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タイトル:非公式情報 第86号  2003/11/14


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イラクが暴く二大政党制の現実

By STRANGELOVE

イラク情勢は日々、悪化している。イラク攻撃前、アメリカ軍の制服組が懸念していた通りの展開になってきたわけだ。小泉政権は、そうした『戦場』へ自衛隊を中途半端な装備で送り込もうとしている。無責任な話である。

遅くとも1997年頃、アメリカ軍の内部で「21世紀の戦争は『チェチェン/ソマリア型』になる」とする認識が広がり始めていた。制服を着た正規軍同士の戦闘ではなく、一般市民と区別のつかないゲリラとの戦いになり、開戦や終戦の日時だけでなく、敵の正体も明確でなくなると考えていたのだ。言うまでもなく、彼らの戦争観からするとミサイル防衛は時代遅れの産物だということになる。

約1年前、日本のメディアはこうした『戦争観』を受け入れようとしなかった。(少なくとも、筆者のレポートを掲載したのは月刊誌『世界』だけだった。)イラク軍が抵抗すると主張する人はいたものの、あくまでも『正規軍と正規軍との戦い』という20世紀型の戦争観に囚われていた。時代の変化を理解できていなかったのである。

米英両国のイラク攻撃は『二大政党制』の実態もあぶりだした。政党は二つ存在しても軸は一本しかないため、チェック機能が働かないのである。イギリスの場合、労働党は党員からも見捨てられつつある。第三党の躍進で二大政党制は崩壊する方向に進んでいるようにも見える。アメリカでも二大政党制に対する批判は高まっている。

もっとも、トニー・ブレアが登場する前、イギリスの二大政党、保守党と労働党の軸は明確に違っていた。その軸を現首相は急接近させ、掲げた看板が『ニュー・レイバー(新労働党)』である。

ニュー・レイバーの中心人物、ブレアの出世は石油資本への接近から始まっているが、現在はイスラエルとの関係が深い。1994年1月にブレア夫妻はイスラエルを訪問、帰国後にロンドンのイスラエル大使館でマイケル・レビーなる富豪を紹介されたのが直接的な切っ掛けのようだ。

1994年5月、当時の労働党党首、ジョン・スミスが心臓発作で死亡し、7月にブレアが後継者となった。それ以来、レビーはブレアの主要スポンサーになっている。つまり、ブレアは労働組合に資金を頼る必要がないということだ。現在、イギリス政府の中東政策はこのレビーを中心に回っている。

ブレアはアメリカのエリートとも関係が深い。1983年頃から米英両国のつながりを強化する必要があると考えた人々は、次世代の指導者候補(なぜか、ジャーナリストが多い)を引き合わせるプロジェクトを開始した。ブレアの周辺には同プロジェクトの出身者が少なくない。

プロジェクト開始の直前、1970年代末から1980年代初めにかけて、西ヨーロッパでは反核運動が盛り上がり、反米的な雰囲気が広まっていた。こうした動きにアメリカ側は危機感を持ち、プロジェクトにつながったようだ。

1982年には中東でも大きな出来事があった。イスラエル軍がレバノンに侵攻、サブラとシャティーラのパレスチナ難民キャンプで虐殺事件を引き起こしたのである。この後、イギリスの労働党は親イスラエルから親パレスチナに立場を変えている。これにはイスラエルが危機感を持ったはずだ。

ところで、40年以上前、労働党の内部で党名を変更しようとする動きがあった。言うまでもなく、その背景ではアメリカが蠢いていた。当時の労働党党首がヒュー・ガイツケル。アメリカの民主党的な政党に作り替える計画だったと言われている。

ところが、ガイツケルは『党改革』を実行する前、1963年1月に急死してしまい、左派のハロルド・ウィルソンが後継者となった。米英両国エリートの計画は頓挫した。

1970年代半ば、ウィルソンが首相になると米英両国の情報機関は首相追い落としを目的とした秘密工作を開始する。これが有名な『ウィルソン・プロット』だ。工作の中心にいたのは、CIAで防諜部門を統括していたジェームズ・アングルトン。イタリアのファシストに太いパイプを持つ人物で、アレン・ダレスの側近中の側近としても知られている。

1979年に保守党のマーガレット・サッチャーが首相になったころからイギリスは保守党の天下になった。この流れを変えたのがブレアなのだが、そのブレアとサッチャーをつなぐ興味深い兄弟が存在する。ジョナサン・パウエルとチャールズ・パウエルである。前者はブレアの側近、そして後者はサッチャーの側近だ。

要するに、ニュー・レイバーとはこの程度の代物ということ。この政党の真似をしても未来は開けない。

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