メルマガ:屋久島発 田舎暮らし通信
タイトル:屋久島発 田舎暮らし通信  2004/05/22


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  2004/05/22
『世界自然遺産の島』   屋久島発・田舎暮らし通信(第103号)

      http://www.yakushimapain.co.jp/  屋久島パイン株式会社
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このメールマガジンは、北海道から屋久島に移住し、現在弊社屋久島支店の社員が
本人の移住経験を踏まえまして、屋久島の日常を発信しています。


●屋久島を離れる人

Yさんが、屋久島を離れると言う。
屋久島に移住して来ても、数年で帰ってしまう人がいることも事実。
最初から借家だけを考えて、数年住んだら帰ろうと思っている人は、又別な話。

今回は、屋久島に定着したが、帰ってしまうYさんの本音を聞くことに。
とは言っても、この場で本音を全部書くことは、出来ないのも事実。
メールマガジンの読者の方から、「良いことだけではなくて、マイナス面の事実も書
いて。」と、言われたことがある。

しかし、Yさんも私も書きたいけど、全部をありのままに書くことは、やっぱり出
来ないよね、という結論に達した。
なぜなら、その人にとってはマイナス面でも、又別な人にとっては、プラスの面で
もあるからだ。
個人的なマイナス面を、屋久島のマイナス面と誤解されても困るから。

離れる理由は、それぞれだ。
年をとってしまったので子供のところへ戻る人、体調が悪く治療のため島から離れ
ざるを得ない人、配偶者が亡くなり寂しくて親戚などがいるところへ戻る人、仕事
の面で屋久島では難しいと思った人、などなど。

Yさんは、屋久島という土地が嫌になったので、離れると言うわけではないという。
だから、家は、そのままにして行くそうだ。
近所の人に家の管理を任せて、定年までは都会へ出稼ぎ。
「定年したら、やっぱり屋久島に住みたい。」と、ポツリと言った。

40代のYさんは、3年前から屋久島に住み始めた。
200坪ほどの土地と、20坪ほどの家を持った。
屋久島に来て知り合った人たちと、バーベキューをしたり、一緒にハイキングに行
ったり、楽しい毎日。
仕事も、アルバイトをみつけて、順風満帆の出だし。

しかし、何箇所かのアルバイトを経験した後、仕事をするのをぱったりと辞めてし
まったのだった。
「今のところは、働かなくてもやっていけるので、家でのんびりしているよ。」と、
いうYさん。
周りから「若いのに、悠々自適でうらやましい。」と、言われることも。

ところが、Yさんの本音は、違うところにあったよう。
ガス代を節約する為に、3日分のてんぷらをまとめて揚げながら、次のように語り
始める。
「実は、生活は楽ではないんですよ。屋久島は選ばなければ、もちろん仕事はいく
らでもありますよ。でも自分は、あえて屋久島では働きたくないと思いましたね。
挫折したわけではないですが、屋久島は田舎でのんびりしていて、いいとこもあり
ますが、自分の性格上、受け入れられなかった部分があるんですよ。都会と比べる
のは、良くないことかもしれないけど。でもやっぱり、都会で稼ぎますよ。屋久島
そのものが、嫌になったわけではないので、家を売ることは考えていないですね。
定年するまでは、別荘として使います。年に何回来れるかわかりませんけどね。」と
Yさんは、いつものように穏やかに笑っていた。

「屋久島に数年間住んだ後、帰ってしまうからといって、その間が無駄だったとか、
屋久島に来なければ良かったとは思いませんよ。一度も住まないことを選ぶほうが、
いやですからね。」とも言われた。
いろんな形があってもいいんだと思うと、もっと楽に屋久島で暮らせそうだ。



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屋久島パイン株式会社   http://www.yakushimapain.co.jp/
発行責任者  角谷和雄   kakutani@yakushimapain.co.jp
本      社       東京都千代田区麹町1丁目8番14号
屋久島支店       鹿児島県熊毛郡屋久町原914番地
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