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◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆ 2003/09/27 『世界自然遺産の島』 屋久島発・田舎暮らし通信(第86号) http://www.yakushimapain.co.jp/ 屋久島パイン株式会社 ◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆◇◆◆ このメールマガジンは、北海道から屋久島に移住し、現在弊社屋久島支店の社員が 本人の移住経験を踏まえまして、屋久島の日常を発信しています。 ●昼の部と夜の部 「基礎工事に使うセメントを練るときは、自分の敷地内に流れる川の砂を使いま す。」というUさんは、別荘管理と家の建て増しをしている。 「川といっても小さい川だから、流れが詰まって、埋まってしまうので、スコップ で掘り起こして、流れをつけています。上のほうの水は飲めるから、飲んでみたら?」 と、長靴をはいて作業をされていた。 Uさんの土地は、川が流れている土地。 その隣には、今は亡き叔父さんの家がある。 屋久島の好きなUさんが管理するようになってからは、家が少しずつ、叔父さんが 住んでいた頃のような、温かさを取り戻したかのようだ。 その家に人が住まなくなってからは、草が生い茂り、入り口も分からなくなった。 目印の紫色の鮮やかな野ボタンの花が、咲いているのを見つけると、この辺だった かなという具合。 主がいなくなってもなお毎年、夏から秋にかけて咲くノボタンの紫の鮮やかさは、 人の心を誘い込む装いがある。 花言葉は、[平静]。 一日花ともいわれ、花びらが落ちやすいゆえに、切り花として使われることも、ほ とんどない。 その場にとどまり、主が変わっても、常に冷静に鮮やかさを保ち続けている。 普段も人が余り通らないところなので、ひっそりしており、庭に生えている果樹は、 野生動物にとって食べ放題の地帯になっていた。 「自分の土地もあるし、叔父さんの土地も家もひっくるめて1000坪余り、それを5 年前から手を入れて管理しています。5年後に移住するつもりで、増築をして貸家 でもしようと思っています。2ヶ月に一回、半月位滞在します。」というUさんは 現在、建築関係の製品の製造、販売業の会社を営んでいるため、別荘としてその家 を利用している。 しかし、その家には、一度も宿泊したことがないという。 昼間、休憩室として使うのみだ。 なぜなら、昼間は家や土地の整備に夢中で、かかりっきりだが、夜になるととても 寂しくて、家で寝られないので、尾之間の素泊まりの宿に泊まるという。 そこから毎日、近くの飲み屋に行って、カラオケを歌ったりして、夜の部を楽しん でいるそう。 「飲んで歌って、いろんな人と知り合って、愉快に騒ぐのも、昼間の太陽の下での 作業の疲れを癒してくれるのです。私は、屋久島をとても楽しんでいるのです。妻 は都会が好きなようで、屋久島にはめったに来ないですが。夜の部のことなら、私 に任せてください。」 自称52歳ということで、土地を購入されたのが、昭和35年頃だというから驚き。 ずいぶんお若いときに買われたのは、確かだった。 静岡県から2ヶ月に一度足を運び、滞在中は50CCバイクで行動。 「庭にびわの木が生えているのですが、実の方は猿に差し上げて、葉っぱを私がい ただいて、煎じてお茶にして飲んでいます。びわ茶はおいしいですよ。」と、スコッ プ作業の合間に、ビワ茶を飲用。 ちょうどこの日は、昨日飲み屋で知り合った人に、草刈り作業を手伝ってもらうこ とになっているという。 屋久島に移住して来る人といえば、昼間活動して夜は星の光を楽しむ、自然志向の 人が大半だと思いがちだが、昼間の太陽の光と、屋久島の夜のネオンの灯りを、両 立すると言い切るUさんの生活パターンも、また楽しからずや。 私がメールマガジンを書いていて、何を書いていいのかわからなくなると、Uさん のように、自分のことを取り上げてほしいとか、こういうことを知りたいとか、い ろいろアドバイスをしてくれる人が多くて、とても助かっているところ。 小心者の私は、社交的ではないので、いろんな人がこういうのもあるよとか、情報 を下さるのは、とても励みになるのだった。 ★★☆★★★★☆★★★★☆★★★★☆★★★★☆★★★★☆★★ 屋久島パイン株式会社 http://www.yakushimapain.co.jp/ 発行責任者 角谷和雄 kakutani@yakushimapain.co.jp 本 社 東京都千代田区麹町1丁目8番14号 屋久島支店 鹿児島県熊毛郡屋久町原914番地 ★★☆★★★★☆★★★★☆★★★★☆★★★★☆★★★★☆★★ |