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タイトル:Daily Drama Express 2003/06/24 顔(最終回)  2003/07/08


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                        ★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2003/06/24 (Tue) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.火曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 火曜日の連続ドラマ
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タイトル 顔
局  名 フジ系
放映日時 火曜21時
キャスト 平野瑞穂(仲間由紀恵)
 西島耕輔(オダギリジョー)
 神崎加奈子(京野ことみ)
 内村秀夫(海東健)
 今村真一(近藤芳正)
 七尾友子(田中律子)
 本間英一(升毅)
 亀田賢 (矢島健一)
 佐藤勇三(河原さぶ)
 相田咲子(黒坂真美)
 小松浩二(田中哲司)
 朝倉ちあき(立川絵理)
 石田満男(大林丈史)
 中嶋しおり(水橋貴己)
 中嶋健二(甲本雅裕)
 鶴田猛 (益岡徹)
 樋口京子(余貴美子)
脚  本 高橋留美

あらすじ  「片岡(梅垣義明)さん…盗品のネックレスを送って来たのはあ
なた…」樋口(余 貴美子)はドアを開けて、片岡を家の中へ招く。
「友達(だち)にさばくように送りつけられたんです。上手くさばか
ないと昔のことをばらす。と。私は今、小さいけれど工場を持ってま
じめに暮らしています。昔のことをばらされると仕事が無くなってし
まう。先生が知っている通り、私は少年院あがりです。そんな人間が
警察に盗品を持って行ったって、素直に信じてくれますか?だから、
先生に送ったんです。今回の事件は無関係です。しかし、19年前の
強盗殺人は私がやりました。」

 片岡の義手を見て、樋口は原因を聞く。「機械に手を挟まれて・・
あの頃の私は刺激的なものに飢えていました。先生の大学病院に入っ
ていた頃です。これは、そんなときにやってしまったことです。衝動
を押さえきれずにどうしても薬がほしかった。・・どうしようもなか
ったんです・・でも、本当は殺したかったのかも知れない。女の首夢
中で締めてたときは今まで感じたことのない最高の気分だった。女の
側でレコードが廻っていた。アヴェ・マリアって曲だ」


 似顔絵を描き終わった瑞穂(仲間由紀恵)は西島(オダギリジョー)
に「この人見つけたらどうするんですか?」「殺す。 冗談だよ。殺
人の時効は15年今更こいつ殺したって何にもならない」「私は西島
さんが本当はどう思っているのかわかりません。この人に会うことは
西島さんが自分自身に会うということです。この人を見つけないと西
島さんの事件は終わらないと思います。約束してください、復讐とか
恨みをはらすような、自分を見失うことは決してしないって」西島は
大きく行きを吐き、「何、勘違いしてるんだよ。やるとしても不幸の
手紙送るくらいだよ。これ、記念にもらっとく」似顔絵を西島はもら
って行く。

 廊下に出た西島を追って来た瑞穂に「これで、あの女の子が回復す
れば、19年前の犯人と今回の犯人が違うってはっきりするだろ」そ
の会話を内村(海東 健)は聞いていた。「19年前…」


 捜査一課に、昨日片岡が来たことを鶴田(益岡 徹)らに報告に樋
口が来ていた。大学病院時代の患者の片岡は当時は違っていたけど、
今は左手が義手だった。西島さんの事件は彼が病院に来なくなった後
のこと。でも、今回の事件は違うと言っている。佐藤(河原さぶ)が
入って来て「担当の刑事に確認したら、片岡の言ったことは本当のこ
とだった。レコードの件は犯人しか知り得ない事実だ」「時効になっ
た殺人だけ認めて、今回のことは違うなんて都合が良過ぎる」樋口は
鶴田らに「片岡が私のところに来たのがわかったら、西島くんは何を
するかわからない。彼に知らせないでくれる?」

 廊下で西島は運転免許課にアクセスするパスワードを知っている尾
崎(品川 祐)を捕まえる。

 佐藤は鶴田に片岡のアリバイを話す。事件前日、急ぎの仕事でパー
トの従業員と朝まで一緒だったらしい。事件当日の午後はひとりで得
意先に配達に行っている。


 『暴力刑事19年前の殺人事件の被害者の息子 犯罪者に過剰反応
 憎しみ消えず』東都日報の記事を手に広報課で話題になっている。
 隣の記者室から加奈子(京野ことみ)の悲鳴が「やめて下さい西島
さん」瑞穂らが急いで記者室に行くと内村の前に西島が対じしていた。
「どういうつもりなんだよ」「そうやってむきになるの悪い癖ですよ。
こっちは仕事でやっているんです。真実を送るのがうちらの仕事」西
島が内村に掴みかかろうとする。瑞穂が内村の前に立ち、内村の右の
頬を平手で叩く。「真実だからって、何書いてもいいってわけじゃな
いでしょ。この記事で傷つく人もいるんですよ」内村は止めに来た今
村課長(近藤芳正)を見て「今村さん見たでしょ?記者に暴力奮った
んですよ」「手が滑ったんですよ。滑ったのはあなたの手ですよ。記
者として手が滑ったとしか思えません」今村課長は瑞穂の方を向き
「あなたのためじゃありません。これ以上問題を大きくしたくなかっ
ただけですよ。この間の無断外出は査定につけておきましたからね。
暴力はいけませんねぇ〜」

 加奈子は記者室から出て行った西島を追い「すっきりしましたね。
これで片岡が捕まれば今回の事件解決ですね」訝しがる西島に
「19年前の西島さんの事件の犯人ですよ。樋口先生に盗品送りつけ
た。それで捜査してるんじゃないんですか?」

 西島はカウンセリング室へ入って行く。「片岡のことどうして黙っ
てた!宝石送ってきた奴がどうして片岡だって知ってて黙ってたん
だ!」と樋口の元に怒鳴り込む。


 捜査一課で西島の様子の報告を受けた鶴田は「西島の奴勝手なこと
を・・何をするかわからない 緊急配備だ。強盗殺人の参考人片岡
・・住所は川崎市。付近に西島がいたら保護しろ」


 片岡の工場へ鶴田班が出向く「何か焦げ臭いです」「踏込むぞ」鶴
田らが工場へ入ると薄暗い奥の方で血塗れになって倒れている片岡の
そばに西島が血だらけの手をして立っていた。後ろから亀田(矢島健
一)班が入って来る。「西島を確保しろ!」


 取調室 西島の取調べを亀田がする。「どうしておまえがあそこに
いた」「片岡に母を殺したのかどうか、確認するためです。工場に行
ったらドアから煙が見えました。中に入ると新聞紙が燃えていて、片
岡が殺されていました」亀田のうるさい尋問に西島が切れかかる。一
課長(升 毅)も助言をするが、西島は態度を変えない。見ていた鶴
田は一課長に「今日は返してやって下さい。私が責任をとります。逃
走の心配はありません。お願いします」亀田と一課長は取調室から出
て行く。

 取調室に残った鶴田は「ばっきゃろぅ・・なんで一人で先走った。
おまえは刑事だ。感情でつっぱしるなって言ったろ。俺のそばにいた
いんだったら、二度と勝手な真似すんな!」西島を涙目で見る。

 西島が取調室から出て来ると、廊下で瑞穂に会う。

 中庭に出た二人は「俺と一緒にいるとおまえも疑われる。似顔絵描
いたんだからな」「私が描いたのは西島さんの心の一部です。信じて
ます。西島さんは殺してません」「俺が殺した。誰かに先をこされた。
この手で殺してやりたかった」「でも、片岡を殺して恨みを晴らした
後、その先に何があるんですか?誰も帰っては来ません。お母さんも
西島さんの人生も。本当に殺したかったのはあなた自身じゃないです
か?西島さんは自分が許せなかったんです。お母さんが殺されるのを
見ていた自分が、守れなかった自分を憎んでいるんです」「おまえに
何がわかるんだよ!!あの時あの場にいたのかよ!人の心が読めるの
かよ。俺の気持ちは誰にもわからない…」


 病室で、樋口、七尾(田中律子)、加奈子、鶴田らがアヤナ(望月
瑛蘭)を囲む。アヤナはずっと声を発することが出来なかったが、出
来るようになった。瑞穂が呼ばれる。樋口が優しく「犯人を捕まえた
いの、協力してくれる?」皆が見守る中、アヤナの証言の元似顔絵が
作成される。その絵は、片岡ではなかった…

 県警に戻った鶴田は課員に似顔絵を配り「この男をすぐに指名手配
だ。こいつが片岡に盗品のネックレスを送ったとすれば…西島の無実
の鍵を握っている奴だ。何としてでも挙げろ」と叫ぶ。

 カウンセリング室で、樋口、加奈子、瑞穂は西島の無実を信じ安堵
する。また、アヤナの母親の事件と片岡の偽の義手の必要性を話して
いた。似顔絵の男が義手なら片岡はその男の振りをしていた…なんの
ために?・・樋口が知る片岡は、少年院を出たり入ったり、断れない
タイプ。ひっこみ思案でリーダー格の男にくっついて行動するタイプ。
そんな人が一人で強盗に入って殺人なんて出来るのか?でも、複数だ
としたら…西島さんの事件の似顔絵も記憶で描いた・・樋口は「それ、
記憶のすりかえかも知れない」

 西島は街で喧嘩をしている人達から、携帯が落ちるのを見ていた。
その携帯から音楽が流れる・・

 西島は慌てて県警に戻って来る。丁度帰宅するところの瑞穂に会う
「もう一度、もう一度最初から描いてくれ。思い出したんだ。もう一
人いたんだ。母の首を締めていた奴が、片岡じゃなかった。そいつは
振り向かなかった。片岡とは眼があった。

 -------19年前事件現場------
片岡が二階から降りて来る。片岡が「何やってるんだ。やばいよ。早
く逃げよう。向こうから逃げるんだよ」少年の側に片岡が来るが少年
と眼が会うと、入って来た庭から二人して出て行く-----

 音楽が聞えていた。母の好きな曲だ。アヴェ・マリア・・「殺人犯
はこの男です。片岡は西島さんを守ろうとしたんです」瑞穂は似顔絵
を描きあげ、西島に見せる。「強烈な体験をすると、一番印象深いも
のが記憶され、思い出すときにそれが主に出て来る。記憶のすりかえ
というそうです。アヤナちゃんが証言した似顔絵と比較すると、断言
は出来ませんが、頬骨の特徴はかなり似ています。」


 内村は、片岡の少年院時代を知るパチンコ屋の店主を訪れていた。
片岡が死んだことについて話を聞くと、「びっくりしましたよ。ここ
しばらく加西と離れて地道にやってたから、加西が強引に片岡を連れ
まわしていただけですよ」内村は加西のことを詳しく聞き出す。


 「加西 徹 47歳 19年前にフィリピンに行って、つい最近帰
って来たらしいです。おそらく帰国のパスポートは偽造だろ」鶴田の
方でも、似顔絵の男の身元が判明する。

 片岡の工場を訪ねる。従業員は加西が何度か来たことを証言する。

 似顔絵を描き終わって外に出た、西島は「加西は共同正犯を利用し
たんだ。実際手を下した実行犯と共犯者は同じ罪に罰せられるって」
瑞穂は続けて、「片岡は時効なのに、加西は共犯者も同じように時効
停止になるって騙したのね。もともと気の弱い片岡は加西に騙されて
自分の時効を成立させるために樋口先生のところに19年前の犯行を
告白しに来たのよ」 「先に言うなよ…」「はい」「でも、片岡は殺
された。おそらく加西  おまえもう帰れよ」「何する気ですか?」
「何もしないよ。謹慎中だし」「無茶しないで下さい」「わかった」


 西島は一人で歩いていると、また幻想に襲われる…ポケットに手を
入れる。片岡の工場にあったマッチ箱『フィリピンパブ』を見る。

 『フィリピンパブ』鶴田らが事情徴収に来ている。「加西の女なら
もうすぐ来ますよ。・・さっきも若い刑事さん一人来ましたよ」・・
鶴田は西島が来たことを知る。鶴田の携帯が鳴る。佐藤が「西島が拳
銃を携帯して出て行ったらしい」と報告がある。


 県警に戻った瑞穂に内村が声をかけて来る「平野さん、捜査本部も
今日辺り加西の家捜しするんじゃないの?」「知ってるんですか?加
西の居場所。教えて下さい、西島さんが向かっているんです」「そっ
ちの情報と交換だ。ただし、記者会見の一番前と平手撃ちはなし。も
っとましなの期待してるから」


 加西のマンションから派手な女が出て来る。加西は部屋で義手をは
ずしていた。

 どんどんどんどん…
ドアを叩く音がする。加西は無視をするが、音はなかなか止まない。
「東都日報ですー新聞とってもらえませんか?今なら巨人戦のチケッ
ト付きなんですけど…」
 どんどんどんどんどんど…

 「新聞いらねぇよー帰れ!」ドアを開け新聞勧誘員に怒鳴る。しか
し、ドアの前にいたのは西島だった。西島はドアを開けた加西の顔を
殴る。「警察だ。加西 徹 中村雅子の強盗殺人、片岡もおまえがや
ったんだろ」部屋に入って行く加西を追い、西島も部屋に踏込む。
「あいつがまともな暮らしがしたいなんていうからだよ」そう言い、
加西は西島が一人で来たことを確認し、部屋の外へ逃げる。

 「西島さん」西島を心配した瑞穂が丁度階段のところまで来ていた。
“西島”という名前を聞いた加西は「19年前の生き残りの餓鬼か。
新聞読むまで知らなかったよ。女を殺すのに忙しくて餓鬼がいたなん
て。あのときおまえもやっちまえば良かったなぁ。」「フィリピンか
ら戻って来たのが間違いだったな。片岡は上手く騙して殺したのに、
おまえは逃げられない」「19年間逃げられたんだ。今頃捕まってた
まるか」西島は腰から拳銃を取り出す。「西島さん落着いて下さい。
殺したら負けです」拳銃を取り出し、今にも加西を撃とうとする西島
を瑞穂は止めに入ろうと身を乗り出す。そんな瑞穂を加西が捕まえ
「撃ったらこの女も死ぬぞ〜」と瑞穂の首にナイフを突き付ける。

 やっと、鶴田班が到着し、鶴田は「加西、無駄な抵抗はやめろ」
「来たらこの女をかっきる」西島は足元にあった、子供用の乗り物を
加西に向けて蹴り飛ばす。加西がひるんだ隙に瑞穂は逃げる。西島が
体当たりをする。そして、加西の口に銃口を突っ込む。「おまえが死
ねよ」

 「馬鹿なことをするな!西島!」「西島さんもう終わったんです」
「おまえのママ良い体してたぜぇ〜」西島は引き金を引く。・・しか
し、弾は込められていなかった。鶴田らは加西を捕獲する。そして、
西島の拳銃を鶴田が預かる。「話は、帰ってからだ」

 加西をパトカーに乗せ、ふらふらと歩いていく西島を追う瑞穂を見
ていた加奈子は尾崎に「行きますよ」と声をかけられる。


 西島についてきた瑞穂は、「一人にしてくれ」と言う西島に「出来
ません。離れません。今、西島さんはからっぽです、そんなとき一人
には出来ません。両親のことがわかったとき私は自分を取り戻しまし
た。自分というものが本当に存在しているのかわからなかったんです。
だから、怖さも悲しさも何にも感じませんでした。生まれて始めて自
分が消えてもいいと思いました。でも、あなたがいた。消えてほしく
ないんです。西島さんは一人じゃないから…・」

 西島の目には、少年が見える・・その少年は笑っていた…その幻が
消える…「消えた」…「えっ?…私の目の前にいるのが本当の西島さ
んです…」


 「治療の続き受けに来ました」何かふっきれた顔の西島がカウンセ
リング室で樋口の前の椅子に座る。「あなたの治療はもう終わったわ。
本間一課長には“問題ない”って報告しておく。私の仕事はひとりで
は出来ない。共同作業なの。いつも誰かと支えあってるわよ」樋口は
西島の顔を見て言う。

 西島がカウンセリング室から出て来ると「西島さんこれ、読んでく
れました?」と内村が『義手の男逮捕』の見出しの東都日報を西島に
見せる。
 広報室の扉が開き、今村課長が「あぁ内村さん記者会見始まります
よ。とって置きましたから一番前」

 広報課から今村課長と内村のやりとりを聞いていた加奈子は「一度
瑞穂に似顔絵描いてもらえばいいのに・・」と瑞穂に話す。尾崎が
「僕も描いてもらえますか?」と言うが、瑞穂はそれには応えず微笑
し、広報課を出て屋上へ行く。


 屋上で、西島は瑞穂に「この世に顔の無い奴なんていないよ。認め
たくないんだ。自分の顔を。だろ?」「もしかしたら、この世で一番
つらいことは自分の顔を知ることかも知れない…それを知ったときか
ら本当に生きて行けるかも知れない」 西島の携帯が鳴り「わかった
すぐ行く」 瑞穂を残し戻る西島に「西島さん」瑞穂は呼び止め、ス
ケッチブックを見せる。「ぜんぜん似てない」笑いながらそう言い、
西島の顔が描かれた似顔絵をスケッチブックから破り取り「ありがと
う」と言い似顔絵を持って去って行く。


寸  評  あぁ終わってしまいました。警察ドラマでしたね。もうちょっと
恋愛要素がほしいところです。でも、19年前の事件も解決し、西島
の顔も描けたってことで、一件落着ですね・・

執 筆 者 田村(tamura_d@anet.ne.jp)

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2. 編集後記
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 この『顔』は本当に書き難かったです。場面で見せるのではなく、全て台詞
で説明してくれていましたので、書きながら「何ページの台本暗記してるんだ
ろう」と関心しました。HPで建物の中に煙幕をたいてる・・と書いてあった
ので、あんなに曇ってたんですね。(田村)

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発行元:ドラマ研究会
e-mail:info@j-drama.tv/
url   :http://www.j-drama.tv/
ID  :MM3E195F16414CD 
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