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タイトル:Daily Drama Express 2003/07/17 Dr.コトー(3)  2003/07/23


===================================================== 発行部数   10 ==
                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2003/07/17 (Thu) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.木曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 木曜日の連続ドラマ
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タイトル Dr.コトー診療所
局  名 フジテレビ
放映日時 木曜22時
キャスト 五島健助(吉岡秀隆)
 星野彩佳(柴咲コウ)
 原剛利 (時任三郎)
 西山茉莉子(大塚寧々)
 原沢咲 (石田ゆり子)
 内つる子(千石規子)
 安藤重雄(泉谷しげる)
 和田一範(筧利夫)
 星野正一(小林薫)


脚  本 吉田紀子

あらすじ  「次のかたー!」
 コトー(吉岡秀隆)の声が響く。
 何と言うことだ?!診療所の待合室はすごい混みようだ。”孫がい
うコトー先生を拝ましてもらいに来ただけ”と、血圧だけ測りにくる
どこも悪くないのが自慢の老人や、病気などなさそうな頑丈な漁師ま
でもが診察を待つ姿を見て、星野(小林薫)がつぶやく。
 「今まで、どんなに具合悪くたって、診てもらえる人がいなかった
んだもんなあ…」

 手術を受けたばかりで入院中の助産婦、内つる子(千石規子)が、
また病室を抜け出して、妊娠7ヶ月の坂野ゆかり(桜井幸子)の様子
を見に行ったというので、コトーと彩佳(柴咲コウ)はゆかりの家に
行き、つる子を説得する一方、ゆかりの足のむくみを診察する。
 手術以来、つる子はすっかりコトーに気を許し和やかなムードだ。
それをこっそりとブロック塀越しにのぞく漁労長の安藤(泉谷しげる)
の苦々しい顔。
 「仲良くなりやがってよお…」
 洗濯物を干しに出たゆかりに気付かれ、急いでいるふりをして逃げ
て行く。

 夕方、港でタケヒロが”シュバイツァー博士”の本の一節をコトー
に聞かせている。コトーが 「僕もむかし読んだなあ。まさかその時
は、自分が医者になるとは思わなかったけどネ」 と話していると、
タケヒロの父、原剛利(時任三郎)の仕事が済んで迎えに来る。つる
子の手術の件で礼を言うコトーに、原はやはり無視して帰っていく。

 翌朝ゆかりは、役場職員の夫、孝(大森南朋)の出勤後、カゼで義
母がダウンしてしまい何も出来ない義父に代わって食事を作るために
義父母宅を訪れるが、台所でけいれん発作を起こして倒れてしまう。
 連絡を受けたコトーと彩佳が駆けつけると、つる子も和田(筧利夫)
におんぶされてやってくる。コトーとつる子は、”妊娠中毒症による
子癇発作”ではないかと診断する。

 コトーは、産婦人科の専門医で、元同僚の原沢咲(石田ゆり子)に
電話をする。咲は突然の志木那島のコトーからの電話に一瞬驚くが、
冷静にきっぱりと帝王切開を勧める。
 「診療所は、早産に対応できないんだ。保育器もないところで
30週未満の胎児をだせばどういうことになるか…」
 「ベビーは、あきらめることね」

 何とか助けたいコトーは受け入れ先の病院を探すことにしたが、船
で6時間かけての搬送は危険と言われ、なかなか見つからない。本土
のヘリを呼ぶという手もあるが、要請のために手続きが面倒なため、
少なく見積もっても2,3時間かかると星野も頭を抱える。
 そんな中、ゆかりがさらに危険な状態になる。コトーは家族に、こ
こで手術をしても子供はまず助からない、でも今手術しないと母子と
もに危険であるという話をする。孝はそれを聞いていたたまれず飛び
出していく。ゆかりの義父母は 「4年目でやっと出来た孫だが、子
供はまたいつか授かるかもしれない。でもお嫁さんは一人しかいない。
本土のサラリーマンの娘さんが反対を押し切ってこんな田舎に来てく
れたのに、これでは本土の親御さんに申し訳がたたない。どうかゆか
りさんだけでも助けてほしい」 と涙ながらに頭を下げる。
 海辺では、つる子が孝の背中をさすりながら泣いている。
 「60年間赤んぼを取り上げてきたが、悲しいこともいっぱいあっ
た。人にはな、天から与えられた寿命がある、運命には逆らえん。あ
きらめろ、なあ…」
 孝は手術に同意する。
 「手術をすれば、ゆかりは助けてもらえるんですよね」
 コトーは約束する、必ず助けると。

 その頃「居酒屋まり」では、ゆかりの手術のウワサを聞いた漁師が
あわてて入ってくる。食事中の安藤はそれを聞いて 「手術したいだ
けなんじゃねえのか?あんなヤツに殺されてもいいのか?」
 それに対して茉莉子(大塚寧々)が 「あの人は医者よ。ぶっそう
な話をするなら出て行って!」 と怒ると、手の平を返したように態
度を変える安藤。原はその様子を黙って聴いている。

 コトーが丹念に手をブラシで洗っていると、突然原とタケヒロが現
れる。
 「あんた、この前言ったよな、消えかけている命を黙って見すごす
わけにはいかねえって、だったら医者を辞めるって。…あれは口から
でまかせか?それとも生まれる前の命は命じゃねえと思っているの
か!?」
 「僕だって、助けられるものなら、助けたい!!」
 「なんで、助けようとしない?」
 「先生はきっと、ゆかりねえちゃんも、あかちゃんも、助けてくれ
るよ。ね、コトー先生」
 タケヒロの問いかけに絶句するコトー。

 手術が始まる。コトーの頭の中でさまざまな人々の声が聞こえてく
る。
 義父母(子供はまたいつか授かるかもしれない。でもお嫁さんは一
人しかいない…)
 つる子(人にはな、天から与えられた寿命がある…)
 孝(手術をすれば、ゆかりは助けてもらえるんですよね…)
 つる子(運命には逆らえん…)
 原(生まれる前の命は命じゃねえと思っているのか!?)
 タケヒロ(先生はきっと、助けてくれるよ…)
 ――どうしても麻酔の注射の針がさせない。その時、ゆかりの声が。
 「…赤ちゃん、…ころさないで…」
 心を決めたコトーは注射器を置き、母子ともに助けるため、本土へ
の病院搬送を再度試みる。星野はヘリの要請に奔走し、彩佳はゆかり
に付き添い、和田、コトーは受け入れ先をもう一度電話であたってま
わる。夫の孝は何も出来ず、コトーたちをただ見守っている。
 再びゆかりが危険な状態に陥った時、ようやく受け入れ病院がみつ
かる。安堵するコトーたちだったが、それもつかの間、今度は本土の
悪天候のためにヘリが飛ばない、というのだ。これでは、助からな
い!!ゆかりはか細い声で孝に 「…かわいい…声がしたの…女の子
の…す…ごく…小さな…」
 そう言ったきり昏睡状態になる…。

 その時、茉莉子が診療所に飛び込んでくる。
 「自衛隊のヘリが、来てくれるって!」
 茉莉子が隊長に(ちょっとオドカシて)直訴してくれたのだ。

 空き地でヘリを待つたくさんの人々。山かげからふいにヘリが姿を
現す。
 「来た!!おおーい、ここだぞお!!」
 手を振って合図する、ランドセルを背負った学校帰りの子供たち。
ゆかりと孝が乗り込み、コトーがカルテを渡すと、機体は砂を巻き上
げてすぐに離陸。「頼むぞ」とヘリをじっと見つづける。原も、安藤
も、つる子も、島の人たちみんなが見守る中、ヘリは本土目指して遠
ざかっていく。診療所では和田が祈りを込めて、機影をカメラに収め
る。

 長い一日だった。時計を見るともうすぐ11時。まだ連絡はない。
和田も彩佳も疲れたのだろう、うたたねしている。コトーがスリッパ
整理を始めたその時、電話のベルが。スリッパを持ったままあわてて
出ると、 「五島くん?咲です」
 朝電話した、原沢咲だった。電話の音に彩佳が目を覚まし、診察室
の外で聴いている。
 「結局ここではオペしなかった。2人とも助けたかったから。…ま
だ、連絡はないんだ」
 「…ねえ、いつ、戻ってくるの?今の医療から遅れるばかりよ、何
のためにそんな場所に」
 「――何のためか、わからない。まだ1ヶ月ちょっとだけど、少し
だけ何かが分かりかけてるような気がして…。例えば…僕は今まで、
どれだけ人として、患者と向き合って治療してきたのかとか…」

 電話を切ってから、コトーは彩佳に気付く。
 「どうして、こんな小さな島に来ようと思ったんですか?…先生の
ウデがもったいない気がして」
 「ありがとう。でも、それは逆だよ。…僕は、この島が、僕にはも
ったいない気がしてるんだ」
 遠くを見るような目をするコトー。と、その時、電話がけたたまし
く鳴る。
 「先生。坂野です!生まれました!1100グラム、だけどちゃん
と生きてる。女の子です。ゆかりも助かりました!」
 和田も、目を覚まして来る。 
 「今まで、医者なんてもんはエラぶってる人ばかりと思ってた。先
生が、必死になって、頭下げてくれてるの見て、世の中にはこういう
医者もいるんだ、と思って…。ほんとに、ありがとうございました」
 坂野が電話の向こうで涙ぐみながら、深々と頭を下げている。
 「僕のほうこそ、ありがとうございました。おめでとうございます」
 受話器を置き、3人は手を取り、肩を抱き合って喜び合う。
 「やったー!!」
 
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 坂野家では、初孫のお披露目会が始まった。
 「命名、坂野千賀。千のよろこびという意味です。助けてもらった
みんなの喜びをこめてつけさせてもらいました!」
 島民の拍手。酒盛り、踊りが始まる。赤ちゃんを抱っこする星野と
和田の会話。
 「僕にも抱かせてくださいよ」
 「欲しけりゃ自分でつくればいいだろ」
 「じゃ、彩佳さん、お願いします」
 彩佳に向かって、ウソか本気か、和田がそう言うと
 「わたしが、かわりに産んでやるかあ?」
 背後からつる子が和田に襲いかかる。
 
 その頃、海岸では子供たちが遊ぶ中、茉莉子が原に話している。
 「いるのよ、息子。タケヒロと同じ歳。今は、ワケがあって離れて
るけど」
 
 ――島民たちの楽しげな騒ぎを遠巻きに眺めているコトー。その背
中が、何となくさびしげに見える。


寸  評  今回は、コトーがなぜ離島勤務をかってでたのか、なぜこの1ヵ
月間いやな思い――少しは緩和されたとはいえ――をしながらもこの
島にいつづけるのか、やっとコトー自身の言葉で出てきました。原沢
咲という女性にも、その理由があるのかも知れない。
 コトーが島で医者として認められていくのはいいけど、過労で倒れ
ないかなあと心配してたら案の定、予告編でぶったおれてるじゃあな
いですかあっ!!ああ、やっぱりそう来るか。だって見るからに虚弱
そうですものね。
 他のサイトで、このドラマについて「主演が吉岡というところに難
あり」というような評が書かれていたのを読みました。最初は確かに、
「北の国から」のイメージが強くて、そこからどれくらい離れられた
かと、ず――っと”純”を見つづけてきた方としては心配があったの
は確かなんですが、なにかと流されがちの”純”と違って、何か確固
たる意思がコトーの中には燃えていて、もう”純”じゃなくなった吉
岡秀隆さんを私は頼もしく思います。このドラマ、見ることが出来て
よかったと3回目なのに思っています。どうか期待をうらぎらないで
ね。

執 筆 者 三森(anponhana@mail.goo.ne.jp)

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2. 編集後記
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 子供をもつ母親になってからというもの、”出産もの”には涙腺がゆるくな
ってしまいました。この前も、新生児集中治療室のドキュメントものにうるう
るする始末。ついでに「所さんの笑ってコラえて」でも出産シーンがあります
が、あれでも泣きます。 自分は3回も出産していながら一度も泣いたことな
いのに…。(三森)

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