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======================================================================== ━┓→ N┃→ 仮想力線電磁気学 ━┛→ ======================================================================== ------------------------------------------------------------------------ ●第27回 第2章・定説の問題点(その5) ------------------------------------------------------------------------ 当メールマガジンを御購読いただき、誠にありがとうございます。 今回も『マックスウェル方程式』に関する問題点を取り上げます。 **************************************** 14.光源と電磁場 **************************************** 電磁気学では、光は電磁波として扱われます。 そして、光源は、電磁場を発生させる『源(みなもと)』です。 当たり前のことですが、この『源』が無ければ電磁場は生じず、電磁波も発生し ないことになります。 さて、この『源』が運動すると、当然、電磁場に影響が出ます。 問題は、その影響の仕方です。 もっと問題点をしぼって言うならば、 『その直接的な影響(瞬時に及ぶ影響)が、どの範囲に及ぶのか?』 ということです。 もし、その直接的な影響の及ぶ範囲が、『源』のある場所や、その極近くに限定 されるのならば、振幅や波長(周波数)は変化しても、光速度は変化しないでし ょう。 しかし、その直接的な影響が、『源』のある場所から離れた場所にも及ぶとすれ ば、光速度も変化してしまうことになります。 このため、光源が運動しても光速度が変化しないためには、『源』である光源の 運動が、直接的に電磁場に与える影響の及ぶ範囲が、『源』のある場所や、その 極近くに限定されなくてはなりません。 つまり、『源』である光源から少しでも離れた場所には、その直接的な影響が出 てはならない、としなければならないのです。 **************************************** 15.相対性との不適合 **************************************** しかしながら、そのようにしてしまうと、下図のような電磁誘導の現象が、うま く説明できなくなります。 ← □■ Ω □■:磁石 Ω:コイル (図1) → 磁石をコイルに近づけたり遠ざけたりすると、コイル内の磁場が変化して、起電 力が生じるのは、御存知だと思います。 もし、光源から少しでも離れた場所の電磁場が、光源の運動の直接的な影響を受 けないというのであれば、当然、磁石から少しでも離れた場所の磁場もまた、磁 石の運動の直接的な影響を受けないことになるはずです。 なぜなら、磁石もまた、磁場を発生させる『源』だからです。 しかしだとすると、磁石が運動してもコイル内の磁場は変化しないことになり、 起電力は生じないことになります。 実際には、起電力は生じるのですから、これは矛盾です。 もっとも、離れた場所でも間接的には磁石の運動の影響を受けます。 つまり、磁石のすぐ近くの場所(時間とともに移動するのですが)の磁場は、磁 石の運動の影響を受けます。 それが空間を(光速度で)伝わっていくことにより、コイル内の磁場を変化させ て、起電力を生じせしめる、というわけです。(いわゆる近接作用。) しかし、それでは、図1のように磁石を動かした場合と、下図(図2)のように コイルの方を動かした場合とで、違いが出てくることになります。 ← □■ Ω (図2) → なぜなら、磁石を動かす場合は、磁場(の変化)が伝わるのに時間がかかるから です。 一方、コイルの方を動かす場合は、そのような時間はかかりません。 このため、相対性が満たされないことになります。 こうした不一致を解決するために、相対論によって時空をいじくるなどしなくて はならなくなるのです。 **************************************** 16.力線の理論では? **************************************** その点、力線の理論では、こうした問題が極めて合理的に説明できます。 つまり、図1のように、磁石を運動させると、それとともに磁石からのびた磁力 線も、磁石と一緒に運動することになります。 このため、磁石の運動による、コイル内の磁場への直接的な影響が出ることにな るわけです。 つまり、磁石が運動すると、瞬時にコイル内の磁場が変化し、起電力が生じるわ けです。 しかも瞬時にですから、コイルの方を動かす場合と同じになるのです。 つまり、相対性が自然と満たされる、ということです。 さて、上で述べた『磁石と一緒に磁力線も運動する』という考え方は、言い換え れば『磁石と一緒に磁場も運動する』ということです。 ですが、こういう考え方は、エーテル理論や、従来の解釈に基づくマックスウェ ル電磁気学の考え方とは、全く相容れないものです。 こうして見てみると、ファラデーが考案した力線の理論は、近接作用の理論とは いえ、エーテル理論や、従来の解釈に基づくマックスウェル電磁気学とは、全く 異質なものであることがわかるでしょう。 **************************************** 17.マックスウェル方程式の解釈 **************************************** さて、上で述べた『離れた場所に、瞬時に影響が及ぶ』という力線の理論の特徴 は、遠隔作用の特徴と同じです。 第1章『概要』でも申し上げたように、力線の理論は、遠隔作用と非常に相性が いいのです。 また、第1章では、『マックスウェル方程式には、遠隔作用的な解釈が可能であ る』とも述べたことを、覚えていらっしゃるでしょうか? 実は、『源』から離れた場所には直接的な影響は及ばないとする考え方は、近接 作用の考え方なのです。 従来のマックスウェル方程式に対する解釈は、まさに『近接作用的な解釈』と言 えるわけです。 そして、だからこそ、エーテル理論と結びつくと考えられてきたのです(もっと も、実際には、前回も述べたように、エーテルの運動の記述が出来ないなど、う まく結びつかない部分があるのですが…)。 一方、遠隔作用的な解釈に従えば、マックスウェル方程式でも、『源』の運動に よる直接的影響が、離れた場所にも及ぶことが、無理なく説明できるのです。 つまり、相対性が無理なく説明できるのです。 さて、この遠隔作用的な解釈に従うならば、今までの話からわかるように、光源 が運動すると、光速度が変化してしまうことになります。 この結論は、観測者の方が運動する場合と一致し、相対性が満たされることにな ります。(前回の『13.光速度不変の論拠』の話です。) そして、この解釈に従うと、マックスウェル方程式は、もはや、光速度不変の論 拠とはならないことになってしまうのです。 * * * さて、次回は、光源の運動が電磁場に与える影響の問題を、数式の面から述べて みようと思います。 ======================================================================== 発行者 : tarkun(たーくん) mailto:tarkun2@yahoo.co.jp 配信 : MailuX http://www.mailux.com/ バックナンバーの閲覧、購読の解除、配信先の変更は、下記のHPへ。 http://www.f8.dion.ne.jp/~tarkun/mm/mailux.htm 購読の解除や、配信先の変更は、御自分でお願いします。 ======================================================================== |