内部で衝突が激しくなってきている一因もここにある。

だいたい、フセインを後押ししてきたのはCIAである。1958年のクーデターで共和制ができると、翌年にはCIA主導で民族主義政権の打倒を目指すクーデターが試みられている。これは失敗しているが、そのときにCIAの手先となったひとりがサダム・フセインだったことは有名な話だ。

現在、イラクの『首相』を名乗っているアヤド・アラウィとCIAとの緊密な関係は自他とも認めるところ。フセインと似た者同士ということだ。

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