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●くだらないとわかっていても 意味がないと知りながらも 報われないと感じながらも 僕らはまた期待してしまう。 明日がそこでいつも待っていてくれるから 僕らは また繰り返してしまう。 無邪気な悪意のある悪戯を。 早いものだ。時が流れるのは 私の中で変わらないと信じていたものは あっさりと風化して、心に絡まるしがらみは今、こうして 吐き捨てようともしている。 そう、それができるだろう。 明日になれば、私は知らない誰かと愛を語り身を寄せ合い そしてきまりきった恋人同士を演じることだってできる。 そう、それは悪いこと? それを悪いことと認識しながら僕らは「成長」してゆく。 そんなもんだろ? 流れる地下鉄の景色はグレイばかりで 変わり映えのない毎日のようで、 みんながみんな不機嫌そうで そんな場所にいる自分が情けないような そんな場所にいる自分が誇らしげなような 誰かが叫び出す。 声にならない声で。 僕らは聞き耳を立てながらも、聞こえないふりをする。 僕らは好奇心の塊の瞳で凝視しながらも 見てない不利をする。 それが東京(ここ)で覚えたこと。 それが生きて行くための知恵。 やわらかな眠りを妨げるように目的地へ列車は流れ込んだ。 階段を上がると曇り空を割って朝日が降り注ぐ。 「また今日も生きて行くんだ」 なぜか、希望が溢れて私は緑色の箱から取り出した 麻薬に火をつけた。 黄色がかった煙に混じって、昨日一日がリセットされる。 そう、こんな毎日。 それでも生きて行く。 そう、明日も同じ。 それでも生きて行く。 微塵の期待を胸に抱きながら 悪意ある無邪気をひきずりながら。。 |