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タイトル:非公式情報 第113号  2004/05/28


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ジャーナリストの犠牲者

By StrangeLove

イラク戦争では多くのジャーナリストが犠牲になっている。各国マスメディアの関係者が宿泊していたホテルが攻撃され、アルジャジーラは支局が破壊されている。撮影中のカメラマンが銃撃され、アブ・グレイブ刑務所で拷問を受けたスタッフもいる。その多くは米英占領軍によるものだった。掃討作戦を展開している特殊部隊だけでなく、『民間企業』の中にもきわどい仕事をしているグループがいるようだ。

ところで、1982年9月、レバノンの難民キャンプ、サブラとシャティーラで数千人といわれるパレスチナ人がファランジスト(マロン派キリスト教徒を中心とする組織)によって虐殺された。周辺はイスラエル軍が制圧、その監視下の出来事で、主犯はイスラエル軍だと考えられている。

正確な犠牲者の数は不明である。レバノン政府によると460名、イスラエルの報告書では700ないし800名、PLO側は死者と行方不明者を合わせて5000から7000名と主張している。国際赤十字が確認した死体だけで663あるので、レバノン政府の数字は話にならない。ブルドーザーなどで隠されたり運び出された死体も少なくない。3000名以上という数字が常識的な線だとされている。

アメリカのマスメディアはイスラエルにとって都合の悪い話は通常、報道しない。アメリカの一部エリートが絡むと、日本メディアの及び腰はさらにひどい。ただ、サブラとシャティーラの虐殺があった当時はアメリカとイスラエルのエリート間にすきま風が吹いていたため、報道された。この事件が世界的に問題化した一因はここにある。

つまり、報道がなければ虐殺は問題にならないということだ。1970年代からラテン・アメリカで死の部隊による住民や宗教関係者の虐殺、暗殺が続いたが、日本のマスメディアは積極的に報道しなかった。その理由を某大手新聞の国際問題担当編集者は「読者が興味を持っていないから」と弁明した。情報を提供しないで「興味を持っていないから」もないと思うが、その辺は深く考えないらしい。ちなみにこの編集者、イラク攻撃では推進派のひとりだった。

マスメディアはイラク戦争の当事者である。ゲッベルス的なものに組するのかどうかが問われているのだ。最近、ニューヨークタイムズがイラクの大量破壊兵器に関する報道の誤りを認めて謝罪したが、彼らも偽情報だと知った上で報道していたはずだ。だからこそ、ヨーロッパのマスメディアから当時、嘲笑されたのである。が、ここにきて軌道修正を図っているわけだ。軌道修正できないメディアよりは、ましかもしれない。

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