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八月末で閉じてしまい、読む事が出来なくなった、 日記『薩摩の夢』には、848人のアクセスがありました。 振り返ってみると、工房「多津蔵」の説明に、時間を割いている事が分かります。 此の日記が、お読みに為りたい方は、工房「多津蔵」宛てに、お申し込み下さい。 語られたカテゴリーは、近代主義・多元的価値観・南蛮・季節感・記憶・香り・場・組紐・工芸・装い・異なり・村落共同体・様式美等など多義に渡っています。 其の語り口から、多津蔵物語を読んで戴く方と、初めての方では、受け止め方も異なる事でしょうが、敢えて、先に進むことをお許し下さい。 薩摩の土地を選んだ理由は、工房の建物と薩摩の地理的場所に因りました。 700平方メートルの木造二階建と、500平方メートルの二階造りです。 戦後直ぐに建った木造校舎と、十年程前に建った管理棟で構成されています。 此の工房で、始まった事は、組紐工芸と袋物の仕立てなのです。 創めた人は、組紐工芸の店を、百年商っている者です。 伝統に則り、古の在り方に学び、日本の様式美を継承発展させたいのです。 只、単に、伝統を継承するだけでは在りません。 薩摩を選んだ理由に、其の謎は潜んでいます。 詰まり、南方貿易の盛んな交流が在った薩摩には、今でも異文化が棲んでいます。 其の異なりを取り込んで、新しい混じりを生み出してみたいのです。 多津蔵が、試みている事は、此の考え方を基本としています。 工房の生活、暮らし向き、仕事への関わる姿が、普段に問われ続けます。 単色の分かりやすい姿は、都会のコンビニ生活と同じなのです。 交じり合った色相で、グラデーションの輝きを持ち、多色の味わいを生み出せれば、時として見せる単色の世界が、意外な輝きで光るのです。 其の光と影が生み出す世界が、南蛮の香りなのです。 異なる文化の香りを運んでくる風を、大切に受け止められれば、 多津蔵は、豊かな潤いを醸し出す事でしょう。 此の歩みを、多津蔵は、ようやく自覚できつつあります。 ”オンリイワン”たった一つの工房を目指して、多津蔵は歩みだしました。 工房「多津蔵」デザインルーム |