メルマガ:いいオトコ研究会
タイトル:いいオトコは、ヒトの動かし方を知っている  2003/09/03


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☆   いいオトコ研究会 (いい男とは?)  03年9月3日 第76号
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▼▼今週のご挨拶▼▼

早くも秋風が心地良い季節になりました。
黄金色の稲穂でいっぱいの田舎道ドライブ。
いいですね。

稲穂で思い出すのが
「実るほど、頭(こうべ)を垂れる稲穂かな」という言葉。
これ、お気に入り。

そう、実力が付き、人間として極上になった人ほど、
謙虚な姿勢を取る、という意味。


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▼▼今週のテーマ▼▼  >>そして、協力を得るには

いいオトコになるには、自分人生のリーダーシップをとること。
そして、人の心理を理解し、
多くの人々からの協力を得られる生活を送ること。

これらをわかったつもりだが、
それでも周りの人は協力してくれない。
どうしたらいいのでしょうか?


▼ブスおとこ君

夫のブスおとこ君は、絶対に家事をやらない。
「洗濯も炊事も、妻の仕事だから」。
だから、妻がいくら忙しくしていても、
週末はゴロ寝ザンマイ。

上司のブスおとこ君は、コピー取りを「下っ端のやる仕事だ」
と決め付けている。
だから、優秀な若手が、どんどん辞めていっている。

買い物をする時、「金を払っているんだから当然」
という態度で、店員には言いたい放題。
口のきき方とても横柄。
だから、結局は、いいサービスを受けてないようだ。

そんな彼は、しょっちゅう他人と言い合いをしている。
ブス君「なんでやってないんだよ、あれを。」
某さん「だって、聞いてないもん。」
ブス君「やれって、言ったぞ。」
某さん「そんなの知らない。」


▼”人ヒトひと”の仕上げ

いいオトコは、自分人生の経営者、自立成長型の仕事人。
そうなるには、他人というヒトを上手に使っていくことが必要。
このことについて、3回に渡って解説してきました。

実行力(有言実行)。
指示や協力内容の明確化。
協力依頼先への裁量権(エンパワーメント)。
人の心理の基本原則把握(マズロー5段階説など)。
人財と人材と人在と人罪の区別。
ーーー

以上のことを押さえた上で、他人の協力、他人との協調を
得ていくのですが、まだまだこれだけでは不足です。


▼モチベーション

上司、同僚、友人、家族、恋人。
誰かから何かを依頼された。指示された。

それを受ける(やる)には、何らかの理由が必ず存在します。
この「やってあげる理由」を、依頼事項に対する動機(モチベーション)
と言います。
そこでまずは、モチベーションに付いての理解度を高めていきましょう。

モチベーションの代表例として、「金銭的動機」、「社会的動機」、
「自己実現的動機」というのがあります。
金銭的動機とは「生活に必要な金銭を得たい」という生きる上での根本的
なもの。

社会的動機とは「価値観を共有出来る組織・友人関係・家族関係の中で生活
をし、そこで注目や評価を受けたい」という欲求からなる。

自己実現的動機とは「自分を成長させたい、社会的使命感を満たしたい」
という一段高いレベルの欲求。


▼効果的

ブスおとこ君のように、相手のことを考えずに一方的な人。
まず間違いなく、自立成長型の人にはなれないことでしょう。
自分人生の経営も、先が思いやられます。

なぜか?
言うまでもありませんね。

ブスおとこ君から依頼を受けた人は、彼の依頼事項を「いやいや」やって
あげている。
あるいは「金の切れ目が縁の切れ目」だと思って、ドライに応対している。
場合よっては、「いつか復讐してやる」って姿勢。

これでは、まともに依頼事項をやってくれるはずがありません。
やってくれても、長続きはしません。

ブスおとこ君に足りないのは、依頼先の「モチベーション」を高めよう
という姿勢が全く無いことです。

依頼先のモチベーションはどこにあるのか?
それを高めるにはどうしたらいいのか?
これらを考慮してからの依頼(指示)と、考慮無しの依頼(指示)
では、結果に大きな差が出てきます。

更には「やり甲斐のある依頼内容・雰囲気・関係」を作りあげることが
重要です。
そのために、依頼した理由を説明し、依頼先からの共感を得ること。
依頼内容のマンネリ化による、やり甲斐の低下を防ぐこと。
依頼事項達成の際には、貴方と依頼先の共通の成功・成果とすること。
なども必要でしょう。

要は依頼先に「張り切ってもらう」こと。


▼インセンティブ

個々人のモチベーションを高めるもの、高めるための何かを
「インセンティブ」と言い、上述した3種のモチベーションに関連して
それぞれのインセンティブがあります。

金銭的動機に対しては、金銭的報償がインセンティブとなる。
これが不足すると他のインセンティブを与えても不満は解消されないケースが
多く、一方では、あるレベルを超えるとモチベーションを高める効果が薄れる
傾向がある。

例えば、「○○円あげるから、これやっといて」。
○○円が余りにも少ないと、「やってあげる意欲」が薄れる一方、
一定額以上となると、それ以上の額の引き上げよりも、
依頼内容のやり甲斐などが重視されることとなります。

社会的動機に対しては、ある依頼事項に対し評価をするとか、
その結果地位や権限を高める、名誉ある何かを与えるなどの
社会的評価がインセンティブとなる。

あるいは魅力あるリーダーや気心知れた仲間の存在という帰属意識を高める
こともインセンティブの1つです。

依頼先に対しての貴方からの評価や誉め言葉が、
金銭的インセンティブよりも効果的となること、多々あるはずです。

自己実現的動機に対しては、自分の理想像に近づくための機会や環境を与えて
いくという自己実現の場の提供がインセンティブとなる。

つまり、依頼先に対し「貴方の依頼(指示)をやっていくことが、自己の成長・
向上に繋がり、将来の自分像に近づいていくことが実感出来る」
という状態にさせることが自己実現の場の提供となります。

妻に対し、単なる生活共同者でも無く、主従関係でも無い。
貴方の依頼事項、注意、指示内容を聞くことが、妻の自己成長に繋がっている。
そんな実感を持たせることが重要となります。


▼補完関係

他人に何かを依頼する際、貴方と依頼先との「補完関係」を構築する
ことも、人を上手に使うには必要となってきます。

依頼主の貴方が上司であろうと夫であろうと、
それは決して「偉い」わけではありません。
単に部下や妻と役割が違うだけ。

だから、依頼先の部下や妻に「偉いという立場」で依頼や指示をするのでは
なく、「自分の不足していることを補ってもらう」という姿勢が重要です。

また、「妻だから洗濯をやるべき」、「部下だからコピーをやらせてもいい」
なんていう発想もダメ。
相互補完の観点から、「どちらがやった方が効果的か、効率的か」を考え、
結果的にそれが妻や部下なら、そう依頼するというようにすべきです。

場合によっては、夫が洗濯をしたり、上司がコピーを取ったりする方が、
効果的な相互補完になることも、ありえます。

野球チームは、4番バッターも9番バッターもそれぞれに求められている
機能があります。
どちらが偉いわけでもなく、相互に補完し合う。
そういうチームが強い。

個々人の関係でも同じですね。


▼コミュニケーション

他人に何かを依頼したり、関係を構築する際。
モチベーションやインセンティブという「手法」ばかりが先行してもダメです。

一番大切なのは、何と言っても「コミュニケーション」。
そう、依頼先や関係先との「意思疎通」ですね。

コミュニケーションは、IT化と個人化が進んだ現在だからこそ、
その重要性が高まってきています。

メッセージの送り手である貴方と、受け手である依頼先。
このコミュニケーションがうまくいかないと、トラブルの発生、
業務の滞りなどに結びついていく。
一方、円滑なコミュニケーションは、迅速な意思決定や問題解決に繋がり、
結果として、貴方も依頼先も効果が高まっていることになります。


▼コミュニケーションの「コツ」

効果的なコミュニケーションを行うには、次のことを意識しておきましょう。
それは、自分がどういった人物であるかをさらけ出すという自己開示、
自分の考えを表に出すという自己表現、
同時に相手の話をよく聞く傾聴、
そして明確な表現。

コミュニケーションの手段がEmailだろうと会話であろうと、
あくまでそこには、コミュニケートしたいと考えている相手が存在します。
その相手に、「自分がオープンになり、明確に表現し、且つ相手の話を十分に
聞いてあげる」という姿勢が無いと、決して相手は心を開かないことでしょう。


▼コミュニケーションの落とし穴

コミュニケーションが上手くいかない場合(人)には、主に以下の問題が
考えられます。

送り手の問題:
情報の受け手に好意的に見てもらおうと、送り手が情報を操作することが
コミュニケーションの阻害要因となることがあります。
恋人に気に入られたいばかりに、明確な依頼や注意が言えないなどがその一例。

受け手の問題:
情報の受け手が、複数の情報から、自分の好みで特定の情報を選択する場合、
受け手に関するコミュニケーションの阻害要因となります。
例えば複数の部下からの情報の内、一緒に飲み歩いている部下からの情報を選択
してしまうなどがありえます。

双方の問題:
送り手と受け手間で、年齢、性別、地位などが異なると、
同じ文章でも違った解釈をしてしまう文化的差異というのもコミュニケーション
の阻害要因となります。

いずれにせよ、コミュニケーションとは「相互に意思疎通が出来た」場合のみを
指すのです。
つまり、「言っただけ、言いっ放し」はコミュニケーションとは言いません。


▼コンフリクト

人の心理とかモチベーションを理解し、コミュニケーションも抜群。
それでも、人同士には、相反する意見や態度、ライバル意識などの対立や、
軋轢(あつれき)が存在する。
これをコンフリクトと呼びます。

一般的に、コンフリクトはそのマイナス面ばかり強調されますが、
やり方次第では、プラスと働くことも覚えていて下さい。

コンフリクトがプラス面に働くとは、
お互いが競い合うことで意欲が高まる、
相互の意見交換の過程で相手への理解が深まる、
意見の対立を経て当初のアイデアを発展させる、
新たな視点で問題発見に繋げるなどが挙げられます。

夫婦喧嘩も、上司との言い合いも、友人とのライバル関係も。
どうせ必ずある「コンフリクト」を、プラスに働かせる。
これが、上手に「自立成長」していく際のコツですね。


▼最後に

威張ったって、何の得にもなりませんよね。
せいぜい「威張り散らした」という、低次元の欲求を得られるだけ。

それよりも、家族、友人、恋人、部下、お店の人、赤の他人。
皆、「喜んで、承ります」
そう思わせる方が、100倍もお得だし、
第一、お互いに気持ちいいはず。

いいオトコほど、他人への気配りが出来ています。
いいオトコほど、頭を垂らすことが出来ます。
「実るほど、頭(こうべ)を垂れる稲穂かな」ですね。


▼女性の方へ

色々なタイプの男がいます。
その中で、「これは」って思える男には、1つだけ共通していることがあるのです。
そうです、周りの人々からの信望を集め、人望が厚いこと。

信望を集め、人望を厚くする。
そのやり方は人それぞれ。
これだっていうテキストは存在しません。
でもやっぱ、いいオトコには、信望と人望があるのですね。
必ずと言っていいほど。


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▼▼次号のテーマ▼▼  9/10配信

>>マーケティング

消費者のニーズを集めること。
ニーズを商品化し、消費者に販売すること。
これらの行為を「マーケティング」と言います。
マーケティングこそ、企業活動の命。

で、同じことが"いいオトコ”にも言えるのです。
上述の「商品」を男性自身に、
消費者を「女性」とか「意中の人」
に置き換えてみて下さい。

え?
人間にもマーケティング?
それを次週(9月10日)からお送りします。


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