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タイトル:Daily Drama Express 2004/03/15 乱歩R (最終回)  2004/03/23


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2004/03/15 (Mon) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.月曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 月曜日の連続ドラマ
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タイトル 乱歩R
局  名 日本テレビ系
放映日時 曜2時
キャスト 明智小五郎(藤井隆)
 堀越学(筧利夫)
 帆音ユキ(本上まなみ)
 雷道所長(岸部一徳)
 小林芳雄(大滝秀治)

 平野刑事(南野陽子)  
 澤村鈴子(藤谷美和子)
 滝口美咲(藤崎奈々子)
 重松優子(網浜直子)
 小島刑事(圓谷友里)
 国分  (麿赤児)

脚  本 丸山智子
  長川千佳子

あらすじ 第10話 『怪人二十面相 後編』

 ディスプレイ殺人の犯人 澤村鈴子を逮捕しようとし、背後から何
者かにナイフで刺された堀越。
 堀越 「お前〜。」
振り返り犯人の顔を確認したが、そのまま倒れ動かなくなった。 意
識不明で見つかった堀越は、重体。 病院に駆けつけた明智は 医師
に「助けてくれ」と懇願する。

 明智に 行方不明の父の捜索を依頼していた美咲。 一足違いで 
亡くなった国分と対面する事になった。 明智は 自分の力の無さを
詫びる。 顔を見られただけでも良かったと 美咲はいう。

 事務所のユキは、急に顔を出さなくなった雷道を心配する。 携帯
も留守電のまま。 しかし、小林だけは 何かを感じているようだっ
た。

 逃亡した鈴子は指名手配され、森島は逮捕された。 堀越の助っ人
として 本庁から平野刑事が招かれる。 平野は 堀越の後輩だった。
 平野と小島は 花屋の聞き込みにまわる。 鈴子が ガーベラを買
い占めているという情報をつかむ。 一本だけ白い百合も買ったとい
う。
 平野の質問に答えた花屋は、鈴子の手は長い爪をして美しかったと
証言する。 堀越を刺した相手は 手に怪我を負っている可能性があ
ると、平野は考えていた。 堀越を刺したのは 鈴子とは違う人物 
共犯者かもしれない。

 父の死の真相を追っていた重松葬儀社の優子。 国分の死によって
 手掛かりが途絶えたかと思われた。 しかし、国分殺害の犯人が 
何かを知っているかもしれないと 明智は励ます。
 国分のディスプレイ『闇からの招待状』に、明智は 違和感を覚え
ていた。 これまで飾られた死体は 若くて美しいという共通項があ
った。 しかし、国分は違う。
 これまでのディスプレイ殺人と国分の殺人は 犯人が違うのではな
いか。 既に森島が逮捕された後、女性の手で 全てを行えるとは思
えない。 森島とは別の共犯者が存在すると 明智は考えていた。

 大量の花を 一日で買い占めているという事は、今夜ディスプレイ
殺人が起きる可能性がある。 焦る平野と小島は 二手に分かれて、
鈴子の捜索を続ける。 しかし、2人が追っている鈴子は 反対に
2人を 車で尾行していた。 その夜、一人ガードレール下を歩いて
いた小島が 黒手袋の男に捕まる。
 
 鈴子 「みんなあなたのお蔭。 今頃は大好きな花のない 汚い留
置所にいるところだった。 欲しい物があったら 何でも言って頂
戴。」
闇の中、小島の回りに 嬉々として花を生ける鈴子。 黒手袋の男の
胸に花を挿してささやく。
 鈴子 「あなたには白い百合がよく似合う。」

 ディスプレイされた小島が 『正義の終焉』というタイトルで発見
される。
 警部 「これは、警察への挑戦だ!」
堀越を重体にされ、今また部下の小島を殺害された警部は 怒りを隠
しきれない。 現場に駆けつけた明智が 捜査協力を平野に願い出る
が、受け入れられない。

 白い百合を胸に挿した雷道に かくまわれている鈴子。
 鈴子 「あなたと初めて会った時、シンパシィを感じたの。」
雷道と鈴子は 鈴子の作品『気まぐれなエンジェルたち』の前で出会
った。 人は死んだら焼かれるだけ。 でも、美しい人間はその姿を
称えられて死ぬべき。 自分の理想の素材にあった時、身を焦がすほ
どの愛情を感じるという鈴子を 雷道は理解している。
 雷道は 自分の過去を語る。 10才の頃、雷道の父が病をえて自殺
し、母が睡眠薬を飲んで後追い自殺をした。 雷道は自分が見つけた
母を美しいと思い 誰にも知らせずに 一晩添い寝したという。 死
は人を引き裂く、だからこそ死は美しい。
 雷道 「君も美しい。 最高の礼をさせてもらう。 美しくディス
プレイして 送り出してあげるよ。」

 新たなディスプレイ殺人が起きる。 意外な事に 『悪魔の生誕』
と名づけられ ディスプレイされたのは 鈴子自身。 自らを飾って
から 首を切って自殺したと警察では断定する。
 警部 「勝手に死にやがって。 こいつだけは俺の手で捕まえたか
った。」
駆けつけた明智は 鈴子のディスプレイを見つめる。

 病院で 昏睡状態の堀越を見守る明智。 自身も堀越の世話になっ
ていた平野は 明智に同情する。 明智は 鈴子は死んだが、真犯人
は別にいると平野に話す。 同じ考えと知った平野は、鈴子が買った
百合が見つかっていないという情報を洩らす。 真犯人の手掛かりで
はないかと。

 事務所に ディスプレイ殺人の予告メールが届く。 『次のディス
プレイ作品のモデルは 貴社の人間だ。』 ユキは姿を見せない雷道
を心配し、雷道の自宅を訪ねる。 やっと姿を見せた雷道に ホッと
するユキ。 だが、ユキの腕をつかんだ雷道は いつもと違う冷たい
目をしていた。

 事務所に戻った明智は、ユキの机に残された予告メールを発見する。
 不安を感じた明智は、ユキを追って 雷道の自宅を訪ねる。 ユキ
の姿はないが、そこにユキがいた痕跡と 百合の花びらを見つける。
 瞼を閉じる明智。 明智の脳裏を 数々のキーワードが巡る。 
〈鈴子の買った百合・光の背後に影があるという雷道の言葉・森島以
外の共犯者〉 再び開いた明智の目に 犯人の姿が映っていた。 明
智の携帯にメールが入る。『富士の影野沢で待つ。』
 明智 「ユキさんが危ない。」
いつも堀越にしているように 平野の携帯に知らせながら、駆け出す
明智。

 富士で 小林と合流した明智。
 明智 「小林さん、僕は雷道さんの事を何も知らなかったのかもし
れません。」
小林は 雷道の裏に隠された 暗い部分を知っていた。 明智の父 
正義(まさよし)と雷道は 明智探偵事務所の同僚だった。 国分が
話していた母の死に 関係するのではないかと 小林に問う。
 小林 「真実は自らの手で明らかにするのだ。 それが探偵だろう、
明智小五郎。」
明智に発破をかける小林。

 山荘で縛られたユキを 2人は発見する。 ユキの閉じ込められた
室内には ガスが湧き出ている。 それをダミーだと見破った小林は、
爆破装置のリード線を 明智に切らせる。
 雷道 「お見事でした。」
姿を現した雷道に、国分や鈴子の殺害・堀越刑事を刺した理由を 明
智は問う。
 雷道 「君ならわかるのではないですか。」
 小林 「初代明智先生は 二代目を正義(まさよし)君に託した。
 探偵として優秀だったのは君だが、悪魔の深い闇を君の中に見たか
らだ。」
 雷道 「あなたに 理解してもらおうと思わない。 所詮あなたも
明智小五郎と同じだ。 正義(せいぎ)にこの世の真実など見えるわ
けがない。」
ユキを小林に託し、逃げた雷道を 明智が追う。

 雷道からの携帯電話に従い、森の中を進む明智。 指示された廃坑
の中で 雷道が待っていた。
 雷道 「人一倍怖がりな君が 良く来ましたね。」
まるで明智の成長を喜ぶように。 そこが自分の家で、何十年もここ
で明智を待っていたと告げる。
 雷道 「君に合わせたい人がいるんです。」
蝋燭の灯った坑内に、女性の姿が浮かび上がる。 それは25年前に
亡くなった明智の母だった。
 雷道 「小五郎が来てくれた。 これで家族がそろった。」

〈雷道は 明智の母を愛していた。 しかし、初代明智が、勝手に 
小五郎の意志を継ぐ者として 誠実な正義との結婚を決めてしまった。
 雷道は 明智の母に愛を告白し、正しい未来を教える為に 明智を
身籠らせた。 十ヶ月後明智を出産した母は、雷道を拒んだ。 だか
ら、苦しみから救う為に 殺害した。〉 全ては 雷道の妄想からお
きた事だった。

 母を殺害され 閉じ込められた事を知り、怒り狼狽する明智。
 明智 「あなたは人間ではない。 25年間もこんなところに母を閉
じ込めて。」
しかし、雷道はこうしていれば自分だけを見ていられるから幸せだと
 告げる。 ただ、明智に会えない事だけが 淋しかったのだと。

 死期の近い正義から 明智を託された雷道。 犯人の気持ちが読め
るようになった明智の成長を見て 時期が来た事を悟った。

 しかし、国分が現れた。 国分は 25年前 雷道の指示で明智の母
の死体を指定した場所に隠し、葬儀社の社長を殺害した。 雲隠れす
るよう指示された国分は、大麻の入ったスーツケースを持たされ、シ
ンガポールに下り立ち 逮捕された。 雷道の計算では 国分は25年
の刑期中に 獄死するはずだった。 しかし帰国した国分は 雷道の
脅迫を始めた。 明智の母の墓を暴いたのは DNA鑑定をし 証拠に
するためだった。 その証拠がいま 雷道の手にある。
 雷道 「お前は、私の息子だ。」

 『二十面相は 必ずお前の前に現れる。』という正義が残した手紙。
 その意味をやっと知った明智。
 明智 「僕は 正義の子供です。 罪の償いをして それがあなた
に残された道です。」
雷道は 振り返り 坑道の奥へと進む。 そしてそうなる事がわかっ
ていたように 断崖から転落する。 崖の際に手をかけ耐えている雷
道。

 明智 「雷道さん。」
手を伸ばす明智に 雷道が選択を迫る。
 雷道 「私を助けるのか、助けないのか。 手を伸ばさなければ私
は落ちる。 もし伸ばせば君も落ちるかもしれない。 私はお前の母
親を殺した。 さあ、どうする?」
究極の選択を迫られた明智。 つい今しがた見た母の死体が脳裏に浮
かぶ。 明智の瞳に 仮面をはずした雷道の顔が浮かんだ。 その目
に凶悪な表情を浮かべる明智。
 雷道 「その目を忘れるな。」
そういい残し、手を放した雷道は 遥か下へと落ちていった。 自身
の闇を知り、混乱する明智。 そこに 平野たち警察が 到着した。


 堀越を見舞った明智。 集中治療室で 昏睡状態にある堀越。 窓
越しに覗く明智に気づき、うっすらと目を開ける。 口で何かをつぶ
やき 再び瞳を閉じた。 それを確認し 立ち去る明智。
 突然 堀越の病状に変化が起こり、病室内が慌しくなった。


 主のいない明智探偵事務所で、ユキと小林が明智の心配をしている。
 雷道の遺体は見つかっていない。 重い足取りで明智が事務所に現
れた。 そこに依頼が舞い込んだ。
 明智 「僕が 探偵の明智です。 お話を伺います。」
躊躇した明智だが、3代目明智小五郎として、探偵を続ける決心をし
た。 以前より見違えるように成長した姿を 優しく見守るユキと小
林。 春のように穏やかな風が 事務所に流れている。


寸  評  前回 小林老人が 「真実の前に事実がある。 父親なのは 紛
れもない事実。 その運命を 子供は受け入れなければならない。」
と話していました。 それは 明智自身にも伝えたかった事なのでし
ょうか。
 キャッチフレーズの『人間の妄想が怖い』は 雷道の事ですね。 
雷道の死体は 黒蜥蜴の時と同じ様に 見つかりませんでした。 雷
道は 再び明智の前に 姿を現すのかもしれません。

執 筆 者 飯塚(iizuka.g@infoseek.to)

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2. 編集後記
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 とうとう最終回となりました。 これまでお付き合い下さいまして ありが
とうございました。 今期は 提出が遅れ気味で 本当に申し訳ありませんで
した。 『乱歩R』は、時代は違えど、乱歩の世界が 上手に表現されていた
ドラマだったと思います。 また、こんな凝ったドラマに出会えたらと 願っ
ています。 (飯塚)

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発行元:ドラマ研究会
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