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◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆ 2003/10/14 『世界自然遺産の島』 屋久島発・田舎暮らし通信(第87号) http://www.yakushimapain.co.jp/ 屋久島パイン株式会社 ◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆ このメールマガジンは、北海道から屋久島に移住し、現在弊社屋久島支店の社員が 本人の移住経験を踏まえまして、屋久島の日常を発信しています。 各週土曜配信(10月11日配信)が遅れましたことを、深くお詫び申し上げます。 ●やせる石けん ある日、A子さんから大きな石けんを手渡された。 綿の花柄のワンピースを着ているA子さんは、屋久島旅行の帰り際だった。 「このワンピースは、東京ではすごく安く売っているのよ。あなたにあげようか?」、 ともう一枚の着替えのワンピースを、カバンから取り出しながら言った。 「屋久島では、着ることがほとんどないからいらない。」と私は言った。 ズボンだったら、必需品だからほしかったと思いながら。 アーモンド入りチーズのような、茶色い小さいツブツブが入っているクリーム色の 石けん。 どこなのかわからないが、南の国の文字と、絵柄の紙に包まれた石けんだった。 「これは、やせる石けん。」と言ったA子さんを、飛行場で見送った。 「また、近いうちに来るからね。」とも言った。 その日の夜、うちの主人が「石けんがないじゃないかー」「この変な四角いものは何 だ?」と、アーモンド入りチーズのような石けんを、目の前にして騒いでいた。 「それはやせる石けん。」と、私は言った。 主人は、毎日使ったが変化は見られなかった。 石けんが、だんだん小さくなってきた。 やせる石けんというのは、使っている人ではなくて、石けんがやせるということだ ったのだろうか。 私はふと、丸顔のA子さんを思い出した。 「アウトドア派ではないので、モッチョム岳を朝から晩まで眺めながら、屋久島で 暮らしたい。だから、私のために小さい家を、あなたのご主人に作ってもらいたい。」 とA子さんは言った。 主人は工務店勤めを辞めて、今は自分一人で仕事を受けて、大工仕事を細々とやっ ている。 仕事に欠かせないオートキャドは、使いこなせるようにはなったが、ホームページ の更新は全然していない。 マウスが壊れてしまって仕事にならないからと、ウルトラマンセブンの形のマウス を注文。 「個人業は全く保証がなくて不安だけど、とても気が楽で、もう会社員には戻れな い。」と主人は言った。http://homepage2.nifty.com/GORIKUN/index.htm ホームページはこれから更新するので、一ヶ月後くらいに見てくださいとのこと。 主婦向けの雑誌のやりくりコーナーを見ていたら、20代、30代で、ほとんどご主 人の月収手取りが25万円や30万円とかいう人の例がでていて、貯金するには、 何を削ったら良いかなどなど書いてある。 けれど、どうして手取り15万くらいの人の例がでていないのか、不思議で仕方が ない。 手取り15万くらいでやりくりしている人が、いかにしてやっていくかの方が、と てもとても身近なのに。 その手の雑誌は、高給取りの人が、いかに節約することが出来るかということしか 伝わってこないので読んで、いてもつまらなかった。 それは都会の感覚だから仕方がないのかもしれないけど、海に獲物をとりに行って 節約するというふうに書いてあれば、読みたいと思う。 A子さんにもらったやせる石けんは、とてもやせてしまったけれど、長持ちしてい る。 ★★☆★★★★☆★★★★☆★★★★☆★★★★☆★★★★☆★★ 屋久島パイン株式会社 http://www.yakushimapain.co.jp/ 発行責任者 角谷和雄 kakutani@yakushimapain.co.jp 本 社 東京都千代田区麹町1丁目8番14号 屋久島支店 鹿児島県熊毛郡屋久町原914番地 ★★☆★★★★☆★★★★☆★★★★☆★★★★☆★★★★☆★★ |