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************************************************************************** 【多津蔵物語】 工房「多津蔵」とは、私どもの夢の実体なのです。 では、多津蔵とは何なのか? 答えは明快です。組紐工芸の館なのです。 《組紐工芸とは?》 組紐(くみひも)、聞き慣れない言葉です。 糸を組んで、紐にしたものの事です。 材料・色合・組合せ・組み方等で、異なる表情を致します。 多津蔵は、基本的には、手組みです。手で組んで作ります。 機械化の時代に、手仕事とは?と思われるかも知れませんが、 五十年前位までは、手組みが、当たり前でした。 機械化によってコストは下がりましたが、ものの質も落ちたのです。 此の貧困な物作りの情況を乗り越えるには、 もう一度、手仕事に立ち戻る必要が在ったのです。 組紐工芸を立ち上げる必然が、此処にあったのです。 《多津蔵で実現する事》 組紐を作る事は当たり前です。 でも、其れだけでは片手落ちなのです。 組紐とは何なのか? 此の認識が在り、其の必然に裏打ちされてた姿勢が無ければ、 出来たものは、単なる工業生産物と変わりはないのです。 世の中の手作り成るものが、手で作っただけのものでしか無いのが現実なのです。 此れでは、優秀な機械には勝てません。 手仕事の方が、劣ったのでは、作らないほうが、ましなのです。 多津蔵で生まれるものは、本物なのです。 此の本物が無くなり、偽物ばかりがのさばっているのです。 多津蔵が実現する大きな課題が、本物を創りだす事なのです。 《本物とは》 本物とは、作る人の暮らしから生み出されたものの事なのです。 生活は無茶苦茶で、作るものだけは立派なものは、有り得ません。 和の暮らしからしか、和の文化は作り出せないのです。 多津蔵が実現する姿は、嘘の無い暮らしから生まれる形なのです。 夢幻出版社 編集長 田鶴彦乃蔵人 *************************************************************************************************************************************************** |