メルマガ:南米旅行記
タイトル:南米旅行記  2003/07/13


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南米旅行記No.25(2003年7月13日 Sun.)


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こんにちは。

外国に15年住んで日本に帰ってきたとき、「何か変だな?日本人の感覚
は世界標準からかけ離れるているよ」とまず最初に感じました。

電車ではウンコチャン座りをするし、ひどいのになるとスカートを穿いて
胡坐をかいているのもいます。よる10時〜11時なのに、学校の制服を
来て駅前でたむろしているのもいます。これはあの行儀の悪いアメリカを
越えちゃったなと思います。

帰ってきてから5年になり、日本人の中に住んで彼らの行動に慣れて、何
も感じないようになってきたのですが、やはり、日本人の行動は変ですね。

12歳の中学生が4歳の子供をビルから突き落とすし、買い物に集中していた
親は何をやっていたんでしょうね。子供を監視、保護をするという親の責任
を果たしていない日本人が増えたようです。

学生が電車で胡坐をかくのと、4歳の子供をほったらかして買い物に夢中する
というのは、どうも同根のように思えて仕方がないのです。

全然、子供に対する監視と保護が行き届いてないという事でしょうか。そろ
そろ日本人も仕事だけでなく、自分達のコミュ二テーのことを考える時期に
来ているようです。
                        
エドワルド

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Index

1. 南米旅行記XXVI
2. グアテマラからメキシコでアメリカへIII
3. ワンポイントスペイン語会話
4. ワンポイントスペイン語文法
5. カナリア諸島からの遺産V

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南米旅行記XXVI

毎日が怠惰な生活の繰り返しなので、たまには健全な観光客に戻ろうと思い
立ち篠原さんと天野博物館に行くことにする。あらかじめ予約を入れなけ
ればならなかったので、下手糞なスペイン語を四苦八苦してなんとか予約
を完了する。入場料は無料である。

天野美術館はペルーの日系人のリーダー的存在だった故天野芳太郎氏がプ
レインカ、特にチャンカイ文化の三万点を超える土器や織物類を買い集め
たペルー最大の個人コレクションである。

天野芳太郎氏は若いときにパナマで百貨店を始め従業員40人まで会社を
大きくし、南チリにアンダリン農場、コスタリカに東太平洋産業会社を設
立、南米の日系人のリーダー的存在になった。第二次世界大戦勃発時、パ
ナマ運河を見下ろせる場所に邸宅を持っていたことでスパイの嫌疑を掛け
られ、アメリカの日系人収容所に送られる。ラテンアメリカの日系人なのに
なぜアメリカへ送られたのだろうと疑問に思う人は多いだろう。当時、日系
人で思想的に危険な人いわゆる日本至上主義者はアメリカ合衆国に送られて
収容所に入れられたのである。彼はスパイの嫌疑を掛けられたにもかかわら
ず、1942年、捕虜交換船により日本に帰ってきた。1951年南米に対
する夢が忘れられず、亡き妻の故郷ペルーにスウェーデンの貨物船で密入国
する。旅券を持っていなかったのでスウェーデン大使館に駆け込み嘘をつい
て保護旅券を手に入れて入国を果たす。その当時、学者に見向きもされなか
ったチャンカイ遺跡を発掘、研究して、ペルー中に知らしめた。このことに
よって日系人のペルーにおける地位を向上したといわれる。とにかく偉大な人
であった。

博物館の建物は、三階建てで、2800万円かけて1964年に建設されたわ
りには、モダンで綺麗である。常に展示されているのは300点で、特にテラ
(布)の保存状態がよく、すばらしいものだった。
この時、日本からの観光客が観光バスを仕立てて来ていたので、博術館には日
本人が溢れ、まるで日本にいるようだった。
「南米の土器の歴史は、中国より古いといわれています」と職員がいうと。「そ
んなことはない」と篠塚さんが中国の土器のことを説明して反論している。篠
塚さんは、台湾に語学留学をしていたので、中国のことについてなかなか詳しい
のである。
私は、そんなことなどどこ吹く風だった。多くの年寄りに囲まれて、小さくなっ
ている日本の若い女性を見て、目の保養をしていた。 久しぶりに見る日本女
性は、美味しそうだった。(ふとどき者だ)

ペルーの天野氏だけでなく、戦前、共産主義者であり、劇の演出家でもあっ
た佐野セキという日本人がソビエト経由でメキシコに辿り着きメキシコの近
代演劇の基礎を築いたし、世界は広く、思わぬところに日本人の奇才が住みつ
いているものだなと思った。

つづく・・・・

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グアテマラからメキシコでアメリカへIII

ホコテナンゴのお化け屋敷に飽きた私の足は、他のバーに向かった。一軒ずつ
チェックを入れ、あるバーに足を止めた。

バーの前には女性が立っており、何かに対して見張りを入れているようだ。彼
女たちはホンジュラスやエルサルバドルから非合法に出稼ぎに来ているので、
警察の手入れに神経を研ぎ澄ましている。捕まれば、持ち金を全部取られ、犯
された上に、本国へ強制送還されるかもしれない。

暖簾のようなものを手繰り上げて内部を覗くと、大柄で肉体美を持った女性が
微笑んだ。開いた口からはキラッと金歯が光った。金歯と言っても歯の回りに
嵌め込んだ枠なのだが、金色だから目だって仕方がない。昔、自分の母親が
歯のすいた部分にゴールドを入れていたが、そんな感じだった。現代の日本
人の感覚では絶対に許容できない美的感覚だが、私たちのルーツ(親や祖父母)
はそんな美的感覚を持っていたのだから、何か懐かしいものを感じる。

その女性と話をしていると、笛の音がした。
(ピ〜。ピ〜)
「なんだ」
彼女は「警察よ。逃げなければならないわ」と言うなり裏口へ走り出した。
しばらくすると、ポリシア(警察)が入って来て、辺りを見回している。
「ここに女がいなかったか」
「いませんよ」と白々しく答える。
ラテンアメリカに来てからポリシアを見るとムカムカするのである。蛭のよ
うに女性や弱い人間たちから、お金を吸い取る連中。
「それで、あんたは。グアテマラ人じゃないようだが」
「俺は日本人だよ」
「そうか。この辺りは物騒だから気を付けたほうがいいな」と言いながら
出て行った。

グアテマラは40年以上内戦が続いている国なので、人々の気持ちは荒み、
殺人を何とも思っていない人間が多い。ついこの間も、ドイツ人の旅行者4人
が午前4時に長距離バスステーションに向かって歩いているところを襲われ
殺された。怖〜い。

女性が戻ってきた。
「あいつら、寄生虫だよ」
「そんな感じだな」
「金は毟り取るし、ただマンはするし、逆らえば強制送還なんだから、嫌に
なってくるわ」
「それでどうしてここで働いているんだ」
「子供がいるから仕方がないでしょう」
「何で、子供を作ったんだ」
「アモ〜ル(愛)よ」
「アモ〜ルが、こんなところで働く原因になったのか? それでその男は」
「私が妊娠していると分かると逃げちゃったよ」
「何と軽薄なアモ〜ルだな」
手首を見るとキズが治癒した後が無数に付いている。
「何だよ。そのキズの跡は」
「アモ〜ルの証よ」
「その男には、そのキズに値しない」

若者はサビオ(人生経験からの知恵のある人)の言う事を聞かない。だから、
多くの若者たちがお互いに傷つけあい、運の悪い人間は人生のどん底に叩き
込まれる。
彼女もそうだ。一人の若者を心から愛し、自分の手首まで切って愛の証を立
てたのに、その若者は子供を残し去って行った。

そして、その最低の男の子供を育てるために体を売る。ろくな教育を受けて
いない彼女にはそれしか生きる道はないのだ。これが悲しい現実である。

ああ、人生とは何と虚しいものなのだろう。

つづく・・・・・   

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ワンポイントスペイン語会話
? Dnode esta’ el ban~o ?  (便所はどこですか)
ドンデ エスタ  エル バーニョ
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ワンポイントスペイン語文法

pero  (しかし) 
ペロ
La ciudad es grande, pero no es ermosa. (その都市は大きいが、そんなに綺麗
ラ シウダッド エス グランデ ペロ ノ   エス エルモサ   ではありません)
 
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カナリア諸島からの遺産V

パスポートの増刷をするためにラバトの日本大使館へ行くために、フェスを
あとにした。列車に乗っていてもハッシーシーがギンギンに効いている。質
のよいハッシーシー(マリファナも同じだが)を吸うと、2日間ぐらい効き
続けていることがある。このときもラバトに着くまで効き続けており、同じ
コンパートメントに座っていた日本女性二人の顰蹙を買ってしまった。変な
日本男が、北アフリカで、べらべら喋り捲るのを聞いていたのだから、不思
議だっただろう。列車がカサブランカに止まると急いで降りていった。嫌わ
れたかな。ハッシーシー酔いは、酒酔いよりましだろう。

ラバトに着くと、10年前に泊ったホテルにチェックインした。街をブラブ
ラしていると東洋人が歩いていた。日本人も外国に出て長くなると、東洋人
には見えるのだが、日本人のように見えなくなるので、一瞬「日本人かな」と
思うのだ。「日本人」と声を掛けると日本人で、フランス語、アラブ語、英語、
どの言葉も話せないようだった。ようするに、表現の方法を知らないという
ことで、子供以下なのである。私も始めてメキシコを旅したとき、スペイン
語が分からずに苦労したが、それでも英語を少しは話せた。しかし、この日
本の若者は、日本語以外話せないのに、日本から遠く離れた北アフリカを旅
しているのだから、本当に勇気を持った若者だといえるだろう。

ちょうど、ラマダンの時期だったので、日没のアザーンが始まる前にレストラ
ンに入る。「〜〜〜〜〜」とスピーカーから大音響のアザーンが聞こえてくる
と、満杯のレストランの客がスープの入ったすり鉢のような器に齧り付いて
いる。昼間食べていないので、一杯目のハリラ(モロッコの有名なスープ)は、
実に旨い。その後のハッシーシーも美味しい。
モロッコでは食後の一服のようなものだ。郷に入れば郷に従えだ。

オープンカフェーの椅子に座って通りを見ていると、変な行動をしている人が
いる。空の星を見ているのだろうか。指で丸いワッカを作り、それを覗いて空
を見上げている。しばらくすると、ズボンの後ろポケットから小さな容器を出
して、手の中に液体を取り吸っている。おそらく、シンナーだろう。今
回、ラバトの駅に着いたとき、あるモロッコ人が傍に来て私の顔を不思議そ
うに見ていたが、あれも同じシンナー中毒だろう。この国ではシンナー中毒者
が街角でシンナーを堂々と吸っているのである。

パスポートを増刷すれば、ここラバトに用はない。大使館は10年前と違がっ
た場所にあった。バブルが弾けて日本経済がどんどん悪くなっているのに、大
使館などの公共施設がどんどん豪勢になっていくのを目の当たりにすると
「我が国の政権担当者は腐っている」とつくづく思う。

それにパスポートの増刷に一週間かかるというのだから、笑いが出てくる。
「パスポートの増刷に何日かかるんですか」
「一週間です」
「他の国じゃ、半日でくれますよ」
「ラマダンですから」
「ラマダンって? 日本人の方が増刷をするんでしょう。だから、ラマダンな
んて関係ないんじゃないですか」
勝手な理由を付けて、言い訳する大使館員の態度に頭に来て、つい反論したく
なってしう。
「後ろの壁にパスポートに関するルールを書いた紙を張っているんですけど」
「そんなの、あなたたちが決めたわけで、日本の法律じゃないでしょう」
もうこの時点で、頭に血が上っている。
「それはそうですけど、それじゃ5日でやりましょう」
「それでも、日数が掛かりすぎるんですよ。もう、お金もなくなってきている
し、早くスペインに行って飛行機に乗らなければならないんですよ」
「あんまり、無茶なことをいうと警察を呼びますよ」
「なに言っているんだ。警察を呼ぶなら呼べばいい。他の国にある大使館が半
日でパスポートを増刷するのに、一週間も掛かるルール作っているあなたたち
が悪いんだ」
「じゃ、3日後に来てください」
「何で、日数が少なくなるの。これじゃ、おとなしい人は気の毒だな」と棄て
台詞を吐いて大使館を後にした。

キューバの日本大使館もそうなのだが、日本とあまり親交のない国の大使館員
に仕事があるわけもなく、昼間から領事がスーパーへ買い物に行ったり、昼飯
を愛人と食べていたりしているのが関の山だ。大使館員の公金着服や仕事態
度などが問題になっているが、本当に寄生虫のような連中だ。

彼らの怠慢な仕事態度のお蔭で、私は3日もラバトで足止めされることに
なってしまったのだ。腹立つ〜。

つづく・・・・
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