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”オンリイワン”たった一つの存在を主張しています。 考えてみれば、当たり前の事なのですが、此の理念は、軽視されています。 同じ、並み、平凡、標準、普通、平均、等など、個性は嫌われています。 全体の中での存在しか、認められないのです。勿論、社会性を無視した存在は、否定されるべきものですが、その分を割り引いても、”個”は、埋没した考え方が罷り通っています。 誰でもが、此の世界で、たった一人の存在である事を、認めるべきなのです。 かけがえのない存在であると、認め合う事が、大切だと考えます。 多津蔵の「オンリイワン」は、此の理念に立ち、更に踏み出すものです。 理念としての only one ではなく、存在する only one を、目指しています。 其れは、他者との異なりを表現出来なければ、何の意味も在りません。 誰にでも明確に、目に見える異なりが、無くては為らないのです。 どんな異なりが欲しいのか?異なりの一番は、”和の香り”です。 日本の様式美を受け継いでいる事が、明らかな生活で在ることです。 工房の生活が、日本の様式を形作っているとは、どんな事なのでしょうか? 当たり前に、ご飯を頂き、季節の食材を料理し、箸の文化を継承する事です。 陶磁器の食器を使い、畳の暮らしを守り、暖かい寄り添いの食卓を形作ります。 身近な季節の花を生け、少しばかりの菜園を作り、近所の作物を戴きます。 そして、日本の伝統文化の工芸を、形に致します。組紐と云う、日本の文化を、後世に伝え残していきます。此の姿を、工房という姿で、実現する事が、異なりの具体的なものなのです。工場ではなく、工房という姿に拘るのは、異なりを実現したいからです。 異なりが無ければ、オンリイワンには成れませんし、価値在るものも出来ません。 何処にでも在る姿ではなく、何処にも無い姿でなければ、異なりは在りません。 こうした主張をすると、何か、異なる為に取り組んでいるかに思われそうでが、そうではありません。求める姿を描くと、此の様な在り様しか無いのです。 成りたい姿が、工房の在り様を、当然の如く決めます。其の在り様を、語っているだけなのです。最初から、異なりを求めたのでは在りません。否定しなければ為らない事を、一つ一つ排除していくと、ひとりでに、工房の理念が生まれました。 其の理念が、オンリイワンであり、和の文化だったのです。 工房多津蔵デザインルー |