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タイトル:非公式情報 第91号  2003/12/19


---| 非公式情報 :マスコミが報道しない事実|----
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フセイン拘束に隠れたスキャンダル

By STRANGELOVE

先週の土曜日、13日にイラクの元大統領、サダム・フセインが拘束された。この人物のイラクにおける役回り、拘束された場合の影響等については、拘束の2日前に出された本メールマガジン(第90号)に書いた通りだ。フセインを捕まえても抵抗運動が収まるようには思えないうえ、フセインとアメリカとの深い関係が広く知られる可能性も高まっている。

拘束後、アメリカ国内でブッシュ大統領を支持する人が増えた。一種の戦勝気分によるものだろうが、フセインを拘束してもイラクが安定化しないとなると状況は一変、アメリカ国民の間に「自分たちは誰と戦っているのだろうか?」という疑問が広がり、反戦機運が高まるだろう。フセイン拘束はイラク情勢を解決する『治療薬』ではなく、一時的な効果しかない『カンフル剤』だということを忘れてはならない。

前号でも触れたが、1950年代から1980年代まで、石油産業/CIAはフセインを手先として利用してきた。彼の拘束はアメリカの主流派エリートに対するプレッシャーになるはずで、ホワイトハウスを支配している『ネオコン(ストラウス主義者/キリスト教原理主義者)』にとっては良い状況と言えるかもしれない。

とは言うものの、ブッシュ再選の演出に使える切り札を一枚使ってしまったことは事実。いわゆるネオコンにとって良いことだけでもない。

インパクトという点でフセインに匹敵するのはオサマ・ビン・ラディンだろう。実は、随分前からフセイン元大統領はアメリカの監視下にあるという噂が囁かれていたが、ビン・ラディンについても似た話が流れている。マデリーン・オルブライト元国務長官がフォックス・ニューズのアナリストに対し、ブッシュ大統領はビン・ラディンの居所を知っているのではないかと語ったともいう。

が、ここでブッシュ政権がフセインの居所を知っていたかどうかという話を展開するつもりはない。別のことに筆者は注目している。ハリーバートン・グループが『イラク復興』に絡む仕事で米国防総省に対し、不正請求していたことが先週の木曜日に発覚したという事実である。

言うまでもなく、ハリーバートンはリチャード・チェイニーが副大統領に就任する直前まで最高経営責任者を務めていた企業であり、アメリカのイラク攻撃で最も大きな利益を得た会社グループの中核でもある。『復興事業』を開始した直後からアメリカ政府の不透明な発注は問題になっていたが、これに不正請求が加わったわけだ。しかも、受注の仲介業者の中にイスラエルの軍事強硬派でネオコンのパートナーでもあるリクードにつながる人物が関わっているとされている。言うまでもなく、こうしたシステムを維持するためにはアメリカ軍が必要だ。

しかも、イラクには別の大きなスキャンダルも存在している。IGCの汚職疑惑である。この事件を調査していたジャーナリストが9月に殺害された話を聞いたことのある人もいるだろうが、この汚職疑惑がイラクにおけるメディア規制の一因になっているとする声もある。

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