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********************************************************************** 【水無月を迎えて】 今日から水無月が始まりました。 新聞の夕刊には、衣替えした高校生が写っています。 会社とか、学校とか、警察とか、団体で動く組織は、衣替えを致します。 衣替えは、日本の文化なのですから、賛成ですが、 皆が一斉にする事には、抵抗が在ります。 制服の押しつけは、均一なものを生み出せても、個々の特性を育むことは出来ないのです。 個性化が言われて久しいにも関わらず、現実は、強制が多いのです。 強制は、主体性も、能動性も、自立までも奪ってしまいます。 同じ音でも、”共生”なら嬉しいのですが、違うようですね。 ”きょうせい”には、もう一つ在ります。「矯正」です。 此れも、在るべき姿が決まっていて、其の姿にする事なのです。 詰まりは、凸凹な存在は、認めない考え方なのです。 歯並びが悪いとか、背骨が曲っているとか、癖があるとかなのです。 矢張り、個性的な存在を否定する考え方なのです。 均一・平準化・標準・画一・等質・同じ・普通の考え方です。 異なり・違い・差異・不揃い・混濁・逆しまは、認められません。 工房「多津蔵」は、此の異なりを大切に致します。 何故なら、一年が同じでは無いように、季節を受けとめるには、異なりを認めなければ暮らせないからです。 都会では、暑ければクーラーで冷やし、寒ければ暖房で快適さを求めます。 此の考え方こそが、季節感を失わせ、人の呼吸まで忘れてしまうのです。 工房が、人の温もりを忘れないで、ものを生み出すには、此の異なりを忘れては為りません。 平準化こそが、戒められなければ為らない考え方なのです。 水無月は、梅雨を運んできます。 一年中で、一番雨の時間が長い季節なのです。 此の異なりを味わって暮らせなければ、工房は貧困な姿しか作れません。 主宰は、この事を考えながら、工房を運営しています。 夢幻出版社 編集長 田鶴彦乃蔵人 **************************************************************** 未完。 |