メルマガ:日刊ドラマ速報
タイトル:Daily Drama Express 2004/02/16 乱歩R (6)  2004/03/01


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2004/02/16 (Mon) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.月曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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0. お詫び
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 この回のメルマガ発行に失敗したようです。
 大変申し訳ありません。
 遅ればせながら、発行させて頂きます。(ドラマ研究会・編集長代理)

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1. 月曜日の連続ドラマ
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タイトル 乱歩R
局  名 日本テレビ系
放映日時 曜2時
キャスト 明智小五郎(藤井隆)
 堀越学(筧利夫)
 帆音ユキ(本上まなみ)
 雷道所長(岸部一徳)
 小林芳雄(大滝秀治)

 小山田静子(高橋恵子)
 寒川浩太郎(金子昇)
 松山純子(白石美帆)
 小山田六郎(黒部進)
脚  本 長川千佳子
 丸山智子

あらすじ     第6話 「陰獣」

 博物館で働く警備員の寒川が、館内を映す警備室のモニターを見て
いる。 モニターに映った 仏像の前に立つ美しい女性 静子に気付
く寒川。 館内で その姿を探す寒川に、静子は自分から声をかける。
 寒川が モニターで見ていたと告白すると、静子は自分も見られて
いるんだと言う。 足を引きずり去っていく静子に 引き寄せられる
様に 寒川はついていく。

 製薬会社会長 小山田六郎の妻 静子について その自宅まで来た
寒川。 静子の「屋根裏に誰かいる」という怯えた言葉に従い、屋根
裏に上がってみる。 確かに そこには誰かがいたらしい。 その天
井板の隙間から見えるのは、静子たち夫婦の寝室だった。 ベッドの
上に脱ぎ捨てられた赤い襦袢が妖しく広がるさまに 寒川は妙な気分
に襲われる。


 明智探偵事務所に 1週間前に突然いなくなった婚約者を探して欲
しいと 松山純子が訪ねてくる。 婚約者の名は 寒川浩太郎。 借
金もしない真面目な男なので、何かの事件に巻き込まれたのではと 
純子は心配している。

 純子の依頼を引き受けた明智は、寒川が働いていた博物館を訪ねる。
 しかし、寒川は 既にそこを辞めていた。 モニターには 仏像を
見つめる静子が映っている。 それが常連の客だと 寒川の同僚の警
備員に聞く。 手がかりを求める明智が 静子に声をかけると、寒川
は 静子の家で警備の仕事をしているという。

 明智と純子は、小山田家にいる寒川に会いに行く。 しかし心変わ
りした寒川は、元の生活に戻る気は無いと 純子を追い返す。 寒川
は 静子を守る事に 真剣だった。 思わぬ事態に困惑する明智に、
3日前届いた脅迫状について 静子が相談する。 脅迫状を送ったの
は、インターネット上で小説を書く謎の作家『大江春泥』。 『静子
が自分の前から姿を消し、六郎の妻になった裏切りを許さない。』 
しかし、静子には 身に覚えがない。 その後届いた手紙には 静子
の行動や 夫との夜の事まで 細かく正確に書かれている。 不安を
募らせる静子は、屋根裏で覗き見している人物を見つけてと 明智に
依頼する。

 春泥の小説に書かれている内容は、静子と夫の生活そのままだった。
 『屋根裏から覗かれる主人公の人妻。 暴力を振るう夫は、夜にな
ると態度を変え ひたすら妻に許しを請う。 そして、妻は屋根裏の
視線を 強く感じている。』
静子は、屋根裏から覗いているのは 春泥本人だと思っている。

 寒川は 小山田のいない昼間の警備をしていた。 しかし、静子を
心配する自分とは反対に、小山田は 「妄想だ 妄想は現実に勝てな
い」と相手にしない。 その上、静子に暴力を振るう小山田の日常を
知り、以前にも増して静子を守りたいと寒川は思う。 夜も警備する
と申し出る寒川に、静子は頼りきる。

 報酬を支払う為、事務所を訪ねる純子。 悔いはないかという明智
に、以前の穏やかな寒川はもういない、変わってしまった寒川に自分
は必要ないと 純子は語る。

 死んだ金魚を カラスが鳴く庭に置く静子。
 静子 「終わった命が飢えたものを満たすの、残酷だけど 自然な
事。」
また大江春泥からの脅迫状が来たと、静子は寒川に訴える。

 明智が 調査の途中経過を報告する。 〈大江春泥の身元は 未だ
判明せず、 プロバイダに問い合わせても不明だと言う。 そのホー
ムページも 昨日で閉鎖された。〉 脅迫状が来るようになって1週
間、今度の脅迫状では 小山田を殺すと書かれ、静子は怯えている。
 明智をライバル視するように、寒川は 大江春泥はうまいからしっ
かり見つけてと はっぱをかける。 その寒川も 小山田家の警備を
して 10日経った。

 事務所で 大江春泥の小説を読む明智。 『…夫の暴力に はむか
わず 耐える人妻・・・』 ユキが、静子の過去の恋人についての調
査結果を報告する。 一人は結婚して大阪に住み、一人は事故死し、
一人はアメリカに行って永住権を取ったという。 春泥らしい人物に
 該当する人物はいない。

 自分を見つめる寒川に気付いた静子が めまいを起こし倒れる。 
抱き起こし 堪らず抱きしめた寒川はついに静子と寝室を共にする。
 昼間暴力をふるい 夜は泣いて謝るという夫の性癖を 語る静子。
 しかし、別れる事はできない。
 寒川 「大江春泥の小説では 愛人が夫を殺します。」
静子の傷が増えるのに 心を痛めていた寒川が 何かを決意する。

 夜の事務所で 犯人が判りかけたと口にする明智に 小林老人がア
ドバイスする。 昔 小林が黄金仮面を捕えた時、直前まで別の人物
を犯人と思っていたと。 初代明智のアドバイスで 真実に行き当た
ることができた。 最後の最後まで慎重にしないと 本物の黄金仮面
を取り逃してしまう。 自分の思う犯人に違和感を感じていた明智は
 ユキに春泥の昔の作品の取り寄せを頼む。


 その夜、小山田邸を明智が訪ねるが、寒川の姿が無い。 静子の案
内で 明智は屋根裏に上がってみる。狭い屋根裏を 懐中電灯を頼り
に進む明智。 灯りの漏れる天井の穴からは 寝室の静子の様子が良
く見える。

 金魚を眺める小山田の背後から、忍び寄った何者かが首を絞め 庭
に引きずり出した。 静子の悲鳴で 外に駆け出した明智。 庭の木
に吊るされた小山田の死体を見上げ、静子が嘆き悲しんでいた。
 静子 「私と出会わなければ こんなむごい死に方をしなかったの
に。」
自分が屋根裏に上がっていた僅かな時間の惨劇に 呆然とする明智。
 現場検証に来た堀越刑事に、犯人は静子ではないと明智が証言し、
姿の見えない警備の寒川を探すよう頼む。

 警察から事務所に戻った明智は、ユキが手に入れてくれた春泥の
3年前の作品を手に取る。
 『…みどりと一郎の乗った車は 秋川渓谷を進む。 そして、ガー
ドレールを突き破り 谷底へと落ちて…』
聞き覚えのある内容に、静子の恋人の資料を取り上げる明智。 交通
事故で亡くなった静子の恋人の名は、『平田一郎』。 そして、春泥
の最近の作品は、妻の愛人が夫を殺害する話。
 『…夫を殺害した後、愛人は屋根裏に隠れていた。 警察が引き上
げたのを見計らい下りてきた。 愛人は逃げようというが、江里子は
ためらった。 罪悪感からは逃れられない…私と出会わなければ こ
んなむごい事はおきなかったのに…』

 目を閉じた明智の脳裏を 数々のキーワードが巡る。 寒川と会う
以前に 静子は春泥の作品のモデルになっていた。 静子も春泥も口
にする『むごい事』。 次に開いた明智の瞳には 黒幕『大江春泥』
の姿が映っていた。
 明智 「違う。 寒川じゃない。」
小山田邸に向かい 走る明智。

 小説通り 屋根裏から出てきた寒川は、静子に逃げようと誘う。 
しかし、どこに行っても罪悪感から逃げられないと いう静子。
「一緒になれないなら 一緒に死にたい」と 寒川がナイフを出した
時、明智が駆け込んでくる。
 明智 「静子さん。 あなたが大江春泥だったのですね。 ネット
小説も脅迫状も 自分で書いたのですね。 あなたは 自分の小説を
現実の物にしたかった。 3年前の小説でも、恋人を事故で殺した。
 その時、車に乗っていたから 足を怪我したのでしょう。」

 寒川の前で、事実を認める静子。 小山田とのよどんだ生活から逃
れる為、妄想の世界を楽しんでいた。しかし、寒川と出会った事で殺
したいと思うようになったと。 静子の妄想に振り回され 殺人まで
犯した寒川。 絶望した寒川のナイフが はずみで明智の腹部に刺さ
ってしまう。 倒れた明智を尻目に、寒川は ナイフで自分の胸を貫
く。
 寒川 「…向こうで待っています。」
明智の静止を聞かず、静子は自分の胸にナイフを突き立て 寒川の上
に倒れこむ。


 結局 寒川だけが死に、静子は助かった。 もちろん明智も。 妄
想の世界の犠牲となった寒川に哀れを感じ、静子を怖いと思う明智。
 雷道 「妄想が偽りで 現実だけが本当だというのですか? 静子
が作った世界も 寒川との愛も真実。誰だって他人には理解できない
世界を持っているんです。」
結局 実行犯は寒川で、何の罪も犯していない静子。 そこで ユキ
が驚きの声を上げる。 大江春泥のホームページが 再開されたのだ。
 その最新作のタイトルは、『陰獣』。


寸  評 これまでの『乱歩R』の中で、もっとも怪しく淫靡な内容だと思い
ました。 乱歩らしい話と 言えるのかもしれません。
『陰獣』という言葉 大辞林には載っていません。 乱歩の造語です
ね。 『陰の獣』とは 屋根裏に潜む 覗き魔の事なのでしょうか。
  人間を獣と例える おどろおどろしい言葉ですね。

執 筆 者 飯塚(iizuka.g@infoseek.to)

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2. 編集後記
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 先日、120字以内の自己紹介を書く機会がありました。 ここで思い掛けな
い事が。 日頃のあらすじ書きをさせて頂いての成果か テーマに沿った盛り
沢山の内容を、僅かな時間で、120字ぴったりで仕上げる事ができました。 
あまりの見事さに 自分でもビックリ。 読んだ仲間からは 見事な体操の着
地のようだと褒めて貰いました。 Iモード様様です。(飯塚)

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