メルマガ:組紐工芸 工房 多津蔵通信
タイトル:『薩摩の夢』 再開、其の二  2003/10/16


夢を語る事は、楽しい事です。
多津蔵の夢は、”たった一つの工房”なのです。
何処にでも在る、ものを作る、作業所の様な所は、嫌なのです。
カルチャーセンターの様な姿は、もっと嫌です。
プロが仕事をする場でなければ、存在意義は在りません。
此の『プロが・・・』が、重要な問題なのです。
そもそも、プロとは何か?お金を貰ったらプロなのでしょうか?
対価労働が、即、プロとは成りません。アルバイトでは困るからです。
プロとは、其の仕事で生活を形作っていける能力の在るものです。
プロにも色々在ります。
その中でも、生活そのもの迄もが、作られるものと違和感が無いものを、実現している工房を目指しています。
詰まり、ものさえ出来れば良いのでは在りません。
そのものを生み出す文化を、内包した生活が求められるのです。
作られたものと遊離しない生活が無くては、偽りの虚構になります。
現代が商業主義に汚濁され、ものの楽しみとか味わいの歓びとかを失っているのは、偏に、此の偽物の氾濫に因ります。
工房多津蔵は、此の偽りの文化を否定し、本来の有るべき姿を追求致します。
其の手法が、”生活を通して人を育てる”なのです。
毎日の食生活、暮らし向き、生活様式の確立が重要なのです。
季節の祭事、先祖の供養、地域のコミュニケーション等も、大切に致します。
そして、何よりも、工房の暮らし向きを、日本の和の香りがする姿に致します。
こうした事を、一つ一つ、確実に実現していく事を積み重ねて、
たった一つの工房を実現致します。
多津蔵は、此の理念で、十五年間を生きます。
慌てず、焦らず、ゆったりと歩みます。
                        工房「多津蔵」デザインルーム

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