Daily Drama Express 2004/03/16 僕と彼女と彼女の生きる道 (11) 2004/03/21

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タイトル：Daily Drama Express 2004/03/16 僕と彼女と彼女の生きる道 (11) 2004/03/21

===================================================== 発行部数 14 == ★★ 日刊ドラマ速報 ★★ 　　　　　　　　　　　 ☆☆ 2004/03/16 (Tue) ☆☆ ====================================================================== == 目次 ============================================================== 　　1.火曜日の連続ドラマ　　2.編集後記 ====================================================================== ---------------------------------------------------------------------- 1.　火曜日の連続ドラマ ---------------------------------------------------------------------- タイトル　僕と彼女と彼女の生きる道局　　名　フジテレビ放映日時　火曜22時キャスト　小柳徹朗（草なぎ剛）　北島ゆら（小雪）　小柳可奈子（りょう）　宮林功二（東幹久）　坪井マミ（山口紗弥加）　岸本肇（要潤）　小柳義朗（大杉漣）　大山美奈子（長山藍子）脚　　本　橋部敦子あらすじ　　神田弁護士（福本伸一）の事務所。徹朗（草彅剛）は面接を受けた会社が不採用だったと残念そうに話す。　「ただ、父が仕事をするようになり、経済的な援助をしてくれると言ってくれました。仕事のない日はうちの家事を手伝ってくれると言っています」　「それはプラスの材料ですね」　神田が微笑む。　義朗（大杉漣）が背広もネクタイもなしで、徹朗の家の台所で夕食を作っている。　「よし、出来た！――今日、お父さん遅くまで仕事だから、先食べようか」　凛（美山加恋）、ゆら（小雪）の３人で、義朗手製のおでんを食べる。　「凛、熱いから気をつけなさい」　注意した義朗の方が、慌てて口に入れた具でやけどをしてしまい、義朗はゆらと顔を見合わせて笑う。　帰宅した徹朗が真っ先に見るのは、凛の寝顔。食卓には、凛とゆらからのメモがあった。　『今日は漢字のテストをしました。全部出来て、１００点でした。　北島』　『おかえりなさい。おやすみなさい。　りん』　ソファで眠ってしまった義朗のメガネをはずし毛布を掛けると、徹朗はおでんを温めなおす。　翌日徹朗は小学校へ向かい、「親権変更の審判中で、凛に何か変わった様子があったら知らせて欲しい」と担任の石田（浅野和之）に頼む。　用件を済ませ帰ろうとする徹朗を、石田が呼び止める。　「私は教師になって２０年です。今更ですが、教師として子どもに本気で接するってどういうことか、考えるようになりました」　石田は「それだけ伝えたくて」と言って、軽く会釈し、去って行く。　家裁の調査官が美奈子（長山藍子）に話を聞いている。　「徹朗さんは、父親として一生懸命やってますが、正直、至らないところもあると思ってます」　美奈子は、凛の食生活のことを気にしていると続ける。　「小柳徹朗さんは、凛さんを養育する父親としてふさわしくない、とお考えですか？」　調査官の質問に、美奈子は「はい」と何の躊躇もなしに返事をする。　帰宅した美奈子は、可奈子（りょう）に尋ねる。　「本当にこれからは、何があっても凛ちゃんのこと一番に考えるって、約束してくれるわね？」　「約束する。何があっても凛のこと、一番に考える」　可奈子は、凛の描いた似顔絵を見つめる。　今夜は焼肉。この間凛が洋食屋で描いてくれた絵が、無造作にテーブルに置いてあるのを見て、「飾ったらどうですか」とゆら。　「おばあちゃんの所に泊まった時は、お母さんの絵描いたよ！すっごく上手って、言ってくれた！」　と明るく言った後で、急に凛はふさぎ込んでしまう。徹朗のことを気にしているのだ。　「いいんだぞ、お母さんのこと話しても。楽しかったら楽しかったって、言っていいんだからな」　家庭裁判所。　裁判官が、美奈子の陳述書の中から、幾つか尋ねたいと徹朗に言う。　凛が便秘で入院したことについて、「もっと早く気付くべきだった」と徹朗は答える。食事は「徹朗が作ることはほとんどなかった」と陳述書にはあったが、「今は作っている」と徹朗は反論する。だが、可奈子側の弁護士が、痛いところを突いてくる。　「栄養のバランスを考えたメニューですか？」　「…同じメニューが続かないようにしています」　「作れる料理は、ごくわずかですよね？」　「ですから、料理を覚えているところなんです」　「いつになったら栄養バランスの取れた、おいしい食事を食べさせてあげられるんでしょうね？母親である大山可奈子さんなら、今すぐ可能です！」　徹朗には反論できるものが何もない。神田は「実の母親である美奈子の陳述書は、信用性に欠ける」と裁判官に申し立てる。　下校途中の凛と会った美奈子は、２人でファミリーレストランに入る。　「凛ちゃんのお母さんは小さい時、ナオキくんって子のお嫁さんになりたいって言ってたのよ」　「凛は、お父さんのお嫁さんになります！」　「…お父さんのどんなところが好き？」　「一緒にジュース作ったり、一生懸命ご飯作ったり、雪を見に連れてってくれたり……。それから、ぎゅ！ってしてくれる！」　凛と別れた美奈子は、徹朗の働いている洋食屋に足を伸ばす。店のガラス窓をせっせと磨いている徹朗の後ろ姿を、美奈子は蔭からそっと見守る。　「凛が、お願いごと？」　「一度でいいから、３人で遊園地に行きたいって」　ゆらから凛の願いごとを聞かされた徹朗は迷ってしまう。帰ろうとするゆらを引き止めて、徹朗は尋ねる。　「どうしたら、いいかな？止めた方がいい？」　ゆらは「思った通りでいい」と答える。　同じ頃、可奈子は宮林（東幹久）と会っていた。　「最初は、会社で何かあってみどり銀行を辞めたのかと思ってたけど、本当に凛のために辞めたんですね」　「すっかりいいパパだよ。凛ちゃんのことなら、安心して大丈夫」　可奈子が「今、親権をめぐっての審判中なのだ」と打ち明けると、宮林は「知らなかった」と驚く。　「子どもを置いて家を出ると、不利になるんですけど、私のケースなら勝てる見込みがあると言われました。でも…それは私の知ってる小柳だったら、の話で…」　口ごもる可奈子に「何を怖がってるの？」と宮林。　「凛ちゃんが、小柳をどんどん好きになるのが怖い？」　可奈子は心の中を見透かされたようで、どきっとする。　「もう、小柳とやり直すのは無理なんだよな？」　宮林に尋ねられ、可奈子はうなずく。　宮林と別れてすぐ、可奈子のケータイが鳴る。徹朗からだった。　「凛が、一度でいいから、３人で遊園地に行きたいって」　可奈子は「徹朗がそう言わせたのか」と勘ぐる。　「まだ、やり直したいと思ってる？」　「もう、思ってない。可奈子が言ったように、お互い気持ちがないなら一緒にいない方がいいと思ったから」　「じゃあ、遊園地は止めた方がいいんじゃない？」　可奈子は「凛が期待すると困るから、行かない方がいい」と言う。　「大丈夫。凛は分かってる、３人でもう暮らせないって」　徹朗はきっぱりと言う。　暖かく晴れた休日。ゆらは亮太（大森南朋）と会っていた。　「とりあえずゆらの友達から、ずっと一緒にいる存在になりたかったけど…あきらめた！」　と亮太。　「ゆら、コイツのどこが好きなのかって、そんなことばかり考えた」　以前、神田を徹朗に紹介した時、「職に困っている徹朗に、わざと自分の名刺を渡した」ことも、亮太は打ち明ける。　「ちょっと優越感…のち、めちゃくちゃ自己嫌悪！…情けねえよ」　ゆらは吹き出す。　「友達でいられる？」　「――今は、無理。でもいつかまた友達に戻れるよ。時間かかるけど……。今度はサ、ゆらが待っててくれる？」　ゆらは微笑みながらうなずく。　遊園地の前で、徹朗と凛が可奈子を待つ。　「あ！お母さんだ！」　凛は、徹朗と可奈子の手を引っ張って、遊園地のゲートに向かう。　――メリーゴーランド、ジェットコースター、ティーカップ…。遊び疲れて売店のテーブルに座り、３人でオレンジジュースを飲む。他人が見れば、普通の親子なのだが…。　「凛、お口…！」　可奈子が、ティッシュペーパーで凛の口元の泡をぬぐおうとする。　「いいの！ね？」　凛は、徹朗と顔を見合わせて笑う。徹朗の上唇にもジュースの泡が付いている。　「家で作ったジュースの方がおいしい！」　と凛。可奈子は「（唇に泡を付けるのを）お母さんもやって！」と言われるが、２人の間に入っていくことが出来ずに戸惑う。　家に戻った可奈子は、美奈子に「どうだった？」と聞かれるが、「別に」とあまり楽しくなかったような答えを返す。家裁に提出するという手作りの『凛の成長日記』と『凛のアルバム』を、確かめるようにめくる可奈子。　「凛が生まれて家を出るまでの７年間、毎日書いたのよ、その日の凛のこと。凛と暮らせるようになったら、また書き始める。――凛との思い出、この７年間で、終わらせたくない」　洗った髪をドライヤーで乾かしてくれている徹朗に、凛は「今日、すっごく楽しかった」と言う。徹朗は「お父さんも！」と微笑む。　「凛、もう絶対、３人一緒なんて言わないから…」　徹朗は凛を引き寄せ、頭を撫でる。　「育児日記のこと、ご存知でした？」　神田が分厚いコピーの束を徹朗に見せる。凛が生まれた頃つけていたのは覚えていたが、ずっと続けていたとは知らず、愕然とする徹朗。　「これはなかなか強力かも知れませんねえ」　と神田はため息をつく。　「――凛が初めて逆上がり出来た時、本当に感動したんだ。子どもの成長する瞬間を見ることが出来たって言うか…。そういう瞬間が、数え切れないぐらいあったんだろうけど、俺は知らない。知ってるのは、７歳の凛だけ」　可奈子が「凛の初めて」を逐一書き留めていた育児日記。今日初めて、凛が生まれて７年経って初めて、それに目を通した徹朗は、正直ショックだった。　「凛が生まれた頃は、会社から帰ると、可奈子が凛の事話してくれた。嬉しかったけど、仕事が大変で、全然余裕がなくて…。そのうち可奈子の話聞いてるふりして聞かなくなった。そのこと見抜かれて、しょっちゅうケンカするようになった。そのうち可奈子、何も言わなくなった。今なら『言ってもしょうがない』ってあきらめたんだと想像つくけど、その時は『俺は悪くない。可奈子も反省して黙ったんだ』と思った…」　ゆらは徹朗の話を黙って聞いている。　「本当に、俺はうまくいってると、ずっと思ってた。だから最初、どうして離婚なのかさっぱり分からなかった。もう一度人生やり直せるなら、凛の生まれた時に戻って、凛の成長をちゃんと見たい。その瞬間にしか出会えない凛に会いたい。それが出来ないなら……これからの凛を見続けたい。どうしてもっと早く、大切なものに気付かなかったんだろう？！」　徹朗の手に自分の手をそっと重ねるゆら。　「いいじゃないですか、気付けたんだから」　家庭裁判所。真ん中に美奈子が座っている。　可奈子側の弁護士が、凛の便秘のことや学校でのいじめのことを、美奈子に尋ねる。　「子どものことをちゃんと見ていない！つまり、小柳さんは父親失格ということですね？」　即答できずに、美奈子は黙り込むが、やがて顔を裁判官に向けて答える。　「いいえ」　陳述書とは違うことを言い出した美奈子に、弁護士は慌てる。　「徹朗さんは立派な父親です。父親失格ではありません！」　徹朗は驚き、美奈子の横顔を見つめる。可奈子は、「これは母親として娘の自分に与えた罰なのだ」と思う。　「決定は、追ってお知らせします」　とうとう審判は終わってしまった。　歩いて帰途につく可奈子と美奈子。突然可奈子が立ち止まる。　「どうして？！どうして私の味方になってくれなかったの？」　「本当のこと言っただけ。凛ちゃんはどちらと暮らしても幸せだと思うわ」　可奈子の肩が震え、目から涙が一すじこぼれる。　「出来たよ！」　「うわあ！おいしそう！」　今晩はナポリタン。先日コックの斎藤（松重豊）が作るのを、徹朗はじっくり見させてもらった。ゆらと３人で、テーブルを囲む。　「これおいしい！また作ってね」　と凛が嬉しそうに言うが、徹朗は「また」があるのかどうか、不安でならない。　翌日徹朗は、斎藤からグラッセ用のにんじんの切り方を教えてもらう。　「料理ってもんは、愛情かけたらかけただけのものが還って来るんだよ」　斎藤がつぶやくように言う。　仕事中神田から連絡が入る。　「家庭裁判所の決定が出ました…」　――電話を切った徹朗は、泣きながら大量の玉ねぎを切る。　帰宅すると、リビングに可奈子が座っていた。　「どうせ私に親権が変更されるなら、凛と暮らすの、早い方がいいと思うの。あなた、不服申し立てするつもり、ないでしょ？」　「凛を、迎えに来たの？」　とりあえずの荷物を取りに来たのだと言う可奈子。今夜から凛と暮らし、小学校も大山家から通い、車で送り迎えをすると言う。　「何も、こんな急に！」　「凛にちゃんと説明した。親権変更のこと、分かってくれたから」　「凛、何て？」　「普通に返事したわよ」　「今度、いつ会える？！」　…裁判所という強大な後ろ盾がある以上、裁判で勝った側は何といっても強い。　「凛をおいて家を出たこと、許してくれたなんて思ってない。でも、これからは母親としてしっかりやるから。私がいない間、凛を育ててくれて、本当にありがとうございました」　いそいそと帰り支度を始める可奈子を、徹朗は目で追うだけ。凛はランドセルを背負ってうつむいている。　「…お父さん、さようなら」　凛は涙をいっぱいためて、別れの挨拶をする。ドアが閉まるまで、凛は何度も徹朗の方を振り返り、…やがて完全に徹朗の視界から、消えてしまった。徹朗は、誰もいなくなったリビングにつっ立ったまま、じっと凛の描いてくれた絵を見つめていた。絵の中の自分が、どんどん涙でかすんでいく…。　何も知らず、ゆらがやって来る。鍵のかかっていないドアを恐る恐る開けると、誰もいないのか家の中は真っ暗だ。ゆらは凛の部屋のドアを開ける。　月明かりで、徹朗がベッドに背を向けて床に座っているのが分かる。一瞬、どきっとしたゆらだったが、すぐに何があったのかを悟る。　ゆらは徹朗の横に座り、しばらく迷った後、徹朗の肩にそっと腕を伸ばす。いまや魂の抜け殻となった徹朗は、何も言わずにゆらの肩にもたれかかる。　　　―――凛が、出て行った… 寸　　評　　育児日記とアルバムが大写しになった時、「やだなあ」と思いました。凛ちゃんの小さい時の写真は本当にかわいいけれど、写真ではなくて、そのレイアウトの凝りよう、“手作り度”がすっごくいやでした。この暇は、一体誰が作ってくれたのか、可奈子はちっとも分かってない！！もしも徹朗が今のような仕事で夕方も早く帰れて、だけど収入がいまいち。それで可奈子も働いていたなら、こんな暇はなかったでしょう？徹朗が夜遅くまで、可奈子の話も聞けないくらい疲れて働いて、それでそれなりの給料をもらっていたからこそ出来たことなのに。――これは前にも書いたことでしたが、すいません。今回とっても腹が立って、腹が立って…。凛ちゃんのこと、本当に大事にしてくれるのでしょうか？　来週はいよいよ最終回。予告はほとんどありませんでした。視聴者を納得させてくれる結末を望んでやみません。執筆者　三森(anponhana@mail.goo.ne.jp) ---------------------------------------------------------------------- 2.　編集後記 ---------------------------------------------------------------------- 　育児日記とアルバムが大写しになった時、「やだなあ」と思いました（ここまで『寸評』と同じ）が、直後「あ、うちの子どもたちの写真って…」と青ざめてしまいました。２年ぐらい前から、たまりっ放しじゃないかあっ！！　…可奈子さん、子どもが３人もいると、いー加減なもんですよぉ。徹朗の最大の失敗は、可奈子が凛の弟妹を産まなかったこと（！？）かも。３人子持ち（しかも全部男で、年子）の可奈子には、日記もアルバムも作る暇なかったと思う（そういうものが愛情のバロメータみたいに描かれてるけど、愛情がないのではない、断じて！）。長男後ろ、次男前、三男おんぶでママちゃりをがにまたで疾走する可奈子の姿…見てみたいもんです。３人以上子持ちの皆さん、がんばりましょうぞ！！（三森） ====================================================================== 発行元：ドラマ研究会 e-mail：info@j-drama.tv url 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