メルマガ:いいオトコ研究会
タイトル:いいオトコは、自分という商品にマーケティング手法を用いている  2003/09/10


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☆   いいオトコ研究会 (いい男とは?)  03年9月10日 第77号
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▼▼今週のご挨拶▼▼

ソニー/出井CEOの著書「ONとOFF」を漸く読んでみました。

世界のソニーを経営する出井氏は、ワイン通、ゴルフ狂でも有名。
超多忙の中、趣味の時間をどうやって割いているのか。
それが知りたかったのが、読む目的でした。

で、結論は、ON(仕事時間)とOFF(プライベート時間)を上手に
シンクロさせているってこと。
仕事(ON)は、何となく趣味(OFF)に繋がっている。
プライベート(OFF)でやることを、何らか仕事(ON)に関連させている。
つまり、あえて明確に切り分けていないのではないでしょうか。

ONはOFFの一部。OFFもONの一部。
もちろん、仕事とプライベートの公私混同を避けた上での。

是非、真似てみたいものですね。

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▼▼今週のテーマ▼▼  >>マーケティング

消費者のニーズを集めること。
ニーズを商品化し、消費者に販売すること。
これらの行為を「マーケティング」と言います。
マーケティングこそ、企業活動の命。

で、同じことが”いいオトコ”にも言えるのです。
上述の「商品」を貴方自身に置き換えてみて下さい。
え? 人にもマーケティング?


▼ブスおとこ君

出世したブスおとこ君は、「俺が一番」だと思い込んでいる。
だから、他人の話をあまり聞かない。
増してや、部下や妻の話には耳すら貸さない。
彼が、世間からドンドン離れていっていることは、言うまでも無いが。

出世しないブスおとこ君は、「俺は出来ない奴」だと決め込んでいる。
だから、人の言いなりばっか。
部長の指示、友人の助言は、そのまま丸受け、鵜呑み。
彼が、自分の魅力をドンドン失っていることは、間違いの無い事実だ。

誰からも良く見られたいと思っているのが、風見鶏型のブスおとこ君。
攻撃型の上司とは、仕事も攻撃的。
慎重型の同僚とは、仕事も慎重。
派手好きの女性とのデートでは、ド派手な服装。
地味な女性とは、デートの場所も地味。
で、結局は、誰からも信頼されず、彼女も出来ないでいる。


▼人にもマーケティング

いきなりビジネスっぽくて恐縮ですが、マーケティングとは
「顧客の目的やニーズを満たすための、アイデアや商品・サービスの概念を
作り上げ、その価格設定と、プロモーション、及び流通経路を企画し、
そして実行していく過程」と定義されます。

この文章をもう少し簡単に述べると
「消費者やお客さんが望んでいるような商品(サービス)を考え、価格を
定める。
そして、その宣伝広告や売る場所などを考えて、実行する」こと。

ところで、文章中の言葉を、次のように置き換えてみて下さい。
「顧客」を「貴方の周辺の人々」
「価格」を「貴方の価値」
「商品やサービス」を「貴方自身」
「宣伝広告」を「アピール/PR」
「流通経路や売る場所」を「貴方の活動場所」

「貴方の周辺の人々が望んでいる”貴方自身”を考え、貴方の価値を定める。
そして、そのアピールの仕方や、貴方の活動場所を考え、実行する。」

「貴方の周辺の人々」とは、仕事や会社関係、家族、友人・恋人などのこと。
「貴方の価値」は、金銭的報酬のみならず、第三者が貴方に提供してくれる
全てのこと。
例えば時間を共有してくれる、精神的なつながりを持ってくれる、協力
してくれる、恋人になってくれるなど。
「貴方の活動場所」とは、会社、学校、趣味の場などのこと。

いずれにせよ、企業活動においてのマーケティングと同様、
ヒトについても、マーケティングというのがあるのです。

尚、誤解無いように、次のことを事前に申し上げておきます。
まず、企業における「商品」を「貴方自身」に置き換えていますが、
これは決して、人間が商品のように売買されるという意味ではありません。
ただ、消費者が商品を自由に選ぶように、周りの人々も「貴方自身」を
選んでいるということです。

次に、「周辺の人々が望んでいる”貴方自身”を考える」について。
これは決して、周辺の人々の言いなりになるとか、迎合する、
あるいは自分を失ってまでも、周りに合わせるという事ではありません。


▼では本題の前に

「いいオトコ化」シリーズ
以上のことを前提に、これから数回に分けて”いいオトコ”になるための
「マーケティング」について、解説していきます。

が、本題に入る前に、今号では「マーケティング」という意味の理解度を
高めていただくために、いくつかのことを取り上げます。


▼桶屋

風が吹けば桶屋が儲かるという諺。
風が吹いたからと言って日本中全ての桶屋が儲かるわけではありません。

風がどこからどのようにどんな強さで吹いてくるのか、
その予測を見誤った桶屋は、強風なのに小型の桶を作ったり、
その逆であったりと、売れない桶を作ってしまい、
在庫ばかりが貯まってしまいます。

予測は間違いなかったが売れるタイミングに乗り遅れた桶屋は、
風が過ぎ去ってから桶を店頭に並べたために、
店は閑散としていたことでしょう。

そして予測すらしなかった桶屋は、店を閉めてどっかに遊びに行っていた
かもしれません。

では、風が吹いたことにより儲けた桶屋とはどこか?
それは、今後どのような風が吹くのか、
その風にはどんな桶が最適だろうか、
そして吹いた時にはどういう心構えが必要だろうか
などを考え、実行した桶屋です。

的確な予測。
最適な商品開発。
準備万端の販売体制。
これがマーケティングです。

ヒトも同じ。
仕事やプライベート、恋愛関係などで、今後どのような「風」が吹くのか。
その「風」には、どのような「自分」であるべきだろうか。
そして、「風」が吹いた際には、自分はどのような行動を取るべきだろうか。


▼七草セット

七草の季節になると「七草セット」というのがスーパーの店頭を飾ります。
これはマーケティングの成果により新しい商機を掴んだ好事例の1つ。

そもそも七草は単なる野草であり、それ自体に大きな価値があるとは言え
ません。
セリもスズナもそれ単体で買う方が量もあるし、今時いつでも手に入る。

では、なぜ単なる野草を、少量なのにそこそこの値段で売れるのでしょうか?
それは、この七草のセットという商品は、草というモノを売っているのではなく、
「七草かゆ、という昔からの風俗を気軽に手に入れるツールの提供」
を売っているのです。

言い換えれば、売っている商品は「七草という野菜」ではなく、
「七草という季節感を味わえるための手助け」。

モノだけを売ろうと思えばそこに新しい商機を見出すのも難しいし、
見出したとしてもモノの価格でしか売れません。
七草も、単にセリとして売り出しているコーナーでは、
同じ値段で10倍もの量を買えることでしょう。

商品とはモノだけでは無い。
顧客が欲している付加価値を見つけ、それを商品化する。
そして、単一のモノとしての価格よりも高く設定して、提供する。
顧客の満足は、モノ以外から得てもらう。
これがマーケティングです。

ヒトも同じ。
貴方自身の学歴、職歴、外観・容姿、預貯金、資格、知識、人間性ーーー。
これらを単一で「売っていく」のではなく、
「顧客である周辺の人々」にとっての付加価値を見つけ出し、
それらをセットにして提供していく。


▼安売り専門店

安売り専門店が活況です。
100円ショップ、家電専門店、ドラッグストア。

一方、元々安さが売り物であったスーパーマーケットの中には
業態が悪化し、倒産企業も出ています。
で、その差は何か?

それは、そこがどんな店なのかがきちんと消費者に伝わっており、
消費者の頭にも十分にインプットされていることです。

100円ショップは「いろんな種類の小物が何でも100円」ということが明確。
カメラの安売り店は「カメラ・パソコン・家電・時計などが多数、しかも安い
値段で揃っている」と消費者は認識している。

一方スーパーは、いろんなモノを安く売っているが、何が得意技なのか
不明確だし、第一欲しいモノは専門店の方が値段も安く種類も多い。
つまり、曖昧な姿なのです。

同じことは商店街にも言えます。
多くの商店街が、大型店の出現で苦しんでいる。
でもその中でも常時お客さんで一杯の商店街があります。
そこでは「あそこの商店街は○○○だ」ということが明確に消費者に伝わ
っているのです。

自社の特徴は何か。
それは、どの層の顧客に適しているのか。
その層の顧客に対し、自社の差別性を明確に打ち出すにはどうすべきか。
これらを行っていくのがマーケティング。

ヒトも同じ。
自分の特徴、魅力は何か。
それは、仕事の場で、プライベートの場で、どのような人々に受けるのか。
その人々に対し、自分の差別性を出すにはどうすべきか。


▼“価格”破壊と”価値“破壊

業績を伸ばしてきたマクドナルド神話も、昨年からややおかしくなってきまし
た。安さだけでは、売れなくなってきたのですね。

価格破壊という言葉をよく耳にします。
従来の価格から大幅に下げ、それでも顧客の満足度は下がらない。
これが基本。

但し、価格(Price)という金銭的なもののみならず、価値(Value)まで破壊
してしまった例が、散見されます。
価格を下げることばかりに目が行き、
サービス内容や新鮮さ、面白みなどの「価値」まで破壊させてしまうのですね。

一方、100円駐車場というのは、どこでも見られるようになりました。
これは、従来1時間単位で500円もしていた駐車場業界では、
全く新しい発想として10分100円ということを仕掛けたもの。
価格は1/5だが、価値は下げていないどころか、上げています。

値下げ競争に巻き込まれ、原価割れでも販売してしまうことを避ける。
本来の価値を失ってしまうことの危険性を知っている。
だから、顧客にとっての「商品の価値」がどこなのかを、徹底的に追究していく。
これがマーケティング。

ヒトも同じ。
気に入られようと、何でも安請負する。
いつもいつもイエスマン。
これでは、価値破壊をしている価格破壊と同じ。


▼そしてマーケティング

成功している企業は、消費者相手のサービス業だろうが、企業相手の
物販だろうが、同じ経営姿勢を有しています。
それは、「顧客に最大の関心を払う」ことに焦点を当て、
「顧客を満足させる」ことが何よりも大切だと認識していること。

そして、それらを達成させるための手段がマーケティングであり、
その過程のほんの1つが販売・営業活動なのです。
そう、マーケティング=販売・営業活動ではありません。

もう少し専門的に述べると、成功している企業は、
標的とする市場を明確にし、
顧客のニーズを理解した上で、
顧客を満足させることに専念し、
更に顧客が大きな満足を得られるように会社全体を引っ張っています。

このように成功企業は「顧客満足を中心」として事業活動を行っており、
その中心となる手段(道具)がマーケティングなのです。

繰り返しですが、「貴方」という商品。
あるいは、「貴方」という会社。
これを、「周辺の人々」という顧客中心に、一度見つめ直してみては
どうでしょうか?

決して、周辺の人々に迎合するわけではありません。
あくまで、「貴方の価値」という価格を高めるための行為です。

そして、企業が「標的とする市場」を明確化するのと同様、
貴方という商品も、標的市場の明確化が必要です。
多くの女性にモテたい。
あの上司からも、この上司からも認められたい。
ともかくたくさん資格を取りたい。
こんな、万人に受けることを望んではダメ。

貴方商品、貴方会社の経営者なら、
マーケティング理論を押さえていきましょう。
次週から、個別の解説をしていきます。


▼最後に

人間は欲張りなものです。
欲には、上限が無いのでしょうか。

でも、限られた時間と能力。
どこに割くのが効果的なのか。
何よりも重要ですね。
それを解く鍵が、マーケティングってことでしょうか。


▼女性の方へ

売り込みばっかの男って、魅力無いですね。
「俺ってどう?」
「俺ってすごいだろう」
「俺は、あいつよりもイケてるだろ」
勝手にやってろって感じ。

女性の言いなりばっかの男も、ちょっとねーって感じですね。
少しは、自分を出してよ。
軸ってものが無いの?って言いたくなるのでは。

ステキな商品には理由があります。
その、最大の理由が、消費者である貴女のココロを掴んでいること。
マーケティングを通じて。

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「ストップ浜岡原発」その時どこに逃げますか?
東海地震と浜岡原発の危機    マガジンID:0000091868
http://www.stop-hamaoka.com/index.html

「原子力のタブーを打破しよう」の村田東海学園大学教授(元駐スイス大使)  
http://www1.jca.apc.org/aml/200308/35403.html
http://homepage.mac.com/kurionet/murata.html  
          
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▼▼次号のテーマ▼▼  9/17配信

>>マーケティングとセリング

「要は、他人に売り込めばいいのでしょ」
とばかりに、自己PRばっかの人。

これはマーケティングではありません。
単なる販売行為と同じ。

次週(9月17日)は、”いいオトコ”として押さえておくべき、
マーケティングの基礎について、お送りします。

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☆   いいオトコ研究会 (いい男とは?)  03年9月10日 第77号
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発行人     いいオトコ研究会 代表

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