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タイトル:非公式情報 第87号  2003/11/21


---| 非公式情報 :マスコミが報道しない事実|----
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操作しきれなくなった世界のメディア

By STRANGELOVE

18日、ジョージ・W・ブッシュ米大統領がイギリスを訪問、19日にはバッキンガム宮殿の公式晩餐会に出席、そして20日には自分を批判する大規模なデモ隊の『歓迎』を受けることになった。デモ参加者は5万人とも15万人とも言われている。

時を同じくして、アメリカではマイケル・ジャクソンの逮捕騒動があり、その方に目が向いた人も少なくなかったようだが、それでもブッシュ大統領の惨めな姿をメディアから完全に消し去ることはできなかった。

ブッシュ大統領のイギリス訪問に合わせるかのように、イラク国内だけでなくトルコでも自爆攻撃やミサイル攻撃があった。両国首脳は『テロ』を非難したようだが、『テロ』は主観的な表現。現在、米英両国政府から『テロリスト』と呼ばれているイスラムの武装グループは1980年代、ソ連軍と戦っていた間は『自由の戦士』であった。

勿論、ヨーロッパのメディアも基本的には体制的である。会社のオーナー、情報源、スポンサーなどがニュースの『フィルター』となり、内容を規制していく。暴力による場合もあるだろう。

しかし、アメリカの現状はヨーロッパよりもはるかに悪い。1980年代に有力メディアは急速に権力へすり寄り、ヨーロッパのメディアから腑抜けと言われるような状態になってしまったのだ。ちなみに、ブッシュを支援し続けているイタリアのベルルスコーニもメディアを支配している人物だ。

1980年代初め、イギリスとアメリカとの間で両国の『エリート候補生』を引き合わせ、将来の協力関係を築くというプロジェクトがスタートしているのだが、このプロジェクトにはメディアの人間が比較的多く参加いていた。が、それでもイギリスのメディアは権力を批判する精神を失っていない。

さて、1980年代、アメリカのレーガン/ブッシュ政権はラテン・アメリカ工作での情報操作に成功した。いわゆる『認識管理』である。当時、アメリカの情報機関から支援を受けた独裁者は左翼狩りだけでなく、一般農民も大量に虐殺、麻薬取引にも手を出していた。が、有力メディアは、まともに報道しようとしなかった。

勿論、有力メディアの中にも気骨ある記者は存在するが、そうした人々は沈黙させられてしまう。その代表例がニューヨーク・タイムズの特派員だったレイモンド・ボナー。エル・サルバドル軍による市民虐殺を報じた記者である。

また、1996年夏、サンノゼ・マーキュリーの記者だったゲイリー・ウェッブがコントラ(アメリカの情報機関の支援を受けたニカラグアの反体制ゲリラ)のコカイン密輸を報道したときは、ロサンゼルス・タイムズ、ワシントン・ポスト、ニューヨーク・タイムズが大々的な反ウェッブ・キャンペーンを展開、1997年に彼は退職させられている。(その後、CIAの内部調査で、コントラのコカイン取引は確認されたが、事実上、有力メディアはその結果を無視した。)

情報操作に自信を持っているであろう、イラン・コントラ事件の関係者が現ブッシュ政権には多数、参加している。リチャード・チェイニー副大統領、コリン・パウエル国務長官、リチャード・アーミテージ国務副長官らのほか、中東担当NSC顧問のエリオット・エイブラムズ、国連大使のジョン・ネグロポンテ、イラクの文民行政官を務めているポール・ブレマーが目につく。当時、ブレマーは対テロ専門家として政府に参加していた。

しかし、イラク攻撃の場合、小手先の情報操作で世界の人々を騙すことはできなかった。一連の強硬策を推進、日本政府が一貫して支持している『ストラウス主義者/リクード/キリスト教原理主義者』は今、窮地に立っている。政府とともに彼らの尻を追いかけてきた日本のメディアは、自分たちが置かれた立場を理解しているのだろうか?

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