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       〜言葉を風にのせて〜   高安ミツ子

 3月号 VOL35
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お待たせ致しました。dd
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Wind Letterは言葉を紡ぐ楽しさを詩や随筆で送ります。
私の言葉の風を受けとめてくださいますか。
あなたの心の窓を開けてくださいますか。風の手紙があなたと
私の夢をつないでくれますように。
それでは、どうぞ今月のWind Lettrをお楽しみください。

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http://www1.odn.ne.jp/~aap60600/mitsuko/wind.html
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○●作者紹介●○
名前:高安ミツ子(たかやす みつこ)
日本ペンクラブ会員
日本詩人クラブ会員
千葉県詩人クラブ理事
詩誌「玄」[White Letter」同人

 

  

               巣立ちゆく君たちへ
 
                                                                                           
                                                       
  
                                    

                 
新しい季節を知らせるように

沈丁花は紅色の明かりをともした


三月の香りが私の心に広がる

ふと不安の風船をふくらませていた君たちの

短くて長かった一年がよみがえる

澄んだ歌声 ぬぐいきれない汗の光

届かなかった思い

小さな悲哀 新たな道しるべ 

抱えきれないほどの喜びの花束を抱え

でんぐり返った君たち

そして記念写真

次々と交差しては消える時間は

思い出オルゴールを鳴らしていく


今日の庭でつぶやく私の声は

八分音符の速さでよみがえり

春の息吹の沈丁花にかさなってゆく

熱い心にあたる風の冷たさに

見上げると澄んだ青空に卒業の二文字が

どこまでも続く命を包むように広がっていた