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タイトル:「多津蔵通信」 ”神無月の編 其の二”  2003/10/10


神無月にも、満月が在ります。
旧暦の九月十五日、今日(10月10日)です。
一昨日、十三夜を楽しみましたが、明るい輝きに見惚れました。
月は、いつも同じ輝きなのでは無いのです。
毎日が、異なった輝きと、異なる色をしています。
同じ月なのに、此の様な違いを見せるのです。
其れは、”見る角度”が、異なるからです。
詰まり、ものは、見る角度で、異なって見える事を知ります。
此の”異なり”を、表現できれば、多彩な表現が可能です。
同じものでも、異なって見えれば、新鮮です。
では、どのようにしたら、異なって見えるのか?
方法は、幾通りも考えられますが、単純な方法から検討をしましょう。
<1>色を変える。
   バリエーションの世界です。
   月も、異なった色を見せます。

<2>文様を変える。
   異なった提案が生まれます。
   月に映る模様も多彩です。

<3>原型に、新たなものを加える。
   パーツの世界です。
   月に雲が掛かったりします。

<4>素材を変更する。
   同じデザインでも異なりを作ります。
   昼に見る月でしょうか?

<5>構成の組織を変更する。
   織物なら縦糸と緯糸の構造を変えます。
   三日月と半月の異なりと考えて下さい。

此の様に、少し考えるだけでも、色々な異なりを見られます。
満月を、漫然と見ているのでは、ものの哀れも、ものの奥深さも、計り知ることは出来ません。
満月が、貴重な存在だから、人は愛でるのです。
其の存在が、かけがえのないものならば、誰もが大切に致します。
そんな提案を、満月の姿から学びます。
今宵の月は、多くの事を照らしだしてくれます。
『満月』に、乾杯!です。

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