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======================================================================== ━┓→ N┃→ 仮想力線電磁気学 ━┛→ ======================================================================== ------------------------------------------------------------------------ ●第17回 概要(その17) ------------------------------------------------------------------------ 当メールマガジンを御購読いただき、誠にありがとうございます。 今回も、遠隔作用ついて説明します。 **************************************** 51.保存則 **************************************** 前回、遠隔作用では、作用を及ぼそうとする物体は、その作用を受けて仕事をさ れる相手がいないと、運動量やエネルギーを失うことができないという話をしま した。 これは、運動量やエネルギーの『保存則』によるものです。 さて、保存則で問題になるのは、 『その対象となるものは何か?』 ということです。 つまり、何の間で保存則が成り立つのか?、その関係者を全て正確に把握しなけ ればならないのです。 例えば、近接作用の場合は、空間が媒体として作用に関わってくるため、作用を 及ぼし合う物体だけでなく、空間のことも考慮に入れなくてはなりません。 これに対し、遠隔作用の場合は、空間(真空)は作用に関して何の役割も果たさ ないので、空間のことは考える必要が無く、(実体のある)物体だけを対象にす れば良いのです。 ただ、ここで注意しなければならないことがあります。 近接作用の場合は、空間のことも考慮しなければならないのですが、その(空間 の)範囲は、せいぜい、作用を及ぼし合う物体の間の領域についてだけです。 つまり、作用を及ぼし合う物体と、その途中の空間だけを考えれば良いのです。 これに対し、遠隔作用の場合は、空間自体については考えなくて良い代わりに、 全空間に存在する全物質について考慮しなければならないのです。 こんなところからも、近接作用が局所的で、遠隔作用が非局所的になることが、 おわかりいただけるのではないかと思います。 **************************************** 52.錯覚 **************************************** このように、遠隔作用では、自分が注目していない、視界の外のものが、ごちゃ ごちゃと関わってくるので、状況を把握するのが非常に厄介になります。 そして、このことは、科学では極めて重要な概念である『観測』について、重大 な問題をもたらします。 つまり、自分が注目しているものしか考えないような態度をとっていると、本当 は何も無い場所に「何かがある!」などと錯覚してしまうことがあるのです。 一番わかりやすい例が、以前にお話しした『仮想エーテル』でしょう。 仮想エーテルは、作用を及ぼし合う物体間に、仮想的に想定される疑似エーテル で、本当は実在するものではありません。 したがって、見かけ上は仮想エーテルがエネルギーを伝えているかのように見え ますが、実際には仮想エーテルが想定されている場所(つまり物体間)には、エ ネルギーは存在しないのです。 では、どこに存在するのかというと、周囲に存在する物体に存在するのです。 つまり、周囲に存在する物体がエネルギーを伝えているのです。 このように、そこにエネルギーがあると思っても、本当は、そこにはエネルギー は存在しない(別の場所にある)のです。 遠隔作用では、こうした錯覚を、合理的に説明できるのです。 19世紀の科学者たちがエーテルという媒体の存在を信じてしまったのも、それ 以降の科学者たちが『場の実在性』や近接作用(空間が作用を伝えるのだという 考え)の正しさを確信してしまったのも、こうした『錯覚』がもたらしたものだ といえます。 こうした錯覚が生じるのは、周囲のものが関わってくるからです。 周囲の状況次第で、ありもしないものが検出されてしまったり、さらには、現実 には有り得ないものが検出されてしまったりするのです。 そして、これは何もエネルギーだけに限ったことではありません。 そういわれると、近代以降の物理学に関して、思い当たるふしがあるでしょう。 ======================================================================== 発行者 : tarkun(たーくん) mailto:tarkun2@yahoo.co.jp 配信 : MailuX http://www.mailux.com/ バックナンバーの閲覧、購読の解除、配信先の変更は、下記のHPへ。 http://www.f8.dion.ne.jp/~tarkun/mm/mailux.htm 購読の解除や、配信先の変更は、御自分でお願いします。 ======================================================================== |