メルマガ:南米旅行記
タイトル:南米旅行記  2003/08/09


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南米旅行記No.27(2003年8月9日 Sat..)


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みなさん、お久しぶりです。株にかまけて約一ヶ月近く、配信をサボって
しまいました。サボっている間も講読数があまり減っていないので驚い
ています。どうもご迷惑をお掛けしてすいませんでした。

いや、株とは難しいものですね。まるで人生のようです。強気一辺倒では
大火傷するし、弱気だと儲からない。孔子のいうところの中庸が一番です
か。しかし、中庸の精神を学ぶまでに全財産を掏ってしまうんじゃないか
と思われます。

ところで、一ヶ月前に、「バンコック楽宮ホテル」の著者谷恒生氏が死去さ
れました。彼の小説に触発されて文章を書き始めましたので、なにか寂しさ
を感じます。皆さんもチャンスがあればぜひ彼の作品を読んでみてください。

                        エドワルド 

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Index

1. 南米旅行記XXII
2. グアテマラからメキシコ経由でアメリカへIV
3. ワンポイントスペイン語会話
4. ワンポイントスペイン語単語
5.カナリア諸島からの遺産VI

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南米旅行記XXVII

黄金博物館、国立人類学考古学歴史学博物館など、一応観光旅行者としての
義務をこなした。取り立てて目を引いたのはミイラと性器を丸出しにしてい
る土器群だった。セックスをしているのやら、宝刀だけ極端に大きく表現さ
れているオブラ(作品)などインドやギリシャの土器などと共通点があるよ
うな気がする。もともと、人間を再生するという意味合いで、性器や妊婦な
どの彫像などを、崇め奉っていたのだろう。

我々、7人の侍も現代の人間再生機能である、本物の性器を求めてカヤオに
通い続ける。蒲生君だけは、みんなが夕食のために出払った後、ダルマ食堂
のレジの太った女性(彼は5段腹ぐらいに太った女性を好む)を西海に連れ
込みシコシコとやっているらしい。彼の性欲はそれでも足りず、朝起きる
とまず近くの一発屋にやりにいくのである。ようするに、必ず、1日2回
(朝夕)、人類を永続させる作業をしているのである。

かくいう、エドワルドも負けじと、ハピーランドとその前にあるバーを行っ
たり来たりしている。ハピーランドのマリアとその前のバーのアンヘラだ。
マリアと甘い会話を交わし、体をなぜ回したあと、「ちょっと、タバコを買
ってくる」といってアンヘラの元に行き、同じことをする。その気になれ
ば、近くのホテルへ行き一発と、まるで蝶々(マリポサ)のようだった。

ある日、篠原さんが「おまえ、いい加減しろ。アンヘラもマリアも、二人と
も可哀想じゃないか」と大きな声をだして、私に向かって怒鳴った。
一瞬、怯んだが「自分のお金で旅しているのに、どうして篠原さんにそん
なこと言われないといけないのですか。彼女たちは夜の女ですよ。そんな
に真剣にならなくても」と反論した。
「君は、だからダメなんだ。やった後、コンドームもその辺に放り散らか
して。俺のベットの上に、使い古しのが載っていたこともあったよ」
「そんなこといいますけどね。篠原さんも子犬を勝手に買ってきて、みんな
に迷惑を掛けていますよ。どこでも、オシッコやウンコをするし・・・」
バーの中は沈黙に包まれた。

西海に帰ると、篠塚さんと会話もせずに寝た。朝起きると犬がいない。「子
犬はどこへ行ったんだ」と食堂にいた連中に聞くと「篠塚さんが、昨夜公園
に棄てに行ったらしいですよ」と誰かが返事をした。
二階に駆け上がり「どうして、棄てたたんですか。無責任だ」
「でも、君に迷惑を掛けているんだろう」
「そんなこと」といいながら、西海を飛び出し、公園へ走った。公園には、
すでに子犬を入いった段ボール箱はなかった。自己嫌悪と篠塚さんに対す
る憤りがこみ上げ、腹立たしかった。子犬がいい人に貰われることだけを、
祈るしかなかった。

つづく・・・・

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ワンポイントスペイン語会話
Me he perdido  (私は道に迷っています)
メ   ア  ペルディド

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ワンポイントスペイン語文法
porque (なぜならば)
ポル~ケ
No viene porque esta ocupado. (彼は忙しいので来られません)
ノ  ビイエネ ポル~ケ エスタ  オクパド
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グアテマラからメキシコ経由でアメリカへIV

レストラン禅は水曜日に休む。襌が日本人旅行者の溜まり場になっている
ので、休みの日は何か物足りない。
私の泊っているホテルはレフヒヨと言う名前で日本人が多い。「地球の歩き方」
に紹介されているからだろう。
「池山さん。どこかえ食事でもいきましょうか」
「そうだな。何を食べる」
「そうですね。中華料理でも食べましょうか」
二人は連れ立って石畳の通りをレストランへ歩いた。
中華料理屋を入って正面の壁の上方には関帝廟か何かの小型の祭壇があり、
右側の壁の中段には水墨画が飾られており、それなりに中国風の雰囲気が
醸し出されていた。
「ソパミンでも食べるかい」
「ソパミンってなんですか」
「汁そばだよ」
「ああ、汁に麺ですか。ぼくもそれにします」
注文した料理が来るまで池山氏と雑談をしだした。
「池山さんはよく旅行するんですか」
「そうだな」
「今までにどれぐらいの国へ行きました」
「103カ国かな」
「103カ国ですか。それは凄い」
「世界には170以上の国があるんだよ。俺はまだヒヨッコだ」
「君は日本から来たのか」
「いや、アメリカの大学にいるんですよ」
「アメリカの大学か。ぼくは学校でアメリカの黒人奴隷を逃がすのを手
伝っていた組織の研究していたんだけど」
「それじゃ、大学院に行っていたんですか」
「まあ、そうだな」
「どこの大学院ですか」
「一つ山大学だよ。途中で止めたんだけどね」
「どうして、止めたんですか」
無粋な質問だったが、池山さんはいやな顔一つしないで「ドラッグだよ」
と答えた。
「ドラック?」
「君はドラッグをやった事がないのかい」
「マリファナをちょっと」
「俺はヘロインで人生を棒に振ったんだ」
「ヘロインですか。それでどんな感じになるんですか」
「あれをやると、女なんか要らなくなるよ。女よりいいということだ」
「それで、upになるとかdownになるとか、どっちですかね」
「downだな。やり過ぎると壁なんかひん曲がって見えるよ」
ウェートレスがソパミンと皿に食パンを一切れ載せて持ってきた。
「なんで食パンが来るんでしょうね」
「ここはいつも食パンが一切れ付い来るんだ」
「炭水化物を好むのは関西人だけじゃないんですね」
「何の事だ」
「関西人はうどんとご飯を一緒に食べるでしょう。あれって同じ成分なのに
変じゃないですか」
「それだったら、東京だってラーメンライスを食べるよ」
「ああそうか」
「炭水化物が好きなのは世界共通かもしれないね。ここだってトルティー
ア(トウモロコシから作ったパンのようなもの)にご飯を載っけて食べるよ。
イタリアでもスパゲティーにパンを食べるしな」
「そう言われればそうですね。そんなこと考えた事もなかったですよ」
二人はソパミンを食べ始めた。
「しかし、グアテマラに来る飛行機の中で俺の顔色が悪かったので、スチワ
ーデスが大丈夫ですかと訊いてきたよ」
「どうされたんですか」
「俺は、ヘロインを抜くために日本から出てきたんだよ」
「でも、この国は知らないけど、隣のメキシコなんかオピユーム(アヘン)
の大生産地だと何かの本に書いてありましたよ。ヘロインの精製技術は知
りませんけど、オピユーム系のドラッグは簡単に手に入れることができる
んじゃないですかね」
一つ山大学の大学院まで行った人間がそんな事も知らないのかと思いなが
ら彼の顔を見た。しかし、ドラッグをやり過ぎてそろそろヤバイなと感じ
た時など、知らない街に移動することは、ドラッグを切るためには大いに
効果的だ。日本人の間にも確実にドラッグは浸透してきているのである。

つづく・・・・

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カナリア諸島からの遺産VI

パスポートの増刷を無事に終えて、マドリードに向けて出発することする。

ラバトからタンジェールまで列車、タンジェールからアルへシアスまでフェ
リー、アルへシアスからマドリードまでバスと乗り物を乗り継いだ。

ジブラルタルを渡るフェリーの中は出稼ぎのアフリカ人(主流はモロッコ人)
がいっぱいで、その中に若い女性がいた。彼女が重い荷物を数個持って立ち
往生していたのを助けた(アメリカ仕込みでちょっとのチャンス見逃さない)
のが切っ掛けで話をしだしたのだが、彼女はフランスで働いていて、休暇が
終わりパリまで帰る途中だと言った。彼女がパリでどんな仕事をしているの
か連想してみる。レストランのウェートレス、バーの踊り子、大学生等々、
人のことを推測するのは楽しいものだ。そんな、推測するなら直接訊いた
ほうがいいという人がいるかも知れないが、フランス語も、アラブ語も理解
しない私には、推測しかできなかったのだ。理解できれば口説いているよ
(笑・・・・

人々は金がある方に流れる。モロッコはアフリカ人がヨーロッパへ密入国す
る前線基地になっている。マドリードの中心であるプラザ デ ソルあたり
のカフェに行くとアルジェリア人やモロッコ人など多くの人種に会うが、彼
らもモロッコ経由でスペインへ渡って来たのである。ジブラルタル海峡を
ボロ船で渡って来るのだから、周辺のサメや魚はよく肥えているだろう。
とにかく、密入国者の死体がよくあがるらしい。フロリダ海峡、ジブラル
タル海峡、東シナ海と密入国者を拒む自然。これらの海は際限なく人を飲
み込む。人間はいつの時代も形を変えて自然に対して生贄を出し続けている
のだろうか。


スペインへやって来た密入国者は、ここを最終目的地にしていない者が多い。
この国で軍資金を作ってフランスやドイツに流れていくのである。西ヨー
ロッパの最貧国であるスペインに留まるより、もっとチャンスを掴むために、
より裕福な土地に流れて行くのである。

アジア人の最終目的地になっている日本の東京は、マドリードと同じ側面を
見せて外国人を吸収していく。日本人は、「なぜ、外人が日本に来て働かなきゃ
ならないの。彼らは犯罪を犯す確率が高いんだよ」と彼らを白い目で見るが、
戦前日本人の先人たちもアジア、南北アメリカへ移民して地元民と軋轢を起
こしてきた。まず、そのことを考えなければならないし、後、20年もすれ
ば、我々日本人が中国へ密入国している可能性が大なので、あまり批判をす
るのを避けたほうがいいだろう。30〜40年前の日本を考えて見れば分か
ることであるが、永遠の貧困も、富もないのである。

キューバ人の遺産を探してカナリヤ諸島へ渡った私は、モロッコ、スペイン
を旅しながら、多くの移民と触れ合い、アメリカや日本で起こっていること
が、このヨーロッパの辺境の国でも同時進行で起こっていることに驚きを隠
せなかった。有史以来、何十回目の人種大移動かは知らないが、現代でもグ
ローバル時代の名の下に、多くの人々が大移動している。
その最前線を見る機会を得たことと、あれだけ入りたくて仕方がなかったハ
マム(トルコ風呂)に入れたことが、カナリア諸島からの私に対する遺産だっ
たのだろう。

 
                             おわり
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