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===================================================== 発行部数 14 == ★★ 日刊ドラマ速報 ★★ ☆☆ 2004/05/12 (Wed) ☆☆ ====================================================================== == 目次 ============================================================== 1.水曜日の連続ドラマ 2.編集後記 ====================================================================== ---------------------------------------------------------------------- 1. 水曜日の連続ドラマ ---------------------------------------------------------------------- タイトル 光とともに・・・〜自閉症児を抱えて〜 局 名 日本テレビ系 放映日時 水曜22時 キャスト 東幸子 (篠原涼子) 里緒秀美(小林聡美) 東雅人 (山口達也) 桜俊也 (武田真治) 相良薫 (鈴木杏樹) 藪下めぐ美(井川遥) 東光 (斎藤隆成) 川見純 (市川 実日子) 藪下檜冶(大倉孝二) 東貴子 (高橋惠子) 矢吹一 (渡辺いっけい) 脚 本 水橋文美江 あらすじ 光(斎藤隆成)は、帰りの支度も自分で出来るようになった。 その日、里緒(小林聡美)の描いたあさがおに光がクレパスで色をつ けたという絵を里緒から見せられた幸子(篠原涼子)は、2色の色を使 えるようになった事を喜び、「がんばったね」と褒めるが、光はもく もくと身支度をし、壁の方を向いたまま「家、帰ります。さような ら。」と言うのだった。 幸子と光が帰り道を歩いていると、「光くーん!」と航(関口航)や 堅太(ささの堅太)達が来て「一緒に帰ろう」と言って来た。 急に声をかけられ耳を塞いだ光だったが「手をつないで、帰ります」 と航に手を差し出されると、 光は「帰ります」とその手をつなぎ皆と一緒に歩き出した。 その光景を後ろから眺めて胸がいっぱいになる幸子。 貴子(高橋惠子)は、幸子や雅人(山口達也)には内緒で、学校に光の 様子を聞きに来ていた。 矢吹(渡辺いっけい)から、光が友達と一緒にトマトの水遣りをして いる事などを聞かされる。 貴子は自閉症がどういうのか少しずつはわかってきたが、その分余 計難しく感じる、と里緒に打ち明ける。 「私は普通の子育てしか経験がありませんから。」 「普通の子育てって何でしょう?」と里緒。 「関わり方にコツは必要ですが、幸子さんも普通の子育てをしてると 思いますよ。」 友達との分かれ道、光は堅太の胸にぶらさがっている鍵をじっと見 つめる。 その視線に気づいた堅太は、鍵はだめだけど…と一緒につけていた 鈴を「やるよ」と光に渡した。 ありがとうと幸子に言われ「べつに」と素っ気無く言う堅太は友達 から冷やかされている。 『いろんな子がいるね。元気いっぱいの子、恥ずかしがりやの子、ふ ざけんぼうの子、ちょっとぶっきらぼうの子。 みんなそれぞれ違うね。違ってていいんだよね。光、光はどう思う? いろんな子がいて、いろんな大人達がいる。 この世の中、光には一体どんな風に見えるのかなぁ…』 さらに帰り道を歩いていると、光が突然足を止める。その視線の先 には、ガングロの女子高生たち。 そして「こわっこわっこわっこわっ…」と呟き出した。女子高生た ちが光に気づく。 幸子は「すいません、独り言なんです、ウチの子自閉症って言う障 害を持ってて…」と説明。 女子高生達は「障害だってー」「あんな子生まれたらどーする?」 などと言って去って行った。 幸子は、どうして光が女子高生を見て突然「こわっこわっ…」と言 い出したのか考えていて、新聞の折込広告の「シロアリ駆除」のちら しを思い出す。光にそのチラシを見せると、案の定「こわっこわっこ わっ…」と言い出した。 なるほど、イラストのシロアリの目と、ガングロ女子高校生のメイ クした目はそっくりだ。 「いつの間に覚えたんだろう?“こわっ”」 琴美(小林愛里香)を再び学校に通わせようと考え直しためぐ美(井 川遥)は、入学した小学校に出向くが、 授業参観がある日だから、という理由で追い返される。その事を聞 いた幸子が里緒に相談。 里緒は、行事がある日は来なくていいというのは、琴美に無理をさ せないためという学校側の配慮では?と言いつつも、めぐ美の家に様 子を見に行く事にする。 めぐ美の家では、学校を追い返された事をめぐってめぐ美と檜冶 (大倉孝二)が物を投げ合ってけんかしていた。 その横で琴美はきれいな色使いでもくもくと絵を描いている。そん な藪下家の様子を見てほっとけなくなった里緒は、あさがお教室に体 験入学しに来ないかと誘う。 「ほんとおせっかいなんだよなぁ。」そう言いながら、めぐ美はラン ドセルを背負った琴美を連れて登校。 どうして今の学校に決めたのか、とめぐ美に聞かれた幸子は、「里 緒先生ががいたから」と即答する。 そして、家が近かった事もあるが、近所の小学校に入れる事で、光 のような子がいる事をこの街の人に自然に受け入れてもらえたらいい なぁ、障害を持たない子供たちとも自然に関わり合っていけたらいい なぁって思ったと言う幸子に 「甘ったれた事言っちゃってさあ」とめぐ美。 そこへ「光君おはよう。一緒に行ってもいい?」と航達が駆け寄っ てくる。 「光君、手をつないでいきます。」差し出した航の手をつなぎ、みん なと一緒に歩き出す光。 その様子をめぐ美は驚きの表情で見つめる。 あさがお教室についた琴美は、ランドセルを置いたり、席に着いた りと、里緒が絵カードで説明すると 素直にそれに従った。対して光は一度席に着いても、再び立ち上が って教室内をウロウロするなど落ち着かない。 幸子はその事を帰ってきた雅人に話す。「同じ自閉症でも違うんだ なあ」と雅人。 それに比べて光はいつもより落ち着きがなかったと嘆く幸子に、雅 人は 「光の場合、環境の変化に弱いからな…それが光だから。」と話し、 幸子は「…そうね」と光は光なのだと思い直す。 今日も新幹線のパズルを完成させ体を揺らしながら満足そうな光。 「また出来たんだー。すごいな。」と雅人。 あさがお教室では、琴美が描いた絵が素晴らしいと、矢吹(渡辺い っけい)や桜(武田真治)が褒め称えていた。 「同じ一年生でもここまで描ける子はなかなかいませんよ。」と桜。 めぐ美は天にも昇る思いだ。 「先生の力って、すっげーんだな。」 「私の力ではなくて琴美ちゃんが本来持っていた力です。絵に対する 感性が豊かで優れているんだと思います。」 と里緒に言われ、めぐ美は「生まれてはじめて褒められた…琴美やっ たな!」と感激。 その様子を見ていた幸子の表情が次第に曇っていく。 航達も「琴美ちゃんってすっげー絵が上手なんだって?」と見にや ってきた。 「すごーい!」「光くんとは違うんだなぁ!」「チョー天才!」と盛 り上がる声を聞きながら、幸子と光は教室を後にした。 家に帰り、光が2色使いで塗ったあさがおの絵を見つめため息をつ く幸子。 光は今日もお気に入りの新幹線のパズルに夢中。幸子はその背に向 かって「すごいね…光もすごいよ…」と虚ろな目で呟いた。 貴子が光を預かりたい、と雅人に言ってきた。 1時間、30分でもいい、思い切って預けて光と向き合ってもらおう という雅人。幸子は同意するものの、内心不安に思う。 朝、光が新幹線のジグソーパズルが入った缶をランドセルに入れよ うとしている。 幸子はなんとか止めさせようとするが、光の激しい抵抗に根負けし てしまう。 パズルの入った缶を手に登校する光。 遅刻しそうとあせる幸子に、マンションの管理人(甲本雅裕)が「毎 日付き添い大変ですねー」と声をかけてくる。 幸子は適当に相槌をうってさっさと行こうとするが、何故か光が動 こうとしない。 その視線は、管理人のシャツに…ボタンが一つ外れていたのだ。 あせる幸子は、管理人がボタンをしめるのをじっと見ている光の手 を引っぱり、そのはずみで光はパズルの缶を落としてしまう。 慌てて拾い集める幸子と管理人だが、1ピース拾い忘れている事に 気づいていなかった…。 買い物から帰った薫(鈴木杏樹)が、その落ちていたパズルを見つけ る。 渡しておいてもらえないかと管理人に頼まれ、その1片は薫が預か ることになった。 里緒はパズルを持ってきたことを構いませんよ、と言うが、 幸子は「同じことばかりしていても成長しませんから」と言って、 ちょうど光が他の物で遊びだしたスキにパズルを持ち帰った。 持ち帰ったパズルの缶をしばらく見つめている幸子。 そして思い立ってその缶を洗濯機の中に隠してしまう。 光を迎えに行った幸子は、掲示板に琴美の描いた絵が飾ってあるの を見つける。 今日で体験入学が終わる記念に貼ってもらったのだとめぐ美。 琴美の力に気づくことが出来たのは幸子や里緒のおかげだとめぐ美 は礼を言う。 幸子は「琴美ちゃんががんばったからでしょ。」と笑顔で話すが、 心中は複雑。 家に帰った光はお気に入りのパズルを探してウロウロしている。 幸子は「今日はお絵かきして遊ぼう。」と画用紙と色鉛筆を出して みるが、 光は色鉛筆をどけて画用紙の上におやつを並べ遊び出してしまう。 相良家では勉強中の萌(大城紀代)が、テーブルの上に置いてあった パズルを見つける。 光の物だと聞いた萌は「光君は塾のプリントやらなくていいんだよ ね。いいなぁ…。萌、光くんになりたい」と言い、 薫は言葉を失う。 光がパズルを探して家中の物をひっぱり出し始めた。 だったら…と、幸子は今の光ならもう少し難しいのでも出来るはず だから、と買ってあった新しいパズルを渡す。 「挑戦してみよう。それもね、パズルなんだよ。」 ところが、光はそのパズルの箱を幸子に向かって投げ飛ばした。 カッとなった幸子は「人に向かって物をぶつけちゃいけません!危 険なことはしません!」 と話しながら光の腕をつかみ光と向き合おうとするが、パズルを探し たい光はそれどころではない。 激しく抵抗する光はついには幸子をつきとばし、パニックを起こし ておもちゃを投げ出した。 「琴美ちゃんは言うこと聞けるのにどうして光は聞けないの?どうし て同じ自閉症なのにあなたはそうなの?」 とうとう幸子は、光に手を挙げてしまう。 「あーーっ!」と叫びながらテーブルの下にもぐり「こわっこわっ こわっ…」と耳を塞ぐ光。 激しく後悔する幸子。 そこへちょうど貴子がやってくる。 散らかった家の中を見て「光がやったの?」と一瞬驚く貴子。 幸子は「理由はわかってますから」と洗濯機の中から新幹線のパズ ルをとりだし「ごめんね、光…」と呟いた。 光が新幹線のパズルさえしていれば、落ち着いていると知った貴子 は、 だったら大丈夫、自分が光を見ているから美味しいものでも食べてい らっしゃいと幸子に話す。 貴子は里緒からアドバイスしてもらったと、自分の写真を取り出し 光に見せる。 「おばあちゃんなんて、呼ばせないわ、貴子って呼ばせるの。たかこ よ。た・か・こ。」 幸子は里緒を呼び出した。焼き鳥屋でビールを前にする二人。 さあ、ぐぐっと。という里緒に、光の事が心配でそんな気になれな いという幸子。 里緒はそんな幸子に、息抜きする時間や相手をもっと作った方がい いと話す。 「目いっぱいがんばる必要ありません。がんばらない時間も必要です。 光君のために…。」 「本当は何かあったんじゃないんですか?」と里緒にするどい所をつ かれ、幸子は言葉を詰まらせる。 その時、幸子の携帯が鳴る。貴子からだった。 光がパニックをおこしているらしい。すぐ戻ると言う幸子から携帯 を取った里緒は、まず貴子を落ち着かせてから 「理由は何でしょうね?きっかけがあると思うんですけど…」と光の パニックの原因を探る。 貴子はすぐに「ああ…」と気づく。 「パズルの一片が足りないのよ…でもそんな事で?」 幸子と里緒がパズルを落とした辺りを探していると、貴子からまた 電話が入る。 「先生だけでも来て下さい。」と泣き言を言う貴子に、里緒は言う。 「光君を預かるって言ったのはご自分ですよね〜?自分で言ったこと には責任を持ちましょう。 小学校で習いませんでしたかぁ〜?」 貴子はため息をつきながら電話を切る。 「光、これだけ探してもないんだから…おばあちゃんが新しいの買っ てあげる。」と話しても、 全く耳を貸さず「ある、ある…」と呟きながら次々物を散らかしてい く光。 貴子は「人生、時には諦めが肝心!!」と叫ぶのだった。 「今日ね、萌が光君になりたいって言ったのよ」薫は夫(飯田基祐) に話す。さらに薫は 「もし、萌に障害があったら今みたいに私一人に任せきりにできた?」 と聞くのだが 「萌に何かあったら即離婚だ。決まってるだろ。」と冷たく言われて しまう。 管理人から、薫がパズルを預かっていると聞いた幸子は、ちょうど 帰ってきた雅人と相良家を訪ねる。 「ウチの子のジグソーパズル拾ってくれたそうで、どうもすみません でした。」 ところが、薫は「何のことかしら。忙しいのでごめんなさい。」とド アを閉めてしまう。 仕方なく帰りかけた幸子達だが、思い直してもう一度幸子がチャイ ムを鳴らす。 「光には嘘をついたり、ごまかしたりが通用しないんです。失くした からそれでいいやってそう簡単にはいかない所があって…お願いしま す…。」 その時、奥から萌がパズルをもって現れた。 「私が渡していいの?」貴子が幸子からパズルを受け取る。 光は皆から背を向け、頭からタオルケットをかぶり耳を塞ぎ体を揺 らしながら「んーーんーー」と唸っている。 貴子がそっと近づき、光の前にパズルを置くが光は気づかない。 里緒に「顔の前に…」と言われた貴子は、光の顔の前にパズルをも っていく。 光はすぐには気づかなかったが、ふっと目を開け、パズルを目にす ると、手に取り未完成だったパズルのところに行く。 最後の一片をはめ込み、完成したパズルの前で満足そうに体を揺ら す光。 貴子はホッとし「最後までやり遂げたのね…上手に出来ました。」 と光に優しく語りかける。 雅人と光が楽しそうにお風呂に入っているのが聞こえてくる。 「お風呂は好きなのね…」と貴子。「水が好きなので…」と幸子。 「幸子さんの状況が身にしみてわかったわ。幸子さんは本当によくや ってるわ。」 貴子は幸子に話し、光の自閉症は幸子のせいだと言った事を詫びる のだった。 貴子に「あなたはがんばってる、しっかりとりっぱな母親をやって るわ。」 と言われた幸子は「そんなことありません、私…」と、カッとして光 の事をぶってしまったと告白する。 「光のことを…琴美ちゃんと…他の自閉症の子と比べてしまったんで す。 私ちっとも立派じゃありません。少し成長するともっともっとって欲 張りになるし、他の子にはできて光にはできないとやっぱり落ち込む し、昨日できた事が今日できないとすごくがっかりするし…。」 里緒は「ねっ?普通の子育てしてるでしょ?」と貴子に目くばせす る。 涙しながら貴子は頷き「わたしもそうだったわ。みんなもそう。誰 だってそうよ。」と話す。 「比べちゃいけないと思ってても人の子とついつい比べてしまう…で もそれは一生懸命子育てしてるって事よ。 光の事を一生懸命見てるって事よ。」 そう言って貴子は幸子の手をそっと握る。「あなたはやっぱりよく やってるわ。」 航達と手をつないで下校する光。幸子は穏やかな気持ちでその様子 を後ろからついて見ている。 そして、小走りで駆け出した子ども達。幸子はすぐ追いかけていっ たが、航たちとの別れ道に光の姿はなかった。 堅太の後ろをついていく光。堅太が振り返ると光はじっと堅太の胸 にぶらさがる鍵を見ている。 「…鍵はだめって言ったろ。」 堅太は「さよならっ」と走り出すが、気になってすぐ立ち止まり振 り返る。光はもういない。 幸子は付近を探し回る。「光!光ーーー!」 寸 評 やっと貴子も光と向き合ってくれるようになりましたね。貴子が 「おばあちゃんとは呼ばせない、たかこと呼ばせる」 とはりきっていたのに、パニックになった光を前に思わず「おばあち ゃんが…」と自分で言っていた所はツボでした。 第1話で光が自閉症である事を受け入れて以来、幸子はいつも落ち 着いてどんと構えている風だったので、ちょっと出来すぎた母親のよ うに感じていました。なので、今回他の子と比べて落ち込んだり、思 わずカッとして手を挙げてしまったり、という幸子の姿が見れて正直 ほっとしました。 障害があるなしに関わらず、子育てに悩みはつきものだし、比べち ゃいけないと思いつつ他の子とつい比べて一喜一憂してしまう。 「でもそれは一生懸命子育てしてるって事よ。」貴子の言葉は、心に 響きました。 執 筆 者 浅沼(himawari_dance@yahoo.co.jp) ---------------------------------------------------------------------- 2. 編集後記 ---------------------------------------------------------------------- ところで、私は原作の方のマンガはまだ読んでいません。 原作者である戸部けいこさんのお子さんが通う保育園での自閉症児との出会 いがきっかけとなり、丹念な取材を元に描かれているという事で、ぜひ読んで みたいのですが、 一応ドラマの方が終わってからにしようと思っています。 本屋さんに行くと、目立つ所に置いてあり、とっても購買意欲をそそられる のですが。 ま、楽しみは後にということで…。(浅沼) ====================================================================== 発行元:ドラマ研究会 e-mail:info@j-drama.tv url :http://www.j-drama.tv/ ID :MM3E195F16414CD このメールマガジンは、メールマガジン[MailuX]を利用して発行しています。 (http://www.mailux.com/) ====================================================================== |