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======================================================================== ━┓→ N┃→ 仮想力線電磁気学 ━┛→ ======================================================================== ------------------------------------------------------------------------ ●第47回 第3章・力線の理論(その15) ------------------------------------------------------------------------ 当メールマガジンを御購読いただき、誠にありがとうございます。 引き続き、運動の問題を取り上げます。 絵文字の図があるので、等幅フォントで御覧下さい。 **************************************** 42.相対運動がある場合 **************************************** 今回からは、光源と受光体とが相対運動する場合の問題を取り上げます。 それは、たとえば、下図のような問題です。 ☆ 〜〜〜〜〜> □ ☆ 光源 □ 受光体 → v あるいは、 ☆ 〜〜〜〜〜> □ v ← または、 ☆ 〜〜〜〜〜> □ v/2 ← → v/2 ちなみに、光源と受光体の相対運動という意味では、上記の三つは同じです。 そして、もし、この世に、光源と受光体以外の物質は存在しないのならば、これ ら三つの問題は、同じ問題とみなすことができます。 ただし、この場合は、前回も述べたように、疑似エーテルとなる物質が存在しな いため、(疑似)近接作用的な現象は起こらず、故に電磁波も発生せず、光源か ら受光体への作用は遠隔作用的なものになります。 さて、実際の(現実的な)問題では、光源と受光体以外にも物質が存在し、これ らが疑似エーテルとしての働きをするため、そうした物質との相対運動も考えな くてはなりません。 それ故、上記三つの問題は、必ずしも同じ問題としては扱えなくなります。 **************************************** 43.ガリレイ変換 **************************************** そこで、まず、今回は、光源と受光体の近くに存在する物質、および、光源と受 光体とを結ぶ線分の近くに存在する物質とが、光源に対して静止している(相対 運動していない)場合の問題を取り上げたいと思います。 この問題を改めて図に示すと、下図のようになります。 ・・・・・・ ☆ 〜〜〜〜〜> □→ v ・ 疑似エーテルとなる物質 ・・・・・・ もし、v=0ならば、前回やった問題と同じです。 この場合に受光体から見た光速度をcとしましょう。 さて、v≠0ならば、受光体は速度vで光源から遠ざかっているわけですから、 受光体(の系)から見た光速度は、ガリレイ変換によれば、c−vとなります。 次に、このことを、力線の理論の観点から見てみましょう。(ただし、一回で全 部述べるのは無理なので、今回と次回の二回に分けて説明します。) **************************************** 44.移動する微小領域 **************************************** まず、電磁波は、x方向に進む電磁波を考えます。 また、受光体は、x方向に速度vで運動するとします。 そして、光源の座標系を(x,y,z)、受光体の座標系を(x',y',z')とすると、 x' = x - v・t y' = y z' = z という関係が成り立ちます。 さらに、受光体の系から見た電界、電束、磁界、磁束密度をそれぞれ {E'}、 {D'}、{H'}、{B'} とします。 さて、そこで、以前(第41回)に示した微小領域の図を思い出して下さい。 y ↑ │ E ___F │A / B/| │ | ̄ ̄| | │ | |/G │D  ̄ ̄C ┼─────→x / / └ z 今回は、この微小領域ABCDEFGHが、x方向に速度vで移動することになります。 このため、この移動する微小領域の系から見た電気力線と磁力線の速度をそれぞ れ {vd'}、{vb'} とすると、第45回の話とから、 vdzy' = vdzy - v = c - v vdyz' = vdyz - v = c - v vbzy' = vbzy - v = c - v vbyz' = vbyz - v = c - v が成り立ちます。 第45回で述べたように、x方向に進む平面波の電磁波では、電気力線と磁力線 とが(十字に交わった格好で)、x方向に速度cで進むことになります。 一方、微小領域はx方向に速度vで移動しているわけですから、その分だけ、微 小領域から見た電気力線と磁力線の速度が変化するというわけです。 さて、以上のことから、 Ey' = ( c - v )・Bz (3・10・1) Ez' = -( c - v )・By (3・10・2) Hy' = -( c - v )・Dz (3・10・3) Hz' = ( c - v )・Dy (3・10・4) ( ∂ Hz' / ∂t ) = - ( ∂( Hz'・( c - v ) ) / ∂x' ) (3・10・5) ( ∂ Hy' / ∂t ) = - ( ∂( Hy'・( c - v ) ) / ∂x' ) (3・10・6) ( ∂ Ey' / ∂t ) = - ( ∂( Ey'・( c - v ) ) / ∂x' ) (3・10・7) ( ∂ Ez' / ∂t ) = - ( ∂( Ez'・( c - v ) ) / ∂x' ) (3・10・8) という式が得られます。 運動のない場合の式、すなわち、(3・7・1)〜(3・7・8)式と比較して みて下さい。(→第44回参照) ちなみに、(3・10・1)〜(3・10・2)式は電磁誘導の式、(3・10・3) 〜(3・10・4)式は磁電誘導の式です。 また、(3・10・5)〜(3・10・6)式は磁力線の連続の式、(3・10・7) 〜(3・10・8)式は電気力線の連続の式です。 (…次回につづく) ======================================================================== 発行者 : tarkun(たーくん) mailto:tarkun2@yahoo.co.jp 配信 : MailuX http://www.mailux.com/ バックナンバーの閲覧、購読の解除、配信先の変更は、下記のHPへ。 http://www.f8.dion.ne.jp/~tarkun/mm/mailux.htm 購読の解除や、配信先の変更は、御自分でお願いします。 ======================================================================== |