★　１１　★　中絶　②　中絶 2004/01/30

メルマガ：★天使になりたかった私★
タイトル：★　１１　★　中絶　②　中絶 2004/01/30

★★★★★★★★天使になりたかった私★★★★★★　１１　★★★★②★★★★ 産婦人科ってなんか優しいイメージがあった。温かいお母さんと子供。外科や内科と違い、いつも温かい空気に包まれているような気がしていた・・・その日私は中学を休み、（というかいつも通りサボり、）いつも以上に化粧に時間をかけ、こっそりお姉ちゃんの勝負服（大人っぽい服）を借りた。そして、真緒ちゃんを連れて、千葉方面へ向かった。田舎の小さな産婦人科を目指したのだ。万が一近くの病院に行って知ってる人に見つかったら？都内では誰がどこで見ているかわからない。だから、誰も知らない都外を目指した。普段見たことすらないタウ○ページを一生懸命めくった。となりで小さく震えている真緒ちゃんを抱きしめながら。そして見つけた小さな病院。とにかくすぐにおろしたい、お金は持ってきている、電話でひととおり説明し、すぐに来てくれとのことだったのですぐに訪ねた。迎え入れてくれたおじいちゃんの先生は私たちに何も聞かず、黙ってすぐに真緒ちゃんを診察室に迎え入れた。私はひたすら不安だった。テレビドラマでは、子供をおろすための同意書が必要だったり、父親か誰か他の男性の付き添いが必要だったりしているのは見たことがある。しかし私たちにはそんな人はいない。しかも、いくら私が頑張って背伸びしてきたとはいえ、二人とも未成年であることはバレバレである。私は怖かった。そして、定期検診に訪れた妊婦さんを待合室で見て、胸が痛かった。 10分後、真緒ちゃんが青い顔で出てきた。「す・・ぐ・・・手術・・・・」真緒ちゃんの振るえる手を私は黙って握り締めた。そして、あとから出てきた看護婦さんに別室に連れて行かれた。手術はあっという間だった。 30分もしなかったと思う。「付き添いの方来てください」と看護婦さんに呼ばれ、私は2階の真緒ちゃんの寝ている病室に案内された。真緒ちゃんは麻酔で寝ていた。その寝顔は、なんとなく幸せそうにも見えた。「いったい何があったんだい・・・・・」おじいちゃん先生が病室に入ってきた。「避妊しなかったのかい？」私は何も言わなかった。本当は「ふざけるな！」って殴ってやりたかった右のコブシを黙って抑えていた。「・・・・・レイプ・・・なんだね・・・・」先生は静かにそう言った。私はあの日の悪夢を思い出し、あふれ出る涙を抑えることはできなかった。先生はそれ以上は何も言わず、私の肩をポンとたたくと病室を出て行った。どうしてこんな可愛い天使があいつらの性欲の犠牲にならなければいけないのだろう、女ってだけでこんなのって不公平すぎる、私の心は、あいつらに対する憎しみでいっぱいだった。今すぐにでもあいつらのところへ行って全員殴ってやりたかった。真緒ちゃんの心の痛み、あいつらに教えてやりたかった。となりでスヤスヤと寝ている真緒ちゃんの幸せそうな顔がとても悲しかった。天使のような寝顔が、私にはとても痛かった。 ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ ご購読ありがとうございます。咲楽でございます。もちろん次の日、真緒ちゃんをズタズタにしたヤツラをやっつけに行きましたよ。ボコボコに殴ってやって、（でも、全治3週間だった・・・）この日の真緒ちゃんの手術代と心の治療費をふんだくってやった。でも、もちろん真緒ちゃんには内緒です。こんなことしたって知ったら真緒ちゃんは悲しむだろうし、きっとあの悪夢を思い出して苦しむに違いないですから。私は真緒ちゃんをこんなふうにしたあいつらのこと一生憎みます。 ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

ブラウザの閉じるボタンで閉じてください。